14 / 71
14. オーガキングを訪ねる精霊王
しおりを挟む
(精霊王視点)
村を襲っていたオーガを雷の魔法で倒してから、私は一旦森に戻った。戦いの最中にオーガ同士がしていた会話が気になったのだ。魔族の言葉なので人間達には分からなかっただろうが、オーガキングの悪口を言っていた。ソフィアがあの村にどの程度滞在することになるのか分からないが、二度とソフィアに危険が及ぶ様なことがあってはならない。オーガキングがあのオーガ達を差し向けたのであれば、釘を刺しておかねば。
オーガキングには会ったことがある。10年ほど前に単身で私の元を訪ねて来たのだ。あの頃彼はオーガの王になったばかりだった。私の元に来た目的は、彼の理想実現のために、精霊王である私の協力を取り付けるためだ。彼の目標は魔物の森を魔族の独立国として人間に認めさせることだと言った。先代のオーガキングが人間との戦いに敗れてから、魔物の森は人間に開拓という名の侵略にさらされ続けている。この300年でなんと面積が半分になってしまった。だが、魔族たちは散発的に抵抗を示すものの、種族間の連携が取れず人間の軍隊に対抗できない。魔族をまとめ上げて人間の軍隊に対抗できるだけの組織を作り上げ、魔物の森を不可侵の独立国と認めさせること。それが彼の悲願だった。
その時私は、是とも否とも言わず、まずは戦うことなく魔族をまとめ上げてみろ、それから考えようと答えた。先代のオーガキングの様に、他の種族を力で支配しようとすれば失敗するぞと。そうは言ったが、本当は体よく追い払っただけだ。一部の魔族は私のことを神の様に崇めている。確かに精霊は死ぬことはない。決まった姿も性別すらない。通常の生き物で無いのは確かだ。だが正直な話、私自身、自分が何者であるか知らないし興味もない。それにあの頃はソフィアを育てるのが面白くて、面倒なことに巻き込まれるのは御免だったのだ。
オーガキングが住んでいる集落に向かう。着いてみると、なんと以前集落だったものが町と呼べる規模になり、簡単ではあるが木で出来た家々が並んでいる。オーガである彼がどこから家を作る技術を手に入れたのかと訝しんだが、町に居る魔族たちを眺めて納得した。オーガはもちろん、エルフ、ドワーフ、アラクネ、ラミアと、この森のすべての魔族が共存している。家を作る技術はドワーフ当たりから手に入れたのだろう。
私は、数人の配下を連れて道を歩くオーガキングを見つけ、しばらく観察した。昔会った時には腰に魔物の皮を巻いているだけだったのが、今はちゃんとした服を着ている。このデザインはエルフの物だろうか。道ですれ違う魔族たちは、オーガキングを怖がることもなく、むしろ親しげに声をかけており、オーガキングの方も気軽に挨拶を返している。彼らとの仲は悪くは無い様だ。私はオーガキングが建物の中に入り、数人の配下以外には人影がないことを確認してから姿を現した。以前オーガキングが私に会った時と同じ、ソフィアの母親の姿だ。私を認めるなり、オーガキングは私の前に土下座し頭を下げた。
「精霊王様! このような場所に来ていただけるとは光栄の至りでございます。」
精霊王と聞き、オーガキングの配下達も慌てて頭を下げる。
「マルシよ、無事、魔族の王となった様だな。まずは、よくやったと褒めてやろう。」
「ありがたきお言葉、このマルシ、今日ほど喜びに打ち震えた日はございません。」
「して、これからどのように動くつもりだ? 約束じゃ、話次第では力を貸そう。」
「ハッ、まずは人間の国に対して我らの独立と領土の範囲を宣言いたします。ただいま地図を用いて説明させていただきます。」
オーガキングが配下のひとりに何か囁くと、そのオーガは急いで大きえな地図をもってきて床に広げた。このような物まで使いこなすようになったとは! とひそかに感心する。
「まず、領土ですが、この大陸を南北に貫くアルトン山脈を境とし、これより東を魔族の土地とします。アルトン山脈より西の土地は不本意ながら人間共にくれてやります。」
なるほど、思い切ったものだ。300年前まではアルトン山脈を越えて遥か西まで魔物の森が広がっており、当然そこには魔族達が住んでいた。だが先代のオーガキングが人間との戦いに敗れてこの方、人間達は森の木々を次々と切り倒しながらその領土を拡大してきた。明らかな侵略であるのだが、種族毎に分かれて連携を取ろうとしない魔族達は、人間の軍隊の調略と各個撃破の戦略により、侵略を止めることが出来ずにいる。最近ようやく人間達の領土拡大が止まったのは、何か状況が変わったからではない、人間達の領土がアルトン山脈の麓まで至ったからだ。流石に高山が連なるアルトン山脈を越えて開拓事業を継続するのは困難だったのだ。
「悔しいですが、すでに多くの人間が暮らしているアルトン山脈の西側まで我らが領地と主張すれば、人間との戦争は免れないでしょう。もちろん、戦って負ける気はありませんが、戦争になれば我が方にも多大な被害がでるのは必定。可能な限り戦いは避けたいと考えております。このアルトン山脈を領土の境とすれば、山脈が天然の要害となり、攻めるに難く守るに易しです。いざという時に人間の軍の侵攻をたやすく防ぐことも出来ましょう。」
「なるほどな、じゃがここはどうするつもりじゃ。」
と私が指さしたのはソフィアがいる人間達の開拓村だ。この村だけが例外的にアルトン山脈の東にある。アルトン山脈は高山が連なっているが、このあたりだけ例外的に山が低く、辛うじて馬が通れる道が通っているのだ。その道を開設出来たことにより、人間の村が作られたわけだ。
「人間達が軍を進めるとすれば、間違いなくこのルートになりましよう。山中に堅固な砦を設けます。人間達に独立を宣言するのは、秘密裡に砦を作ってからにするつもりです。独立は人間共に気付かれずに砦を作れるかどうかにかかっていると考えております。完成までに気付かれると、軍の侵入を防げないでしょう。」
「して、この村の人間達はどうする。」
「住んでいる者たちには悪いですが、この森から出て行ってもらうつもりです。」
「ほう、初めて意見が合わなかったな。悪いことは言わん、その者たちに選択の機会を与えてやれ。残りたいと言ったら、6番目の魔族として国民にしてやるのだ。」
「人間を魔族にですか!?」
「別におかしくはないぞ、昔は人間も魔族の種族のひとつだったのだ。」
これは本当のことだ。本来、魔族と人間を区別する理由はない。魔族の中で人間が突出した繁殖力を持っていたために数が増えただけだ。
「そうなのですか...。しかし、人間がこの森に残るとなると安全を保障できません。魔族は多かれ少なかれ人間を憎んでいますから。」
「そこを、お主が守ってやるのだ。村の人間共はお主に感謝するだろう。良いか、国として独立したとしても人間との付き合いを無くしてはならん。未知の物には大きな恐怖が湧く。関係を断てば、一時的に戦いを避けることは出来ても将来より大きな戦いが起きるだろう。戦いを避けるには、お主たち魔族が人間の敵ではないと示すことが肝要だ。独立後も国内に人間達が住んでおり、幸せに暮らして居れば何よりの宣伝になる。そのことを知らせるためにも、人間の国と交易を行い互いに繁栄する道を探すのじゃ。武力を持つことは必要だが、相手に恐怖を与えるだけでは国を保つことは出来んぞ。」
「精霊王様、私が愚かでございました。かならずやその様にいたします。」
口から出まかせの理論だが、うまく説得出来たようだ。これでオーガキングはあの村を守るだろう。神の様に思われているのは鬱陶しいが、偶には役に立つ。
「分かれば良い、ところで、今日その村に攻め込んだオーガ達はお主の差し金ではないと思ってよいな。」
「なんと! 私の指示ではございません。誰か? 心当たりのあるものはいるか?」
と周りの配下達を見回している。すると配下のひとりが発言した。
「お恐れながら、ダラム達ではないかと...。人間の村に手を出すなという王の命令に公然と反発しておりました。」
「なんと...。精霊王様、すぐに止めに参ります。」
「あわてずとも良い。その者たちは儂が始末した。」
「そうでございましたか。精霊王様のお手を煩わせたこと、偏に私の不徳のいたすところでございます。どうか我らオーガ一族をお許しください。責は私が負います。」
「過ぎたことは良い。ただし、今後同じことが起こったら覚悟することだ。」
「寛大なお心に感謝いたします。私の命に代えても二度と同じことは起させません。」
「良い返事じゃの。ならば、儂も褒美としてお主の計画に協力せねばならんな。」
まあ、ソフィアの安全のためにも少しは協力してやろう。それから私はオーガキングに、人間の軍の侵攻を防ぎ、かつ交易を容易に行う方法について話を始めた。
村を襲っていたオーガを雷の魔法で倒してから、私は一旦森に戻った。戦いの最中にオーガ同士がしていた会話が気になったのだ。魔族の言葉なので人間達には分からなかっただろうが、オーガキングの悪口を言っていた。ソフィアがあの村にどの程度滞在することになるのか分からないが、二度とソフィアに危険が及ぶ様なことがあってはならない。オーガキングがあのオーガ達を差し向けたのであれば、釘を刺しておかねば。
オーガキングには会ったことがある。10年ほど前に単身で私の元を訪ねて来たのだ。あの頃彼はオーガの王になったばかりだった。私の元に来た目的は、彼の理想実現のために、精霊王である私の協力を取り付けるためだ。彼の目標は魔物の森を魔族の独立国として人間に認めさせることだと言った。先代のオーガキングが人間との戦いに敗れてから、魔物の森は人間に開拓という名の侵略にさらされ続けている。この300年でなんと面積が半分になってしまった。だが、魔族たちは散発的に抵抗を示すものの、種族間の連携が取れず人間の軍隊に対抗できない。魔族をまとめ上げて人間の軍隊に対抗できるだけの組織を作り上げ、魔物の森を不可侵の独立国と認めさせること。それが彼の悲願だった。
その時私は、是とも否とも言わず、まずは戦うことなく魔族をまとめ上げてみろ、それから考えようと答えた。先代のオーガキングの様に、他の種族を力で支配しようとすれば失敗するぞと。そうは言ったが、本当は体よく追い払っただけだ。一部の魔族は私のことを神の様に崇めている。確かに精霊は死ぬことはない。決まった姿も性別すらない。通常の生き物で無いのは確かだ。だが正直な話、私自身、自分が何者であるか知らないし興味もない。それにあの頃はソフィアを育てるのが面白くて、面倒なことに巻き込まれるのは御免だったのだ。
オーガキングが住んでいる集落に向かう。着いてみると、なんと以前集落だったものが町と呼べる規模になり、簡単ではあるが木で出来た家々が並んでいる。オーガである彼がどこから家を作る技術を手に入れたのかと訝しんだが、町に居る魔族たちを眺めて納得した。オーガはもちろん、エルフ、ドワーフ、アラクネ、ラミアと、この森のすべての魔族が共存している。家を作る技術はドワーフ当たりから手に入れたのだろう。
私は、数人の配下を連れて道を歩くオーガキングを見つけ、しばらく観察した。昔会った時には腰に魔物の皮を巻いているだけだったのが、今はちゃんとした服を着ている。このデザインはエルフの物だろうか。道ですれ違う魔族たちは、オーガキングを怖がることもなく、むしろ親しげに声をかけており、オーガキングの方も気軽に挨拶を返している。彼らとの仲は悪くは無い様だ。私はオーガキングが建物の中に入り、数人の配下以外には人影がないことを確認してから姿を現した。以前オーガキングが私に会った時と同じ、ソフィアの母親の姿だ。私を認めるなり、オーガキングは私の前に土下座し頭を下げた。
「精霊王様! このような場所に来ていただけるとは光栄の至りでございます。」
精霊王と聞き、オーガキングの配下達も慌てて頭を下げる。
「マルシよ、無事、魔族の王となった様だな。まずは、よくやったと褒めてやろう。」
「ありがたきお言葉、このマルシ、今日ほど喜びに打ち震えた日はございません。」
「して、これからどのように動くつもりだ? 約束じゃ、話次第では力を貸そう。」
「ハッ、まずは人間の国に対して我らの独立と領土の範囲を宣言いたします。ただいま地図を用いて説明させていただきます。」
オーガキングが配下のひとりに何か囁くと、そのオーガは急いで大きえな地図をもってきて床に広げた。このような物まで使いこなすようになったとは! とひそかに感心する。
「まず、領土ですが、この大陸を南北に貫くアルトン山脈を境とし、これより東を魔族の土地とします。アルトン山脈より西の土地は不本意ながら人間共にくれてやります。」
なるほど、思い切ったものだ。300年前まではアルトン山脈を越えて遥か西まで魔物の森が広がっており、当然そこには魔族達が住んでいた。だが先代のオーガキングが人間との戦いに敗れてこの方、人間達は森の木々を次々と切り倒しながらその領土を拡大してきた。明らかな侵略であるのだが、種族毎に分かれて連携を取ろうとしない魔族達は、人間の軍隊の調略と各個撃破の戦略により、侵略を止めることが出来ずにいる。最近ようやく人間達の領土拡大が止まったのは、何か状況が変わったからではない、人間達の領土がアルトン山脈の麓まで至ったからだ。流石に高山が連なるアルトン山脈を越えて開拓事業を継続するのは困難だったのだ。
「悔しいですが、すでに多くの人間が暮らしているアルトン山脈の西側まで我らが領地と主張すれば、人間との戦争は免れないでしょう。もちろん、戦って負ける気はありませんが、戦争になれば我が方にも多大な被害がでるのは必定。可能な限り戦いは避けたいと考えております。このアルトン山脈を領土の境とすれば、山脈が天然の要害となり、攻めるに難く守るに易しです。いざという時に人間の軍の侵攻をたやすく防ぐことも出来ましょう。」
「なるほどな、じゃがここはどうするつもりじゃ。」
と私が指さしたのはソフィアがいる人間達の開拓村だ。この村だけが例外的にアルトン山脈の東にある。アルトン山脈は高山が連なっているが、このあたりだけ例外的に山が低く、辛うじて馬が通れる道が通っているのだ。その道を開設出来たことにより、人間の村が作られたわけだ。
「人間達が軍を進めるとすれば、間違いなくこのルートになりましよう。山中に堅固な砦を設けます。人間達に独立を宣言するのは、秘密裡に砦を作ってからにするつもりです。独立は人間共に気付かれずに砦を作れるかどうかにかかっていると考えております。完成までに気付かれると、軍の侵入を防げないでしょう。」
「して、この村の人間達はどうする。」
「住んでいる者たちには悪いですが、この森から出て行ってもらうつもりです。」
「ほう、初めて意見が合わなかったな。悪いことは言わん、その者たちに選択の機会を与えてやれ。残りたいと言ったら、6番目の魔族として国民にしてやるのだ。」
「人間を魔族にですか!?」
「別におかしくはないぞ、昔は人間も魔族の種族のひとつだったのだ。」
これは本当のことだ。本来、魔族と人間を区別する理由はない。魔族の中で人間が突出した繁殖力を持っていたために数が増えただけだ。
「そうなのですか...。しかし、人間がこの森に残るとなると安全を保障できません。魔族は多かれ少なかれ人間を憎んでいますから。」
「そこを、お主が守ってやるのだ。村の人間共はお主に感謝するだろう。良いか、国として独立したとしても人間との付き合いを無くしてはならん。未知の物には大きな恐怖が湧く。関係を断てば、一時的に戦いを避けることは出来ても将来より大きな戦いが起きるだろう。戦いを避けるには、お主たち魔族が人間の敵ではないと示すことが肝要だ。独立後も国内に人間達が住んでおり、幸せに暮らして居れば何よりの宣伝になる。そのことを知らせるためにも、人間の国と交易を行い互いに繁栄する道を探すのじゃ。武力を持つことは必要だが、相手に恐怖を与えるだけでは国を保つことは出来んぞ。」
「精霊王様、私が愚かでございました。かならずやその様にいたします。」
口から出まかせの理論だが、うまく説得出来たようだ。これでオーガキングはあの村を守るだろう。神の様に思われているのは鬱陶しいが、偶には役に立つ。
「分かれば良い、ところで、今日その村に攻め込んだオーガ達はお主の差し金ではないと思ってよいな。」
「なんと! 私の指示ではございません。誰か? 心当たりのあるものはいるか?」
と周りの配下達を見回している。すると配下のひとりが発言した。
「お恐れながら、ダラム達ではないかと...。人間の村に手を出すなという王の命令に公然と反発しておりました。」
「なんと...。精霊王様、すぐに止めに参ります。」
「あわてずとも良い。その者たちは儂が始末した。」
「そうでございましたか。精霊王様のお手を煩わせたこと、偏に私の不徳のいたすところでございます。どうか我らオーガ一族をお許しください。責は私が負います。」
「過ぎたことは良い。ただし、今後同じことが起こったら覚悟することだ。」
「寛大なお心に感謝いたします。私の命に代えても二度と同じことは起させません。」
「良い返事じゃの。ならば、儂も褒美としてお主の計画に協力せねばならんな。」
まあ、ソフィアの安全のためにも少しは協力してやろう。それから私はオーガキングに、人間の軍の侵攻を防ぎ、かつ交易を容易に行う方法について話を始めた。
0
お気に入りに追加
224
あなたにおすすめの小説
【完結】獅子の威を借る子猫は爪を研ぐ
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
魔族の住むゲヘナ国の幼女エウリュアレは、魔力もほぼゼロの無能な皇帝だった。だが彼女が持つ価値は、唯一無二のもの。故に強者が集まり、彼女を守り支える。揺らぐことのない玉座の上で、幼女は最弱でありながら一番愛される存在だった。
「私ね、皆を守りたいの」
幼い彼女の望みは優しく柔らかく、他国を含む世界を包んでいく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/20……完結
2022/02/14……小説家になろう ハイファンタジー日間 81位
2022/02/14……アルファポリスHOT 62位
2022/02/14……連載開始

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる