14 / 56
2019年 2月の作品
出来心
しおりを挟む夜の街の帰り道でも、記憶という名の明かりに照らされている。私はふとそこから外れてみようと思った。
ここを左折ではなく直進。大丈夫、方向なら分かる。3番目の角で左折、2ブロック直進して、ここらで右折するかな。見かけないコンビニにでも入ってみる。
「こんばんはー。」
中央にでかでかとクーラーボックスがあって、四方も全てアイスの棚だ。この寒い季節に…そういえば「いらっしゃいませー」じゃない挨拶も近所のコンビニでは聞かないなあ。試しに「ギムネマソフト」を買ってみた。
風に吹かれてアイスを食べながら行く家路。遠くに海老を模した電波塔が見え、客もいないのに叩き売りの声が響く商店街を抜けると、無人の交番に電話が鳴っている。試しに取ると、息子の声で
「ガピー!プシュウゥゥ…」
帰宅という目的を思い出して元の道に戻る。
呼び鈴を鳴らした。
「あなたー、お帰りー。」
妻ではない女に迎えられて、私はマフラーを脱いだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/contemporary.png?id=0dd465581c48dda76bd4)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
5分読書
鳥谷綾斗(とやあやと)
現代文学
ホラー以外の掌篇、短篇作品集です。
すべて5,000字以下、5分(※目安)の隙間読書にどうぞ。
コメディ、ヒューマンドラマなどです。
*
1. 戦争中の私と、戦争中だったおじいちゃん
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/entertainment.png?id=2f3902aa70cec36217dc)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる