令和百物語 ～妖怪小話～

肆拾伍 灰坊主

　ヘロー！
　エビバッディー！
　
　今日も元気に始めちゃうよおおおおお！
　ＤＪエンマのおおおおお！
　わくわくお悩み相談ラジオオオオオオオオオオオオ！
　
　お相手はもちろん、地獄の人気者！
　閻魔大王おおおおお！
　
　
　
　……間違えたああああああ！
　
　
　
　でぃー！
　じぇい！
　ＥＮＭＡＡＡＡＡＡ！
　
　ＦＯＯＯＯＯ！
　
　それではさっそく、最初のお便りだー！
　えー、黒縄地獄にお住いの灰坊主さん！
　お便り、センキュー！
　
　
　
　こんにちは、いつも楽しくラジオを聞いています。
　地獄の王として、長年人間を苦しめてきた閻魔様に質問です。
　私、灰坊主は、囲炉裏の灰の中に潜んで、囲炉裏を囲んでご飯を食べている人間どもを脅かしたり、田畑から抜かれた雑草を燃やすときに出てくる灰に潜んで、雑草を燃やしている農家の人間どもを脅かしたりしてきました。
　しかし最近、人間の家から囲炉裏は減り、雑草を燃やすこともなくなり、私がひそめる場所がなくなってしまいました。
　このままでは、灰坊主としての仕事ができなくなり、人間に忘れ去られ、消滅してしまうかもしれません。
　今後、私はどうやって人間を脅かせばいいのか、閻魔様のお知恵をお借りできればと思います。
　長々と失礼しました。
　
　
　
　重おおおおおおおおおおい！
　灰坊主さん！
　重いよ！
　重すぎるよ！
　初めてできた恋人に五分に一回Ｌ○ＮＥを送っちゃう男くらい重いよ！
　
　なーるほどー！
　これは難しいー！
　人間の生活スタイルにべったりの妖怪は、人間の生活スタイルが変わっちゃうと、こういう悩みが起きるよねー！
　一つ目小僧やのっぺらぼうみたいな、時代関係なく行動できる妖怪が羨ましくなるよねー！
　
　でもダイジョーブ！
　
　このＤＪエンマがずばり、解決してあげよう！
　
　
　
　それは……。
　
　
　
　遺灰にひそんじゃおおおおおお！
　
　日本ではまだまだ、火葬が主流！
　遺体を焼いた後、遺骨と遺灰を囲んで故人を偲ぶ風習が強い！
　
　ＳＯ・ＫＯ・ＤＥ
　
　遺灰に潜んで、ドロンと化けて出よう！
　大切な人を失って悲しみに暮れる人間の弱り切った心を、ずどんと抉ることができる！
　そのついでに、遺骨をぼりぼりと食っちまったりすれば、死者を冒とくする最低最悪の妖怪として返り咲くことができるだろう！
　オーライ！
　昔よりも、嫌われるかもしれない！
　妖怪冥利につきるねえええええ！
　
　どうだったかなー？
　参考になったかなー？
　
　灰坊主さん、是非参考にして欲しいー！
　
　ではまた次週！
　
　シーユーアゲイン！
　
　お相手は、デイイイイイイイイイジェエエエエエエエエエエイ！
　
　Ｅ・Ｎ・ＭＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡ！