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第8話 帰宅
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「ただいまー」
京平が自宅へ戻ると、京平の母親が玄関に走ってきた。
そして、京平の姿を見るなり膝から崩れ落ち、大声を上げて泣き出した。
いや、既に目は赤く腫れているので、再び泣き始めたというのが正しいか。
「か、母さん」
「生ぎでた……! 生ぎでだあああああ!!」
母親は京平の足に縋りついて泣き、離すことはなかった。
デスゲームの開催は、ニュース速報で全国に伝わっていた。
日本中の全ての高校で、生徒たちが命をかけた戦いに巻き込まれる。
僅か一時間で高校生の数は半分以下に減り、歴史上のどんな事件よりも死者が出た。
自分たちの子供も巻き込まれたことを知った親たちは、嘆き、焦り、学校へと走る者もいた。
我が子の死を知った親は泣き、生存を知った親は泣いた。
「京平! 無事だったか!」
しばらくすると、仕事を切り上げた京平の父親も帰宅し、京平の姿を見るなりへたり込んだ。
「学校、しばらく休校だって」
高校からは、正式に休校の通達がされた。
半分以上の生徒が死に、全ての教室が血まみれとなった現状では、当然の措置だろう。
テレビからは、絶えずデスゲームのニュースが流れ、モザイクのかかった教室内やデスゲームに参加した高校生のインタビューが映された。
デスゲームが終わったばかりだというのにインタビューをする人間も、受ける人間も、京平には理解ができなかった。
が、情報収集と言う目的のため、不快な気持ちを抑えながら、京平はニュースを見続けた。
ニュースから分かったのは、各地の死者数に、一部都道府県のデスゲームの内容。
ほとんどの都道府県で、五割から六割の高校生が死亡。
デスゲームの内容は都道府県ごとに異なり、人狼ゲームに似た鬼当てゲームだの、腕相撲大会だの、多種多様。
京平は、各都道府県の代表者が死者を少しでも減らそうと、あるいは自分が確実に生き残れるよう、必死に考えた結果なのだとすぐに分かった。
そして、最も凄惨なニュースは、都道府県の全高校生の死亡。
愛知県。
兵庫県。
岡山県。
大分県。
以上四県で、全高校生の死亡が確認された。
それはつまり、四県の代表者が、ゲームの中で死亡したことを意味する。
「不謹慎かもしれないけど、京平が生きててよかったわ」
死んだ高校生たちの冥福を祈りながらも、京平の父親と母親は、京平の無事を喜ぶ。
誰だって、我が子は特別だ。
不謹慎だと理解しつつ、我が子が死んでいないことを感謝する。
が、京平は――否、参加した高校生たちは知っている。
次、の存在を。
ニュースでは、結局触れられていなかった。
メディアが隠したのか、インタビューに答えた高校生が隠したのか、京平にはわからない。
しかし、誰かに何かしらの隠す理由があったのだろう。
言うべきか言わぬべきか。
京平はしばし悩み、口を開いた。
「父さん、母さん、ごめん。このゲームは、続くんだ」
両親は京平の方へと向き、母親は手に持っていたマグカップを落とした。
服とソファがお茶で染まるが、気にせず母親は立ち上がり、京平の肩を力強く掴んだ。
「駄目よ! 行かせないわ!」
憔悴しきった母親の顔から、京平は顔を背ける。
「ごめん。一週間後、登校するように言われてる」
誰に、などと両親は聞かなかった。
ニュースで流れた、デスゲームの司会進行をしていた不思議な生物からの言葉だろうと、すぐに理解できた。
母親の両手は、京平の肩から滑り落ちる。
そして、母親は机に突っ伏して泣き始めた。
父親は、そんな母親の背中をさする。
両親とも、ニュースにこそなっていないが、もしかしたら悪夢は続くのかもしれないと察していた。
覚悟をしていた。
覚悟をしていたが、感情が現実に追いつかなかった。
「ごめん」
京平は立ち上がり、自分の部屋に戻っていく。
「でも、大丈夫。俺、絶対に生き残るから」
両親に背中を向けたまま、京平は決意を口にした。
母親は顔を伏したまま。
部屋に戻った京平は、そのまま眠りについた。
「やってくれましたね!」
白い床の上に立った瞬間、京平の前にはすかい君が立っていた。
にこにことした笑顔で、すかい君の顔は京平の顔と十五センチメートルしか離れていない場所にあった。
「ひっ!?」
突然のことに、京平は思わず声を上げる。
