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エリと共に行動し始めて数時間後カタリーナが私の前に現れた。
「エリカ様ずるいです。私ともお話ししましょう!」
庶民であるためしとやかに暮らしていくはずカタリーナは元気満々に私の前に立った。
サナバート様にアルバート様また少し怒りを含んでいるレイラ様の目線が痛い
「カタリーナ様では一緒にお話ししましょう。」
エリと私の席の間に立ったカタリーナを歓迎する
何を話すにしてもカタリーナがたくさんの話題を提供してくれた
対して時間は立っていないのだが楽しかった。レイラ様もやってきて4人で話始める。
女子トークというのも今世で味わえることが嬉しかった。
案内役のアイト様と担任であるグレイ教員が入ってきた
「昨日の入学式とお茶会お疲れ様。身分などは関係なく接していくが許してほしい。私はグレイだ。よろしく」
今から授業が始まるのだが何故アイト様がいるのかというと
「案内を終了しますね先生」
と言って何も聞かず教室を後にした
不思議なキャラだ。
攻略するときは本当にいい人で庶民であるが幸せに暮らしていた。
基礎学が始まった。魔法と魔力について。
私の知識不足に一つ知恵をつけられる。
魔法は何種類もあるようだが代表が
火水樹電聖闇
最初の4つは攻撃魔法やら生活水準を高めるためのもの
聖は信仰する宗教に偏るらしい。基本回復
闇は防御を意味するもの。
信仰技に抗えるようなものらしい。
王族は基本聖か闇を持つらしい(アルバートが持っている悪は更に上)
ちなみに花は、やはり樹の弱体化の属性
花で止まるのが珍しいだけであった。
「いまからみんなが何の魔力を持っているか試してみようと思うこの水晶に1人ずつ触れてくれ」
教卓に置かれた水晶がもやもやとしたものを中に纏っていた。
要は簡単赤に光ったら火
青に光ったら、水というような感じだ。
サナバート様は赤色と黄色に分かれたので火と聖
アルバート様は青と黒
レイラ様は白色
カタリーナは黄色
ウェルト様はモヤの中で小さく稲妻が走るため電
トーマス様は青
私は緑
ざっとこんな感じちなみにエリは白色
相反する能力のものでペアを組むことになった。
私とサナバート様
カタリーナ様とアルバート様
トーマス様とウェルト様
レイラ様は近くの席の方。
ちなみにこれもイベントの一つである
恋愛イベントではなく友情イベントのため、ゲームをしている時も相性が良い方たちとか今回のような場合そして適当な場合とランダムであった。
好感度は進まないので誰となっても良い。
今回はサナバート様とペアのため少し気楽に行える。
「よろしくアナスタシア。」
「はい」
何をするのかワクワクドキドキ楽しみだ。
グレイ教員が黒板に次々と板書をしていくのを写す。
外に出て、サナバート様と魔力の高めあいのため、次々に炎や、火柱をあげてもらい、私はそれに鎮火できるような花を作っていくが全部失敗に終わる。サナバート様の魔力がほぼ尽きると、グレイ教員が回復をするような感じで授業は進んでいった。
私は春時期はほぼ無限にある魔力のため今は困っていない。サナバート様には不審な目で見られるがヒューヒューと口笛を吹くようにごまかしを入れていく。
鎮火するためには鎮火できるような知識が必要だ。酸素を通さないように横から分厚めの傘のような花を作り酸素を遮断するようにすると鎮火可能。
不利属性には知識学も必要だしそれに応用が必要になってくる。
「アナスタシアはすぐに応用が効くようだな。だがまだまだ。」
いつのまにかバトル形式になりどちらの考えがより的確と勝負する形になった。サナバート様は獄炎の絨毯を引いた。
普通に熱い!!
私は戦士ではないためこのような状況にほぼなり得ないが、もしものために必要なのだろうと考えながらゴウゴウと燃える熱い中考えを張り巡らせる。大量の魔力を消費し、先ほどの応用でやるもなかなか掴めない。
他にやり方は…あっ消化剤のように花を根本にするのはどうだろうか。燃える花ではなく溶ける花。
きっと花の種類のどれかにあるはずだ!!
溶ける…前世では石鹸の花が溶ける。石鹸の成分を作れる花びらや、茎などのものを生成すれば。
周りの音は炎の音で聞こえなかったのだが
「アナスタシア様!!」
アルバート様の私を呼ぶ声が聞こえたと同時に意識がなくなった。
熱さの中考えに夢中であった私と、獄炎を作り続けなければならないサナバート様にの戦法により私たちは一斉に倒れた
炎はそのまま鎮火したが、魔力切れのサナバート様と熱中症の私はそのまま保健室行き。
ひんやりと体を包まれているような感覚ができた。眼を開けると、アルバート様の顔があった。
びっくりし、アルバート様の顔を叩こうと手が動くがそれより先にアルバート様の手が私のそれを封じた。
「アナスタシア様熱中症ですよ?動かないで」
心配そうに眉をハの字に下げ手を布団の中に入れる。
そして、ひんやりとしたものがまた体を覆っている。
アルバート様が魔力を使い、ひんやりとした空間を作り出しているようだ。
「これは氷?」
「??氷とはなんですか?」
私の呟きを逃さなかったアルバート様が、疑問をぶつけた
「水を冷たく固めたものです。氷とは私がいまふと思ったことでして…」
前世の記憶なんて言えない。
氷かあと呟きながら魔力で覆っている私とはまた別のところで魔力を発動させた。
すると小さいが氷を作り出す。
「アナスタシア様が思っていたのと似てますか?」
まさに氷。私は全力でウンウンとする。その氷を受け取り、デコの上に乗せるとすぐ溶けたが気持ちが良く、スーとする。
アルバート様は何度も作り出し私のでこの上に何個も置き遊び始めた。
「アルバート様、限度がありますからね?ベッドが濡れていってます!」
「レイラに頼めばすぐかわくさ。」
「あっ、サナバート様はご無事ですか?」
とても今更だが、サナバート様も倒れたはず。
今回は同時に倒れたものの私の知識不足による負けである。
私の質問が釈に触ったのか一気に不機嫌になった。
「隣でグースカ眠ってるよ。あいつは魔力切れだから、寝たら回復する。だけど貴女は違う。」
「ですが、一国の王子を魔力切れにさせてしまったのですから何か謝罪を…」
少しフラフラする中ベッドの上に座ると、慌てたように魔力の向きを変えてくれた。
少し調整が難しいのかヒューと冷たいものが体の中を通り抜けていく。
ブルっと身震いし、隣のベッドを覗き込むと、綺麗な顔ですやすやと寝ているサナバート様がいた。
「魔力の向上を高め合うのはいいが、やりすぎだな。」
ふと違うところから声がかかった。
先ほどもいたのかわからないが寛いでいる保健医だった。
無性髭をはやし、ボサボサの髪を掻いて、私とアルバート様に近づいてきた。
ゲームの作中にも出てきた保健医。
この髭とボサボサ髪をどうにかすればイケメンなのだ。
「一限目から倒れたのは君たちが初めてだからな。しかも王子と公爵家令嬢、君たちは常識の範囲を知らないのか?」
ごもっともです。
アルバート様もうんうんと頷いていた。
たしかに、やりすぎた。
サナバート様も魔力が数回切れかかっていたのにあんな大掛かりなものを出してきた。
負けず嫌いな性格であるのは知っていたがあそこまで本気になるとは。私もそうだが。
「まー君たちはそれだけ国の中枢だ。いい心がけだと思うが君は女だやけどなんてしたらもらい手がいなくなるから気をつけるようにしないとだな。」
はははと高らかに笑う先生を見つめ顔が引きつる。たしかに前世であれば手術や、まして顔の一個や二個の傷ぐらい大したことなかったのだが、この世界はそういかないのが難点である。
「その時は責任持って僕がもらいますよ」
目が覚めたサナバート様が私を見ていた。ベッドの上でむくりと起き上がり、隣の私に手を伸ばしていたが、わざわざ回ったアルバート様が叩き落とした。
「痛いぞ」
「隙もねーなー。その時も私が貰う。サナは今は戦場にもたってないのわかってる?」
「私が火傷させたのに弟に責任を取ってもらう必要はない。」
「火傷を治せる技術を身につけるから安心しろ」
縁起でもないことを言うな。
火傷なんてしたら溜まったものではない。
王家に嫁ぐのは果てしなく面倒なことは想像できる。お酒はそりゃー、一流品が転がり込んでくるのだろうが、面倒なことは増やしたくない。公爵令嬢である私は父の仕事を何度が見たことがある。嫌だなあ。前世の看護師もかなり忙しかったし給料が見合ってなかった。
ほぼ固定給で父のように武者のように働くのはいやだ。
わがままと仰ってもいいが、事実だ。
「1人の女を王子2人が取り合うのもなかなか面白いな」
保健医はいまからお酒を飲もうかしている
しかも有名な銘柄をお持ちだ。
私も飲みたい
物欲しそうに見ていたお酒を何か勘違いしたアルバート様がお酒と私の間に立ちまたサナバート様と喧嘩を始める。
きっと喧嘩ではないのだろうが側から見たら仲のいい兄弟喧嘩。
私の弟たちもよく喧嘩をするのでなんか微笑ましい。内容を深く考えなければだが。
サナバート様は回復したが魔力は2日ほど使用してはいけないので次の授業に向かった。
アルバート様は必要であるといい私の元に残った。保健医も授業に出れとは言わずなんなら教室の端にあるソファーの上で寝始めた。
私を冷やす作業を続けるアルバート様
たしかに身体中熱いのは残っているためありがたく受け入れている。だがどう見ても、アルバート様はおかしい。どこがおかしいってなんか匂う感じ。それもフェロモン的な奴。
「アナスタシア様どうしてあそこまで夢中で魔力を使われたんですか?」
アルバート様はまたハの字に眉を下げて私に説いた。
「負けず嫌いなのでサナバート様に負けたくありませんでした。」
「だが貴女はあの熱さから一歩も動かずずっと考え事をしていました。私が何度も声をかけていたのに…」
「最後のお声は微かに聞こえておりました。ありがとうございました。」
お礼を言いアルバート様がずっと掴んでいる手を握り返した。
アルバート様の顔が一瞬赤くなりそっぽを向いた。
可愛い。
私が前世25歳であり今回が15歳十分な年を生きているため同年齢であっても可愛いく見えてしまうのは仕方ない。
「ずるいです。」
キーンと冷えまくる保健室に、保健医の寝返り音が聞こえた。きっと寒かったのだろう。
「アルバート様力が出過ぎてます。」
お昼になり、私の体力も戻り昼食の時間アルバート様はまだ心配であるのかずっと魔力を使っている。
きつくないのだろうか?
「アルバート様も精霊の恵みをもらっておられるのですか?」
隣を歩いているアルバート様は、違うと首を振った
「これ一応国家秘密だから人がいないところで教えるね。」
えっ国家秘密を私に教えていいの?
このような描写は、ゲームにはなかったので驚いている。
国家秘密って細かい設定だな。
でもたしかにここの世界はゲーム通りに進む場合と進んでいない時もある(アナスタシアがずらしている)
予想外なことが度々起きているので対処に困ると同時に楽しさがある。周りのキャラクターたちが生きているのが感じ取れるからだ。
昼食を持って、サナバート様にレイラ様ウェルト様の席にお邪魔する
「先ほどは申し訳なかったアナスタシア」
「いいえこちらこそ未来の王様にご無礼を」
サナバート様と私の冗談まじりの挨拶に2人はほっとしたがアルバート様はムスッとした
レイラ様はその様子に気づいたのかニヤリとし、私の後ろでアルバート様に小声で何かを話していた。あんまり気にしないほうがいいだろう。
向かいにウェルト様と斜め前にサナバート様隣にアルバート様にレイラ様
「だけど2人の魔力の使い方も勉強になる反面もっと工夫が必要なのも見えてきたよ。」
ウェルト様はひょうひょうとそう言った。
たしかに改善点はいっぱいあった。
「トーマスとしていたがトーマスもなかなか策士でアナスタシア様と戦うところを見てみたいと思うほど上手だった。」
「たしかに平民であるカタリーナは体力こそあったため逃げられることが多かった。」
反省会をしたいわけではなかったがみんな魔力の勉強の復習とご飯を食べる手はやめなかった。
「エリカ様ずるいです。私ともお話ししましょう!」
庶民であるためしとやかに暮らしていくはずカタリーナは元気満々に私の前に立った。
サナバート様にアルバート様また少し怒りを含んでいるレイラ様の目線が痛い
「カタリーナ様では一緒にお話ししましょう。」
エリと私の席の間に立ったカタリーナを歓迎する
何を話すにしてもカタリーナがたくさんの話題を提供してくれた
対して時間は立っていないのだが楽しかった。レイラ様もやってきて4人で話始める。
女子トークというのも今世で味わえることが嬉しかった。
案内役のアイト様と担任であるグレイ教員が入ってきた
「昨日の入学式とお茶会お疲れ様。身分などは関係なく接していくが許してほしい。私はグレイだ。よろしく」
今から授業が始まるのだが何故アイト様がいるのかというと
「案内を終了しますね先生」
と言って何も聞かず教室を後にした
不思議なキャラだ。
攻略するときは本当にいい人で庶民であるが幸せに暮らしていた。
基礎学が始まった。魔法と魔力について。
私の知識不足に一つ知恵をつけられる。
魔法は何種類もあるようだが代表が
火水樹電聖闇
最初の4つは攻撃魔法やら生活水準を高めるためのもの
聖は信仰する宗教に偏るらしい。基本回復
闇は防御を意味するもの。
信仰技に抗えるようなものらしい。
王族は基本聖か闇を持つらしい(アルバートが持っている悪は更に上)
ちなみに花は、やはり樹の弱体化の属性
花で止まるのが珍しいだけであった。
「いまからみんなが何の魔力を持っているか試してみようと思うこの水晶に1人ずつ触れてくれ」
教卓に置かれた水晶がもやもやとしたものを中に纏っていた。
要は簡単赤に光ったら火
青に光ったら、水というような感じだ。
サナバート様は赤色と黄色に分かれたので火と聖
アルバート様は青と黒
レイラ様は白色
カタリーナは黄色
ウェルト様はモヤの中で小さく稲妻が走るため電
トーマス様は青
私は緑
ざっとこんな感じちなみにエリは白色
相反する能力のものでペアを組むことになった。
私とサナバート様
カタリーナ様とアルバート様
トーマス様とウェルト様
レイラ様は近くの席の方。
ちなみにこれもイベントの一つである
恋愛イベントではなく友情イベントのため、ゲームをしている時も相性が良い方たちとか今回のような場合そして適当な場合とランダムであった。
好感度は進まないので誰となっても良い。
今回はサナバート様とペアのため少し気楽に行える。
「よろしくアナスタシア。」
「はい」
何をするのかワクワクドキドキ楽しみだ。
グレイ教員が黒板に次々と板書をしていくのを写す。
外に出て、サナバート様と魔力の高めあいのため、次々に炎や、火柱をあげてもらい、私はそれに鎮火できるような花を作っていくが全部失敗に終わる。サナバート様の魔力がほぼ尽きると、グレイ教員が回復をするような感じで授業は進んでいった。
私は春時期はほぼ無限にある魔力のため今は困っていない。サナバート様には不審な目で見られるがヒューヒューと口笛を吹くようにごまかしを入れていく。
鎮火するためには鎮火できるような知識が必要だ。酸素を通さないように横から分厚めの傘のような花を作り酸素を遮断するようにすると鎮火可能。
不利属性には知識学も必要だしそれに応用が必要になってくる。
「アナスタシアはすぐに応用が効くようだな。だがまだまだ。」
いつのまにかバトル形式になりどちらの考えがより的確と勝負する形になった。サナバート様は獄炎の絨毯を引いた。
普通に熱い!!
私は戦士ではないためこのような状況にほぼなり得ないが、もしものために必要なのだろうと考えながらゴウゴウと燃える熱い中考えを張り巡らせる。大量の魔力を消費し、先ほどの応用でやるもなかなか掴めない。
他にやり方は…あっ消化剤のように花を根本にするのはどうだろうか。燃える花ではなく溶ける花。
きっと花の種類のどれかにあるはずだ!!
溶ける…前世では石鹸の花が溶ける。石鹸の成分を作れる花びらや、茎などのものを生成すれば。
周りの音は炎の音で聞こえなかったのだが
「アナスタシア様!!」
アルバート様の私を呼ぶ声が聞こえたと同時に意識がなくなった。
熱さの中考えに夢中であった私と、獄炎を作り続けなければならないサナバート様にの戦法により私たちは一斉に倒れた
炎はそのまま鎮火したが、魔力切れのサナバート様と熱中症の私はそのまま保健室行き。
ひんやりと体を包まれているような感覚ができた。眼を開けると、アルバート様の顔があった。
びっくりし、アルバート様の顔を叩こうと手が動くがそれより先にアルバート様の手が私のそれを封じた。
「アナスタシア様熱中症ですよ?動かないで」
心配そうに眉をハの字に下げ手を布団の中に入れる。
そして、ひんやりとしたものがまた体を覆っている。
アルバート様が魔力を使い、ひんやりとした空間を作り出しているようだ。
「これは氷?」
「??氷とはなんですか?」
私の呟きを逃さなかったアルバート様が、疑問をぶつけた
「水を冷たく固めたものです。氷とは私がいまふと思ったことでして…」
前世の記憶なんて言えない。
氷かあと呟きながら魔力で覆っている私とはまた別のところで魔力を発動させた。
すると小さいが氷を作り出す。
「アナスタシア様が思っていたのと似てますか?」
まさに氷。私は全力でウンウンとする。その氷を受け取り、デコの上に乗せるとすぐ溶けたが気持ちが良く、スーとする。
アルバート様は何度も作り出し私のでこの上に何個も置き遊び始めた。
「アルバート様、限度がありますからね?ベッドが濡れていってます!」
「レイラに頼めばすぐかわくさ。」
「あっ、サナバート様はご無事ですか?」
とても今更だが、サナバート様も倒れたはず。
今回は同時に倒れたものの私の知識不足による負けである。
私の質問が釈に触ったのか一気に不機嫌になった。
「隣でグースカ眠ってるよ。あいつは魔力切れだから、寝たら回復する。だけど貴女は違う。」
「ですが、一国の王子を魔力切れにさせてしまったのですから何か謝罪を…」
少しフラフラする中ベッドの上に座ると、慌てたように魔力の向きを変えてくれた。
少し調整が難しいのかヒューと冷たいものが体の中を通り抜けていく。
ブルっと身震いし、隣のベッドを覗き込むと、綺麗な顔ですやすやと寝ているサナバート様がいた。
「魔力の向上を高め合うのはいいが、やりすぎだな。」
ふと違うところから声がかかった。
先ほどもいたのかわからないが寛いでいる保健医だった。
無性髭をはやし、ボサボサの髪を掻いて、私とアルバート様に近づいてきた。
ゲームの作中にも出てきた保健医。
この髭とボサボサ髪をどうにかすればイケメンなのだ。
「一限目から倒れたのは君たちが初めてだからな。しかも王子と公爵家令嬢、君たちは常識の範囲を知らないのか?」
ごもっともです。
アルバート様もうんうんと頷いていた。
たしかに、やりすぎた。
サナバート様も魔力が数回切れかかっていたのにあんな大掛かりなものを出してきた。
負けず嫌いな性格であるのは知っていたがあそこまで本気になるとは。私もそうだが。
「まー君たちはそれだけ国の中枢だ。いい心がけだと思うが君は女だやけどなんてしたらもらい手がいなくなるから気をつけるようにしないとだな。」
はははと高らかに笑う先生を見つめ顔が引きつる。たしかに前世であれば手術や、まして顔の一個や二個の傷ぐらい大したことなかったのだが、この世界はそういかないのが難点である。
「その時は責任持って僕がもらいますよ」
目が覚めたサナバート様が私を見ていた。ベッドの上でむくりと起き上がり、隣の私に手を伸ばしていたが、わざわざ回ったアルバート様が叩き落とした。
「痛いぞ」
「隙もねーなー。その時も私が貰う。サナは今は戦場にもたってないのわかってる?」
「私が火傷させたのに弟に責任を取ってもらう必要はない。」
「火傷を治せる技術を身につけるから安心しろ」
縁起でもないことを言うな。
火傷なんてしたら溜まったものではない。
王家に嫁ぐのは果てしなく面倒なことは想像できる。お酒はそりゃー、一流品が転がり込んでくるのだろうが、面倒なことは増やしたくない。公爵令嬢である私は父の仕事を何度が見たことがある。嫌だなあ。前世の看護師もかなり忙しかったし給料が見合ってなかった。
ほぼ固定給で父のように武者のように働くのはいやだ。
わがままと仰ってもいいが、事実だ。
「1人の女を王子2人が取り合うのもなかなか面白いな」
保健医はいまからお酒を飲もうかしている
しかも有名な銘柄をお持ちだ。
私も飲みたい
物欲しそうに見ていたお酒を何か勘違いしたアルバート様がお酒と私の間に立ちまたサナバート様と喧嘩を始める。
きっと喧嘩ではないのだろうが側から見たら仲のいい兄弟喧嘩。
私の弟たちもよく喧嘩をするのでなんか微笑ましい。内容を深く考えなければだが。
サナバート様は回復したが魔力は2日ほど使用してはいけないので次の授業に向かった。
アルバート様は必要であるといい私の元に残った。保健医も授業に出れとは言わずなんなら教室の端にあるソファーの上で寝始めた。
私を冷やす作業を続けるアルバート様
たしかに身体中熱いのは残っているためありがたく受け入れている。だがどう見ても、アルバート様はおかしい。どこがおかしいってなんか匂う感じ。それもフェロモン的な奴。
「アナスタシア様どうしてあそこまで夢中で魔力を使われたんですか?」
アルバート様はまたハの字に眉を下げて私に説いた。
「負けず嫌いなのでサナバート様に負けたくありませんでした。」
「だが貴女はあの熱さから一歩も動かずずっと考え事をしていました。私が何度も声をかけていたのに…」
「最後のお声は微かに聞こえておりました。ありがとうございました。」
お礼を言いアルバート様がずっと掴んでいる手を握り返した。
アルバート様の顔が一瞬赤くなりそっぽを向いた。
可愛い。
私が前世25歳であり今回が15歳十分な年を生きているため同年齢であっても可愛いく見えてしまうのは仕方ない。
「ずるいです。」
キーンと冷えまくる保健室に、保健医の寝返り音が聞こえた。きっと寒かったのだろう。
「アルバート様力が出過ぎてます。」
お昼になり、私の体力も戻り昼食の時間アルバート様はまだ心配であるのかずっと魔力を使っている。
きつくないのだろうか?
「アルバート様も精霊の恵みをもらっておられるのですか?」
隣を歩いているアルバート様は、違うと首を振った
「これ一応国家秘密だから人がいないところで教えるね。」
えっ国家秘密を私に教えていいの?
このような描写は、ゲームにはなかったので驚いている。
国家秘密って細かい設定だな。
でもたしかにここの世界はゲーム通りに進む場合と進んでいない時もある(アナスタシアがずらしている)
予想外なことが度々起きているので対処に困ると同時に楽しさがある。周りのキャラクターたちが生きているのが感じ取れるからだ。
昼食を持って、サナバート様にレイラ様ウェルト様の席にお邪魔する
「先ほどは申し訳なかったアナスタシア」
「いいえこちらこそ未来の王様にご無礼を」
サナバート様と私の冗談まじりの挨拶に2人はほっとしたがアルバート様はムスッとした
レイラ様はその様子に気づいたのかニヤリとし、私の後ろでアルバート様に小声で何かを話していた。あんまり気にしないほうがいいだろう。
向かいにウェルト様と斜め前にサナバート様隣にアルバート様にレイラ様
「だけど2人の魔力の使い方も勉強になる反面もっと工夫が必要なのも見えてきたよ。」
ウェルト様はひょうひょうとそう言った。
たしかに改善点はいっぱいあった。
「トーマスとしていたがトーマスもなかなか策士でアナスタシア様と戦うところを見てみたいと思うほど上手だった。」
「たしかに平民であるカタリーナは体力こそあったため逃げられることが多かった。」
反省会をしたいわけではなかったがみんな魔力の勉強の復習とご飯を食べる手はやめなかった。
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