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下町デート
魔法によるもの
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アナスタシア様の喜ばしい姿が見れてよかった。イヤリングも大事そうに揺らしている。そんな姿を目に焼き付けているとき。ざわざわと観客達の声が歓喜から悲壮に変わり始めている。
何事かアナスタシア様から目を離すと、先ほどまで明るかった空がだんだん暗くなり始めている。黒いモヤのような雲が立ち昇っている。
なんだこれ?アナスタシア様の顔もだんだん青ざめていく。
私は彼女の手を掴み立ち上がらせる。
刃のような物が出来上がっていく。矛先が私の方を向いている。移動しても向きが私が移動する方向に変わる。
これは私を狙っている?
ならアナスタシア様と一緒に逃げない方がいいのではないか?
と思っていた。
彼女が叫ぶまで。
「皆さん!逃げて下さい。あれが落ちてくるとここの瓦礫などが周囲に飛び散る可能性が非常に高いです!!」
どこまでも響く澄んだ声で叫び始めた。
音楽も鳴り止んでいたため、周囲には的確に届いたであろう。花が周りに散らばり始めた。先ほどまで観客にいた方々にくっつき始めている。こんな非常時にまた新たな現象が起きている。赤ん坊や小さい子供には髪飾りに、大人には背中についていた。
小さい子供を連れている親子や、老人の方を誘導し始める青年や音楽隊。
私たちも逃げよう。
いや、私1人で逃げた方がいい。
彼女を巻き込めない。
先ほどまで逃げようとした進路を変える。海付近まで走れば5分ほどで着ける。
それまでに街を逃れたい。
間に合うかな。
アナスタシア様は進路を変えた私に追いつけないと踏んで全速力で走る。
だけど後ろからタッタっと音が鳴る。ヒールを鳴らしている音に似ている。
恐る恐るみると帽子を押さえながらついてきている彼女がいた。
「アナスタシア様逃げて下さい。きっとあれは私を狙って…」
「知っています。だからついてきています。私作戦があるのですが走りながらでもいいので聞いて下さい。」
私の話にかぶせ気味に叫んだ。
作戦?私に何かできることがあるのか。
舗装された道を抜け砂利道に変わっていく。
「いいですかアルバート様!アルバート様がお持ちになられている闇魔法で、自分を包み込んでください。」
防御魔法ではあるがあのようなでかい刃では太刀打ちが難しいと思うが。アナスタシア様の願いは聞き届けたい。
海には間に合わず、刃が降ってきていた。スピードは早くもないが遅くもない。徐々に迫ってくる、刃に、ドキドキと鼓動を打つ。
アナスタシア様も一緒に防御魔法に入れないと危ない。彼女に近寄り抱きしめる。
「あ、アルバート様!?」
「大丈夫です。守ります。」
「…はい。あの、しっかり魔法を唱えて念じて、最大限出し尽くして下さい。私も頑張りますので。」
最後の言葉は聞き取れなかったがアナスタシア様のいうとおりに防御魔法では小さい範囲ではあるが硬く丈夫なシールドを張り巡らせる。
周りには古民家があるがどうしても海辺までは無理だった。あとで父に相談しよう。
刃が当たるという時点でアナスタシア様も詠唱し始めた。
ドゴオオーンという音が響いた。
目を閉じてしまった。最後に彼女を見たのは永正している姿。
アナスタシア様の温もりがある。
きっとだいじょうぶ。
目を開けると最初に入ったのは、瓦礫が飛び散っていた。
古民家は半壊していたが、最小限の被害のように思える。もっと酷いものを想像していたが良かった。けが人もいないはず。
次はアナスタシア様の頭が目に入った。綺麗な薄ピンク色で癒される。
帽子はどこかで脱げたのだろう。
また新しいものをプレゼントすればいい。なんて呑気に考えていた。