すかい君は京平の驚きなどお構いなしに、さらに京平に顔を近づける。
「何が、カンニングを防ぐためにプロフィールを見せてはいけない、ですか? 何が、声を出してはいけない、ですか? あんなの、バリッバリにカンニングじゃないですか? やったのが代表者の貴方じゃなきゃ、すかい君の裁量で殺してましたよ?」
京平の行動は、案の定、すかい君の倫理観に触れていた。
カンニング禁止というルールが用意された中で、ルールを破らない範囲での堂々たるカンニングは、すかい君にとって受け入れ難い物だった。
京平は、驚きでばくばくと鳴った心臓を落ち着けて、代わりに準備していた怒りで心臓を動かした。
近づいてきたすかい君の顔に、逆に顔を近づけて、額をごつんと当てる。
「それを言うなら、プロフィール当てゲームの項目に名前が出てくるのはおかしいだろ! あれこそカンニングじゃないか!」
京平の怒りに、すかい君は表情を変えない。
「それは貴方が、項目に名前を出さないというルールを作らないから」
「じゃあ、俺の行動だって問題ないだろ! ルールは、破っていない!」
「むぐぐ」
京平が白い床の上に移動して早々の口喧嘩に、他の四十二人の代表者たちの視線が集まる。
またあいつか、という独り言を数人が零す。
京平は、良くも悪くも代表者の中で目立ちつつあった。
「五月蠅い」
ざわざわとした雰囲気は、突如現れた神の一言でシンと静まり返った。
いつの間にかすかい君の姿は消え、代わりに神が横になっていた。
今日は床の上ではなく、床から三メートル上空に浮かぶ炬燵に入っての登場だ。
炬燵の前にはテレビが浮かんでおり、テレビにはデスゲームのニュースが流れている。
「愛知県、兵庫県、岡山県、大分県。ゲームオーバー。自分で作ったゲームで死んだ馬鹿は以上」
一パーセントの嘲笑と、九十九パーセントの無関心が混じった声だった。
神は横になったまま、炬燵の上に置いている煎餅を手に取り、バリンと割った。
煎餅の半分が神の口の中でガリゴリと潰されていき、もう半分は神が手に持ってひらひらと振る。
「次のデスゲームの開催は、一週間後。単位は学校。前回同様、ゲームの内容は問わないが、三時間以内に半分以下が死ぬようにすること。半分以下が死なねえ場合は、以下略だ」
クラス単位の次は、学校単位。
おおむね予想通りの内容に、代表者たちは気を引き締め直す。
見方によっては、単純に人数が増えるだけ。
しかし、人数が増えるからこそ計算外の出来事が発生する可能性は高くなる。
そのうえ、最低限以上の交流のある人間が集まるクラス単位と違い、面識など何一つない人間が大多数を占める学校単位では、自分がすぐにゲームクリアできて他の人間だと時間がかかるルールを探す難易度が上がる。
参加者の情報が少なすぎるのだ。
「質問はねえな。解散」
不安はあれど、考える以外の選択肢はない。
四十三人の代表者たちは、やはり唐突に、現実へと突っ返された。
「ふう」
額にじんわり滲む汗を感じながら、京平は目を覚ました。
三度目ともなれば、慣れている自分がいることに気づいた。
同時に、デスゲームという非日常に慣れ始めた自分に恐怖した。
両手で頬をバシッと叩く。
「うっし!」
自分の背中には、ぴったりと死神がくっついていることを体に叩き込み、ベッドから起き上がる。
そして、スマホを持って、ひたすらにルールのアイデアを書いていく。
必要なことは、京平と萌音が生き残ること。
それだけだ。
一年生から三年生までがぶつかるゲームの場合、学年が下であるほど不利だ。
勉強と部活を三年間に凝縮して学んでいく高校生の成長速度はすさまじく、一年違えば大きな差がつく。
「なら、第二回戦はクラス対抗戦だ」
よって京平は、早々に第二回戦の方向を個人戦でなく団体戦に決めた。
高校のクラス分けは、特進コースのような特殊な場合を除き、概ね能力が均等になるように分けられる。
個人対抗であれば個の強さが顕著に出てくるが、クラス対抗によって個の強さを均すことで勝率を上げる、京平の作戦だ。
なにより、京平は第一回戦で思い知った。
自分だけの力で萌音を救うルールだと、自分が出遅れた時にどうしようもなくなることを。
であれば、クラス対抗とすることで、クラス全体が萌音を守らざるを得ない状況を作り出そうと。
「で、肝心の何で戦うか、だ。うーん……」
次に考えるべきは、クラス対抗で京平のクラスが確実に勝てる方法。
