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トパーズは気づいていた。
オニキスが、転生を体の乗っ取りと表現した理由を。
もしも初めから、ルビーの中に別人格が共存していると説明されれば、トパーズはその瞬間にルビーをルビー以外の誰かとみる可能性があった。
しかし、最初に乗っ取り、つまりルビー本人の人格が消滅している最悪の状況を想定した後、ルビーの場合はあくまで共存であるという流れで聞けば、ルビーの人格が残っているという安心を得られる。
ルビー・スカーレットが、消えたのではなく変わったのだと考えれば、トパーズには一考のできる程度の精神的余裕が生まれる。
とはいえ、自身の中に別の記憶が共存する感覚について、トパーズは実感として理解ができない。
辛い食べ物が好きな記憶と辛い食べ物が嫌いな記憶が共存すると、果たして辛い食べ物を好きになるのか嫌いになるのか。
もしも、好きから嫌いに変わったとして、変化後の自分は今までの自分と同一であると言えるのか否か。
答えなどなく、確かめるすべもない。
それ故、トパーズには突きつけられる。
目の前のルビーは、今まで共に時間を過ごしたルビーは、果たしてルビー・スカーレットなのか否かを。
答えを得るために、トパーズは記憶をたどる。
果たして、トパーズは、いつからルビーのことを好いたのか。
トパーズがルビーと初めて会ったのは、五歳にも満たない時。
将来の婚約者候補の一人として紹介された。
公共の正義を語るトパーズと、自身の正義を語るルビーは、初対面時に大喧嘩をして別れた。
しかし、家同士の繋がりという柵によってその後も何度か話す機会があり、互いの正義を納得しないまでも認め合った。
芯は、どちらも同じ。
この時トパーズは、ルビーを婚約者候補として認めた。
トパーズがルビーと婚約者になることが決定したのは、オニキスがジュラルミンとの婚約を発表した時。
ふと見たルビーの表情は怒りと絶望に染まっていた。
次に見たルビーの表情はトパーズへの好意に染まっていた。
いったい、ルビーの愛した相手は誰なのか、疑念のままにトパーズはルビーと婚約した。
この時トパーズは、不安ながらもルビーを愛していた。
トパーズの不安が消えたのは、ジュラルミンが亡くなった時。
つまり、ルビーが階段から落ちたと聞いた時。
怪我をした直後のルビーの視線は、明らかにトパーズへの好意が強まっていた。
否、強まるというよりも変わっていたというのが正確だろう。
それはトパーズの不安が払拭される程度に苛烈な視線。
この時トパーズは、正しくルビーを愛していた。
結論として、トパーズがルビーを本当に愛したのは、ルビーが転生を行った後。
とはいえ、ルビー・スカーレットが転生者である事実と、それに対する形容できない負の感情が消え去るわけではない。
トパーズは、力強くルビーを見つめる。
「ルビー」
「は、はい!」
「正直、複雑な感情だ。君が本物のルビーなのかどうか疑う気持ちも残っているし、漠然とした不安もある」
「……はい」
「だが、私が選んだのは君で、君が選んだのは私だ。そこに、嘘偽りはないと信じている。私は、私と君を信じることにする」
トパーズは、現状維持を選んだ。
転生という未知の要素を内に秘めた感情に残し、その感情を愛情と切り離すことで、ルビーとの関係を維持することを選んだ。
トパーズの言葉を聞いたルビーは、腰が抜けたのかその場にへたり込んだ。
「ルビー!?」
「あ、いえ、すみません」
緊張の糸が切れ、ルビーの目から涙が零れ落ちる。
トパーズの手にひかれて立ち上がり、しばし呆然と立ち尽くす。
ルビーからもトパーズからも言葉はない。
現時点、互いにこれ以上の言葉を交わす術を用いない。
丁度同じタイミングで、サファイアとアメシストの話し合いも終わった。
結末は、ルビーと同様。
サファイアもまた、その場にへたり込んでいた。
それぞれの話し合いが終わったと判断するや否や、オニキスが一歩前に出る。
「トパーズ、アメシスト、突然選択を迫ってすまない。ルビーとサファイア、君たちにも謝ろう」
