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痛みの快楽

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パァーン

パァーン

無慈悲なくらいにその音が部屋にこだましている。

「いやぁ…いた…ぃ。いたいのぉ…。」

必死に声を上げるカテリーナに、フィリップは一切の容赦も見せなかった。

いや、フィリップも初めは数回お尻を叩いて、こういうお仕置きがあるのだとカテリーナが理解したら、今日の所はそれで止めるつもりだった。

しかし、お尻を叩いてやれば、その度にフィリップの指を食いちぎらんばかりに締め上げられるカテリーナの秘所と彼女の反応に手加減など不要だと早々に考えを改めていた。

「痛いだけじゃないだろ?気持ちいいと感じたら素直に言えと伝えたはずだ。」

普段よりフィリップの言葉が荒々しいのは、予想外のカテリーナの痴態に彼が興奮している証拠だった。

パァーンっ

「あぁ…ひぃ…きもち…きもちぃの。あぁ…痛いのきも…ちぃ。」

カテリーナはフィリップから痛みが与えられる度にゾクゾクと身体を快感が駆け抜けるという自分でも受け入れ難い現象に涙が溢れた。

「はぁ、尻を叩かれて感じるとは、とことん淫乱な変態だな。」

フィリップが呆れた顔をしているのに、それすらも、今のカテリーナには快感の一つだった。

「あぁ…もうしわけござ…ましぇん…。」

「何について謝っているのかハッキリ言え。」

パァーンっ

「いっ…。お仕置き…で、お尻を…叩かれて、感じてしまう変態で…ごめんなさい。」

「よくわかっているじゃないか。ご褒美にまたお尻を叩いてイかせてやる。」

パァーンっ

既にカテリーナのお尻は赤く腫れ上がっている。

フィリップがそれに気付き、この行為の引き際を決めたのは、カテリーナにとって幸か不幸か…。

「いや…もぉ…お許し下…ぃ。お尻叩かれてイクの…恥ずかしぃ…。あぁ…。」

カテリーナがポロポロと涙を流すので、フィリップはピタリと手を止めた。

「お仕置きが嫌なら、どうしろと言った?」

何を問われたのかカテリーナは一瞬わからず、考えを巡らせたが、お仕置きが始まる前のやり取りをすぐに思い出した。

「自慰を!自慰をするところをお見せします。だから、これ以上お尻は叩かないで…変になってしまいます。」

変になりそうなのは、カテリーナに想像以上のマゾ素質があるからだけど…とフィリップは心の中で笑った。

「お見せします?僕に見て欲しいなら、ちゃんとお願いするんだ。」

もちろん心の中で笑おうとも、フィリップは表情に出したりはしない。
だって、今はお仕置きの時間なのだから。

「…どうか、カテリーナの自慰をご覧下さい。お願いします。」

カテリーナは普段、自分の事を私と呼ぶが、お願いの時はカテリーナと言う方がフィリップが嬉しそうな顔をするのを知っていた。

しかし、そこまで考えた彼女にとっての渾身のお願いは、フィリップにあっけなく無視される。

「…」

話はそれだけか?とフィリップが無言のままに伝えてくる。

「あ…お…お願いします。淫乱なカテリーナが自分で大切なところをぐちゃぐちゃにして達するところをご覧下さい。」

カテリーナに思いつく限りのはしたない言葉でお願いすると、フィリップがやっと笑顔をみせた。

「いいだろう。始めろ。」

フィリップはカテリーナの手のロープを解くと、先程同様、ベッドの脇の椅子に腰掛けた。

その鋭い視線がカテリーナを評価する様に見定めている。

ドクンっとカテリーナの心臓が跳ねた。

私…フィリップ殿下に見られているだけで…感じているの?

カテリーナはフィリップの方へ向き直り、まずは胸を刺激し始めた。

「何をしているのか、ちゃんと説明しろ。どう感じているのかもだ。」

普段と違う鋭いフィリップの口調で言われると、カテリーナは全て彼の言うことに従いたい気持ちになる。

「あっ…カテリーナは…胸を揉んでいます…あぁ…。固く膨らんだ所を…あっ…触ると…うっ…ふぅ…とても気持ち良くて…あぁ、もっと欲しく…なります。」

カテリーナの痴態を、フィリップが表情一つ変えずに見ているという異様な空間が、カテリーナをあり得ないほど興奮させた。

フィリップ殿下に…お見せしたい…。
もっと喜んでいただきたい…。

もうカテリーナはその事しか考えていない。

もっと乱れた自分を見せれば、フィリップ殿下は喜んでくれるだろうか…。

その一心で、カテリーナは自らの秘所に手を伸ばし、既に蜜液の溢れ出るそこを指で広げた。
そして、その中までフィリップに見せるように、太ももを大きく割開いて、腰を前に差し出した。

「フィリップ殿下…フィリップ殿下…ご覧下さい。カテリーナのいやらしい穴を見て下さい。」

カテリーナの秘所はフィリップの視線に晒されるだけで、中から止めどなく蜜が溢れ出す。

もう…私はフィリップ殿下の言う通り、淫乱になってしまったんだわ…。
殿下に見られて…熱い…。

カテリーナがその熱しきった部分にすぐに手を伸ばさなかったのは、先程、フィリップに言われた事を忠実に覚えているのだ。

「どうか…カテリーナが自分のいやらしい穴を慰める事をお許し下さい。」

「よい。許可する。」

そんな、公式の場でも中々出さないような威厳をどこで発揮してるんですか…と控えの間にいるアンディは思っているが、密室の2人には関係のない事だ。

「あぁ…フィリップ殿下…あっ…いぃ…きもち…ぃ。中から…いやらしい液が…どんどん溢れ…あぁ…あっ…でんかぁ…。」

フィリップは異常なる執念を持って、カテリーナの痴態を観察していたが、本当のところは既に限界に近かった。

痛いほど主張する自身のものが、すぐにでも彼女の中で暴れさせろと叫んでいる様だ。

「上出来だよ、カテリーナ。本当にいい子だね。」

カテリーナに近付いたフィリップが、笑顔で彼女の頭を撫でた。

カテリーナはその高揚感と自分で与えた刺激によって軽く達してしまう。

「フィリップ殿下…。」

「可愛い僕だけのリーナ。愛してるよ。」

フィリップが優しい口付けを落とす。

「私も…。」

その後の言葉は恥ずかしくて続かないが、フィリップはわかっていると言う様に頷いた。

「ねぇ、リーナ。そろそろ僕に純潔を捧げる気になった…?」

フィリップのその言葉に、カテリーナは幸福感の絶頂から一気に現実に引き戻された。

フィリップ殿下に純潔を…?

嫌な訳ではない。
自分が彼を愛している事はカテリーナの中でも明白だ。
そして、自分のメスの部分が彼が欲しいと強く訴え掛けた。

でも…。

フィリップ殿下の皇太子としてのお立場は…?

聖女としての責任は…?

「申し訳ありません…、あの…、」

その時、カテリーナの瞳に映ったのは、初めて見るフィリップの泣き出しそうな顔だった。
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