学校の中で、京平のクラスだけが持つ強みを活かしたゲーム。
京平は、頭をひねり続けた。
京平が自宅へ戻ると、京平の母親が玄関に走ってきた。
そして、京平の姿を見るなり膝から崩れ落ち、大声を上げて泣き出した。
いや、既に目は赤く腫れているので、再び泣き始めたというのが正しいか。
「か、母さん」
「生ぎでた……! 生ぎでだあああああ!!」
母親は京平の足に縋りついて泣き、離すことはなかった。
デスゲームの開催は、ニュース速報で全国に伝わっていた。
日本中の全ての高校で、生徒たちが命をかけた戦いに巻き込まれる。
僅か一時間で高校生の数は半分以下に減り、歴史上のどんな事件よりも死者が出た。
自分たちの子供も巻き込まれたことを知った親たちは、嘆き、焦り、学校へと走る者もいた。
我が子の死を知った親は泣き、生存を知った親は泣いた。
「京平! 無事だったか!」
しばらくすると、仕事を切り上げた京平の父親も帰宅し、京平の姿を見るなりへたり込んだ。
「学校、しばらく休校だって」
高校からは、正式に休校の通達がされた。
半分以上の生徒が死に、全ての教室が血まみれとなった現状では、当然の措置だろう。
テレビからは、絶えずデスゲームのニュースが流れ、モザイクのかかった教室内やデスゲームに参加した高校生のインタビューが映された。
デスゲームが終わったばかりだというのにインタビューをする人間も、受ける人間も、京平には理解ができなかった。
が、情報収集と言う目的のため、不快な気持ちを抑えながら、京平はニュースを見続けた。
ニュースから分かったのは、各地の死者数に、一部都道府県のデスゲームの内容。
ほとんどの都道府県で、五割から六割の高校生が死亡。
デスゲームの内容は都道府県ごとに異なり、人狼ゲームに似た鬼当てゲームだの、腕相撲大会だの、多種多様。
京平は、各都道府県の代表者が死者を少しでも減らそうと、あるいは自分が確実に生き残れるよう、必死に考えた結果なのだとすぐに分かった。
そして、最も凄惨なニュースは、都道府県の全高校生の死亡。
愛知県。
兵庫県。
岡山県。
大分県。
以上四県で、全高校生の死亡が確認された。
それはつまり、四県の代表者が、ゲームの中で死亡したことを意味する。
「不謹慎かもしれないけど、京平が生きててよかったわ」
死んだ高校生たちの冥福を祈りながらも、京平の父親と母親は、京平の無事を喜ぶ。
誰だって、我が子は特別だ。
不謹慎だと理解しつつ、我が子が死んでいないことを感謝する。
が、京平は――否、参加した高校生たちは知っている。
次、の存在を。
ニュースでは、結局触れられていなかった。
メディアが隠したのか、インタビューに答えた高校生が隠したのか、京平にはわからない。
しかし、誰かに何かしらの隠す理由があったのだろう。
言うべきか言わぬべきか。
京平はしばし悩み、口を開いた。
「父さん、母さん、ごめん。このゲームは、続くんだ」
両親は京平の方へと向き、母親は手に持っていたマグカップを落とした。
服とソファがお茶で染まるが、気にせず母親は立ち上がり、京平の肩を力強く掴んだ。
「駄目よ! 行かせないわ!」
憔悴しきった母親の顔から、京平は顔を背ける。
「ごめん。一週間後、登校するように言われてる」
誰に、などと両親は聞かなかった。
ニュースで流れた、デスゲームの司会進行をしていた不思議な生物からの言葉だろうと、すぐに理解できた。
母親の両手は、京平の肩から滑り落ちる。
そして、母親は机に突っ伏して泣き始めた。
父親は、そんな母親の背中をさする。
両親とも、ニュースにこそなっていないが、もしかしたら悪夢は続くのかもしれないと察していた。
覚悟をしていた。
覚悟をしていたが、感情が現実に追いつかなかった。
「ごめん」
京平は立ち上がり、自分の部屋に戻っていく。
「でも、大丈夫。俺、絶対に生き残るから」
両親に背中を向けたまま、京平は決意を口にした。
母親は顔を伏したまま。
部屋に戻った京平は、そのまま眠りについた。
「やってくれましたね!」
白い床の上に立った瞬間、京平の前にはすかい君が立っていた。
にこにことした笑顔で、すかい君の顔は京平の顔と十五センチメートルしか離れていない場所にあった。
「ひっ!?」
突然のことに、京平は思わず声を上げる。
すかい君は京平の驚きなどお構いなしに、さらに京平に顔を近づける。
「何が、カンニングを防ぐためにプロフィールを見せてはいけない、ですか? 何が、声を出してはいけない、ですか? あんなの、バリッバリにカンニングじゃないですか? やったのが代表者の貴方じゃなきゃ、すかい君の裁量で殺してましたよ?」
京平の行動は、案の定、すかい君の倫理観に触れていた。
カンニング禁止というルールが用意された中で、ルールを破らない範囲での堂々たるカンニングは、すかい君にとって受け入れ難い物だった。
京平は、驚きでばくばくと鳴った心臓を落ち着けて、代わりに準備していた怒りで心臓を動かした。
近づいてきたすかい君の顔に、逆に顔を近づけて、額をごつんと当てる。
「それを言うなら、プロフィール当てゲームの項目に名前が出てくるのはおかしいだろ! あれこそカンニングじゃないか!」
京平の怒りに、すかい君は表情を変えない。
「それは貴方が、項目に名前を出さないというルールを作らないから」
「じゃあ、俺の行動だって問題ないだろ! ルールは、破っていない!」
「むぐぐ」
京平が白い床の上に移動して早々の口喧嘩に、他の四十二人の代表者たちの視線が集まる。
またあいつか、という独り言を数人が零す。
京平は、良くも悪くも代表者の中で目立ちつつあった。
「五月蠅い」
ざわざわとした雰囲気は、突如現れた神の一言でシンと静まり返った。
いつの間にかすかい君の姿は消え、代わりに神が横になっていた。
今日は床の上ではなく、床から三メートル上空に浮かぶ炬燵に入っての登場だ。
炬燵の前にはテレビが浮かんでおり、テレビにはデスゲームのニュースが流れている。
「愛知県、兵庫県、岡山県、大分県。ゲームオーバー。自分で作ったゲームで死んだ馬鹿は以上」
一パーセントの嘲笑と、九十九パーセントの無関心が混じった声だった。
神は横になったまま、炬燵の上に置いている煎餅を手に取り、バリンと割った。
煎餅の半分が神の口の中でガリゴリと潰されていき、もう半分は神が手に持ってひらひらと振る。
「次のデスゲームの開催は、一週間後。単位は学校。前回同様、ゲームの内容は問わないが、三時間以内に半分以下が死ぬようにすること。半分以下が死なねえ場合は、以下略だ」
クラス単位の次は、学校単位。
おおむね予想通りの内容に、代表者たちは気を引き締め直す。
見方によっては、単純に人数が増えるだけ。
しかし、人数が増えるからこそ計算外の出来事が発生する可能性は高くなる。
そのうえ、最低限以上の交流のある人間が集まるクラス単位と違い、面識など何一つない人間が大多数を占める学校単位では、自分がすぐにゲームクリアできて他の人間だと時間がかかるルールを探す難易度が上がる。
参加者の情報が少なすぎるのだ。
「質問はねえな。解散」
不安はあれど、考える以外の選択肢はない。
四十三人の代表者たちは、やはり唐突に、現実へと突っ返された。
「ふう」
額にじんわり滲む汗を感じながら、京平は目を覚ました。
三度目ともなれば、慣れている自分がいることに気づいた。
同時に、デスゲームという非日常に慣れ始めた自分に恐怖した。
両手で頬をバシッと叩く。
「うっし!」
自分の背中には、ぴったりと死神がくっついていることを体に叩き込み、ベッドから起き上がる。
そして、スマホを持って、ひたすらにルールのアイデアを書いていく。
必要なことは、京平と萌音が生き残ること。
それだけだ。
一年生から三年生までがぶつかるゲームの場合、学年が下であるほど不利だ。
勉強と部活を三年間に凝縮して学んでいく高校生の成長速度はすさまじく、一年違えば大きな差がつく。
「なら、第二回戦はクラス対抗戦だ」
よって京平は、早々に第二回戦の方向を個人戦でなく団体戦に決めた。
高校のクラス分けは、特進コースのような特殊な場合を除き、概ね能力が均等になるように分けられる。
個人対抗であれば個の強さが顕著に出てくるが、クラス対抗によって個の強さを均すことで勝率を上げる、京平の作戦だ。
なにより、京平は第一回戦で思い知った。
自分だけの力で萌音を救うルールだと、自分が出遅れた時にどうしようもなくなることを。
であれば、クラス対抗とすることで、クラス全体が萌音を守らざるを得ない状況を作り出そうと。
「で、肝心の何で戦うか、だ。うーん……」
次に考えるべきは、クラス対抗で京平のクラスが確実に勝てる方法。
学校の中で、京平のクラスだけが持つ強みを活かしたゲーム。
京平は、頭をひねり続けた。
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