私の魔法の周りにはたくさんの花がカモフラージュされている。
ああ、アナスタシア様が付与してくださったのだと気づいた。
「アナスタシア様?」
一向にも顔を上げない。呼び掛けても彼女はびくりともしなかった。
心配になり彼女を私の胸から遠ざけてみると、すやすやと眠っている。
ひとまず安心した。
魔力の使いすぎのようだ。
もう一度彼女を抱きしめ、事の経緯を辿ることにする。
飛散している瓦礫に注目すると真っ黒になっており、モヤのような物が包んでいた。
原因の魔法だろうが闇魔法でもなければもしかしたら禁忌魔法に手を染めた者がいるのかもしれない。
魔力の量からして魔法学校卒業生か、在校生。
私を狙った理由は探せばたくさんある。
そんな恨みにアナスタシア様始め多くの民を巻き込むなんて王族失格だ。
「ゆっくり休んでください」
数時間が経ち、彼女を抱きしめたまま地面に座る。すやすやと寝息を立てている彼女を見続けているが飽きがこない。
遠くでアナスタシア様を呼ぶ声が響く。
眠っている彼女を心配そうに覗き込むシャネットに託し、馬車を手配した。
私は広場まで足を運んだ。
瓦礫の処理は騎士達に任せた。古民家は誰も住んでいなかったようで、被害はなかったそうだ。それが聞けるだけでも安心した。
黒いもやがどこから発生したのかわからないが瓦礫の一部を持って、中央部まで来ると父がいた。
「お、珍しいなアルバートがここにいるの。」
「父上も」
「どでかい音が響いたからね…怪我はないか?」
心配そうに覗き込んで私の体を心配する。どこも怪我がない私を見て安心された様子で、中央部から伸びている家に注目していた。そこに何かあるのだろうか。
「あそこからすごい魔力が放出された痕がある。今調査班が調査しているがなかなか出てこない。」
何かの空き家なようだが、これと言ってパッとした家ではない。
「2人あの家から倒れているものを保護した。それきりなにもない」
父は綺麗な金髪をかきあげて私の方をもう一度向いた。
呆れたような顔つきだ。
私が原因なのは間違いないのだろう。
「ちなみに聞くが、想いを寄せられている自覚はないか?」
当てはまる人物は何人かいるが相手にはしていない。心に決めた相手がいることを全員に伝えた。
私の表情が変わったことを見て父はやはりかとため息をついた。
「ミラ・ヤヨイという女生徒がアルバートの通う魔法学校に在籍しているが知っているか?」
知らないといけないような口ぶりだ。
確かに聞いた事のある名前だ。
だがそんな女性が今回の事件を起こしたのだろうか。
私や兄は魔力の多いものを抽出して危険がないかを調べていたが今回の事件の名前に出たミラという人物はいなかった。
「知りませんが聞いた事あります。」
「ではアイト・スデーラン・ヨークは?」
兄と調べた魔力の高いリストに彼は入っている。それに調べなくても彼がどれほどの魔力の持ち主か知っている。
庶民から貴族がほぼいる魔法学校に入学しているからだ。
今年度も1人女生徒が入学していた。が彼の方が圧倒的に魔力が大きい。兄と私と並ぶくらいである。
「彼の仕業のようだね。」
父が心底冷めたような声で告げる。
なにが原因でこのような魔法を出したかわからない。
だがまだ私を狙った魔法だということは言わない方が良さそうだ。
今言ったらもしかしたらヨーク殿は死刑になるかもしれない。理由を聞いてからでもおかしくない。
被害がある海辺付近の道に父を案内する。私が手に持っていた瓦礫が気になったようで案内したが惨状を見て父がそう急に学者を呼べと従者に指示を出していた。
黒いもやが立ち込めるところを見ると先ほどより魔力を吸い込んでいるのかもしれない。
このモヤは一体なんだろう
父でもわからないもの
「これは禁忌魔法の一種だ。アルバートもすぐにその瓦礫を捨てなさい。」
言われた通り元の場所に放り投げる
「ヨーク殿に恨まれるようなことはしたのかい?」
私は名前こそ知っているが関わりを持ったことはない。
案内係で一度見かけたぐらいだ。
それだけの認識なのだが。
きっと被害者の1人であるミラ嬢が目を覚ましてくれれば良いのだが。
状態が良くなれば彼女は家に返されるようだ。今は国家病院内に2人は入院していると聞く。
ミラ嬢は何か知っているのかもしれない。一度彼女の家にお邪魔しよう。
父と処理に追われている学者と騎士と従者に私のせいですみませんと一言謝り私も休養に入ることにした。
屋敷に戻ると心配したように兄が私の帰りを待っていた。
「大丈夫か?」
「ああ。アナスタシア様も無事だよ。民も被害なしだ。」
「アルは?」
きっと兄は一番心配していたのはアナスタシア様のことだろうと思っていたが首を振り私の心配をしてくれた。いい兄を持ったな。
「魔力が切れかかっているぐらいだな。父には内緒にしているがあれは私を狙った禁忌魔法だった。」
「なぜ内緒にした?」
ふつふつと怒りをあらわにしている兄が珍しかった。兄は基本穏やかで、戦ごとには無関心で平和ボケしているところが多い。
「理由を聞こうと思う。今後同じことがないように。禁忌魔法の入手法も聞いときたい」
「そんなことアルがしなくてもいいだろう」
心配そうに私に寄り添う兄は本当に良い人だ。仮にも彼の婚約者になろうとした令嬢を横から掻っ攫った男に対してするような反応ではないはずなのに。
「危険だが今は大丈夫だよ。話を聞きたい。そのあとは国の法律に任せる。」
王に犯罪を起こせば理由など聞かずに首を切られる法律があるため下手に私が狙われたなんて言えない。
多分兄が狙われていたとしても同じことをこの人はしていただろう。
「私は意見を曲げるつもりはないよサナ」
「そんな顔をしている」
兄は笑い私の背に手を回して部屋まで連れて行ってくれる。医者が私の部屋に待機していてそれからは医者の治療が始まった。
魔力はないが怪我もない
休むだけだ。
そう思っていたのだが。
それから私の体調はだんだんと悪くなっていく。
何事かアナスタシア様から目を離すと、先ほどまで明るかった空がだんだん暗くなり始めている。黒いモヤのような雲が立ち昇っている。
なんだこれ?アナスタシア様の顔もだんだん青ざめていく。
私は彼女の手を掴み立ち上がらせる。
刃のような物が出来上がっていく。矛先が私の方を向いている。移動しても向きが私が移動する方向に変わる。
これは私を狙っている?
ならアナスタシア様と一緒に逃げない方がいいのではないか?
と思っていた。
彼女が叫ぶまで。
「皆さん!逃げて下さい。あれが落ちてくるとここの瓦礫などが周囲に飛び散る可能性が非常に高いです!!」
どこまでも響く澄んだ声で叫び始めた。
音楽も鳴り止んでいたため、周囲には的確に届いたであろう。花が周りに散らばり始めた。先ほどまで観客にいた方々にくっつき始めている。こんな非常時にまた新たな現象が起きている。赤ん坊や小さい子供には髪飾りに、大人には背中についていた。
小さい子供を連れている親子や、老人の方を誘導し始める青年や音楽隊。
私たちも逃げよう。
いや、私1人で逃げた方がいい。
彼女を巻き込めない。
先ほどまで逃げようとした進路を変える。海付近まで走れば5分ほどで着ける。
それまでに街を逃れたい。
間に合うかな。
アナスタシア様は進路を変えた私に追いつけないと踏んで全速力で走る。
だけど後ろからタッタっと音が鳴る。ヒールを鳴らしている音に似ている。
恐る恐るみると帽子を押さえながらついてきている彼女がいた。
「アナスタシア様逃げて下さい。きっとあれは私を狙って…」
「知っています。だからついてきています。私作戦があるのですが走りながらでもいいので聞いて下さい。」
私の話にかぶせ気味に叫んだ。
