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水樹藍、彼とは高校の同級生だった。何かと目立っていたため藍の存在自体は知っていた蒼太だったが、一年生の頃はクラスが別だったため全く面識はなかった。そのため藍の事はちょっとした人気者の目立っている奴という特に取り留めもない、至って普通の印象だった。
そして二年生で初めて同じクラスになっても、いつも陽キャグループの中心にいた藍とはなかなか喋る機会などなく、席が近いわけでもなかった蒼太と藍は友人以前の関係だった。言ってしまえば藍はうるさい、昼休みなども一際大きい藍の声は誰よりも目立つのだ。そのため藍の周りはいつも騒がしい、そしてその中で藍はいつも楽しそうに笑い声を上げていた。藍は常に輪の中心にいるような人間で、まるで蒼太とは違う空間に存在してると錯覚してしまうぐらい、同じクラスでも藍は遠い存在だった。そしてこの時はまだ、蒼太自身も藍に対して特別な感情など抱いていなかった、むしろ藍の事はチャラチャラとしている見た目せいで少し怖いという印象だった程だ。
そんな蒼太の感情に転機が訪れた。それはクラス替えがあってから一ヶ月ほどが経った頃、部活帰り教室に課題を取りに戻った蒼太はとあるものを目にした。それは電気すら付けずにボーッと窓の外を眺めている藍の姿だった。
蒼太は驚きのあまり「わ…っ?!」と声を出してしまった。それも仕方の無い事で、蒼太が教室に入るまで藍の存在に気がつくことが出来なかったのだ。こんな静かな空間に人がいたら蒼太なら気づくことが出来ただろう、しかしいつものようにうるさく騒いでいる藍とは違い、あの時の藍は蒼太ですら気配を感じることが出来ないほど静かだった。
蒼太の声に反応し、くるりと藍がこちらを向く。ゴクリ、蒼太の喉仏が大きく上下した。薄暗い教室を照らすような金髪、キリッとした切れ長の瞳、すっとしている鼻筋、薄い唇、これほどまでしっかりと藍という男を凝視したことのなかった蒼太は、藍の容姿を目にして思わず美しいという感想を抱いてしまった。
「びっくりしたー、お前って同じクラスの奴だよな?」
自分よりも幾分高いであろう藍の声に、蒼太の身体はびくりと反応する。今さっきまで誰もいない教室で佇んでいたことが嘘のようにいつも通りのヘラっとした笑顔で藍は蒼太に話しかける。「う、うん、同じクラスだよって…一ヶ月も経ってるのに名前すら覚えられてなかったんだ」とまさか自分の名前すらも覚えられていなかったなんて、と不満を抱えながら蒼太は藍の元へ歩みを寄せた。
「やー悪い悪い」
「俺は蒼太、同じクラスなんだから名前ぐらい覚えてよ」
全く悪いと思っていない藍の様子に蒼太は眉を下げた。「蒼太ね、ん、覚えたわ!」と笑顔を見せた藍は蒼太の横を通り過ぎる。
「じゃあ俺帰る、じゃあな蒼太!」
人懐っこい笑顔で蒼太に手を振った藍は、そのまま教室を出ていった。そんな藍の姿を呆然と見つめていた蒼太は、藍からふわりと香ってきた甘い香りに頭がくらりと揺れる感覚を覚えた。
──香水の匂いか…?
藍みたいな男が香水をつけていたところでなんら可笑しくないだろう、しかし蒼太が今まで嗅いできた香水の匂いとは違いすぎた。鼻が良すぎる蒼太からしたら香水の匂いなど強烈すぎる匂いだ、けれど藍から香った匂いは香水のようなくどく強烈な匂いではなく、甘くまるで男の欲求を刺激するような、そんな匂いだった。
蒼太はバクバクと音を立てている自身の心臓をギュッと押さえつけ、何を馬鹿なことを考えているんだと頭を振った。
──何を男の匂いで動揺しているんだ。
その日は蒼太にとって初めて藍と面識を持った日になった。
そして次の日から二人の関係に大きな変化が訪れた。
「蒼太!こっち来いよ!」
突然教室内によく響く声が自分の名前を呼んでいることに、蒼太は反射的に振り返った。声の主は藍であり、机に腰かけている藍は蒼太に向けて元気よく手を振っている。今の今まで藍から交友的に話しかけられたことなどなかったため「え?俺…?」と明らかに動揺を隠せていない表情で蒼太は藍の言葉に従った。
「蒼太って名前のやつ他にいたっけ?」
「いや、こいつ以外いないと思うけど?」
藍は隣にいる友人に問いかけると「じゃあお前以外誰を呼んでるって言うんだよ」と蒼太に向け文句を言った。
「だって俺たち今まで接点も何もなかったじゃん、急に藍に呼ばれるなんて普通思わないし」
藍の目の前まで来た蒼太は場違いな場所に来てしまったような感覚に肩を狭めた。藍を囲うようにたむろしている男子生徒達も、何故急に蒼太を呼んだのか不審に思っているようで「藍と蒼太って仲良かったか?」「いや、俺は知らねぇよ」と口々に話している。
「俺ら昨日話しただろ?接点あるじゃん」
「話したって…たったあれだけで…?」
「細かいことはいいんだよ、それより蒼太、お前今日の放課後空いてるか?」
「放課後?」
藍は机から降りると蒼太へと距離を詰めた。蒼太よりも数センチは高いであろう藍を少し見上げる形で蒼太は顔を上げる。蒼太自身身長が低い訳ではなく平均よりも高いはずだった。そんな蒼太でも藍と並ぶと自分の身長は低いのではないかと錯覚してしまう。しかし女子よりも薄いと思われるその華奢な身体は、高身長な藍のスタイルの良さをより引き立てていた。
男のわりに細い首、狭い肩幅、きゅっと引き締まっているウエスト、長い脚、思わず見蕩れてしまうその容姿に加え、またもやフワッと蒼太の鼻腔に感じる甘い香り、一瞬で藍の虜にされてしまうような感覚に、蒼太は慌てて頭を振った。
「俺ら放課後カラオケ行くんだけどお前も来るだろ?」
「へ?」
突然すぎる藍の誘いに、蒼太は何故俺なんだ?という疑問を払えなかった。つい昨日まで友人でもなかった一クラスメイトにしか過ぎない自分を何故カラオケなどに誘うのだろうか。
「いや、俺は…」
「来るだろ?」
蒼太が口ごもっていると、そんな蒼太に有無を言わせないように藍は蒼太の肩に手を置いた。
普段の蒼太だったら断っていただろう、特に仲も良くない連中とカラオケだなんてハードルが高すぎる上に居心地だって悪いことが容易に想像出来る。しかしそんな蒼太の考えを反して、蒼太の口から放たれた言葉は「…うん、別にいいけど」という肯定を表すものだった。
「じゃあ放課後にな」
そう言った藍の口角は上がっており、まるで蒼太が断る事など想定もしていなかったかのような余裕な表情に、蒼太の喉はゴクリと上下に動いた。
間もなくしてチャイムが鳴ったために自分の席についた蒼太は、何故藍の誘いを断れなかったのか頭を悩ませた。結局は一日考えたところで明確な答えは出なかったが、誘ってきたのが藍だったからという理由が一番腑に落ちてしまった。藍に誘われて断るという選択肢がまるでないかのように、蒼太は受け入れてしまったのだ。
それにしても藍は何故急に自分など誘ったのだろうか、昨日初めて会話を交わした程度の仲だというのに、藍は何を考えているのだろうか、蒼太にはまるで理解が出来なかった。
「ほら、行くぞ」
放課後、鞄を肩に担いだ藍が蒼太の席までやってきた。藍の声に反射的に立ち上がった蒼太は急いで荷物をまとめ「う、うん…!行こう行こう」と笑顔を向ける。
結果として、カラオケはそこそこ楽しむことが出来た。蒼太自身周りのテンションに合わせることは得意であり、誰とでも打ち解けられる性格だったためというのもあるのだが、藍含め藍の友人たちは皆とてもいい奴らだった。なんだか気構えていた自分が馬鹿らしくなってしまうほどだ。
「なぁ蒼太」
カラオケからの帰り道、急に藍から声をかけられた。「どうしたの?」と答えた蒼太は少し緊張した様子で藍の顔を見る。
「お前歌下手だな」
「ええっ?!」
まさか容赦なく歌唱力を貶されるとは思っていなかった蒼太は、まるで芸人かのようなリアクションを取ってしまう。
「お前リアクションでけーなっ、冗談だよじょーだん」
「なんだぁ冗談か」
「まぁ、お世辞にも上手いとは言えなかったけどな」
ホッと胸を撫で下ろした蒼太だったが、藍の辛辣な感想に「藍は手厳しいなぁ…」と自身の頬をかく。
「お前意外と面白いやつだな」
「え?そうかな…?」
「ああ、あいつらもお前のこと結構気に入ってるみたいだしさ」
藍のその言葉に、なんだか藍に認められたような気がして蒼太の胸は次第に熱くなっていくようだった。
「俺らもう友達だよな?」
目を細めこちらに微笑みかけた藍の姿に、またもや蒼太の心臓はドキリと音を立てた。友達、たった一日一緒に遊んだだけで果たして友人関係が成立するものなのだろうか、けれど藍に友達だと言われたならばそれはもう友達なのだと蒼太は納得出来てしまったのだから恐ろしい。不思議なことに、藍にはこちらが逆らうことが出来ないような魅力があった。何故藍の言葉を否定出来ないのか、蒼太は自分自身に疑問を抱く。
この時から既に蒼太は藍という男に魅了されていた、いつの間にか水樹藍に心を捕らえられていたのだった。
そして二年生で初めて同じクラスになっても、いつも陽キャグループの中心にいた藍とはなかなか喋る機会などなく、席が近いわけでもなかった蒼太と藍は友人以前の関係だった。言ってしまえば藍はうるさい、昼休みなども一際大きい藍の声は誰よりも目立つのだ。そのため藍の周りはいつも騒がしい、そしてその中で藍はいつも楽しそうに笑い声を上げていた。藍は常に輪の中心にいるような人間で、まるで蒼太とは違う空間に存在してると錯覚してしまうぐらい、同じクラスでも藍は遠い存在だった。そしてこの時はまだ、蒼太自身も藍に対して特別な感情など抱いていなかった、むしろ藍の事はチャラチャラとしている見た目せいで少し怖いという印象だった程だ。
そんな蒼太の感情に転機が訪れた。それはクラス替えがあってから一ヶ月ほどが経った頃、部活帰り教室に課題を取りに戻った蒼太はとあるものを目にした。それは電気すら付けずにボーッと窓の外を眺めている藍の姿だった。
蒼太は驚きのあまり「わ…っ?!」と声を出してしまった。それも仕方の無い事で、蒼太が教室に入るまで藍の存在に気がつくことが出来なかったのだ。こんな静かな空間に人がいたら蒼太なら気づくことが出来ただろう、しかしいつものようにうるさく騒いでいる藍とは違い、あの時の藍は蒼太ですら気配を感じることが出来ないほど静かだった。
蒼太の声に反応し、くるりと藍がこちらを向く。ゴクリ、蒼太の喉仏が大きく上下した。薄暗い教室を照らすような金髪、キリッとした切れ長の瞳、すっとしている鼻筋、薄い唇、これほどまでしっかりと藍という男を凝視したことのなかった蒼太は、藍の容姿を目にして思わず美しいという感想を抱いてしまった。
「びっくりしたー、お前って同じクラスの奴だよな?」
自分よりも幾分高いであろう藍の声に、蒼太の身体はびくりと反応する。今さっきまで誰もいない教室で佇んでいたことが嘘のようにいつも通りのヘラっとした笑顔で藍は蒼太に話しかける。「う、うん、同じクラスだよって…一ヶ月も経ってるのに名前すら覚えられてなかったんだ」とまさか自分の名前すらも覚えられていなかったなんて、と不満を抱えながら蒼太は藍の元へ歩みを寄せた。
「やー悪い悪い」
「俺は蒼太、同じクラスなんだから名前ぐらい覚えてよ」
全く悪いと思っていない藍の様子に蒼太は眉を下げた。「蒼太ね、ん、覚えたわ!」と笑顔を見せた藍は蒼太の横を通り過ぎる。
「じゃあ俺帰る、じゃあな蒼太!」
人懐っこい笑顔で蒼太に手を振った藍は、そのまま教室を出ていった。そんな藍の姿を呆然と見つめていた蒼太は、藍からふわりと香ってきた甘い香りに頭がくらりと揺れる感覚を覚えた。
──香水の匂いか…?
藍みたいな男が香水をつけていたところでなんら可笑しくないだろう、しかし蒼太が今まで嗅いできた香水の匂いとは違いすぎた。鼻が良すぎる蒼太からしたら香水の匂いなど強烈すぎる匂いだ、けれど藍から香った匂いは香水のようなくどく強烈な匂いではなく、甘くまるで男の欲求を刺激するような、そんな匂いだった。
蒼太はバクバクと音を立てている自身の心臓をギュッと押さえつけ、何を馬鹿なことを考えているんだと頭を振った。
──何を男の匂いで動揺しているんだ。
その日は蒼太にとって初めて藍と面識を持った日になった。
そして次の日から二人の関係に大きな変化が訪れた。
「蒼太!こっち来いよ!」
突然教室内によく響く声が自分の名前を呼んでいることに、蒼太は反射的に振り返った。声の主は藍であり、机に腰かけている藍は蒼太に向けて元気よく手を振っている。今の今まで藍から交友的に話しかけられたことなどなかったため「え?俺…?」と明らかに動揺を隠せていない表情で蒼太は藍の言葉に従った。
「蒼太って名前のやつ他にいたっけ?」
「いや、こいつ以外いないと思うけど?」
藍は隣にいる友人に問いかけると「じゃあお前以外誰を呼んでるって言うんだよ」と蒼太に向け文句を言った。
「だって俺たち今まで接点も何もなかったじゃん、急に藍に呼ばれるなんて普通思わないし」
藍の目の前まで来た蒼太は場違いな場所に来てしまったような感覚に肩を狭めた。藍を囲うようにたむろしている男子生徒達も、何故急に蒼太を呼んだのか不審に思っているようで「藍と蒼太って仲良かったか?」「いや、俺は知らねぇよ」と口々に話している。
「俺ら昨日話しただろ?接点あるじゃん」
「話したって…たったあれだけで…?」
「細かいことはいいんだよ、それより蒼太、お前今日の放課後空いてるか?」
「放課後?」
藍は机から降りると蒼太へと距離を詰めた。蒼太よりも数センチは高いであろう藍を少し見上げる形で蒼太は顔を上げる。蒼太自身身長が低い訳ではなく平均よりも高いはずだった。そんな蒼太でも藍と並ぶと自分の身長は低いのではないかと錯覚してしまう。しかし女子よりも薄いと思われるその華奢な身体は、高身長な藍のスタイルの良さをより引き立てていた。
男のわりに細い首、狭い肩幅、きゅっと引き締まっているウエスト、長い脚、思わず見蕩れてしまうその容姿に加え、またもやフワッと蒼太の鼻腔に感じる甘い香り、一瞬で藍の虜にされてしまうような感覚に、蒼太は慌てて頭を振った。
「俺ら放課後カラオケ行くんだけどお前も来るだろ?」
「へ?」
突然すぎる藍の誘いに、蒼太は何故俺なんだ?という疑問を払えなかった。つい昨日まで友人でもなかった一クラスメイトにしか過ぎない自分を何故カラオケなどに誘うのだろうか。
「いや、俺は…」
「来るだろ?」
蒼太が口ごもっていると、そんな蒼太に有無を言わせないように藍は蒼太の肩に手を置いた。
普段の蒼太だったら断っていただろう、特に仲も良くない連中とカラオケだなんてハードルが高すぎる上に居心地だって悪いことが容易に想像出来る。しかしそんな蒼太の考えを反して、蒼太の口から放たれた言葉は「…うん、別にいいけど」という肯定を表すものだった。
「じゃあ放課後にな」
そう言った藍の口角は上がっており、まるで蒼太が断る事など想定もしていなかったかのような余裕な表情に、蒼太の喉はゴクリと上下に動いた。
間もなくしてチャイムが鳴ったために自分の席についた蒼太は、何故藍の誘いを断れなかったのか頭を悩ませた。結局は一日考えたところで明確な答えは出なかったが、誘ってきたのが藍だったからという理由が一番腑に落ちてしまった。藍に誘われて断るという選択肢がまるでないかのように、蒼太は受け入れてしまったのだ。
それにしても藍は何故急に自分など誘ったのだろうか、昨日初めて会話を交わした程度の仲だというのに、藍は何を考えているのだろうか、蒼太にはまるで理解が出来なかった。
「ほら、行くぞ」
放課後、鞄を肩に担いだ藍が蒼太の席までやってきた。藍の声に反射的に立ち上がった蒼太は急いで荷物をまとめ「う、うん…!行こう行こう」と笑顔を向ける。
結果として、カラオケはそこそこ楽しむことが出来た。蒼太自身周りのテンションに合わせることは得意であり、誰とでも打ち解けられる性格だったためというのもあるのだが、藍含め藍の友人たちは皆とてもいい奴らだった。なんだか気構えていた自分が馬鹿らしくなってしまうほどだ。
「なぁ蒼太」
カラオケからの帰り道、急に藍から声をかけられた。「どうしたの?」と答えた蒼太は少し緊張した様子で藍の顔を見る。
「お前歌下手だな」
「ええっ?!」
まさか容赦なく歌唱力を貶されるとは思っていなかった蒼太は、まるで芸人かのようなリアクションを取ってしまう。
「お前リアクションでけーなっ、冗談だよじょーだん」
「なんだぁ冗談か」
「まぁ、お世辞にも上手いとは言えなかったけどな」
ホッと胸を撫で下ろした蒼太だったが、藍の辛辣な感想に「藍は手厳しいなぁ…」と自身の頬をかく。
「お前意外と面白いやつだな」
「え?そうかな…?」
「ああ、あいつらもお前のこと結構気に入ってるみたいだしさ」
藍のその言葉に、なんだか藍に認められたような気がして蒼太の胸は次第に熱くなっていくようだった。
「俺らもう友達だよな?」
目を細めこちらに微笑みかけた藍の姿に、またもや蒼太の心臓はドキリと音を立てた。友達、たった一日一緒に遊んだだけで果たして友人関係が成立するものなのだろうか、けれど藍に友達だと言われたならばそれはもう友達なのだと蒼太は納得出来てしまったのだから恐ろしい。不思議なことに、藍にはこちらが逆らうことが出来ないような魅力があった。何故藍の言葉を否定出来ないのか、蒼太は自分自身に疑問を抱く。
この時から既に蒼太は藍という男に魅了されていた、いつの間にか水樹藍に心を捕らえられていたのだった。
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