55 / 71
55. ソフィアに会うラミア娘達
しおりを挟む
(アイ視点)
人間の国の兵隊に襲われていた村を助けた夜、私は眠れなかった。目を瞑ると私のファイヤーボールを浴びて焼け死んだ兵士の叫び声がどこからか聞こえて来る気がする。あの苦痛に歪んだ顔...。私のことを恨んで死んでいったのだろうな...。
「アイ...」
と耳元でささやかれ、思わず「ヒッ」と言って跳び起きた。声を掛けて来たのはサラだ。
「なんだサラか、驚かさないでよ。」
「何だか怖くて眠れないの。お願いだから少し付き合ってよ。」
「サラもか、でもカンナやケイトさんがいるから静かにね。ちょっと外に出ましょうか?」
私はサラを誘い、カンナとケイトさんを起さない様にそっとテントの外に出た。今夜は満月で、月明かりで結構明るい。少し離れたところにある護衛の兵士さん達のテントの近くで小さな焚火が燃えており、兵士さんがふたり火の傍に座っている。交代で見張りをしてくれているのだ。
「ケイトさんの言っていたとおり、いい経験じゃなかったわね。」
とサラが言う。敵兵を殺したことを言っているのだろう。今日の戦いではサラもひとり殺している。
「そうね。でも仕方なかったと思う。もう一度同じことが起きたら、やっぱり戦うわ。」
「アイは強いなあ...。」
「強くは無いわよ。実はサラと同じで私も眠れなかったの。ケイトさんみたいになるにはまだまだね。」
「おじょうさんがた、どうかしましたか?」
と焚火の傍から兵士さんのひとりが話しかけて来た。マルクさんだ。マルクさん達も長い間一緒に旅をしている間に、すこし魔族語が話せる様になった。
「眠れなくて。」
とサラが答えると、マルクさんは納得した様に頷いた。
「それがふつうですよ。おれたちも、さいしょはそうでした。」
「私達も座って良いですか?」
と私が尋ねると、「もちろん」と返って来たので、サラと一緒に焚火の傍にすわる。マルクさんと一緒に見張りをしているカーリさんが、焚き木を少し放り込んで火を大きくしてくれる。
「今日は村人達の治療をありがとう。何人もの村人が命を救われたと聞いたよ。」
とカーリさんが言う。カーリさんは兵士さんの中で一番魔族語が上手になった。その理由はサラと仲が良いからと確信している。
「あれはケイトさんが渡してくれた回復薬のお陰よ。私達の回復魔法では限界があるもの。ケイトさんは不思議な人ね。ソフィア様のお作りになった回復薬をもっているなんて。」
とサラが言うと、マルクさんが口を開いた。
「ソフィアさまは、けいとさんが、ぼうけんしゃだったとき。なかまだったんです。おれも、いちどだけ、いっしょに、たびをしたことが、あります。」
なんとマルクさんは、もともとケイトさんと知り合いだったとは知っていたが、ソフィア様とも面識があったとは驚いた。それにしても、ソフィア様が精霊王様が住む森の深奥を出られてから、王都に来られるまで何をされていたのかは謎だと言う噂だったけど、ケイトさんと一緒にお暮しになっていたとは。なんとも驚くことばかりだ。だが本当の驚きはこの後にやって来たのだった。
それから何日も旅は続き、私達は漸く谷底の道が見えるところまでやって来た。谷底の道に近づくと沢山のエルフの兵士達とすれ違う。これから人間の国との戦いに出向くのだろう。少数だがラミア族の兵士も混じっている。私たちが馬車の窓から手を振ると、エルフの兵士もラミアの兵士も嬉しそうに手を振り返してくれる。この人達が無事に帰って来ますようにと祈る。その内、ラミアの兵士のひとりが、
「今、谷底の道の出口にソフィア様がいらっしゃる。急げばお顔を拝見できるかもしれないぞ。ドラゴンを従えておられるから驚くなよ。」
と教えてくれた。ソフィア様のお姿を見ることができる! 戦場に出向く兵士達を見送りに来られたのだろうか? もちろん、私達は谷底の道に急いだ。そして、先ほどのラミアの兵士が教えてくれた通り、谷底の道の入り口には、巨大なドラゴンの姿と、その横に立つ金髪の人間の女性の姿が見えた。タイミング良く、ソフィア様のお顔が見えるところまで来た時は、ちょうどエルフの兵士の最後のひとりが谷底の道から出たところだった。
「ケイトさんはソフィア様とお知り合いなんですよね。私、ご挨拶したいです。紹介してもらえませんか?」
と思わずケイトさんに尋ねた。こんなチャンスは2度と無いだろう。すぐにサラとカンナが「私も」と言って来る。ケイトさんはちょっと考えていたが、笑顔で、
「いいわよ、私もソフィア様と話がしたいしね。」
と言ってくれた。
私達は馬車を開けた場所に止めた。馬車に乗ったまま女王様に近づくなんて失礼極まりない。それから護衛の兵士さん達には馬車の傍で待ってもらって私達とケイトさんだけで、ソフィア様の方に近づく。兵士さん達を残したのはソフィア様に警戒されないためだ。
だが、そんな配慮は不要だった様だ。ソフィア様は私達の方をご覧になったと思ったら、驚いた顔で、こちらに向かって駆けて来る。何? 何? 私達何か失礼なことをしたのだろうか? とドギマギしたが、ソフィア様はそのまま、
「ケイトさーん!」
と叫んで、満面の笑みでケイトさんに抱き付いた。知り合いだとは聞いていたが、想像以上に親しい様だ。ケイトさんの後で、私達はあわてて身体を低くして頭を下げた。
「ケイトさん、こんなところで会えるなんて夢の様です。直轄領で通訳の仕事をしていると村長さんから聞いていたので心配していたんですよ。無事でよかったです。」
と笑顔でケイトさんに告げるソフィア様。本当に嬉しそうだ。
「ソフィアこそ、女王様になったと聞いた時は驚いたわよ。それに子供が生まれたそうね、おめでとう!」
「ありがとうございます。サマルという名です。カラシンさんが名付けてくれました。」
「まあ、院長先生と同じ名前ね。」
「ええ、カラシンさんの尊敬する先生らしいです。」
「確かに良い先生だったわ。私達孤児のことを真剣に考えてくれていた。でも院長先生もまさか自分の名前が王子様に付けられるとは夢にも考えてなかったでしょうね。」
「王子様ですか?」
「そうよ、女王であるソフィアの子供なのだから当然じゃない。」
「そうか、そうですよね。まだ実感がなくて...。」
「まあ、急だったから無理はないけどね。それより、カラシンは元気にしてる?」
ケイトさん、ソフィア様だけでなく王配のカラシン様まで呼び捨てだよ...。
「ええ、でも...。」
「分かってる。今は将軍として直轄領の城に居るのよね。」
「そうなんです。私、心配で...。」
と言いかけたソフィア様は、私達が頭を下げているのに気付いたのだろう。慌てた様に言った。
「御免なさい。皆さん頭を上げて下さい。ケイトさんと一緒に身分証の発行に回って下さっていたラミア族の方達ですよね。」
「ラミア族のアイと申します。女王様にお声を掛けていただけるとは、光栄の至りでございます。」
「サラです。」
「カンナと申します。」
とサラとカンナも名前を述べる。
「とても優秀な子達よ、おかげで楽しく仕事ができたわ。戦争のために中断するのが残念だった。あと少しで任務完了だったからね。」
とケイトさんが口を添えてくれる。
「まあ、そうなんですね。アイさん、サラさん、カンナさん、身分証発行の仕事をしてくれてありがとうございました。そして、御免なさい。中断になったのは戦争をすると決めた私の責任です。」
「ソフィア様、とんでもありません。マルシ様を殺されて戦いにならない方がおかしいです。私達も兵士さん達と一緒に戦いたいくらいです。」
「アイさん、ありがとう。そう言ってくれると嬉しいです。」
「それでソフィアは兵士を見送るためにここに来たの? 護衛もいない様だけど。」
とケイトさんが尋ねる。私も不思議に思っていた。いくらドラゴンが居るとは言え女王がたったひとりなんて考えられない。
「やはりバレちゃいましたか。実は...。」
とソフィア様が話した内容は大変なものだった。谷底の道の上の崖の崩落。それを起したドラゴンとも対等に戦う謎の敵。
「それは調べないといけないわね。ひょっとしたら人間の国の新兵器かもしれない。そのとんでもない威力からして、放って置いたら戦局を左右するかも。」
とケイトさんが言う。確かにその通りだ。これは私達の出番かもしれない。
「ソフィア様、その敵の死体があるのはこの近くなのですよね。この件は私達に任せていただけませんか? 人間や魔族がそれだけの威力の魔法を使えるとは思えません。きっと何かの魔道具を使ったのです。魔道具なら私達ラミアの得意分野です、調べれば何か分かるかもしれません。」