「オニキス様。さすがにこれは、強引がすぎますよ」
オニキスの謝罪に、トパーズが少々不機嫌そうに応える。
オニキスの行いは、なかば自白の強制だ。
正義感の強いトパーズには、すんなりと受け入れられる類のものではなかった。
「わかっている。正式な謝罪と償いは、後日させてもらう。しかし今後、ダイヤモンドの転生を調べていく途中で、ルビーとサファイアも転生者であることが君たちに知られれば、今の比ではないほどに不信感が高まっただろう。そして、ダイヤモンドを助けるための支障となる。私としては、それだけは避けたかった。考えればもっといい方法もあったかもしれないが、すまない。今の私にも、余裕がなくてな」
とはいえ、トパーズがオニキスの行動に対して苦言を呈す程度に留めたのは、オニキスの置かれている状況を知っているからだ。
優秀な頭脳を持っていようと、焦りがあれば最適解を選べないことを、トパーズは知っている。
「まあ、全部後回しにしましょう。話を始める前に、休憩を入れても?」
「ああ。全員が落ち着いてから話をさせてくれ。すぐに、というのは無理だろうが、なるべく早くだと嬉しい」
トパーズは、部屋の扉を開く。
顔色の悪い五人を見て、使用人たちは不安そうな表情を浮かべるが、トパーズから問題ないという言葉を受け取りひとまず落ち着いた。
トパーズは使用人たちに人数分の水を頼み、使用人たちはどたばたを走り出し、すぐに人数分の水を揃えた。
また、四人の様子への不安から、頼まれてもいない温かい紅茶、濡れタオル、薬など、体調回復に役立ちそうなものも同時に揃った。
トパーズはそれらを受け取り、扉を閉める。
四人はテーブルの前に広げられた水やタオルにしがみつき、強引に自分を落ち着かせる。
呼吸の荒さが収まったところで、オニキスは切り出した。
「本題に戻らせてもらうが、ダイヤモンドは転生によって別の人格、具体的には王宮魔術医に体を乗っ取られている。私は、ダイヤモンドを元に戻したい。協力してほしい」
オニキスからの想像通りの依頼に、四人は首を縦に振る。
「ちなみに、元に戻せる当てはあるのですか?」
「いや、ない」
アメシストからの質問は、オニキスによりあっさり切られた。
「となれば、本当に一から調べることになりそうですね」
「ああ。だが、ダイヤモンドの人格が乗っ取られてしまった時期については、状況から二つの可能性を考えている。一つ目が、ダイヤモンドが意識を失った日だ。目覚めてからのダイヤモンドの振る舞いに変わったところはなかったはずだが、正式な婚約がなされるまで猫を被っていた可能性はある。二つ目が、婚約発表の翌日、つまりダイヤモンドの教室での振る舞いが明らかに変わった日だ」
「その二つですと、一つ目の方が可能性が高そうですね」
「私もそう思う」
オニキスの頭の中に浮かんだのは、王宮魔術医が自身の転生をバラしたときの言葉。
ジュラルミンへの転生が失敗、という言葉。
王宮魔術医の言葉が正しければ、ジュラルミンとダイヤモンドにかけられた転生魔術は、同一あるいは延長線上にある魔術である。
そして、ジュラルミンとダイヤモンドに共通したことといえば、何の前触れもない意識の消失。
「意識を失った瞬間に転生を終えていなかったにせよ、その前後で王宮魔術医からなんらかの干渉を受けていた可能性が高い。参考までに聞きたいが、ルビーとサファイアは転生の前後、何か変わったことはあったか?」
オニキスの視線に、ルビーとサファイアは首を傾げる。
「いえ、階段から落ちて頭を打った拍子に記憶が流れ込んできましたので、前後で変わったことというのは特に」
「私も同じです、オニキス様」
「そうか。いや、予想はしていた、君たちとダイヤモンドの転生は、明確に別物だからな。なので、今後の方針としては、各自転生や体の乗っ取りについて調べてもらいたい。それと並行し、ダイヤモンドが意識を失う前後に、ダイヤモンドと接触した人間を洗い出して欲しい」
オニキスの依頼は、拍子抜けするほどシンプルなものだ。
だがしかし、現状が力業のしらみつぶしでしか解決しないのも事実。
詳細なを話し合い五人はそれぞれの持つルートで、ダイヤモンドを探り始めた。
オニキスが、転生を体の乗っ取りと表現した理由を。
もしも初めから、ルビーの中に別人格が共存していると説明されれば、トパーズはその瞬間にルビーをルビー以外の誰かとみる可能性があった。
しかし、最初に乗っ取り、つまりルビー本人の人格が消滅している最悪の状況を想定した後、ルビーの場合はあくまで共存であるという流れで聞けば、ルビーの人格が残っているという安心を得られる。
ルビー・スカーレットが、消えたのではなく変わったのだと考えれば、トパーズには一考のできる程度の精神的余裕が生まれる。
とはいえ、自身の中に別の記憶が共存する感覚について、トパーズは実感として理解ができない。
辛い食べ物が好きな記憶と辛い食べ物が嫌いな記憶が共存すると、果たして辛い食べ物を好きになるのか嫌いになるのか。
もしも、好きから嫌いに変わったとして、変化後の自分は今までの自分と同一であると言えるのか否か。
答えなどなく、確かめるすべもない。
それ故、トパーズには突きつけられる。
目の前のルビーは、今まで共に時間を過ごしたルビーは、果たしてルビー・スカーレットなのか否かを。
答えを得るために、トパーズは記憶をたどる。
果たして、トパーズは、いつからルビーのことを好いたのか。
トパーズがルビーと初めて会ったのは、五歳にも満たない時。
将来の婚約者候補の一人として紹介された。
公共の正義を語るトパーズと、自身の正義を語るルビーは、初対面時に大喧嘩をして別れた。
しかし、家同士の繋がりという柵によってその後も何度か話す機会があり、互いの正義を納得しないまでも認め合った。
芯は、どちらも同じ。
この時トパーズは、ルビーを婚約者候補として認めた。
トパーズがルビーと婚約者になることが決定したのは、オニキスがジュラルミンとの婚約を発表した時。
ふと見たルビーの表情は怒りと絶望に染まっていた。
次に見たルビーの表情はトパーズへの好意に染まっていた。
いったい、ルビーの愛した相手は誰なのか、疑念のままにトパーズはルビーと婚約した。
この時トパーズは、不安ながらもルビーを愛していた。
トパーズの不安が消えたのは、ジュラルミンが亡くなった時。
つまり、ルビーが階段から落ちたと聞いた時。
怪我をした直後のルビーの視線は、明らかにトパーズへの好意が強まっていた。
否、強まるというよりも変わっていたというのが正確だろう。
それはトパーズの不安が払拭される程度に苛烈な視線。
この時トパーズは、正しくルビーを愛していた。
結論として、トパーズがルビーを本当に愛したのは、ルビーが転生を行った後。
とはいえ、ルビー・スカーレットが転生者である事実と、それに対する形容できない負の感情が消え去るわけではない。
トパーズは、力強くルビーを見つめる。
「ルビー」
「は、はい!」
「正直、複雑な感情だ。君が本物のルビーなのかどうか疑う気持ちも残っているし、漠然とした不安もある」
「……はい」
「だが、私が選んだのは君で、君が選んだのは私だ。そこに、嘘偽りはないと信じている。私は、私と君を信じることにする」
トパーズは、現状維持を選んだ。
転生という未知の要素を内に秘めた感情に残し、その感情を愛情と切り離すことで、ルビーとの関係を維持することを選んだ。
トパーズの言葉を聞いたルビーは、腰が抜けたのかその場にへたり込んだ。
「ルビー!?」
「あ、いえ、すみません」
緊張の糸が切れ、ルビーの目から涙が零れ落ちる。
トパーズの手にひかれて立ち上がり、しばし呆然と立ち尽くす。
ルビーからもトパーズからも言葉はない。
現時点、互いにこれ以上の言葉を交わす術を用いない。
丁度同じタイミングで、サファイアとアメシストの話し合いも終わった。
結末は、ルビーと同様。
サファイアもまた、その場にへたり込んでいた。
それぞれの話し合いが終わったと判断するや否や、オニキスが一歩前に出る。
「トパーズ、アメシスト、突然選択を迫ってすまない。ルビーとサファイア、君たちにも謝ろう」
「オニキス様。さすがにこれは、強引がすぎますよ」
オニキスの謝罪に、トパーズが少々不機嫌そうに応える。
オニキスの行いは、なかば自白の強制だ。
