19 / 37
19
しおりを挟む
エメラルドは、馬鹿である。
何も考えたことがないので、何も考えることができない。
転生前も、エメラルドは両親におんぶ抱っこの人生だった。
夏休みの宿題は、両親に一覧を渡し、両親がいつ何をやるかの予定を組んでくれた。
これをやれ。
あれをやれ。
周囲の言葉に従って、エメラルドは生きてきた。
何も考えなくていいから。
時々、自分の意思で欲しい物があると、とりあえず叫んだ。
スマートフォンが欲しい。
ゲームが欲しい。
本が欲しい。
ハンバーグが食べたい。
叫べば、誰かが何とかしてくれた。
エメラルドは一切の労力をかけることなく、欲しい物を手に入れてきた。
それは、転生後も同じ。
用意してくれる人間が、両親から兄であるペリドットに変わっただけ。
本質は、何も変わらない。
だからこそ、ペリドットに言われた通りのことをやっている最中、ペリドットに言われてないことが起きた今、エメラルドは理解が追い付いていなかった。
エメラルドは、ルビーを見て、周囲の生徒たちを見る。
本来いるはずのない人間が、エメラルドをじっと見ている。
エメラルドは、自分が開いた袋の中を見る。
証拠だらけ。
ペリドットがルビーとダイヤモンドへの嫌がらせに使った道具たちが、ぎっしり詰まっていた。
エメラルドは、思う一度ルビーを見る。
空っぽだったエメラルドの脳内に、多数の視線が注ぎ込まれていく。
視線の意味が翻訳され、エメラルドは自分がルビーとダイヤモンドへ嫌がらせをしていた容疑者だと思われていることを、ようやく理解した。
否、容疑者ではなく、事実として当事者なのだが。
「え?」
しかし、エメラルドは何も言わない。
何も言えない。
疑われた時にどうすればいいかなど、エメラルドは知らない。
言い訳をすることも、否定することもできず、あたふたと周囲を見渡して、唯一できることをした。
「お兄様ー!!」
ペリドットを呼んだ。
「呼んだのは、この人?」
エメラルドの断末魔を聞いて、ルビーは顔をくいっと横に動かして、一人の生徒に合図した。
合図を受けた生徒は更衣室から出て、すぐにロープでぐるぐる巻きに縛られたペリドットをつれてきた。
「え?」
無惨な姿のペリドットを見たエメラルドは、再び固まる。
この『純白の少女』シリーズの世界において、絶対的に自分の味方であり武力であったはずのペリドットが、完全に無力化されている。
「すまない、エメラルド」
ペリドットの言葉が、エメラルドに現状を打ち込んだ。
「いやあああああああ!?」
現状を朧げに理解したエメラルドは、ただ叫んだ。
今までは叫べば誰かがどうにかしてくれた、そんな本能に基づいて。
「いやあああああああ!?」
しかし、誰もエメラルドの側に寄ってこない。
「いやあああ……ああ??」
エメラルドの、側近でさえ。
エメラルドは、再び周囲を見渡す。
エメラルドの側近は、集まった生徒たちの一番後ろで、申し訳なさそうな瞳でエメラルドを見ていた。
ロープで縛られていないことから、側近たちがエメラルドを見捨てたと、エメラルドは容易に理解できた。
エメラルドは表情を失い、ルビーを見て、ペリドットを見て、周囲の生徒たちを見て、笑った。
「あは。あははははははは!!」
エメラルドは、笑って、笑って、笑い続けた。
時折咳き込むほど、自分の限界を超えて笑い続けた。
涙が、エメラルドの頬を垂れる。
「はあー」
そして、笑い終えたエメラルドは、再びルビーを見て、微笑んだ。
「ごめんなさいいいいいいいいいいいい!!」
直後、華麗なる土下座を決めた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!! 悪気はなかったの!! オニキス様と結婚したかっただけなの!! 幸せになりたかっただけなのおおお!!」
土下座をしながら叫ぶ様子は、いっさいの飾り気がなく、貴族としてのプライドもなく、だからこそエメラルドの本心だろうと誰もが理解した。
ルビーがちらりとオニキスを見ると、オニキスは複雑な表情を浮かべていた。
誰かから愛されることは、オニキスにとって幸せなことだ。
しかし、オニキスから愛されることだけが目的の愛は、オニキスには重すぎた。
結果、オニキスは言葉が出なかった。
ルビーは、周囲を見る。
誰もが、公爵家であるエメラルドの土下座に驚き、あり得ない行為だからこそ反省しているのだろうと理解し、少しだけ同情の念を浮かべていた。
それは、ペリドットも同様。
しかし、ルビーは知っていた。
馬鹿は、誰かが何とかしてくれるの後に、謝れば何でも許されると無意識に思うことを。
「許しませんよ?」
だからルビーは、にっこりと微笑んで言い放った。
エメラルドがバッと顔をあげ、ルビーを見る。
エメラルドの顔には、土下座中に涙が流れただろう跡がない。
周囲の生徒たちが、ルビーを見る。
生徒たちの顔には、公爵令嬢がここまでしても許さないのかという驚きが貼りついていた。
ルビーは、ゆっくりとエメラルドに向って歩き始める。
怒りも、悲しみも、その表情には存在しない。
だからこそ、エメラルドは近づいてくるルビーに、言いようもない恐怖を感じた。
「あは……あははは……」
恐怖は、エメラルドに乾いた笑いを引き起こした。
ルビーはエメラルドの前にしゃがみこんで、エメラルドの頭を優しく撫でた。
緑色の、綺麗な髪だ。
髪を見るだけで、エメラルドがどれだけ丁寧に、そして甘やかされて育ってきたかが分かる。
ルビーは赤子をあやすように、優しく口を開いた。
「謝っただけで、許されると思いますか?」
エメラルドは、必死にルビーの真意を考えた。
何をすれば自分は許される。
何が理由でルビーは怒っている。
馬鹿な頭で、必死に考えた。
「お、お金あげる……。お小遣い、お小遣いいっぱいあるの……。他には……。あ、そうだ。お兄様、貸してあげる……。すっごく、優秀よ? ルビー様の願いを、なんでも、叶えてくれて」
「いりません」
しかし、馬鹿な頭で思いつく答えは、得てして間違いだ。
ルビーはにっこりと微笑んだまま、腕まくりをする。
そして、土下座の体勢にあるエメラルドの背中を左手でグッと押さえつけ、右手をエメラルドのお尻の前にもってくる。
「え?」
「何?」
エメラルドは、ルビーがこれから何をするのか即座に理解した。
それは、転生前の記憶を持つエメラルドだからこそ、即座に理解できたこと。
他の生徒たちは、ルビーがしようとしていることが一瞬浮かび、しかし公爵家の人間がそんな真似はしないだろうと、想像を振り払った。
結論から言おう。
その想像は、正解である。
「待って」
「嫌です」
「待って待って待って」
「待ちません」
ルビーは右手を、ぐっと遠くまで伸ばした。
「待ってえええええ!?」
そして、エメラルドのお尻を、思いっきり引っぱたいた。
「みぎゃー!?」
おしりペンペン。
世界が自分中心で動いている幼子に対して、最も効果的な躾の一つ。
ルビーは、精神が子供なエメラルドに対し、おしりペンペンこそが最も効果がある躾方法だと判断した。
清々しい音が、部屋中に木霊する。
「エメラルドー!」
「みぎゃー!?」
二発目、三発目と、テンポよく続いていく。
「よくもやってくたわねー!!」
「みゃあああ!?」
「あんたのせいでー!!」
「むぎゃあああ!?」
「私は白髪が生えたのよ!?」
「むっきゃー!?」
「この責任!!」
「ぴゃあああ!?」
「どうとってくれんのー!!」
「ご、ごめんなさーい!!」
「許さない!!」
「きゃあああ!?」
バシンバシンと響く音。
その光景を前に、生徒たちは目を背け、当事者の一人であるダイヤモンドは苦笑いで頬を掻いていた。
「許せ……妹よ……。これも、お前のためなのだ……」
ペリドットは涙を流しながら、エメラルドが反省する音を聞いていた。
この日を境に、エメラルドが嫌がらせをしてくることはなくなり、オニキスへの愛情表現もすっかりなくなった。
何も考えたことがないので、何も考えることができない。
転生前も、エメラルドは両親におんぶ抱っこの人生だった。
夏休みの宿題は、両親に一覧を渡し、両親がいつ何をやるかの予定を組んでくれた。
これをやれ。
あれをやれ。
周囲の言葉に従って、エメラルドは生きてきた。
何も考えなくていいから。
時々、自分の意思で欲しい物があると、とりあえず叫んだ。
スマートフォンが欲しい。
ゲームが欲しい。
本が欲しい。
ハンバーグが食べたい。
叫べば、誰かが何とかしてくれた。
エメラルドは一切の労力をかけることなく、欲しい物を手に入れてきた。
それは、転生後も同じ。
用意してくれる人間が、両親から兄であるペリドットに変わっただけ。
本質は、何も変わらない。
だからこそ、ペリドットに言われた通りのことをやっている最中、ペリドットに言われてないことが起きた今、エメラルドは理解が追い付いていなかった。
エメラルドは、ルビーを見て、周囲の生徒たちを見る。
本来いるはずのない人間が、エメラルドをじっと見ている。
エメラルドは、自分が開いた袋の中を見る。
証拠だらけ。
ペリドットがルビーとダイヤモンドへの嫌がらせに使った道具たちが、ぎっしり詰まっていた。
エメラルドは、思う一度ルビーを見る。
空っぽだったエメラルドの脳内に、多数の視線が注ぎ込まれていく。
視線の意味が翻訳され、エメラルドは自分がルビーとダイヤモンドへ嫌がらせをしていた容疑者だと思われていることを、ようやく理解した。
否、容疑者ではなく、事実として当事者なのだが。
「え?」
しかし、エメラルドは何も言わない。
何も言えない。
疑われた時にどうすればいいかなど、エメラルドは知らない。
言い訳をすることも、否定することもできず、あたふたと周囲を見渡して、唯一できることをした。
「お兄様ー!!」
ペリドットを呼んだ。
「呼んだのは、この人?」
エメラルドの断末魔を聞いて、ルビーは顔をくいっと横に動かして、一人の生徒に合図した。
合図を受けた生徒は更衣室から出て、すぐにロープでぐるぐる巻きに縛られたペリドットをつれてきた。
「え?」
無惨な姿のペリドットを見たエメラルドは、再び固まる。
この『純白の少女』シリーズの世界において、絶対的に自分の味方であり武力であったはずのペリドットが、完全に無力化されている。
「すまない、エメラルド」
ペリドットの言葉が、エメラルドに現状を打ち込んだ。
「いやあああああああ!?」
現状を朧げに理解したエメラルドは、ただ叫んだ。
今までは叫べば誰かがどうにかしてくれた、そんな本能に基づいて。
「いやあああああああ!?」
しかし、誰もエメラルドの側に寄ってこない。
「いやあああ……ああ??」
エメラルドの、側近でさえ。
エメラルドは、再び周囲を見渡す。
エメラルドの側近は、集まった生徒たちの一番後ろで、申し訳なさそうな瞳でエメラルドを見ていた。
ロープで縛られていないことから、側近たちがエメラルドを見捨てたと、エメラルドは容易に理解できた。
エメラルドは表情を失い、ルビーを見て、ペリドットを見て、周囲の生徒たちを見て、笑った。
「あは。あははははははは!!」
エメラルドは、笑って、笑って、笑い続けた。
時折咳き込むほど、自分の限界を超えて笑い続けた。
涙が、エメラルドの頬を垂れる。
「はあー」
そして、笑い終えたエメラルドは、再びルビーを見て、微笑んだ。
「ごめんなさいいいいいいいいいいいい!!」
直後、華麗なる土下座を決めた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!! 悪気はなかったの!! オニキス様と結婚したかっただけなの!! 幸せになりたかっただけなのおおお!!」
土下座をしながら叫ぶ様子は、いっさいの飾り気がなく、貴族としてのプライドもなく、だからこそエメラルドの本心だろうと誰もが理解した。
ルビーがちらりとオニキスを見ると、オニキスは複雑な表情を浮かべていた。
誰かから愛されることは、オニキスにとって幸せなことだ。
しかし、オニキスから愛されることだけが目的の愛は、オニキスには重すぎた。
結果、オニキスは言葉が出なかった。
ルビーは、周囲を見る。
誰もが、公爵家であるエメラルドの土下座に驚き、あり得ない行為だからこそ反省しているのだろうと理解し、少しだけ同情の念を浮かべていた。
それは、ペリドットも同様。
しかし、ルビーは知っていた。
馬鹿は、誰かが何とかしてくれるの後に、謝れば何でも許されると無意識に思うことを。
「許しませんよ?」
だからルビーは、にっこりと微笑んで言い放った。
エメラルドがバッと顔をあげ、ルビーを見る。
エメラルドの顔には、土下座中に涙が流れただろう跡がない。
周囲の生徒たちが、ルビーを見る。
生徒たちの顔には、公爵令嬢がここまでしても許さないのかという驚きが貼りついていた。
ルビーは、ゆっくりとエメラルドに向って歩き始める。
怒りも、悲しみも、その表情には存在しない。
だからこそ、エメラルドは近づいてくるルビーに、言いようもない恐怖を感じた。
「あは……あははは……」
恐怖は、エメラルドに乾いた笑いを引き起こした。
ルビーはエメラルドの前にしゃがみこんで、エメラルドの頭を優しく撫でた。
緑色の、綺麗な髪だ。
髪を見るだけで、エメラルドがどれだけ丁寧に、そして甘やかされて育ってきたかが分かる。
ルビーは赤子をあやすように、優しく口を開いた。
「謝っただけで、許されると思いますか?」
エメラルドは、必死にルビーの真意を考えた。
何をすれば自分は許される。
何が理由でルビーは怒っている。
馬鹿な頭で、必死に考えた。
「お、お金あげる……。お小遣い、お小遣いいっぱいあるの……。他には……。あ、そうだ。お兄様、貸してあげる……。すっごく、優秀よ? ルビー様の願いを、なんでも、叶えてくれて」
「いりません」
しかし、馬鹿な頭で思いつく答えは、得てして間違いだ。
ルビーはにっこりと微笑んだまま、腕まくりをする。
そして、土下座の体勢にあるエメラルドの背中を左手でグッと押さえつけ、右手をエメラルドのお尻の前にもってくる。
「え?」
「何?」
エメラルドは、ルビーがこれから何をするのか即座に理解した。
それは、転生前の記憶を持つエメラルドだからこそ、即座に理解できたこと。
他の生徒たちは、ルビーがしようとしていることが一瞬浮かび、しかし公爵家の人間がそんな真似はしないだろうと、想像を振り払った。
結論から言おう。
その想像は、正解である。
「待って」
「嫌です」
「待って待って待って」
「待ちません」
ルビーは右手を、ぐっと遠くまで伸ばした。
「待ってえええええ!?」
そして、エメラルドのお尻を、思いっきり引っぱたいた。
「みぎゃー!?」
おしりペンペン。
世界が自分中心で動いている幼子に対して、最も効果的な躾の一つ。
ルビーは、精神が子供なエメラルドに対し、おしりペンペンこそが最も効果がある躾方法だと判断した。
清々しい音が、部屋中に木霊する。
「エメラルドー!」
「みぎゃー!?」
二発目、三発目と、テンポよく続いていく。
「よくもやってくたわねー!!」
「みゃあああ!?」
「あんたのせいでー!!」
「むぎゃあああ!?」
「私は白髪が生えたのよ!?」
「むっきゃー!?」
「この責任!!」
「ぴゃあああ!?」
「どうとってくれんのー!!」
「ご、ごめんなさーい!!」
「許さない!!」
「きゃあああ!?」
バシンバシンと響く音。
その光景を前に、生徒たちは目を背け、当事者の一人であるダイヤモンドは苦笑いで頬を掻いていた。
「許せ……妹よ……。これも、お前のためなのだ……」
ペリドットは涙を流しながら、エメラルドが反省する音を聞いていた。
この日を境に、エメラルドが嫌がらせをしてくることはなくなり、オニキスへの愛情表現もすっかりなくなった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
イジメられっ子は悪役令嬢( ; ; )イジメっ子はヒロイン∑(゚Д゚)じゃあ仕方がないっ!性格が悪くても(⌒▽⌒)
音無砂月
ファンタジー
公爵令嬢として生まれたレイラ・カーティスには前世の記憶がある。
それは自分がとある人物を中心にイジメられていた暗黒時代。
加えて生まれ変わった世界は従妹が好きだった乙女ゲームと同じ世界。
しかも自分は悪役令嬢で前世で私をイジメていた女はヒロインとして生まれ変わっていた。
そりゃないよ、神様。・°°・(>_<)・°°・。
*内容の中に顔文字や絵文字が入っているので苦手な方はご遠慮ください。
尚、その件に関する苦情は一切受け付けませんので予めご了承ください。
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
アリエール
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売しています!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる