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84. ウィンディーネ様が変だ!
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(シロム視点)
「ご主人様、いきなり湯に飛び込んでは身体に毒ですよ。お湯に浸かる前に掛け湯と言うのをした方が良いと聞きました。」
「そ、そうなのですね。」
「もっとも精霊仲間から聞いただけで自分では体験したことは無いのですけれど。」
「ウィンディーネさんはお風呂に入ったことがないのですか?」
「はい、精霊には必要ないですので。実体化を解けば身体に付着した汚れは落ちてしまいます。」
「一度入ってみますか?」
「まあ、嬉しいです。」
僕の後で入ってみますかと言ったつもりだったのだが、ウィンディーネ様がそう言った途端、着ていた湯浴着が消えた。もちろんその下には何も身に着けていない。
「ウィンディーネさん、ふ、服が....。」
不味いと思ったが、あまりに見事なその裸体に目が釘付けになった。ウィンディーネ様は僕に見られていることを全く気にすることなく、自分が言った様に掛け湯をしてから湯船に入って来る。幸い湯船は大きく2人でも余裕で入ることが出来る。
「ご主人様と2人でお風呂に入れるなんて嬉しいです。」
そう言って身体を寄せて来るウィンディーネ様。その時になって漸く気付いた。いつもの慎み深いウィンディーネ様と明らかに違う。そう言えばジョジュル皇子は僕の悪口を言っただけで危うく殺されるところだった。いつものウィンディーネ様ならもう少し手加減してくれていた気がする。
<< チーアル、ウィンディーネ様が変だ...。>>
<< 今頃気付いたの? 鈍いわね。>>
僕の精神世界に入っているチーアルに念話で呼びかけると直ぐに返事があったが、念に笑いが含まれている。面白がっている様だ。
<< 精霊はね、それを構成する妖精の数が減るとそれに連れて知能レベルと精神レベルが下がるの。今のウィンディーネ様は皇帝を探させるために何千という妖精に指示を与えるのに多くのリソースを使っているから更にレベルが下がっているわ。早い話が今のウィンディーネ様は精神的に幼くなって子供の様に感情のままに動いているってことよ。>>
<< それって....。>>
<< ウィンディーネ様はシロムが好きで一緒に居たいということね。普段なら我慢しているけど精神が幼くなった今は自分を抑えられないのよ。まあ好かれているんだからいいじゃない。>>
そう言えば、以前闇の精霊アルガ様がチーアルについて同じようなことを言っていた様な気がする。
<< シロムだって嫌じゃないくせに。さっきウィンディーネ様の裸をガン見していたものね。>>
い、いや否定はしないけどそれにしても困った。
<< なによシロムはウィンディーネ様が好きなんでしょう。だったら親密になる良い機会じゃない。ウィンディーネ様も嫌がってないわ。裸の付き合いなんて滅多にできないわよ。>>
そうかもしれないけれど、ウィンディーネ様が元に戻った時に恥ずかしがるのじゃないだろうか。ウィンディーネ様がこんな状態であることに付け込むなんて、女の人が酔っぱらっていることを良い事に何かするみたいで良くない気がする。
どうしよう、どうしよう、どうすればいい....思い悩むが結論は出ない。何も出来ないまま時間だけが経って行く。
「ご主人様、大丈夫ですか? お顔が真っ赤です。そろそろ身体を洗われてはいかがでしょう、お背中を流させていただきます。」
「だ、大丈夫です。も、もう少しこのままで....。」
浴槽の外に出たらウィンディーネ様にまともに裸を晒すことになる。今の股間を見られたらきっと恥ずかしくて死んでしまう。
だがその内に何だか頭がぼんやりして来た。心臓がドキドキして何だか息苦しい。それに熱くて堪らない。これは不味いと思いウィンディーネ様に背中を向けて立ち上がろうとしたが、その途端目の前が暗くなった。
意識が朦朧となった僕はウィンディーネ様に抱かれてベッドまで運ばれた。その後ウィンディーネ様は濡れている僕の身体をタオルで拭いてくださり、さらにパジャマを着せてくださった。もちろん身体を拭く時にはウィンディーネ様に全身くまなく見られました。
しばらくして体調が回復した僕が起き上がると、ウィンディーネ様が安心した様に抱き付いて来た。
「心配いたしました。ご主人様は熱いお風呂に長く浸かり過ぎたのです。今の私にはご主人様を回復させる力はありません。もしものことがあったらと思うと不安でたまりませんでした。」
僕に抱き付いたウィンディーネ様のおっぱいが顔に押し付けられて息が出来ない。
「ウ、ウィンディーネ様、ふ、服を....。」
「まあ、失礼しました。でもご主人様が心配させるから悪いのです。服の事なんて忘れていました。」
そう言ったウィンディーネ様の身体がいつもの水色のワンピースに包まれた。
その夜は遅くまでウィンディーネ様から色々な話を聞いた。水の泡から生まれたウィンディーネ様が大精霊となるまで、精霊王様との出会い、アキュリス皇子との出会いとその後。でも僕にとって何より衝撃だったのは3000年前の魔族との戦いの話だ。なんと本当の敵は異世界からやって来た魔族ではなく、魔族から魂の力を奪う方法を聞き出した人間だったのだ。魔族の人達は魂の力を奪うのはレイスのみと決めているある意味節度を持った存在だったのだが人間達はそうではなかった。そして何百、何千もの魂の力を奪い取り力を付けた人間達は神や精霊の魂にも手を延ばし始めた。それからはそれらの人間も含め魂の力を奪う者達を魔族と呼ぶようになった。ウィンディーネ様の配下の精霊も沢山犠牲になったらしい。その話をしてくださった時とても悲しそうな顔をしていた。
神と精霊は手を組んで魔族への戦いを始めた。戦いは一進一退を続け100年以上の長きにわたり続いたが、神々が行った新しく生まれてくる人間の身体に精神世界を加えて魂を防御するという戦法が功を奏し、魂の力を奪えなくなった魔族は遂に滅びた。その時に異世界から来た魔族も全員滅びたと思われていたのだが、カルミさん達がひっそりと生き残っていたわけだ。彼女達が持っていた神器は彼女達が生きて行ける様にと親から譲り受けたものらしい。もっとも当時カルミさん達は子供だったから戦いの事はほとんど覚えていない。
「ご主人様、いきなり湯に飛び込んでは身体に毒ですよ。お湯に浸かる前に掛け湯と言うのをした方が良いと聞きました。」
「そ、そうなのですね。」
「もっとも精霊仲間から聞いただけで自分では体験したことは無いのですけれど。」
「ウィンディーネさんはお風呂に入ったことがないのですか?」
「はい、精霊には必要ないですので。実体化を解けば身体に付着した汚れは落ちてしまいます。」
「一度入ってみますか?」
「まあ、嬉しいです。」
僕の後で入ってみますかと言ったつもりだったのだが、ウィンディーネ様がそう言った途端、着ていた湯浴着が消えた。もちろんその下には何も身に着けていない。
「ウィンディーネさん、ふ、服が....。」
不味いと思ったが、あまりに見事なその裸体に目が釘付けになった。ウィンディーネ様は僕に見られていることを全く気にすることなく、自分が言った様に掛け湯をしてから湯船に入って来る。幸い湯船は大きく2人でも余裕で入ることが出来る。
「ご主人様と2人でお風呂に入れるなんて嬉しいです。」
そう言って身体を寄せて来るウィンディーネ様。その時になって漸く気付いた。いつもの慎み深いウィンディーネ様と明らかに違う。そう言えばジョジュル皇子は僕の悪口を言っただけで危うく殺されるところだった。いつものウィンディーネ様ならもう少し手加減してくれていた気がする。
<< チーアル、ウィンディーネ様が変だ...。>>
<< 今頃気付いたの? 鈍いわね。>>
僕の精神世界に入っているチーアルに念話で呼びかけると直ぐに返事があったが、念に笑いが含まれている。面白がっている様だ。
<< 精霊はね、それを構成する妖精の数が減るとそれに連れて知能レベルと精神レベルが下がるの。今のウィンディーネ様は皇帝を探させるために何千という妖精に指示を与えるのに多くのリソースを使っているから更にレベルが下がっているわ。早い話が今のウィンディーネ様は精神的に幼くなって子供の様に感情のままに動いているってことよ。>>
<< それって....。>>
<< ウィンディーネ様はシロムが好きで一緒に居たいということね。普段なら我慢しているけど精神が幼くなった今は自分を抑えられないのよ。まあ好かれているんだからいいじゃない。>>
そう言えば、以前闇の精霊アルガ様がチーアルについて同じようなことを言っていた様な気がする。
<< シロムだって嫌じゃないくせに。さっきウィンディーネ様の裸をガン見していたものね。>>
い、いや否定はしないけどそれにしても困った。
<< なによシロムはウィンディーネ様が好きなんでしょう。だったら親密になる良い機会じゃない。ウィンディーネ様も嫌がってないわ。裸の付き合いなんて滅多にできないわよ。>>
そうかもしれないけれど、ウィンディーネ様が元に戻った時に恥ずかしがるのじゃないだろうか。ウィンディーネ様がこんな状態であることに付け込むなんて、女の人が酔っぱらっていることを良い事に何かするみたいで良くない気がする。
どうしよう、どうしよう、どうすればいい....思い悩むが結論は出ない。何も出来ないまま時間だけが経って行く。
「ご主人様、大丈夫ですか? お顔が真っ赤です。そろそろ身体を洗われてはいかがでしょう、お背中を流させていただきます。」
「だ、大丈夫です。も、もう少しこのままで....。」
浴槽の外に出たらウィンディーネ様にまともに裸を晒すことになる。今の股間を見られたらきっと恥ずかしくて死んでしまう。
だがその内に何だか頭がぼんやりして来た。心臓がドキドキして何だか息苦しい。それに熱くて堪らない。これは不味いと思いウィンディーネ様に背中を向けて立ち上がろうとしたが、その途端目の前が暗くなった。
意識が朦朧となった僕はウィンディーネ様に抱かれてベッドまで運ばれた。その後ウィンディーネ様は濡れている僕の身体をタオルで拭いてくださり、さらにパジャマを着せてくださった。もちろん身体を拭く時にはウィンディーネ様に全身くまなく見られました。
しばらくして体調が回復した僕が起き上がると、ウィンディーネ様が安心した様に抱き付いて来た。
「心配いたしました。ご主人様は熱いお風呂に長く浸かり過ぎたのです。今の私にはご主人様を回復させる力はありません。もしものことがあったらと思うと不安でたまりませんでした。」
僕に抱き付いたウィンディーネ様のおっぱいが顔に押し付けられて息が出来ない。
「ウ、ウィンディーネ様、ふ、服を....。」
「まあ、失礼しました。でもご主人様が心配させるから悪いのです。服の事なんて忘れていました。」
そう言ったウィンディーネ様の身体がいつもの水色のワンピースに包まれた。
その夜は遅くまでウィンディーネ様から色々な話を聞いた。水の泡から生まれたウィンディーネ様が大精霊となるまで、精霊王様との出会い、アキュリス皇子との出会いとその後。でも僕にとって何より衝撃だったのは3000年前の魔族との戦いの話だ。なんと本当の敵は異世界からやって来た魔族ではなく、魔族から魂の力を奪う方法を聞き出した人間だったのだ。魔族の人達は魂の力を奪うのはレイスのみと決めているある意味節度を持った存在だったのだが人間達はそうではなかった。そして何百、何千もの魂の力を奪い取り力を付けた人間達は神や精霊の魂にも手を延ばし始めた。それからはそれらの人間も含め魂の力を奪う者達を魔族と呼ぶようになった。ウィンディーネ様の配下の精霊も沢山犠牲になったらしい。その話をしてくださった時とても悲しそうな顔をしていた。
神と精霊は手を組んで魔族への戦いを始めた。戦いは一進一退を続け100年以上の長きにわたり続いたが、神々が行った新しく生まれてくる人間の身体に精神世界を加えて魂を防御するという戦法が功を奏し、魂の力を奪えなくなった魔族は遂に滅びた。その時に異世界から来た魔族も全員滅びたと思われていたのだが、カルミさん達がひっそりと生き残っていたわけだ。彼女達が持っていた神器は彼女達が生きて行ける様にと親から譲り受けたものらしい。もっとも当時カルミさん達は子供だったから戦いの事はほとんど覚えていない。
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