「それなら私も一緒に行きます。まだ他にも敵がいるかもしれませんから。」
「ソフィア!!! あなたはまだ自分の立場が分かっていないのね。あなたは女王なのよ、あなたに何かあったら魔族の国は大変なことになるの。それなのに、あなたはたったひとりでドラゴンに乗って飛んできた。今頃王都は大騒ぎになっているわ。あなたは直ぐに王都に返りなさい。危険だったらなおさらあなたは来てはいけないの。分かった?」
「ひゃぃ、ごめんなさい。」
せ、説教した。ケイトさん、ソフィア様に説教したよ。完全に上から目線だ、不敬罪に問われるよ。でも、ソフィア様は素直に謝っているし...。
その後のケイトさん主導の話し合いで、ソフィア様はドラゴンに乗ってただちに王都にお戻りになり、敵の死体は私達が調査すること、念の為にマルクさん達だけでなく、谷底の道を警護しているオーガの兵士3人に同行してもらうことが決まった。いや、決まったというよりケイトさんが決めた。完全にソフィア様よりケイトさんの方が立場が上だ。私はとんでもない人と知り合いになってしまったのかもしれない...。
人間の国の兵隊に襲われていた村を助けた夜、私は眠れなかった。目を瞑ると私のファイヤーボールを浴びて焼け死んだ兵士の叫び声がどこからか聞こえて来る気がする。あの苦痛に歪んだ顔...。私のことを恨んで死んでいったのだろうな...。
「アイ...」
と耳元でささやかれ、思わず「ヒッ」と言って跳び起きた。声を掛けて来たのはサラだ。
「なんだサラか、驚かさないでよ。」
「何だか怖くて眠れないの。お願いだから少し付き合ってよ。」
「サラもか、でもカンナやケイトさんがいるから静かにね。ちょっと外に出ましょうか?」
私はサラを誘い、カンナとケイトさんを起さない様にそっとテントの外に出た。今夜は満月で、月明かりで結構明るい。少し離れたところにある護衛の兵士さん達のテントの近くで小さな焚火が燃えており、兵士さんがふたり火の傍に座っている。交代で見張りをしてくれているのだ。
「ケイトさんの言っていたとおり、いい経験じゃなかったわね。」
とサラが言う。敵兵を殺したことを言っているのだろう。今日の戦いではサラもひとり殺している。
「そうね。でも仕方なかったと思う。もう一度同じことが起きたら、やっぱり戦うわ。」
「アイは強いなあ...。」
「強くは無いわよ。実はサラと同じで私も眠れなかったの。ケイトさんみたいになるにはまだまだね。」
「おじょうさんがた、どうかしましたか?」
と焚火の傍から兵士さんのひとりが話しかけて来た。マルクさんだ。マルクさん達も長い間一緒に旅をしている間に、すこし魔族語が話せる様になった。
「眠れなくて。」
とサラが答えると、マルクさんは納得した様に頷いた。
「それがふつうですよ。おれたちも、さいしょはそうでした。」
「私達も座って良いですか?」
と私が尋ねると、「もちろん」と返って来たので、サラと一緒に焚火の傍にすわる。マルクさんと一緒に見張りをしているカーリさんが、焚き木を少し放り込んで火を大きくしてくれる。
「今日は村人達の治療をありがとう。何人もの村人が命を救われたと聞いたよ。」
とカーリさんが言う。カーリさんは兵士さんの中で一番魔族語が上手になった。その理由はサラと仲が良いからと確信している。
「あれはケイトさんが渡してくれた回復薬のお陰よ。私達の回復魔法では限界があるもの。ケイトさんは不思議な人ね。ソフィア様のお作りになった回復薬をもっているなんて。」
とサラが言うと、マルクさんが口を開いた。
「ソフィアさまは、けいとさんが、ぼうけんしゃだったとき。なかまだったんです。おれも、いちどだけ、いっしょに、たびをしたことが、あります。」
なんとマルクさんは、もともとケイトさんと知り合いだったとは知っていたが、ソフィア様とも面識があったとは驚いた。それにしても、ソフィア様が精霊王様が住む森の深奥を出られてから、王都に来られるまで何をされていたのかは謎だと言う噂だったけど、ケイトさんと一緒にお暮しになっていたとは。なんとも驚くことばかりだ。だが本当の驚きはこの後にやって来たのだった。
それから何日も旅は続き、私達は漸く谷底の道が見えるところまでやって来た。谷底の道に近づくと沢山のエルフの兵士達とすれ違う。これから人間の国との戦いに出向くのだろう。少数だがラミア族の兵士も混じっている。私たちが馬車の窓から手を振ると、エルフの兵士もラミアの兵士も嬉しそうに手を振り返してくれる。この人達が無事に帰って来ますようにと祈る。その内、ラミアの兵士のひとりが、
「今、谷底の道の出口にソフィア様がいらっしゃる。急げばお顔を拝見できるかもしれないぞ。ドラゴンを従えておられるから驚くなよ。」
と教えてくれた。ソフィア様のお姿を見ることができる! 戦場に出向く兵士達を見送りに来られたのだろうか? もちろん、私達は谷底の道に急いだ。そして、先ほどのラミアの兵士が教えてくれた通り、谷底の道の入り口には、巨大なドラゴンの姿と、その横に立つ金髪の人間の女性の姿が見えた。タイミング良く、ソフィア様のお顔が見えるところまで来た時は、ちょうどエルフの兵士の最後のひとりが谷底の道から出たところだった。
「ケイトさんはソフィア様とお知り合いなんですよね。私、ご挨拶したいです。紹介してもらえませんか?」
と思わずケイトさんに尋ねた。こんなチャンスは2度と無いだろう。すぐにサラとカンナが「私も」と言って来る。ケイトさんはちょっと考えていたが、笑顔で、
「いいわよ、私もソフィア様と話がしたいしね。」
と言ってくれた。
私達は馬車を開けた場所に止めた。馬車に乗ったまま女王様に近づくなんて失礼極まりない。それから護衛の兵士さん達には馬車の傍で待ってもらって私達とケイトさんだけで、ソフィア様の方に近づく。兵士さん達を残したのはソフィア様に警戒されないためだ。
だが、そんな配慮は不要だった様だ。ソフィア様は私達の方をご覧になったと思ったら、驚いた顔で、こちらに向かって駆けて来る。何? 何? 私達何か失礼なことをしたのだろうか? とドギマギしたが、ソフィア様はそのまま、
「ケイトさーん!」
と叫んで、満面の笑みでケイトさんに抱き付いた。知り合いだとは聞いていたが、想像以上に親しい様だ。ケイトさんの後で、私達はあわてて身体を低くして頭を下げた。
「ケイトさん、こんなところで会えるなんて夢の様です。直轄領で通訳の仕事をしていると村長さんから聞いていたので心配していたんですよ。無事でよかったです。」
と笑顔でケイトさんに告げるソフィア様。本当に嬉しそうだ。
「ソフィアこそ、女王様になったと聞いた時は驚いたわよ。それに子供が生まれたそうね、おめでとう!」
「ありがとうございます。サマルという名です。カラシンさんが名付けてくれました。」
「まあ、院長先生と同じ名前ね。」
「ええ、カラシンさんの尊敬する先生らしいです。」
「確かに良い先生だったわ。私達孤児のことを真剣に考えてくれていた。でも院長先生もまさか自分の名前が王子様に付けられるとは夢にも考えてなかったでしょうね。」
「王子様ですか?」
「そうよ、女王であるソフィアの子供なのだから当然じゃない。」
「そうか、そうですよね。まだ実感がなくて...。」
「まあ、急だったから無理はないけどね。それより、カラシンは元気にしてる?」
ケイトさん、ソフィア様だけでなく王配のカラシン様まで呼び捨てだよ...。
「ええ、でも...。」
「分かってる。今は将軍として直轄領の城に居るのよね。」
「そうなんです。私、心配で...。」
と言いかけたソフィア様は、私達が頭を下げているのに気付いたのだろう。慌てた様に言った。
「御免なさい。皆さん頭を上げて下さい。ケイトさんと一緒に身分証の発行に回って下さっていたラミア族の方達ですよね。」
「ラミア族のアイと申します。女王様にお声を掛けていただけるとは、光栄の至りでございます。」
「サラです。」
「カンナと申します。」
とサラとカンナも名前を述べる。
「とても優秀な子達よ、おかげで楽しく仕事ができたわ。戦争のために中断するのが残念だった。あと少しで任務完了だったからね。」
とケイトさんが口を添えてくれる。
「まあ、そうなんですね。アイさん、サラさん、カンナさん、身分証発行の仕事をしてくれてありがとうございました。そして、御免なさい。中断になったのは戦争をすると決めた私の責任です。」
「ソフィア様、とんでもありません。マルシ様を殺されて戦いにならない方がおかしいです。私達も兵士さん達と一緒に戦いたいくらいです。」
「アイさん、ありがとう。そう言ってくれると嬉しいです。」
「それでソフィアは兵士を見送るためにここに来たの? 護衛もいない様だけど。」
とケイトさんが尋ねる。私も不思議に思っていた。いくらドラゴンが居るとは言え女王がたったひとりなんて考えられない。
「やはりバレちゃいましたか。実は...。」
とソフィア様が話した内容は大変なものだった。谷底の道の上の崖の崩落。それを起したドラゴンとも対等に戦う謎の敵。
「それは調べないといけないわね。ひょっとしたら人間の国の新兵器かもしれない。そのとんでもない威力からして、放って置いたら戦局を左右するかも。」
とケイトさんが言う。確かにその通りだ。これは私達の出番かもしれない。
「ソフィア様、その敵の死体があるのはこの近くなのですよね。この件は私達に任せていただけませんか? 人間や魔族がそれだけの威力の魔法を使えるとは思えません。きっと何かの魔道具を使ったのです。魔道具なら私達ラミアの得意分野です、調べれば何か分かるかもしれません。」
「それなら私も一緒に行きます。まだ他にも敵がいるかもしれませんから。」
「ソフィア!!! あなたはまだ自分の立場が分かっていないのね。あなたは女王なのよ、あなたに何かあったら魔族の国は大変なことになるの。それなのに、あなたはたったひとりでドラゴンに乗って飛んできた。今頃王都は大騒ぎになっているわ。あなたは直ぐに王都に返りなさい。危険だったらなおさらあなたは来てはいけないの。分かった?」
「ひゃぃ、ごめんなさい。」
せ、説教した。ケイトさん、ソフィア様に説教したよ。完全に上から目線だ、不敬罪に問われるよ。でも、ソフィア様は素直に謝っているし...。
その後のケイトさん主導の話し合いで、ソフィア様はドラゴンに乗ってただちに王都にお戻りになり、敵の死体は私達が調査すること、念の為にマルクさん達だけでなく、谷底の道を警護しているオーガの兵士3人に同行してもらうことが決まった。いや、決まったというよりケイトさんが決めた。完全にソフィア様よりケイトさんの方が立場が上だ。私はとんでもない人と知り合いになってしまったのかもしれない...。
0
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
公爵家の半端者~悪役令嬢なんてやるよりも、隣国で冒険する方がいい~
石動なつめ
ファンタジー
半端者の公爵令嬢ベリル・ミスリルハンドは、王立学院の休日を利用して隣国のダンジョンに潜ったりと冒険者生活を満喫していた。
しかしある日、王様から『悪役令嬢役』を押し付けられる。何でも王妃様が最近悪役令嬢を主人公とした小説にはまっているのだとか。
冗談ではないと断りたいが権力には逆らえず、残念な演技力と棒読みで悪役令嬢役をこなしていく。
自分からは率先して何もする気はないベリルだったが、その『役』のせいでだんだんとおかしな状況になっていき……。
※小説家になろうにも掲載しています。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。
天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」
目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。
「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」
そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――?
そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た!
っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!!
っていうか、ここどこ?!
※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました
※他サイトにも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる