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31. 黒死病の薬を届けるソフィア達 - 1
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(ソフィア視点)
お母さんが別れ際にリクルの実をひとつ渡してきて、「カラシンの前で丸かじりすると良いことがあるかもよ」と囁いて来た。訳が分からないけど、お母さんの言う事だ理由はあるのだろう。やってみると、なんとカラシンさんが求婚してくれたのだ。お母さんの言った通りだよ。嬉しさの余り、思わずカラシンさんに抱き付いてキスをしていた。視界がぼやける、嬉しくても涙が流れるんだと知った。カラシンさんの肋を折らない様に力を必死に加減した。
「あのね、お取込み中のところ申し訳ないんだけど、そろそろ黒死病の薬を作った方が良くないかしら。」
ケイトさんの声で我に返る。思わずカラシンさんから離れる。顔が熱い、きっと真っ赤になっているだろう。カラシンさんの顔も真っ赤だ。それに私とキスしたから、口の周りにリクルの果汁がべっとりとついている。私も同じなんだろうなと恥ずかしくなる。どうしてお母さんはこんな顔をカラシンさんに見せる様に言ったのだろう。効果があったから文句も言えないけど恥ずかしい。
「ふたりとも、婚約おめでとう。でも、今度からそう言うことは他人がいない所でやってね。」
とケイトさんに重ねて言われる。私とカラシンさんは顔を見合わせて笑い出した。今は何を言われても楽しいと感じてしまう。ハンカチで顔を拭いた私達はケイトさんとマイケルさんに謝り、薬作りを開始した。明日の朝には薬を持ってカイルさんの村に向かうのが目標だ。
(マルク視点)
開拓村に到着してからも驚くことばかりだ。村長から、魔族の国では人間の国との交易を望んでおり、魔族の国から売りたい物のサンプルを託すので軍の依頼で購入する農産物と一緒にギルドに届けて欲しいと言われたのだ。しかも、サンプルを運ぶための馬車を用意しており、引き受けてくれるなら礼として馬車と馬は俺たちにくれると言う。話がうますぎて当惑してしまう。なんでも、この村は税を納めない代わりに人間の国との交易をオーガキングから任されているらしい。人間の商人達にこの村に来てもらうための先行投資だと言う。
「心配せんでも、考えたは儂じゃが、サンプルの商品や馬車を用意したのはオーガキングじゃ、この村じゃ無い。もっとも儂が考えたと言ったが、最初に薬草のサンプルを人間の国に渡すことを考えたのはケイトさん達じゃがな。」
なるほど、この村は交易の役目をオーガキングから命じられている訳か。それにしても人間である村長の提案を王であるオーガキングはすんなり受け入れたのか。庶民が何を言っても聞く耳を持たない人間の国の貴族や王族とは違うようだ。
そんなことを考えていた時、ケイトさんのチームのマイケルが俺たちを訪ねてきた。黒死病の薬が出来上がったので、ケイトさん達は明日の朝早くにカイルの村に向かうと知らせに来てくれたのだ。
「黒死病が発生しているのか?」
と、横で話を聞いていた村長が尋ねて来たのでカイルの村の状況を説明する。村長は少し考え事をしていたが、夜にも関わらずその後すぐに家を出て行った。
翌朝になると村長が言っていた馬車が村に到着した。オーガキングから提供された馬車は馬4頭で引く立派なものだ。ドワーフが作った物だと言う。売れば金貨数十枚になるだろう。これを俺達にくれるとは気前が良すぎる。馬車には魔族の国が人間の国に販売したい製品が積まれている。ドワーフ族の作った鎧や剣、アラクネ族の作った絹織物(自分達の出した糸で織ったもの)、エルフ族の栽培した香辛料、ラミア族の作った魔道具類だ。これにケイトさんから託されている魔物の森の薬草が加わるわけだ。素人の俺が判断できるものでは無いが、どれも最高級の品物だと思う。魔族の国の計画している交易がうまく行く様、確実にギルドに届けなければと気を引き締めた。
だが、身支度を整え出発しようとしていた時、村長がカイルの村に食料を届けてくれと言って来た。村長が言うには、黒死病で村や町が隔離された場合、病人がいなくなっても一月間は外に出してもらえないらしい。いくらカイルに渡した金が有っても、村の外に出られないのでは食料を買いに行けない。このままでは黒死病で死ななくても隔離が解かれるまでに餓死してしまう。村の人達と相談してひと月分の食糧を提供しようと言う事になったという。有難いが良いのかと問いかける俺たちに、「税として納めていた量と比べれば大した事はない」と村長が答える。
ケイトさん達も、何の得にもならないのに今頃は黒死病の薬を持ってカイルの村に向かっているはずだ。一体全体、こいつらは何なんだ、魔族の国の奴等の方が、人間の国の奴等より遥かにましじゃないか。人間の国は完全に負けている、情けなくて涙が出て来た。
開拓村の人々の見送りを受けて村を出発する。途中でオーガやアラクネの兵士が守る谷底の道も問題なく通過した。谷の出口ではあの人間の言葉を話すドワーフが俺達から魔族の国の仮の身分証を受け取りながら、「又のご来訪をお待ちしています」と言ってくれた。俺としても是非もう一度訪れてみたい。
(アマンダ視点)
今日、とうとう恐れていたことが起きた。カイルの身体に黒斑が現われたのだ。カイルはまだ平気だと言うが、その内に高熱が出て生死の境目を彷徨うことになる。私の不注意でカイルを黒死病に感染させてしまった。居ても立っても居られない。
カイルは冒険者達に貰った薬4本を全部子供達に与えてしまった。1本自分のために取っておくように勧めたのだが、仲間が魔族の国に死にに行くのに自分だけ生き延びるわけに行かないと言って聞いてくれなかった...カイルのバカ...。
一方で私は完全に黒死病から回復した。私だけでなくあの冒険者達がくれた薬を飲んだ子供達も全員回復している。まるで奇跡の薬だ。
今日で冒険者達が去ってから3日になる。カイルの持ってきてくれた食糧も尽きた。村の入り口で私達が村から出ない様に見張っている兵士達に、お金を渡すから食糧を提供してほしい旨を何度も伝えたのだが、まるで聞く耳を持たない。まるで、私達が渡すお金は黒死病に汚染されているので触りたくないと言う様な感じだ。私はひたすら神に祈った。せっかくカイルが命懸けで食糧を買うお金を持って帰ってくれたと言うのに、それを使うことも出来ずに病気と飢えで死んでゆくなんて納得できない。
その時、遠くからかすかな声が聞こえて来た。
「おーい! 誰かいないか? 薬を持って来たぞ!」
声は村の入り口の方から聞こえる。薬? まさかあの奇跡の薬か? 私は急いで村の入り口に向かった。途中でカイルに出会う。カイルにもあの声が聞こえた様だ。ふらつくカイルを支えながら、ふたりで村の入り口に向かった。他にも何人か動くことが出来る人達が私達と同じように村の入り口に向かっている。
村の入り口には先日の冒険者達4人が立っていた。さっきの声はこの人達の様だ。私とカイルを見つけると背の高い女性が。
「おーい、黒死病の薬を持って来たわよ!」
と大声で叫んだ。冒険者達の言葉の通り村の入り口には薬の瓶が並んで置かれている。私達が村の入り口に到着すると、赤毛の女性冒険者が説明を始めた。
「そこに置いてあるのが黒死病の薬よ、96本あるわ。予防効果もあるから黒死病に掛かっていない人も飲んでちょうだい。ひとりでも黒死病の患者が残っていたら、その人から再度感染が発生する可能性があるから必ず全員が飲んでちょうだいね。」
そうは言われても、何処の誰とも分からない冒険者が持って来た薬だ。皆気味悪がって手を出そうとしない。誰かが先に飲んで大丈夫なことを確認してからと考えている様だ。その時カイルが口を開いた。
「皆、飲め! 大丈夫だ、俺が保証する。見てろよ。」
と言って薬瓶を手にすると一気に飲み干した。しばらくしてカイルの身体が淡く発光し、光が消えた時カイルの顔にあった黒斑が綺麗に消えていた。カイルは上着を脱ぎ、上半身裸になって皆に見せる。
「黒死病が治った! 見ろ、黒斑が消えているだろう!」
それを見た他の人達が我先に薬瓶に手を出し、薬を飲んだもの全員の黒斑が消えた。歓声が辺りを満たす。私は、あの奇跡の薬を飲んだ子供達が黒死病から快癒する光景を見ているからこそこうなると予測できたが、あり得ない光景だ。あの冒険者達は何者なのだろう、もしかしたら神の御使い様ではないのか...。
「おい、薬を入れる箱を持ってこい。手に持って運んで落としたら大変だ。」
と誰かが言うと「おう!」という掛け声とともに何人かが村の方向に走って行く。
「それとね、あそこに積んであるのはマルクからこの村に届ける様に依頼された食糧よ。魔族の国からこの村への贈り物なんですって。これも村に運んでね。中身は麦らしいわよ」
と女性冒険者が言う。
あの沢山積み上げてある袋の中身は麦! 私達にくれるって言うの? でも魔族の国からの贈り物なんて受け取って良いのだろうか、傍では私達を監視している兵士達は忌々しそうに冒険者達を睨んでいるが何も言わない。魔族の国の麦を食べるか、飢えて死ぬかと問われれば食べるしかない。私達は救われるかもしれない、そう考えると、私は感極まってカイルに抱き付いて泣き始めた。
