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2018年 10月の作品
草を刈る男
しおりを挟む毎日毎日草を刈る男がいた。
男は草が生えるとそれらを草刈機で刈り、それからしばらくは男の周りはツルツルの地面となるのだが、じきにまた草が生えてきて、それらが伸びて絡み合いやがては生い茂って自分が草に埋もれて死んでしまわないうちに、それらを急いで刈る必要があった。男は、草たちが強い日照りで枯れ果てるのを期待するよりも、突然の雨でそれらが急速に育つことを危惧した。
ある日男は、自分が決して外れないピエロのマスクを被っていることに気がついた。しっちゃかめっちゃかに引っ張ってマスクを外そうとするも、外れないのだ。男はマスクのせいで周りが見えず、この間に草が伸びてはまずいと思い、いつもの草刈機をやたらめったらに振り回した。そこに冷たく湿った風が吹き、草がなびいて音を立てた。
「こぉれぇは草!」
「あいつっ、マジで草生えるwww」
男は恐れ慄いて、草刈機でマスクを切り裂こうとして手元が狂って首切った。
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