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プレジャーバトル2①

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「お客様~。金城様~。いかがでしたでしょうか。」

「30分経ちましたので、こちらにサインをお願いします。」


 設定が上手くはまったのだろう。お客様は気怠そうにしながらも、訪問設定係の僕の評価をAに〇してくれた。


 作業を完了し部屋を出ていこうとする僕の手を握り、金城様がおかしなことを言ってきた。

「あの、もし良かったら、この後、少しお時間ありませんか?設定してもらったお礼に、えっちしましょう。いえ、エッチさせてください。」

「僕が認定アドバイザーで良かったですね。ここできっぱりお断りできるのが認定アドバイザーなんですよ。」

「つべこべ言わなくていいの。認定アドバイザーなら、ゲーム機の不具合なのか使用者が不感症なのかを確認することもあるのよね?」

「言うこと聞かないならE評価に書き替えてクレーム入れるわよ。」



「わかりました。」


 ここまで錯乱した状態だと、この後、何をしでかすかわかったもんじゃないからな。
 
 僕は仕方なく、金城様のわがままに付き合うことにした。
 

 プレジャードリーミング内で何度もオーガズムに達して脳が敏感になっているお客様の体をイカせることなど造作もない。

 お客様の欲望を満たすために作られたゲームでエクスタシーハイになられてしまったお客様の欲望を満たす行為をすることに甚だ疑問を感じてしまうが仕方がない。

 先ほどゲーム内に登場したキャラの達也君の実際のモデルは自分なので、現実世界の生身の人間では、僕に太刀打ちできる女性はそう多くはないのだが、ここで強引にイカセてやり逃げするようなことをしてしまっては、認定アドバイザーの名が廃る。

 現実世界でも満足していただけるように、誠心誠意尽くさせてもらおう。




 金城様には、何度もイキながらどうしても中に出してくれとせがまれてしまい、中に出してあげると、涙と涎でぐちゃぐちゃの顔に一瞬笑みがこぼれ、今度こそ深い眠りについてくれた。

 一応僕くらいのプロレベルになると、勃起したまま小出しに放尿できるので、先ほどの中出しは当然のことながら小出しの放尿だ。

 愛液やら尿でぐちょぐちょになっている下半身をタオルで拭いてあげ、作業完了の控えをお客様のスマホに送信し、部屋を後にする。





 午前中1つ目の案件からこれじゃあ、先が思いやられるな。


 次の訪問先の場所と依頼内容をエアビジョンタブレット端末を開いて確認し終えたところで、自動運転で僕を運んでいく社用車が高級マンションの駐車場に入っていき、お客様用スペースに駐車した。


 え~と、これから訪問するお客様の購入したソフトは、プレジャーバトル2か。

「失礼します。」

 部屋に通され、起動してあったゲーム機の前に座り、お客様の希望にそった設定を行っていく。

「それでは、設定が完了致しましたので、ヘッドギアを取り付けて、ベッドに横になってください。」

「初回無料出張には、30分見守りサービスも付随していますので、安心してご利用ください。」

 プレジャーバトル2がスタートし、お客様が眠りについていく横で僕は、いつもなら30分見守っている間に次の訪問先の場所と依頼内容をエアビジョンタブレット端末を開いて確認するのだが、今回のお客様も、心配なのでゲームの中で見守って欲しいという要望のため、同時接続でゲームの中に入っていく。


 プレジャーバトル2は単純なセックスバトルだったプレジャーバトル1の欠点部分を大幅にリニューアルして世に出された傑作で、チュートリアルでは成りたいバトルスタイルの師匠の下に弟子入りしてから基本の操作を憶えていく方法と、いきなり敵の本拠地に捕まり洗脳強化手術を受けて敵組織に鍛えられていく方法が選べる。


 どちらの道を選んでも、同じような性技を獲得していけるのだが、師匠モード選択者は、タッグマッチで師匠とペアを組めるというのが高評価を得ていて、敵組織モードを選択すると、タッグマッチで敵組織の貴公子、アイビスとペアを組めるのが女性には嬉しいらしい。

 VRの中での見守りサービス時には、お客様が間違った使い方をしていないかアドバイスができる管理者NPCモードがあり、今回はゲーム機の使用自体初めてのお客様だったので、NPCモードを積極的に使わせてもらうことにした。


 ゲーム内にログインすると、チュートリアルの段階で迷っているお客様の姿が目に入ってきた。

 どちらのモードを選択するかはVR内に入って直感を信じて選ぶと言っていたのに、全然選べてないじゃん。

 僕は瞬時にNPCに成り切り、お客様に近づいて悩みを聞いてあげた。


 やはり師匠の中で1番人気のアリオスと、敵組織の同僚のアイビスのどちらを選択するかで、悩んでしまっているようなので、とっておきの裏技を伝授した。

 設定の中にある、お試しタイムボタンを押してから、師匠の館に行き、弟子入りを志願し、自分の師匠となるアリオスと軽く手合わせを願い、すぐにその後、敵組織内のアイビスのところに行き、手合わせを願うのだ。

 お試しタイムボタンを押している間は、ストーリーの進行をストップできるので、それぞれの相手と1回お試しエッチをして、相性の良い方を選べばいいのだ。


 NPCに扮した僕がお話しをして聞いたところによると、お客様の新高輪琥珀さんは、名門女子校通いの18歳になりたての世間知らずのお嬢様だそうで、いざゲーム内とはいえ殿方とエッチなことをすると考えただけで緊張して足がすくんで動けなくなってしまったようなのだ。

 仕方なくNPCの僕が琥珀さんを抱きかかえ、師匠の館まで連れていこうとすると、僕の目を見つめながら琥珀さんがおかしなことを言ってきた。

 お試しエッチしに行く前に、NPCのあなたでお試しエッチしてもらえないでしょうかと。


「お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

「僕ですか?達也ですが。」

「達也さん、私の初めての相手になってください。」


 ええまあさっき聞きましたから2度も言わなくていいですけど、あ、そうか、彼女は僕のことをNPCだと思っているから、話が理解できているのか確認しているのか。

 まあ、足がすくむほど怖がっていては、この先のストーリーなんて進めるはずもない。ここは彼女の思いに応えるため、手伝ってあげることにしよう。


 だがここはあくまでVRの中、ここでエッチしたからと言っても現実では何も起こっていないのだから、、、そういうことか、彼女は生粋のお嬢様で同年代の男子と会話すらしたこと無いから、このゲーム内で場数を踏んで、現実で男の人とお付き合いしていくつもりなのか。

 身勝手な推論ではあるが、それほど的外れなことは言ってないと思う。

 新高輪琥珀さんをお姫様抱っこしたまま、緊急見守りモードを発動し、比較的キレイ目な高級宿に入っていくことにした。
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