6 / 37
6
しおりを挟む
「これはいったい何事だ?」
ルビーは忘れていた。
ダイヤモンドが呼び出されるこのイベントは、オニキスの登場によって完結することを。
ゲームでは、皇太子オニキス・アイボリーは、たまたま通りかかった校舎裏が水浸しになっていることに気づき、その中心にいる服の濡れたダイヤモンドと、水の魔法を使っているネールの姿を確認する。
しかし今、この場にネールはおらず、いるのはルビーただ一人。
平民と貴族のトラブルは、一般的に貴族からの理不尽に起因することが多い。
まして、ルビーは気に食わない相手に対して正面から喧嘩を売る苛烈さを持ち合わせている。
オニキスがこの惨状を見て、ルビーがダイヤモンドに危害を加えていると考えても、なんら不思議ではない。
「ルビー。君は一体何をやっている?」
怒気を含むオニキスの言葉に、ルビーの背筋がサッと凍り付いた。
口を開いて事情を説明しようとするも、突き刺さるオニキスの強い眼光が、ルビーの口を上手く動かすことを許さない。
「え、あ、いえ、これは」
言葉が出てこないルビーの様子を、オニキスは自白と受け取った。
「まさか、入学早々問題を起こしてくれるとはな」
オニキスが速足でルビーへと近づいてくる。
「ひっ!?」
ルビーは、頭の中に響く破滅の音を聞きながら、小さく悲鳴を上げた。
「ご、誤解です!」
そんな緊迫した状況を打ち破ったのは、ダイタモンドだ。
公爵家ゆえオニキスの言葉を重く受け取りすぎるルビーと違い、ダイヤモンドは平民ゆえ、オニキスの言葉を適度にしか受け取れない。
だからこそ、ルビーに代わって、ダイヤモンドは回答できた。
「ルビー様は、問題なんて起こしていません。むしろ私が……ちょっと同級生の方を怒らせてしまい、喧嘩になりそうだった所を諫めてくださったのです」
「ふむ」
オニキスは足を止めて、改めて周囲を見る。
水浸しの現場は、炎の魔法を得意とするルビーが暴れた後としてはあまりにも似合わない。
オニキスは、自身の視野が狭くなっていたことを反省し、ルビーへと視線を戻す。
「彼女が言っていることは本当か?」
「え、あ、はい。本当、です」
「そうか。疑ってすまなかった」
「ああ、いえ。わかっていただければ、私はそれで」
「それで、誰がこんな真似を?」
オニキスは、ルビーの仕業でないことは信じたが、ダイヤモンドの言う喧嘩になりそうだったでは到底納得できなかった。
オニキスからの問いかけに、ルビーは口をつぐむ。
回答するべきかしないべきか、ルビーの中に答えがなかった。
オニキスが知るということは、王族の権力が動くということと同義だからだ。
果たしてネールの件をそこまで大事にして良いものか、ルビーはこっそり天秤にかけた。
「言えないのならば、それでいい。この件は、君に任せよう」
対し、ルビーの考えを理解したオニキスは、早々に前言を撤回した。
下の人間の意思を尊重するのもまた王族の務め。
「しかし、もしも平民というだけで危害を加えようとする者がいるのなら、私としても見過ごす訳にはいかない。注意して見ておくようにはしよう」
オニキスは、この場の全てをルビーに任せて立ち去った。
オニキスが去った瞬間、ルビーの緊張の糸が切れて、汗が噴き出した。
「っはあああ!!」
「ルビー様!?」
オニキスは、ルビーを家ごと取り潰す権力を持っている、いわば最も破滅を起こせる人間だ。
一瞬でもかけられた嫌疑は、ルビーの心臓を握り潰せるプレッシャーを持っており、その解放感は並ではない。
ルビーは全てが終わったことにひとまず安堵し、呼吸を整えてダイヤモンドの方へと向く。
「と、とにかく、今回の件は私が一先ず預かります」
オニキスに任されてしまった以上、サファイアを止めなければ、ルビーも巻き添えを食らって破滅へ進む可能性も低くはない。
明日にでもサファイアと接触しようと心に決めつつ、ルビーもこの場を去ろうと歩きだす。
「あ、あの!」
が、ルビーの足は、ダイヤモンドからの呼びかけで止まった。
「何?」
「えっと、ダイヤモンドです」
「はい?」
「私、ダイヤモンド・レグホーンと申します」
ふとルビーは、自身は名乗ったがダイヤモンドからの自己紹介がされていないことを思い出した。
ルビーにとっては、ゲームの知識で良く知った名前であるが、ダイヤモンドにとっては現在がルビーとの初接触である。