正義感の強いトパーズには、すんなりと受け入れられる類のものではなかった。
「わかっている。正式な謝罪と償いは、後日させてもらう。しかし今後、ダイヤモンドの転生を調べていく途中で、ルビーとサファイアも転生者であることが君たちに知られれば、今の比ではないほどに不信感が高まっただろう。そして、ダイヤモンドを助けるための支障となる。私としては、それだけは避けたかった。考えればもっといい方法もあったかもしれないが、すまない。今の私にも、余裕がなくてな」
とはいえ、トパーズがオニキスの行動に対して苦言を呈す程度に留めたのは、オニキスの置かれている状況を知っているからだ。
優秀な頭脳を持っていようと、焦りがあれば最適解を選べないことを、トパーズは知っている。
「まあ、全部後回しにしましょう。話を始める前に、休憩を入れても?」
「ああ。全員が落ち着いてから話をさせてくれ。すぐに、というのは無理だろうが、なるべく早くだと嬉しい」
トパーズは、部屋の扉を開く。
顔色の悪い五人を見て、使用人たちは不安そうな表情を浮かべるが、トパーズから問題ないという言葉を受け取りひとまず落ち着いた。
トパーズは使用人たちに人数分の水を頼み、使用人たちはどたばたを走り出し、すぐに人数分の水を揃えた。
また、四人の様子への不安から、頼まれてもいない温かい紅茶、濡れタオル、薬など、体調回復に役立ちそうなものも同時に揃った。
トパーズはそれらを受け取り、扉を閉める。
四人はテーブルの前に広げられた水やタオルにしがみつき、強引に自分を落ち着かせる。
呼吸の荒さが収まったところで、オニキスは切り出した。
「本題に戻らせてもらうが、ダイヤモンドは転生によって別の人格、具体的には王宮魔術医に体を乗っ取られている。私は、ダイヤモンドを元に戻したい。協力してほしい」
オニキスからの想像通りの依頼に、四人は首を縦に振る。
「ちなみに、元に戻せる当てはあるのですか?」
「いや、ない」
アメシストからの質問は、オニキスによりあっさり切られた。
「となれば、本当に一から調べることになりそうですね」
「ああ。だが、ダイヤモンドの人格が乗っ取られてしまった時期については、状況から二つの可能性を考えている。一つ目が、ダイヤモンドが意識を失った日だ。目覚めてからのダイヤモンドの振る舞いに変わったところはなかったはずだが、正式な婚約がなされるまで猫を被っていた可能性はある。二つ目が、婚約発表の翌日、つまりダイヤモンドの教室での振る舞いが明らかに変わった日だ」
「その二つですと、一つ目の方が可能性が高そうですね」
「私もそう思う」
オニキスの頭の中に浮かんだのは、王宮魔術医が自身の転生をバラしたときの言葉。
ジュラルミンへの転生が失敗、という言葉。
王宮魔術医の言葉が正しければ、ジュラルミンとダイヤモンドにかけられた転生魔術は、同一あるいは延長線上にある魔術である。
そして、ジュラルミンとダイヤモンドに共通したことといえば、何の前触れもない意識の消失。
「意識を失った瞬間に転生を終えていなかったにせよ、その前後で王宮魔術医からなんらかの干渉を受けていた可能性が高い。参考までに聞きたいが、ルビーとサファイアは転生の前後、何か変わったことはあったか?」
オニキスの視線に、ルビーとサファイアは首を傾げる。
「いえ、階段から落ちて頭を打った拍子に記憶が流れ込んできましたので、前後で変わったことというのは特に」
「私も同じです、オニキス様」
「そうか。いや、予想はしていた、君たちとダイヤモンドの転生は、明確に別物だからな。なので、今後の方針としては、各自転生や体の乗っ取りについて調べてもらいたい。それと並行し、ダイヤモンドが意識を失う前後に、ダイヤモンドと接触した人間を洗い出して欲しい」
オニキスの依頼は、拍子抜けするほどシンプルなものだ。
だがしかし、現状が力業のしらみつぶしでしか解決しないのも事実。
詳細なを話し合い五人はそれぞれの持つルートで、ダイヤモンドを探り始めた。
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