お母さんが別れ際にリクルの実をひとつ渡してきて、「カラシンの前で丸かじりすると良いことがあるかもよ」と囁いて来た。訳が分からないけど、お母さんの言う事だ理由はあるのだろう。やってみると、なんとカラシンさんが求婚してくれたのだ。お母さんの言った通りだよ。嬉しさの余り、思わずカラシンさんに抱き付いてキスをしていた。視界がぼやける、嬉しくても涙が流れるんだと知った。カラシンさんの肋を折らない様に力を必死に加減した。
「あのね、お取込み中のところ申し訳ないんだけど、そろそろ黒死病の薬を作った方が良くないかしら。」
ケイトさんの声で我に返る。思わずカラシンさんから離れる。顔が熱い、きっと真っ赤になっているだろう。カラシンさんの顔も真っ赤だ。それに私とキスしたから、口の周りにリクルの果汁がべっとりとついている。私も同じなんだろうなと恥ずかしくなる。どうしてお母さんはこんな顔をカラシンさんに見せる様に言ったのだろう。効果があったから文句も言えないけど恥ずかしい。
「ふたりとも、婚約おめでとう。でも、今度からそう言うことは他人がいない所でやってね。」
とケイトさんに重ねて言われる。私とカラシンさんは顔を見合わせて笑い出した。今は何を言われても楽しいと感じてしまう。ハンカチで顔を拭いた私達はケイトさんとマイケルさんに謝り、薬作りを開始した。明日の朝には薬を持ってカイルさんの村に向かうのが目標だ。
(マルク視点)
開拓村に到着してからも驚くことばかりだ。村長から、魔族の国では人間の国との交易を望んでおり、魔族の国から売りたい物のサンプルを託すので軍の依頼で購入する農産物と一緒にギルドに届けて欲しいと言われたのだ。しかも、サンプルを運ぶための馬車を用意しており、引き受けてくれるなら礼として馬車と馬は俺たちにくれると言う。話がうますぎて当惑してしまう。なんでも、この村は税を納めない代わりに人間の国との交易をオーガキングから任されているらしい。人間の商人達にこの村に来てもらうための先行投資だと言う。
「心配せんでも、考えたは儂じゃが、サンプルの商品や馬車を用意したのはオーガキングじゃ、この村じゃ無い。もっとも儂が考えたと言ったが、最初に薬草のサンプルを人間の国に渡すことを考えたのはケイトさん達じゃがな。」
なるほど、この村は交易の役目をオーガキングから命じられている訳か。それにしても人間である村長の提案を王であるオーガキングはすんなり受け入れたのか。庶民が何を言っても聞く耳を持たない人間の国の貴族や王族とは違うようだ。
そんなことを考えていた時、ケイトさんのチームのマイケルが俺たちを訪ねてきた。黒死病の薬が出来上がったので、ケイトさん達は明日の朝早くにカイルの村に向かうと知らせに来てくれたのだ。
「黒死病が発生しているのか?」
と、横で話を聞いていた村長が尋ねて来たのでカイルの村の状況を説明する。村長は少し考え事をしていたが、夜にも関わらずその後すぐに家を出て行った。
翌朝になると村長が言っていた馬車が村に到着した。オーガキングから提供された馬車は馬4頭で引く立派なものだ。ドワーフが作った物だと言う。売れば金貨数十枚になるだろう。これを俺達にくれるとは気前が良すぎる。馬車には魔族の国が人間の国に販売したい製品が積まれている。ドワーフ族の作った鎧や剣、アラクネ族の作った絹織物(自分達の出した糸で織ったもの)、エルフ族の栽培した香辛料、ラミア族の作った魔道具類だ。これにケイトさんから託されている魔物の森の薬草が加わるわけだ。素人の俺が判断できるものでは無いが、どれも最高級の品物だと思う。魔族の国の計画している交易がうまく行く様、確実にギルドに届けなければと気を引き締めた。
だが、身支度を整え出発しようとしていた時、村長がカイルの村に食料を届けてくれと言って来た。村長が言うには、黒死病で村や町が隔離された場合、病人がいなくなっても一月間は外に出してもらえないらしい。いくらカイルに渡した金が有っても、村の外に出られないのでは食料を買いに行けない。このままでは黒死病で死ななくても隔離が解かれるまでに餓死してしまう。村の人達と相談してひと月分の食糧を提供しようと言う事になったという。有難いが良いのかと問いかける俺たちに、「税として納めていた量と比べれば大した事はない」と村長が答える。
ケイトさん達も、何の得にもならないのに今頃は黒死病の薬を持ってカイルの村に向かっているはずだ。一体全体、こいつらは何なんだ、魔族の国の奴等の方が、人間の国の奴等より遥かにましじゃないか。人間の国は完全に負けている、情けなくて涙が出て来た。
開拓村の人々の見送りを受けて村を出発する。途中でオーガやアラクネの兵士が守る谷底の道も問題なく通過した。谷の出口ではあの人間の言葉を話すドワーフが俺達から魔族の国の仮の身分証を受け取りながら、「又のご来訪をお待ちしています」と言ってくれた。俺としても是非もう一度訪れてみたい。
(アマンダ視点)
今日、とうとう恐れていたことが起きた。カイルの身体に黒斑が現われたのだ。カイルはまだ平気だと言うが、その内に高熱が出て生死の境目を彷徨うことになる。私の不注意でカイルを黒死病に感染させてしまった。居ても立っても居られない。
カイルは冒険者達に貰った薬4本を全部子供達に与えてしまった。1本自分のために取っておくように勧めたのだが、仲間が魔族の国に死にに行くのに自分だけ生き延びるわけに行かないと言って聞いてくれなかった...カイルのバカ...。
一方で私は完全に黒死病から回復した。私だけでなくあの冒険者達がくれた薬を飲んだ子供達も全員回復している。まるで奇跡の薬だ。
今日で冒険者達が去ってから3日になる。カイルの持ってきてくれた食糧も尽きた。村の入り口で私達が村から出ない様に見張っている兵士達に、お金を渡すから食糧を提供してほしい旨を何度も伝えたのだが、まるで聞く耳を持たない。まるで、私達が渡すお金は黒死病に汚染されているので触りたくないと言う様な感じだ。私はひたすら神に祈った。せっかくカイルが命懸けで食糧を買うお金を持って帰ってくれたと言うのに、それを使うことも出来ずに病気と飢えで死んでゆくなんて納得できない。
その時、遠くからかすかな声が聞こえて来た。
「おーい! 誰かいないか? 薬を持って来たぞ!」
声は村の入り口の方から聞こえる。薬? まさかあの奇跡の薬か? 私は急いで村の入り口に向かった。途中でカイルに出会う。カイルにもあの声が聞こえた様だ。ふらつくカイルを支えながら、ふたりで村の入り口に向かった。他にも何人か動くことが出来る人達が私達と同じように村の入り口に向かっている。
村の入り口には先日の冒険者達4人が立っていた。さっきの声はこの人達の様だ。私とカイルを見つけると背の高い女性が。
「おーい、黒死病の薬を持って来たわよ!」
と大声で叫んだ。冒険者達の言葉の通り村の入り口には薬の瓶が並んで置かれている。私達が村の入り口に到着すると、赤毛の女性冒険者が説明を始めた。
「そこに置いてあるのが黒死病の薬よ、96本あるわ。予防効果もあるから黒死病に掛かっていない人も飲んでちょうだい。ひとりでも黒死病の患者が残っていたら、その人から再度感染が発生する可能性があるから必ず全員が飲んでちょうだいね。」
そうは言われても、何処の誰とも分からない冒険者が持って来た薬だ。皆気味悪がって手を出そうとしない。誰かが先に飲んで大丈夫なことを確認してからと考えている様だ。その時カイルが口を開いた。
「皆、飲め! 大丈夫だ、俺が保証する。見てろよ。」
と言って薬瓶を手にすると一気に飲み干した。しばらくしてカイルの身体が淡く発光し、光が消えた時カイルの顔にあった黒斑が綺麗に消えていた。カイルは上着を脱ぎ、上半身裸になって皆に見せる。
「黒死病が治った! 見ろ、黒斑が消えているだろう!」
それを見た他の人達が我先に薬瓶に手を出し、薬を飲んだもの全員の黒斑が消えた。歓声が辺りを満たす。私は、あの奇跡の薬を飲んだ子供達が黒死病から快癒する光景を見ているからこそこうなると予測できたが、あり得ない光景だ。あの冒険者達は何者なのだろう、もしかしたら神の御使い様ではないのか...。
「おい、薬を入れる箱を持ってこい。手に持って運んで落としたら大変だ。」
と誰かが言うと「おう!」という掛け声とともに何人かが村の方向に走って行く。
「それとね、あそこに積んであるのはマルクからこの村に届ける様に依頼された食糧よ。魔族の国からこの村への贈り物なんですって。これも村に運んでね。中身は麦らしいわよ」
と女性冒険者が言う。
あの沢山積み上げてある袋の中身は麦! 私達にくれるって言うの? でも魔族の国からの贈り物なんて受け取って良いのだろうか、傍では私達を監視している兵士達は忌々しそうに冒険者達を睨んでいるが何も言わない。魔族の国の麦を食べるか、飢えて死ぬかと問われれば食べるしかない。私達は救われるかもしれない、そう考えると、私は感極まってカイルに抱き付いて泣き始めた。
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