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62. アライ山へ
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(シロム視点)
それからしばらくしてアーシャ様と約束していた聖なる岩探しの日が来た。学校を卒業した後僕が使うことになる預言者の執務室に設置する聖なる岩を探しに行くわけだ。もっとも、候補地の岩山は空を飛べば直ぐに着くところで、カルロ教国の外ではあるが余裕で日帰りできる距離らしい。アーシャ様からは「ジャニスも連れてピクニックのつもりで行きましょう。」と言われている。
朝早くからカンナとアルムさん、それにチーアルと共に家を出た僕は、ウィンディーネ様のいらっしゃる泉の広場に向かう。家をでる時点で預言者の杖を使って身体を透明化しているから誰も僕達に気付かない。人にぶつからない様に注意する必要があるが、早朝だから人通りも少ない。余裕で泉の広場に到着した。
泉に到着するとウィンディーネ様が作ってくれた巨大な水球に乗り込んで出発となる。水球は中が空洞になっていて中に入っても呼吸が出来る。
水球が空中に浮かび上がると泉の広場にいた人達が驚いて見上げるが、大きな騒ぎにはならない。この広場ではウィンディーネ様が起こす不可思議なことが続いているから慣れっこになっている様だ。もちろんウィンディーネ様も一緒に飛んでいるのだが、実体化を解いた精霊は普通の人には見えないから、下から見えるのは水球だけのはずだ。
水球の下部は白色に濁っていて下を向いても地上は見えない。高い所を飛んでも僕達が怖がらない様に配慮してくれているのだろう。
「すごいです! ドラゴニウス様に乗って空の旅は経験しましたけれど、こちらの方がずっと快適です。」
アルムさんがそう言うのも無理はない、ドラゴニウスさんの背中は結構揺れるのだ。
「すごいわね。もう町があんなに小さくなった。これならアライ山まですぐね。」
アライ山と言うのはカルロ教国の近くにあるなだらかな山で、大きな岩が露出して奇景を形作っている。カルロ教国では、初代の預言者カルロ様がこの山で聖なる岩を探し出した場所として知られている。
アーシャ様とはアライ山で落ち合うことになっている。わざわざアライ山まで岩を探しに行くのは、聖なる岩として用いるにはオリハルコンと呼ばれる特別な物質が含まれている必要があるらしく。この辺りでオリハルコンの鉱脈があるのがアライ山だからだ。神域と神殿とを亜空間の通路で繋ぐのにオリハルコンが必要らしいのだ。
ちなみに僕の亜空間収納には父さんが心を込めて作ってくれた弁当が入っている。もちろん全員分だ。
町を出ると、沢山の畑が広がり、更に行くと森や森林が広がる山岳地帯となる。この辺りがカルロ教国の国境のはずだ。山を飛び越えて更に進むと見渡す限りの草原となる。羊の群れが草を食んでいるのが遠くに見える。カルロ様は聖なる山の神様にお会いする前はこの辺りで遊牧民としてお暮しになっていたはずだ。
アライ山はこの平原にある独立峰だ。それほど高い山ではないがその分なだらかに裾野が広がっており、清らかな川が流れていてピクニックにはピッタリらしい。
<< ご主人様、あちらにアーシャ様がいらっしゃいます。>>
ウィンディーネ様が示してくれた方向を見ると、アライ山の裾野にある開けた場所にアーシャ様とジャニス皇女らしき姿が見えた。すでに地面にはシートが広げてあり、近くでは焚火も燃えている。ここを今日の活動のベースキャンプとするおつもりの様だ。
僕達が到着すると、アーシャ様が嬉しそうに走り寄ってくる。
「どう? 中々良い場所を見つけたでしょう。ここで昼食を食べる予定よ。」
そう言われて改めて周りを見ると、地面には芝生の様な短い草がびっしりと生えており、様々な色の花が競い合う様に咲いている。近くには清らかな小川も流れており中々良い景色だ。
「 「素敵です。」 」
カンナとアルムさんの声が揃う。
「それじゃ少し早いけど昼食にして、その後シロムさんは聖なる岩を探しにいってね。私達はここで待っているから。」
「ぼ、僕一人でですか?」