作戦?私に何かできることがあるのか。
舗装された道を抜け砂利道に変わっていく。
「いいですかアルバート様!アルバート様がお持ちになられている闇魔法で、自分を包み込んでください。」
防御魔法ではあるがあのようなでかい刃では太刀打ちが難しいと思うが。アナスタシア様の願いは聞き届けたい。
海には間に合わず、刃が降ってきていた。スピードは早くもないが遅くもない。徐々に迫ってくる、刃に、ドキドキと鼓動を打つ。
アナスタシア様も一緒に防御魔法に入れないと危ない。彼女に近寄り抱きしめる。
「あ、アルバート様!?」
「大丈夫です。守ります。」
「…はい。あの、しっかり魔法を唱えて念じて、最大限出し尽くして下さい。私も頑張りますので。」
最後の言葉は聞き取れなかったがアナスタシア様のいうとおりに防御魔法では小さい範囲ではあるが硬く丈夫なシールドを張り巡らせる。
周りには古民家があるがどうしても海辺までは無理だった。あとで父に相談しよう。
刃が当たるという時点でアナスタシア様も詠唱し始めた。
ドゴオオーンという音が響いた。
目を閉じてしまった。最後に彼女を見たのは永正している姿。
アナスタシア様の温もりがある。
きっとだいじょうぶ。
目を開けると最初に入ったのは、瓦礫が飛び散っていた。
古民家は半壊していたが、最小限の被害のように思える。もっと酷いものを想像していたが良かった。けが人もいないはず。
次はアナスタシア様の頭が目に入った。綺麗な薄ピンク色で癒される。
帽子はどこかで脱げたのだろう。
また新しいものをプレゼントすればいい。なんて呑気に考えていた。
私の魔法の周りにはたくさんの花がカモフラージュされている。
ああ、アナスタシア様が付与してくださったのだと気づいた。
「アナスタシア様?」
一向にも顔を上げない。呼び掛けても彼女はびくりともしなかった。
心配になり彼女を私の胸から遠ざけてみると、すやすやと眠っている。
ひとまず安心した。
魔力の使いすぎのようだ。
もう一度彼女を抱きしめ、事の経緯を辿ることにする。
飛散している瓦礫に注目すると真っ黒になっており、モヤのような物が包んでいた。
原因の魔法だろうが闇魔法でもなければもしかしたら禁忌魔法に手を染めた者がいるのかもしれない。
魔力の量からして魔法学校卒業生か、在校生。
私を狙った理由は探せばたくさんある。
そんな恨みにアナスタシア様始め多くの民を巻き込むなんて王族失格だ。
「ゆっくり休んでください」
数時間が経ち、彼女を抱きしめたまま地面に座る。すやすやと寝息を立てている彼女を見続けているが飽きがこない。
遠くでアナスタシア様を呼ぶ声が響く。
眠っている彼女を心配そうに覗き込むシャネットに託し、馬車を手配した。
私は広場まで足を運んだ。
瓦礫の処理は騎士達に任せた。古民家は誰も住んでいなかったようで、被害はなかったそうだ。それが聞けるだけでも安心した。
黒いもやがどこから発生したのかわからないが瓦礫の一部を持って、中央部まで来ると父がいた。
「お、珍しいなアルバートがここにいるの。」
「父上も」
「どでかい音が響いたからね…怪我はないか?」
心配そうに覗き込んで私の体を心配する。どこも怪我がない私を見て安心された様子で、中央部から伸びている家に注目していた。そこに何かあるのだろうか。
「あそこからすごい魔力が放出された痕がある。今調査班が調査しているがなかなか出てこない。」
何かの空き家なようだが、これと言ってパッとした家ではない。
「2人あの家から倒れているものを保護した。それきりなにもない」
父は綺麗な金髪をかきあげて私の方をもう一度向いた。
呆れたような顔つきだ。
私が原因なのは間違いないのだろう。
「ちなみに聞くが、想いを寄せられている自覚はないか?」
当てはまる人物は何人かいるが相手にはしていない。心に決めた相手がいることを全員に伝えた。