名乗ることは、不思議ではない。
「そう、ダイヤ。よろしくね」
ルビーは一言だけ残して、再び歩き始めた。
ルビーの背に向かって、ダイヤモンドは再び頭を下げた。
翌日。
「あら?」
授業に、サファイアは出てこなかった。
ルビーは不思議に思いながら、放課後にサファイアの部屋の扉を叩く。
コンコン。
コンコン。
「……はい?」
扉の奥から聞こえてきたのは、サファイアの使用人の声。
「ルビー・スカーレットと申します」
ルビーが公爵家の名前を添えて名乗るも、扉が開くことはない。
「何か、御用でしょうか?」
どころか、扉越しに会話が継続される始末。
公爵家の人間に対してあまりにも無礼な行為であり、サファイア・インディゴ直属の使用人である事実を加味しても、眉を顰めない貴族はいないだろう。
しかし幸い、現世の記憶が混じるルビーは、階級による無礼には比較的寛容だった。
感情が乱れることなく、用件を伝える。
「サファイア様に、お伺いしたことが御座います。少しだけ、お時間頂けませんでしょうか」
「申し訳御座いません。お嬢様はお疲れのご様子ですので、本日はご遠慮ください」
ルビーの用件は、使用人とサファイアとの相談時間もなく、即時に拒否された。
それはつまり、面会の依頼を断るようにと、事前にサファイアから指示を受けている証明。
同時に、返答に含まれているのは本日の面会の拒否だけで、後日に調整したい旨の内容が含まれておらず、サファイアが誰とも面会する気がないことを暗に示していた。
「そうですか。では、明日にお約束はできませんでしょうか?」
「何分、学院生活も始まったばかりでお嬢様の体調も安定しておらず、お約束はできかねます」
念のためにルビーが探りを入れるも、案の定の拒絶で終わった。
「……そうですか。サファイア様のお身体が良くなるよう、お祈り申し上げます」
「ありがとうございます」
成果はゼロ。
ルビーは、とぼとぼと自身の部屋に帰っていった。
サファイアがネールを使ってダイヤモンドに嫌がらせをした理由は、結局分からずじまい。
ルビーは忘れていた。
ダイヤモンドが呼び出されるこのイベントは、オニキスの登場によって完結することを。
ゲームでは、皇太子オニキス・アイボリーは、たまたま通りかかった校舎裏が水浸しになっていることに気づき、その中心にいる服の濡れたダイヤモンドと、水の魔法を使っているネールの姿を確認する。
しかし今、この場にネールはおらず、いるのはルビーただ一人。
平民と貴族のトラブルは、一般的に貴族からの理不尽に起因することが多い。
まして、ルビーは気に食わない相手に対して正面から喧嘩を売る苛烈さを持ち合わせている。
オニキスがこの惨状を見て、ルビーがダイヤモンドに危害を加えていると考えても、なんら不思議ではない。
「ルビー。君は一体何をやっている?」
怒気を含むオニキスの言葉に、ルビーの背筋がサッと凍り付いた。
口を開いて事情を説明しようとするも、突き刺さるオニキスの強い眼光が、ルビーの口を上手く動かすことを許さない。
「え、あ、いえ、これは」
言葉が出てこないルビーの様子を、オニキスは自白と受け取った。
「まさか、入学早々問題を起こしてくれるとはな」
オニキスが速足でルビーへと近づいてくる。
「ひっ!?」
ルビーは、頭の中に響く破滅の音を聞きながら、小さく悲鳴を上げた。
「ご、誤解です!」
そんな緊迫した状況を打ち破ったのは、ダイタモンドだ。
公爵家ゆえオニキスの言葉を重く受け取りすぎるルビーと違い、ダイヤモンドは平民ゆえ、オニキスの言葉を適度にしか受け取れない。
だからこそ、ルビーに代わって、ダイヤモンドは回答できた。
「ルビー様は、問題なんて起こしていません。むしろ私が……ちょっと同級生の方を怒らせてしまい、喧嘩になりそうだった所を諫めてくださったのです」
「ふむ」
オニキスは足を止めて、改めて周囲を見る。
水浸しの現場は、炎の魔法を得意とするルビーが暴れた後としてはあまりにも似合わない。
オニキスは、自身の視野が狭くなっていたことを反省し、ルビーへと視線を戻す。
「彼女が言っていることは本当か?」
「え、あ、はい。本当、です」
「そうか。疑ってすまなかった」
「ああ、いえ。わかっていただければ、私はそれで」
