カーキボーイ

柿崎ゴンドウ

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予行淫習

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息は荒く、視線も暗闇を舞っているだけ。
アコはふらつく躰を支えられながら、未知の場所へたどり着こうとしている。
街灯もない暗い道路に大きな輸入車が駐まっていた。躰は無意識に歩みをとめる。
あの車に乗ったらもう戻ってこれない。

「ひぅ!//」
「どうしたの?」

はだけたままのシャツから手がはいり、弄られる。腰もなで回され、休まることはない。


なんの時間も稼げずに車両の前まで来てしまった。後部座席のドアが開く。最後の抵抗も空しく、複数人で躰を持ち上げられ、簡単に車内に入ってしまった。音もなく電動ドアがしまる。
完全な暗闇が別世界に来てしまった証拠だ。

シュルシュルと音がして視界を遮られる。

「少しの間がまんしてね。場所を知られるとお兄さんが危ないから」
「ふ、ああん///」

耳を喰まれたり、舌で形を辿られると余計に感度が高まってしまう。
アコが見えていないことをいいことに青年たちは彼のシャツを取り去った。

「!、や、やめ///」

両手首をしっかり左右で握られ抵抗もできない。
そのままベルトを慣れた手つきで外され、パンツを引き摺り下ろされる。
ついでに靴下と靴も取られ、残るは薄い布切れのみだ。

「ひぎぃ///」

今まで触れる程度だったのがいきなり強く根元を掴まれる。

「もうすぐつくよ。だから、今はイカせてあげない」

粘っこい声が耳を湿らせた。
完全に停車するまでにアコはなんども焦らされ、外に出されるころには一人だけ肩で息をしていた。

地下の駐車場にはアコが乗せられた車だけが止まっている。
ホテルに近い作りだが、人の姿は彼ら以外になかった。

ドアが開くと夜の冷えた空気がアコを冷たく出迎えた。

「!(き、切られてる!?)」

裸足で降ろされ、その場で最後に身につけていたものにハサミが動く音と、冷たい刃物の感触がした。ただの布きれが取れ、外気に全身を晒してしまっている。
すでに男根は痛いほどに重力に逆らっていた。

「こんなに感じてくれてたんだ。嬉しい」
「い!///」

頭頂部を指で弾かれるとアコは思わず膝を落とした。
やれやれと嘲笑や妖しい笑い声が降り注ぐ。
されることはもうわかっているのだ。
化け物に散々身を捧げ、今度は同類に貪られる。

エレベーターに長くのり、少しだけ歩かれた。
どこかに寝かされると四肢を大の字に固定されていく。
唐突に目隠しを外された。白い天井と眩しい光で面食らう。

「ぐうう。。。」

眩しさに顔をしかめる。先ほどの誘拐犯たちはのっぺらぼうな白い仮面をつけて
アコを見下ろしていた。

「。。。。」

トクトクトク。。。

「あ、ああ、////」

男どもの手には透明な液体が入った容器が握られており、
一斉にアコの肢体にかけていく。それは粘着質で彼らの手でまんべんなく塗り広げられ、全身がいやらしく照明の光を跳ね返した。
触れらる度に躰をくねらしてしまう。
乳首や脇、下腹部が揉まれ、つままれ、堅い唇に吸われる。ピクピクと筋肉が動き、理性が動かない。

「んん!あぁ、はぁ///」

部屋には躰を弄ばれる青年の荒い息遣いと甘美な悲鳴が響きはじめた。次第に悲鳴の声色が甘ったるくなってくる。

「むう、う、ん///」

感度が高まってきたアコは拘束をいったん外され、うつ伏せにされると再び大の字にはりつけられた。

「ひゃっ///」

背面にも液体がかけられ、無数の手が肌の形を変えるぐらいに揉まれる。電車や車の中とは違い、彼らは白の仮面を付けた後はまったく口を開かなくなった。アコは既に全身が敏感になり、指先が肌をなぞるだけでビクンと反応する。

「ひぐ!うぅ、!!」

ひとりがボールがつらなったモノをアコの後尻に挿入する。ボールは徐々に大きくなり、腹を圧迫していく。弱々しいうめき声が上がると仮面の下からはくぐもった嘲笑が聞こえてくる。

想定された遊びはアコに取っては既に経験してしまっていた。そうだ。慣れてしまっていた。
このボールビーズは確かに暴力的だが、蠢きと刺激は触手や肉壷と比べたら微々たるもの。

そうわかると理性が少し顔を出した。

反応は相変わらずだが、探すべき記憶が意識の水面に浮かび上がってくる。

『あの子を助けて!』悲痛なさけび。
『お母さんはここに居て。危ないかもしれない』

顔面蒼白の女が必至に訴えるのをアコが制している。

『必ず、助けます』

「(誰を、助ける…)!!!////」

一気にボールビーズが引き抜かれ、現実に引き戻された。ひくひくと後尻が収縮を繰り返す。

拘束が解かれたが、とても立ち上がる体力は残っていない。布擦れの音が周囲からする。彼らも衣服を脱ぎ捨てたのだった。顔だけは気色悪い白の仮面をつけたまま。

無理矢理四つん這いにされる。

「?!(あ、の、リング?)」

ぼやけた視界に入る彼らの男根の根元につけられたリング。
昨日まで自分にも着いていた同じリングだった。

「な、ぜ…おぐ///」

 




    
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