私の表情が変わったことを見て父はやはりかとため息をついた。
「ミラ・ヤヨイという女生徒がアルバートの通う魔法学校に在籍しているが知っているか?」
知らないといけないような口ぶりだ。
確かに聞いた事のある名前だ。
だがそんな女性が今回の事件を起こしたのだろうか。
私や兄は魔力の多いものを抽出して危険がないかを調べていたが今回の事件の名前に出たミラという人物はいなかった。
「知りませんが聞いた事あります。」
「ではアイト・スデーラン・ヨークは?」
兄と調べた魔力の高いリストに彼は入っている。それに調べなくても彼がどれほどの魔力の持ち主か知っている。
庶民から貴族がほぼいる魔法学校に入学しているからだ。
今年度も1人女生徒が入学していた。が彼の方が圧倒的に魔力が大きい。兄と私と並ぶくらいである。
「彼の仕業のようだね。」
父が心底冷めたような声で告げる。
なにが原因でこのような魔法を出したかわからない。
だがまだ私を狙った魔法だということは言わない方が良さそうだ。
今言ったらもしかしたらヨーク殿は死刑になるかもしれない。理由を聞いてからでもおかしくない。
被害がある海辺付近の道に父を案内する。私が手に持っていた瓦礫が気になったようで案内したが惨状を見て父がそう急に学者を呼べと従者に指示を出していた。
黒いもやが立ち込めるところを見ると先ほどより魔力を吸い込んでいるのかもしれない。
このモヤは一体なんだろう
父でもわからないもの
「これは禁忌魔法の一種だ。アルバートもすぐにその瓦礫を捨てなさい。」
言われた通り元の場所に放り投げる
「ヨーク殿に恨まれるようなことはしたのかい?」
私は名前こそ知っているが関わりを持ったことはない。
案内係で一度見かけたぐらいだ。
それだけの認識なのだが。
きっと被害者の1人であるミラ嬢が目を覚ましてくれれば良いのだが。
状態が良くなれば彼女は家に返されるようだ。今は国家病院内に2人は入院していると聞く。
ミラ嬢は何か知っているのかもしれない。一度彼女の家にお邪魔しよう。
父と処理に追われている学者と騎士と従者に私のせいですみませんと一言謝り私も休養に入ることにした。
屋敷に戻ると心配したように兄が私の帰りを待っていた。
「大丈夫か?」
「ああ。アナスタシア様も無事だよ。民も被害なしだ。」
「アルは?」
きっと兄は一番心配していたのはアナスタシア様のことだろうと思っていたが首を振り私の心配をしてくれた。いい兄を持ったな。
「魔力が切れかかっているぐらいだな。父には内緒にしているがあれは私を狙った禁忌魔法だった。」
「なぜ内緒にした?」
ふつふつと怒りをあらわにしている兄が珍しかった。兄は基本穏やかで、戦ごとには無関心で平和ボケしているところが多い。
「理由を聞こうと思う。今後同じことがないように。禁忌魔法の入手法も聞いときたい」
「そんなことアルがしなくてもいいだろう」
心配そうに私に寄り添う兄は本当に良い人だ。仮にも彼の婚約者になろうとした令嬢を横から掻っ攫った男に対してするような反応ではないはずなのに。
「危険だが今は大丈夫だよ。話を聞きたい。そのあとは国の法律に任せる。」
王に犯罪を起こせば理由など聞かずに首を切られる法律があるため下手に私が狙われたなんて言えない。
多分兄が狙われていたとしても同じことをこの人はしていただろう。
「私は意見を曲げるつもりはないよサナ」
「そんな顔をしている」
兄は笑い私の背に手を回して部屋まで連れて行ってくれる。医者が私の部屋に待機していてそれからは医者の治療が始まった。
魔力はないが怪我もない
休むだけだ。
そう思っていたのだが。
それから私の体調はだんだんと悪くなっていく。
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