「そうよ。聖なる岩は預言者が見つけたものでないとダメなの。と言っても契約精霊に頼むのはOKよ。チーアルとウィンディーネさんが協力してくれればすぐに見つかるわよ。」
そう言ってアーシャ様は大きな水晶を僕に手渡した。オリハルコンの近くに行くと反応して光を発するらしい。これを目安に探せと言う事だろう。
「大丈夫よ、私達精霊はそんなもの無くてもオリハルコンのある場所は分かるからね。3人で分かれて探せばすぐに見つかるわよ。」
と実体化したチーアルが口にする。
「ご主人様、大丈夫です。ここからでもオリハルコンの強い気配を感じます。すぐに見つかりますよ。」
ウィンディーネ様も励ましてくれる。まあアーシャ様の仰る様に、この2人が居れば大丈夫だろう。
早速亜空間の収納から父さんが作ってくれた弁当を取り出す。アーシャ様の注文通りチィ飯がメインだが、サラダやスープ、デザートもあって弁当としては豪華版だ。
「やっぱり二葉亭のチーカ料理は最高よ。」
「私もそう思います。料理大会で優勝しなかったのが不思議です。」
「優勝した料理も美味しかったですからね。父さんも来年こそはとますます張り切っています。」
「チィ飯は見た目が地味なのよ、そこを改善すればもっと点数が延びると思うわ。」
「御子様は料理大会にはすべて参加されるのですか?」
「もちろんよ、どんな料理が食べられるか楽しみじゃない。」
「御子様は食いしん坊よね。シロムさんの執務室に聖なる岩を設置するのもいつでも町に料理を食べに来れる様にでしょう。」
「ノーコメントよ。」
「図星ね。」
聖なる岩はアーシャ様がこちらに来やすくするため? 確かに聖なる岩は神域と繋がっているから、こちらから神域に行くだけではなく、逆に神域からこちらに来ることも出来る。現在の供物の間では、こちらに来ても出入口の扉は閉まっているし、その前には護衛の兵士が立っているから誰にも気づかれずに外に出ることは難しい。僕の執務室なら身体を透明化して僕と一緒に部屋を出ても良いし。これから建設するのだから誰にも見られずに外に出れる様な仕掛けも出来るかもしれない。僕としては嬉しいが良いのだろうか?
それからしばらくしてアーシャ様と約束していた聖なる岩探しの日が来た。学校を卒業した後僕が使うことになる預言者の執務室に設置する聖なる岩を探しに行くわけだ。もっとも、候補地の岩山は空を飛べば直ぐに着くところで、カルロ教国の外ではあるが余裕で日帰りできる距離らしい。アーシャ様からは「ジャニスも連れてピクニックのつもりで行きましょう。」と言われている。
朝早くからカンナとアルムさん、それにチーアルと共に家を出た僕は、ウィンディーネ様のいらっしゃる泉の広場に向かう。家をでる時点で預言者の杖を使って身体を透明化しているから誰も僕達に気付かない。人にぶつからない様に注意する必要があるが、早朝だから人通りも少ない。余裕で泉の広場に到着した。
泉に到着するとウィンディーネ様が作ってくれた巨大な水球に乗り込んで出発となる。水球は中が空洞になっていて中に入っても呼吸が出来る。
水球が空中に浮かび上がると泉の広場にいた人達が驚いて見上げるが、大きな騒ぎにはならない。この広場ではウィンディーネ様が起こす不可思議なことが続いているから慣れっこになっている様だ。もちろんウィンディーネ様も一緒に飛んでいるのだが、実体化を解いた精霊は普通の人には見えないから、下から見えるのは水球だけのはずだ。
水球の下部は白色に濁っていて下を向いても地上は見えない。高い所を飛んでも僕達が怖がらない様に配慮してくれているのだろう。
「すごいです! ドラゴニウス様に乗って空の旅は経験しましたけれど、こちらの方がずっと快適です。」
アルムさんがそう言うのも無理はない、ドラゴニウスさんの背中は結構揺れるのだ。
「すごいわね。もう町があんなに小さくなった。これならアライ山まですぐね。」
アライ山と言うのはカルロ教国の近くにあるなだらかな山で、大きな岩が露出して奇景を形作っている。カルロ教国では、初代の預言者カルロ様がこの山で聖なる岩を探し出した場所として知られている。
アーシャ様とはアライ山で落ち合うことになっている。わざわざアライ山まで岩を探しに行くのは、聖なる岩として用いるにはオリハルコンと呼ばれる特別な物質が含まれている必要があるらしく。この辺りでオリハルコンの鉱脈があるのがアライ山だからだ。神域と神殿とを亜空間の通路で繋ぐのにオリハルコンが必要らしいのだ。
ちなみに僕の亜空間収納には父さんが心を込めて作ってくれた弁当が入っている。もちろん全員分だ。
町を出ると、沢山の畑が広がり、更に行くと森や森林が広がる山岳地帯となる。この辺りがカルロ教国の国境のはずだ。山を飛び越えて更に進むと見渡す限りの草原となる。羊の群れが草を食んでいるのが遠くに見える。カルロ様は聖なる山の神様にお会いする前はこの辺りで遊牧民としてお暮しになっていたはずだ。
アライ山はこの平原にある独立峰だ。それほど高い山ではないがその分なだらかに裾野が広がっており、清らかな川が流れていてピクニックにはピッタリらしい。
<< ご主人様、あちらにアーシャ様がいらっしゃいます。>>
ウィンディーネ様が示してくれた方向を見ると、アライ山の裾野にある開けた場所にアーシャ様とジャニス皇女らしき姿が見えた。すでに地面にはシートが広げてあり、近くでは焚火も燃えている。ここを今日の活動のベースキャンプとするおつもりの様だ。
僕達が到着すると、アーシャ様が嬉しそうに走り寄ってくる。
「どう? 中々良い場所を見つけたでしょう。ここで昼食を食べる予定よ。」
そう言われて改めて周りを見ると、地面には芝生の様な短い草がびっしりと生えており、様々な色の花が競い合う様に咲いている。近くには清らかな小川も流れており中々良い景色だ。
「 「素敵です。」 」
カンナとアルムさんの声が揃う。
「それじゃ少し早いけど昼食にして、その後シロムさんは聖なる岩を探しにいってね。私達はここで待っているから。」
「ぼ、僕一人でですか?」
「そうよ。聖なる岩は預言者が見つけたものでないとダメなの。と言っても契約精霊に頼むのはOKよ。チーアルとウィンディーネさんが協力してくれればすぐに見つかるわよ。」
そう言ってアーシャ様は大きな水晶を僕に手渡した。オリハルコンの近くに行くと反応して光を発するらしい。これを目安に探せと言う事だろう。
「大丈夫よ、私達精霊はそんなもの無くてもオリハルコンのある場所は分かるからね。3人で分かれて探せばすぐに見つかるわよ。」
と実体化したチーアルが口にする。
「ご主人様、大丈夫です。ここからでもオリハルコンの強い気配を感じます。すぐに見つかりますよ。」
ウィンディーネ様も励ましてくれる。まあアーシャ様の仰る様に、この2人が居れば大丈夫だろう。
早速亜空間の収納から父さんが作ってくれた弁当を取り出す。アーシャ様の注文通りチィ飯がメインだが、サラダやスープ、デザートもあって弁当としては豪華版だ。
「やっぱり二葉亭のチーカ料理は最高よ。」
「私もそう思います。料理大会で優勝しなかったのが不思議です。」
「優勝した料理も美味しかったですからね。父さんも来年こそはとますます張り切っています。」
「チィ飯は見た目が地味なのよ、そこを改善すればもっと点数が延びると思うわ。」
「御子様は料理大会にはすべて参加されるのですか?」
「もちろんよ、どんな料理が食べられるか楽しみじゃない。」
「御子様は食いしん坊よね。シロムさんの執務室に聖なる岩を設置するのもいつでも町に料理を食べに来れる様にでしょう。」
「ノーコメントよ。」
「図星ね。」
聖なる岩はアーシャ様がこちらに来やすくするため? 確かに聖なる岩は神域と繋がっているから、こちらから神域に行くだけではなく、逆に神域からこちらに来ることも出来る。現在の供物の間では、こちらに来ても出入口の扉は閉まっているし、その前には護衛の兵士が立っているから誰にも気づかれずに外に出ることは難しい。僕の執務室なら身体を透明化して僕と一緒に部屋を出ても良いし。これから建設するのだから誰にも見られずに外に出れる様な仕掛けも出来るかもしれない。僕としては嬉しいが良いのだろうか?
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