「それで、誰がこんな真似を?」
オニキスは、ルビーの仕業でないことは信じたが、ダイヤモンドの言う喧嘩になりそうだったでは到底納得できなかった。
オニキスからの問いかけに、ルビーは口をつぐむ。
回答するべきかしないべきか、ルビーの中に答えがなかった。
オニキスが知るということは、王族の権力が動くということと同義だからだ。
果たしてネールの件をそこまで大事にして良いものか、ルビーはこっそり天秤にかけた。
「言えないのならば、それでいい。この件は、君に任せよう」
対し、ルビーの考えを理解したオニキスは、早々に前言を撤回した。
下の人間の意思を尊重するのもまた王族の務め。
「しかし、もしも平民というだけで危害を加えようとする者がいるのなら、私としても見過ごす訳にはいかない。注意して見ておくようにはしよう」
オニキスは、この場の全てをルビーに任せて立ち去った。
オニキスが去った瞬間、ルビーの緊張の糸が切れて、汗が噴き出した。
「っはあああ!!」
「ルビー様!?」
オニキスは、ルビーを家ごと取り潰す権力を持っている、いわば最も破滅を起こせる人間だ。
一瞬でもかけられた嫌疑は、ルビーの心臓を握り潰せるプレッシャーを持っており、その解放感は並ではない。
ルビーは全てが終わったことにひとまず安堵し、呼吸を整えてダイヤモンドの方へと向く。
「と、とにかく、今回の件は私が一先ず預かります」
オニキスに任されてしまった以上、サファイアを止めなければ、ルビーも巻き添えを食らって破滅へ進む可能性も低くはない。
明日にでもサファイアと接触しようと心に決めつつ、ルビーもこの場を去ろうと歩きだす。
「あ、あの!」
が、ルビーの足は、ダイヤモンドからの呼びかけで止まった。
「何?」
「えっと、ダイヤモンドです」
「はい?」
「私、ダイヤモンド・レグホーンと申します」
ふとルビーは、自身は名乗ったがダイヤモンドからの自己紹介がされていないことを思い出した。
ルビーにとっては、ゲームの知識で良く知った名前であるが、ダイヤモンドにとっては現在がルビーとの初接触である。
名乗ることは、不思議ではない。
「そう、ダイヤ。よろしくね」
ルビーは一言だけ残して、再び歩き始めた。
ルビーの背に向かって、ダイヤモンドは再び頭を下げた。
翌日。
「あら?」
授業に、サファイアは出てこなかった。
ルビーは不思議に思いながら、放課後にサファイアの部屋の扉を叩く。
コンコン。
コンコン。
「……はい?」
扉の奥から聞こえてきたのは、サファイアの使用人の声。
「ルビー・スカーレットと申します」
ルビーが公爵家の名前を添えて名乗るも、扉が開くことはない。
「何か、御用でしょうか?」
どころか、扉越しに会話が継続される始末。
公爵家の人間に対してあまりにも無礼な行為であり、サファイア・インディゴ直属の使用人である事実を加味しても、眉を顰めない貴族はいないだろう。
しかし幸い、現世の記憶が混じるルビーは、階級による無礼には比較的寛容だった。
感情が乱れることなく、用件を伝える。
「サファイア様に、お伺いしたことが御座います。少しだけ、お時間頂けませんでしょうか」
「申し訳御座いません。お嬢様はお疲れのご様子ですので、本日はご遠慮ください」
ルビーの用件は、使用人とサファイアとの相談時間もなく、即時に拒否された。
それはつまり、面会の依頼を断るようにと、事前にサファイアから指示を受けている証明。
同時に、返答に含まれているのは本日の面会の拒否だけで、後日に調整したい旨の内容が含まれておらず、サファイアが誰とも面会する気がないことを暗に示していた。
「そうですか。では、明日にお約束はできませんでしょうか?」
「何分、学院生活も始まったばかりでお嬢様の体調も安定しておらず、お約束はできかねます」
念のためにルビーが探りを入れるも、案の定の拒絶で終わった。
「……そうですか。サファイア様のお身体が良くなるよう、お祈り申し上げます」
「ありがとうございます」
成果はゼロ。
ルビーは、とぼとぼと自身の部屋に帰っていった。
サファイアがネールを使ってダイヤモンドに嫌がらせをした理由は、結局分からずじまい。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる