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第1章 惑星ルーテシア編
7. 挑戦
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その後、ハルちゃんと私は客室に戻りルーテシア様からの依頼について話し合った。
「トモミ、母の言ったことは気にする必要は無いからね。仮に神の力を取り戻せたとしても、この世界に神として留まる必要は無いんだよ。あっ、でも地球に帰るなら今のままの方が良いかも、地球の神は住民に魔法を使わせない方針だからね。神様と対立することになったら大変だ。」
「そうかもしれないけど、私考えたんだ。ひょっとすると、お義母様に突然他の惑星への異動命令が出て、この惑星が放置されることになったのは私の所為かもしれない。」
「なんでそうなる?」
「だって私は上級神だったんでしょう。お義母様は下級神だからそれより偉いんだよね。 その上級神がなぜ誰にも知られずにここにいるの? 神界からみたら私は行方不明になっているんじゃないかと思うんだ。」
「それはそうかもしれないけど。どうして母の異動がトモミの所為だっていうわけ。」
「下級神でも惑星をひとつ任されているんだから、上級神はたぶんもっと大きな範囲を担当してるのかな。ひょっとしたら何十という惑星を担当していたりしてね。それもきっと神界にとって重要な惑星ばかりをね。もしそうだとして、その上級神のひとりである私が行方不明になったら、重要な惑星がいくつも管理者不在になってしまうよね。その場合、他の神様達はどうするかしら。もちろんしばらくの間は行方不明になった私を探すでしょうね。見つけて今迄通り惑星を管理させるのが解決策として一番シンプルで簡単だものね。 でもどうしても見つからなかったら? 私の担当していた惑星は他の上級神や中級神が少しづつ分担して対応するしかないよね。そして、それでも全部の惑星をカバーできなかったら? その場合は、神界にとって優先順位の低い惑星を管理している下級神をそっちの惑星に異動させるかもしれない。その場合下級神が元々管理していた惑星は後任者もなく放置されることになるわ。 惑星ルーテシアの様にね。 惑星ルーテシアの優先順位が低いかどうかは判らないけど、確か人口は惑星全体で300万人程度だよね、70億人以上が住んでいる地球と比べるとどうなんだろう。」
「まあ、あくまで可能性としては否定しないけど。 でも、仮にそうだとしてもトモミが責任を感じる必要はない、悪いのはトモミの魂に細工したやつなんだから。」
「ハルト、さっきのお義母様の話を聞いたでしょう。私の魂のプロテクトは私限定で解除されているって。だとしたら私の魂に細工できるのは私しかいないことになる。すなわち、私が行方不明になったのは私が自分でしたことなのよ。」
「考え過ぎ。 仮にそうだとしても、トモミの行動にはちゃんとした理由があるはずさ。トモミが理由なしにそんなことをするはずがない。」
「.......」
なんでこんなことになったんだろう。せっかくの新婚気分も台無しで落ち込んでしまう。話し合いはここまでにして、私たちは風呂にはいって早めに休むことにした。
翌朝、私は朝早くに目が覚めた。横をみるとハルちゃんはまだ眠っていた。しばらくハルちゃんの寝顔を眺めると、今はひとりじゃないんだと感じてすごく安心できる。ひとり娘だった私は、大学生の時に両親を交通事故で無くしてからはひとりで生きてきた。幸い両親がかなりの金額を残してくれたので学費や生活に困ることはなかったが、一時は落ち込んで引き籠りになりかけた。そんな時、私を支えてくれたのがハルちゃんと高校時代からの親友のマリコだ。このふたりがいなかったら私はどうなっていたんだろう。
「これからもよろしくね、ハルちゃん。」
私はハルちゃんにそっと口づけをした。そうだよ、私が住むのは地球でも惑星ルーテシアでもどっちでも良い。ハルちゃんの居る所が私の住む所じゃないか。それにここはハルちゃんの故郷なんだ、だったら私にとっても第二の故郷になってもいいよね。マリコと会えないのはさみしいけれど、地球の神様に頼めば文通くらいできるかもしれないし。
目を覚ましたハルちゃんに私は告げた。
「私、決めちゃった....。」
朝食後、私とハルちゃんはルーテシア様の部屋にいた。 人払いをしているので私たちだけだ。
<< トモミ様、それでは私が居なくなった後この惑星を守っていただけるのですね。>>
ルーテシア様がうれしそうにおっしゃった。
「私の力が元に戻ったらですけどね。それと一旦は地球に戻ります、退職やアパートの解約などの手続きがありますので。」
<< もちろんでございます。>>
<< よろしければ今から試されますか? >>
「はい、よろしくお願いします。」
<< それではお手を拝借します。トモミ様がインターフェースを元に戻せなかったのは単に魔力が足りなかったからと推察します。魂を動かすには力の元となる魔力が必要です。現在のトモミ様には魔力がありませんので、手を通して私の魔力をお使い頂きたいと思います。>>
ルーテシア様が私の手を取るとすぐに何か温かいものがゆっくり私の身体の中に流れ込んできた。
<< 私の魔力がお分かりになりますか? >>
私はだまって頷いた。
<< それでは、その魔力が身体に均等に行き渡るまで受け入れてください。>>
ルーテシア様の魔力がゆっくりと私を満たしていく。
<< 魔力が行き渡ったとお感じになったら、前回された時と同じようにインターフェースが元に戻る様に力を加えてみてください。>>
私は眼を瞑り、精神を集中する。 しばらくして私の魂のイメージが再び浮かび上がる。途中で曲がっている触手に再び手を伸ばした。力を込めて引くとわずかにたわむ。でもそれだけ、それ以上は動かない。何度も引っ張るけれど、わずかに揺れるだけ。 ルーテシア様はなんとおっしゃっていたっけ? 身体に均等に魔力を行き渡らせろといっていた。でもひょっとしたら行き渡らせた魔力の量が足りないのかな。 繋いだままのルーテシア様の手からさらに魔力を取り込めないだろうか。深呼吸するイメージで魔力を吸い込む。深く、深く。 魔力が行き渡ったかなと感じてから再度試してみる。 ぐっと力をいれると僅かに動いた! 良し、この調子だ。さらに何回も深呼吸を繰り返す。だんだんと身体の中に魔力が充満する感じと共に、なんだか苦しくなってきた。さらに深呼吸を繰り返すと目が回ってきた。ここまでで止めた方が良いかもしれない。これが最後と全力で触手に力を込めた。その途端ぐぐっと向きが変わる。やったと思った途端、全身がカッと熱くなった。驚いて目を開けると、私の胸から炎が噴き出ているのが見えた。次の瞬間目の前が真っ白になり私の意識は完全に消失した。
「トモミ、母の言ったことは気にする必要は無いからね。仮に神の力を取り戻せたとしても、この世界に神として留まる必要は無いんだよ。あっ、でも地球に帰るなら今のままの方が良いかも、地球の神は住民に魔法を使わせない方針だからね。神様と対立することになったら大変だ。」
「そうかもしれないけど、私考えたんだ。ひょっとすると、お義母様に突然他の惑星への異動命令が出て、この惑星が放置されることになったのは私の所為かもしれない。」
「なんでそうなる?」
「だって私は上級神だったんでしょう。お義母様は下級神だからそれより偉いんだよね。 その上級神がなぜ誰にも知られずにここにいるの? 神界からみたら私は行方不明になっているんじゃないかと思うんだ。」
「それはそうかもしれないけど。どうして母の異動がトモミの所為だっていうわけ。」
「下級神でも惑星をひとつ任されているんだから、上級神はたぶんもっと大きな範囲を担当してるのかな。ひょっとしたら何十という惑星を担当していたりしてね。それもきっと神界にとって重要な惑星ばかりをね。もしそうだとして、その上級神のひとりである私が行方不明になったら、重要な惑星がいくつも管理者不在になってしまうよね。その場合、他の神様達はどうするかしら。もちろんしばらくの間は行方不明になった私を探すでしょうね。見つけて今迄通り惑星を管理させるのが解決策として一番シンプルで簡単だものね。 でもどうしても見つからなかったら? 私の担当していた惑星は他の上級神や中級神が少しづつ分担して対応するしかないよね。そして、それでも全部の惑星をカバーできなかったら? その場合は、神界にとって優先順位の低い惑星を管理している下級神をそっちの惑星に異動させるかもしれない。その場合下級神が元々管理していた惑星は後任者もなく放置されることになるわ。 惑星ルーテシアの様にね。 惑星ルーテシアの優先順位が低いかどうかは判らないけど、確か人口は惑星全体で300万人程度だよね、70億人以上が住んでいる地球と比べるとどうなんだろう。」
「まあ、あくまで可能性としては否定しないけど。 でも、仮にそうだとしてもトモミが責任を感じる必要はない、悪いのはトモミの魂に細工したやつなんだから。」
「ハルト、さっきのお義母様の話を聞いたでしょう。私の魂のプロテクトは私限定で解除されているって。だとしたら私の魂に細工できるのは私しかいないことになる。すなわち、私が行方不明になったのは私が自分でしたことなのよ。」
「考え過ぎ。 仮にそうだとしても、トモミの行動にはちゃんとした理由があるはずさ。トモミが理由なしにそんなことをするはずがない。」
「.......」
なんでこんなことになったんだろう。せっかくの新婚気分も台無しで落ち込んでしまう。話し合いはここまでにして、私たちは風呂にはいって早めに休むことにした。
翌朝、私は朝早くに目が覚めた。横をみるとハルちゃんはまだ眠っていた。しばらくハルちゃんの寝顔を眺めると、今はひとりじゃないんだと感じてすごく安心できる。ひとり娘だった私は、大学生の時に両親を交通事故で無くしてからはひとりで生きてきた。幸い両親がかなりの金額を残してくれたので学費や生活に困ることはなかったが、一時は落ち込んで引き籠りになりかけた。そんな時、私を支えてくれたのがハルちゃんと高校時代からの親友のマリコだ。このふたりがいなかったら私はどうなっていたんだろう。
「これからもよろしくね、ハルちゃん。」
私はハルちゃんにそっと口づけをした。そうだよ、私が住むのは地球でも惑星ルーテシアでもどっちでも良い。ハルちゃんの居る所が私の住む所じゃないか。それにここはハルちゃんの故郷なんだ、だったら私にとっても第二の故郷になってもいいよね。マリコと会えないのはさみしいけれど、地球の神様に頼めば文通くらいできるかもしれないし。
目を覚ましたハルちゃんに私は告げた。
「私、決めちゃった....。」
朝食後、私とハルちゃんはルーテシア様の部屋にいた。 人払いをしているので私たちだけだ。
<< トモミ様、それでは私が居なくなった後この惑星を守っていただけるのですね。>>
ルーテシア様がうれしそうにおっしゃった。
「私の力が元に戻ったらですけどね。それと一旦は地球に戻ります、退職やアパートの解約などの手続きがありますので。」
<< もちろんでございます。>>
<< よろしければ今から試されますか? >>
「はい、よろしくお願いします。」
<< それではお手を拝借します。トモミ様がインターフェースを元に戻せなかったのは単に魔力が足りなかったからと推察します。魂を動かすには力の元となる魔力が必要です。現在のトモミ様には魔力がありませんので、手を通して私の魔力をお使い頂きたいと思います。>>
ルーテシア様が私の手を取るとすぐに何か温かいものがゆっくり私の身体の中に流れ込んできた。
<< 私の魔力がお分かりになりますか? >>
私はだまって頷いた。
<< それでは、その魔力が身体に均等に行き渡るまで受け入れてください。>>
ルーテシア様の魔力がゆっくりと私を満たしていく。
<< 魔力が行き渡ったとお感じになったら、前回された時と同じようにインターフェースが元に戻る様に力を加えてみてください。>>
私は眼を瞑り、精神を集中する。 しばらくして私の魂のイメージが再び浮かび上がる。途中で曲がっている触手に再び手を伸ばした。力を込めて引くとわずかにたわむ。でもそれだけ、それ以上は動かない。何度も引っ張るけれど、わずかに揺れるだけ。 ルーテシア様はなんとおっしゃっていたっけ? 身体に均等に魔力を行き渡らせろといっていた。でもひょっとしたら行き渡らせた魔力の量が足りないのかな。 繋いだままのルーテシア様の手からさらに魔力を取り込めないだろうか。深呼吸するイメージで魔力を吸い込む。深く、深く。 魔力が行き渡ったかなと感じてから再度試してみる。 ぐっと力をいれると僅かに動いた! 良し、この調子だ。さらに何回も深呼吸を繰り返す。だんだんと身体の中に魔力が充満する感じと共に、なんだか苦しくなってきた。さらに深呼吸を繰り返すと目が回ってきた。ここまでで止めた方が良いかもしれない。これが最後と全力で触手に力を込めた。その途端ぐぐっと向きが変わる。やったと思った途端、全身がカッと熱くなった。驚いて目を開けると、私の胸から炎が噴き出ているのが見えた。次の瞬間目の前が真っ白になり私の意識は完全に消失した。
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