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パーティー 

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兄と戦闘を繰り広げたと言っても過言ではないアナスタシア様は特に異常なく、数日間過ごされた。

「アナスタシア様、ドレスの色は何色がいいですか?」

なんのことかわかっていないアナスタシア様はぽかんとされている。

「私がパーティーに誘ったのでドレスを送ろうかと思いまして」

「えっそんないいです。着ていないドレス何着かありますし。」

全力で断りを入れるアナスタシア様は使用しているリボンがばちばち当たっている。
普通に痛そう。
アナスタシア様の顔を掴み、首を止める。

「送らせてくれないか?」

「…ではお願いします。」

至近距離で見ているため照れていく彼女が可愛い。

「何色がいいですか?」

少し考えてアナスタシア様はなんでもいいと言った。
なんでもいいか…

悩むな
可憐に見せるなら赤か黄色
クールに見せるなら黒か青色
可愛く見せるならピンクか水色
セクシー(しないけど)に見せるならレッドワインか深緑

白色は使ってはいけない花嫁のみ着用可能のため候補にはない。


家に帰り、デザイナーを呼んでドレスと私はスリーピーススーツに決めていた。
前回、マーメイドドレスだったアナスタシア様
豊満な胸にキュッとしている臀部マーメイドドレスはすごく目を引いていたが、顔立ちからするとAラインかプリンセスドレスが似合う。
だが目立つのは私の意思ではないので、エンパイアラインを今回は使用しようと思っている。

「アルバート様楽しそうですね。」

デザイナーのおばちゃんは私と兄の専属であるが本当は女性のドレスを作りたがっていたため今回頼んでみたら快く受け入れてくれた。

「何色かお決まりですか?デザインは私にお任せください。隣に映えるアナスタシア様を一段と綺麗にしますわ」

「そうだなー」


パーティーの日になった。控室でアナスタシア様を待っている。上級生と二年生と私たち4人の、一年生と中枢を担う両親一部により始まる
人数は少ないものの豪華に行われるためメディアも注目している
絵師がたくさんいるため郊外に出ると思う。
昨日、出来上がったドレスを贈った。
アナスタシア様が直で受け取ったようですごく喜んでいたと報告受けている。

「アルバート様よろしいですか?」

扉の向こうからデザイナーの声が聞こえてくる。私のメイクなどはほったらかしで、アナスタシア様の方に向かった。
別にいいのだが、専属として兄もほったらかしにしてよく首にならないものだ。

返事をし、扉が開いた。
そこにはそこら中の花嫁にも負けないぐらいドレスを着こなしているアナスタシア様がいた。色は薄紫にした。私もベビーブルーという珍しい染めに挑戦してもらっている。
髪も綺麗なストレートではなくウェーブがかかっており、学園の時との印象で新鮮さが出ている。
一言で言うなら、可愛いだ。

「何かおっしゃられたらどうですか?」

しばらく呆然と、アナスタシア様をガン見していた自信しかないのだが、デザイナーからの一声で我に返った。ハッとし、アナスタシア様をもう一度視界内にいれる。
目と目が合いそこで、感謝を述べる。

「もともと美しいアナスタシア様が、更に美しくなるなんて、エスコートさせていただくことが喜ばしいです。」

「うふふ、いえ、アルバート様のセンスが良いのですわ。ありがとうございます。せっかくですので本日は楽しみましょうね?」

その黒尾をかしげる仕草もなんともかわいい。
計算していないと言われたら、疑問しか出ないが、近寄ってくるわけでもなくすぐにデザイナーと話し始めるアナスタシア様を見ると素でアレをしている天才だ。
心を鷲掴みにされた私は、アナスタシア様の方に近づき手の甲に唇を落とす。

「アナスタシア様がかわいらしくて仕方ないのは承知でございますが、私がいなくなってされていただくように申し上げます。」

目に毒です。と言って去っていくデザイナーは、ルンルンとした足取りで目と鼻の先にある兄の客室に向かった。

改めて見るが、プロポーション抜群の体型にウェーブが効いた髪型にアクセントにキラキラとしたラメが散りばめてある
今回のパーティーは主役でないため豪華な髪飾りなどは使用していないがこれだけでも絵となる。

来賓の目線を独り占めできるんではないんだろうか。

私たちは一番下っ端である今回のパーティーだが、位で言えば父を抜くと私たちは一番の上客となる。
そのため入場案内があるためゲートの方まで2人で歩くその間、沈黙が続いているが、何を話そうか悩んだりはしない。彼女の顔が緊張の面になっていたからだ。
何か緊張をほぐす一言でもあればいいのだけど、この顔を見るのも一興である。

入場のファンファーレが鳴り響いた時後ろに兄とレイラ嬢がやってきた。

ワインレッドのベルベット生地のタキシードとマーメイドラインの黄緑のドレスを着ている。
この2人は相変わらず仲が良い。

「レイラ様ご機嫌よう」

「アナスタシア様御機嫌よう。お疲れですか?」

「いいえ緊張していまして。」

レイラは本気でアナスタシア様を心配している。こういう計らいができるのは女子特有だと思う。
女子力を少し鍛え上げればアナスタシア様と少しだけ会話できたかもしれない。先ほどは顔を見れるだけでもよかったが一言会話する2人がいやレイラが羨ましい。
2人はそこから会話をやめて入場に備えている。

私たちの名前が呼ばれたのは待ち時間10分程度。

『この国の皇子であらさられるウィリアム・アルバート様と公爵御令嬢のシャルナ・アナスタシア様のご入場です。』

会場が一気に沸いた。
それもそうだろう。姿形も表さなかった、アナスタシア様が今目の前にいるのだから。
ここまで注目されると、私も少しだけ緊張する。
お辞儀をして、アナスタシア様の手を取り歩みを進める。
カチコチになっているのがわかる程ぎこちないアナスタシア様。だが優雅に演技しているところがさすがである。

クスクスと笑いそうになる気持ちをぐっと堪え、階段を登っていく。
数秒後兄たちのコールがなり、また会場が沸いた。それにより、力が抜けていくドロドロになりそうなアナスタシア様を引っ張っていく。

「腰が抜けそうになりました。」

涙目で私に訴えかけて、すみませんと謝っている。
我慢ができずクスクスと笑ったら、彼女はむすっとした表情をしている。

「なぜ笑うのですか」

「かわいいなと思いまして。」

キッと私を睨むその表情は見ていた来賓の方たちを虜にしてしまっている。

兄たちがステージに近づいてくると最終ファンファーレが鳴り父が登場する。ステージからの登場なので結構前から待機していたと思う。挨拶が終わり、次に兄が挨拶しに下のマイクで真ん中に立った
周りの警護をつけて。

その間レイラはアナスタシアの横にぴったりと寄り添うように立っている。
わかっている目線で私に、あっちへ行けと送っていることを。
未来の王になる兄の言葉を全く聞いていなかった私とレイラの戦いは兄が戻ってきたことにより収束する。
なんでも良いんだが、いかにも僕のパートナーはアナスタシア様ですと寄り添い始めた兄を殴ろうと決めた。
ちゃっかり周りの歓喜にアナスタシア様まで手を振っている。

式はだんだんと進んでいく
ここのパーティーに参加している方達は顔を広げるため重鎮との挨拶を目的としていて、自分を売り込むために重要なミッションを各々背負っている。
家が困窮のため自作で作った魔法具や成績が優秀で、科学に長けているもの。
また医療に精通するものや、農業への知識を披露する場。
そしてそれを支援する企業側の策略とお金の使い道などのプレゼンだ。

私たち4人はまだ学園卒業するわけでもないため、暇なのだ。あと30分はダンスなどはないので立食に並んでいるステーキを目に見ていた。
だが動いてはいけないためボーッとしているレイラ。笑顔を貼り付けたまま目の前を通り過ぎるものに会釈をするアナスタシア様。
父とアイコンタクトを取っている兄。
暇ですごく眠い。このまま眠らなければ良い時間帯が何時間とも感じた。
眠らずに済んだのは会釈の途中で思いっきりくしゃみをした後に鼻を啜る音がしたことによって3人とも、くしゃみの方を見た。
照れたように、手で口元を押さえ笑っている。

「アナスタシアにしては珍しく品がなかったですね。」 兄
「うふふ、可愛らしい」 レイラ
「生理現象ですわ」 

たしかに公爵令嬢がするくしゃみではなかったが、私たちの眠気は取れた。
感謝だ。
先ほどのくしゃみは周りに聞こえるような大きいものではなかったのでここだけの秘密である。

お茶目を含んで私の方を見たアナスタシア様

「パートナーなのに品がなく申し訳ございません。気をつけますね。」

舌を出しぺろっとだした。可愛いすぎるぞその行動わ。

30分は長かったが、いっときの安らぎがあったため私たちは、ダンスまでの時間もすぎていった。
新たなコールがあったと同時にダンスの曲が流れていく。
踊る人たちは会場の真ん中に陣を取り、流れる曲と共に動いていった。
私もアナスタシア様のお手を取り、真ん中まで行く。
兄とレイラも続いた。




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