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弐拾参 胴面
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ステージには、巨大なギロチンが設置され、ギロチンの下部のギロチン台へ男が寝転んでいる。
ギロチンの刃は上部へと固定されているが、ボタン一つで落下する。
そして、落下先には、ちょうど男の首がある位置だ。
観客は、息をのんでその瞬間を見守る。
黒服に包まれた別の男が両手を振って観客を煽り、ゆっくりとボタンへと近づいていく。
そして、人差し指でボタンを押す。
ガゴンッ。
何かが外れたようなアナログ音と共に、ギロチンの刃が落下する。
「キャアアアアア!?」
観客の悲鳴と共に、刃がギロチン台へと突き刺さる。
首が体から離れ、ギロチン台の外にゴロンと転がる。
「ギャアア!?」
「うわぁ!?」
「ひいい!!」
その光景に、観客たちは次々と悲鳴を上げる。
何が起こるかわかっていながら見ていたにもかかわらず、だ。
黒服の男は、人差し指をぴんと立て、小さく左右に振る。
ちっちっち。
そんな音が聞こえてきそうだ。
再度ボタンを押して、ギロチンの刃を上へと引き上げる。
そして、転がる頭部を持ち上げて、ギロチン台に寝転ぶ体の首へと押し付けた。
観客がしんと静まり返る。
そして、ギロチン台に寝ていた男が、のっそりと起き上がり、首をゴキゴキと鳴らす音だけが響いた。
黒服の男は、観客へと向き直り、両手を大きく上にあげた。
「イリュウウウウウウウウウウウジョオオオオオオオオオオオオオオン!!」
「「「おおおおおおおおおおおおお!!」」」
会場は大興奮に包まれた。
「お疲れ! これ、バイト代ね」
「うぃーす」
「いつもどうもー」
「また次も頼むねー」
首から上がない代わりに胴体に顔がある妖怪の胴面と、首から上しかない妖怪の舞首は、割のいいバイトにほくほく顔で帰宅した。
帰りにラーメンでも食べて帰ろうか、なんて話しながら。
ギロチンの刃は上部へと固定されているが、ボタン一つで落下する。
そして、落下先には、ちょうど男の首がある位置だ。
観客は、息をのんでその瞬間を見守る。
黒服に包まれた別の男が両手を振って観客を煽り、ゆっくりとボタンへと近づいていく。
そして、人差し指でボタンを押す。
ガゴンッ。
何かが外れたようなアナログ音と共に、ギロチンの刃が落下する。
「キャアアアアア!?」
観客の悲鳴と共に、刃がギロチン台へと突き刺さる。
首が体から離れ、ギロチン台の外にゴロンと転がる。
「ギャアア!?」
「うわぁ!?」
「ひいい!!」
その光景に、観客たちは次々と悲鳴を上げる。
何が起こるかわかっていながら見ていたにもかかわらず、だ。
黒服の男は、人差し指をぴんと立て、小さく左右に振る。
ちっちっち。
そんな音が聞こえてきそうだ。
再度ボタンを押して、ギロチンの刃を上へと引き上げる。
そして、転がる頭部を持ち上げて、ギロチン台に寝転ぶ体の首へと押し付けた。
観客がしんと静まり返る。
そして、ギロチン台に寝ていた男が、のっそりと起き上がり、首をゴキゴキと鳴らす音だけが響いた。
黒服の男は、観客へと向き直り、両手を大きく上にあげた。
「イリュウウウウウウウウウウウジョオオオオオオオオオオオオオオン!!」
「「「おおおおおおおおおおおおお!!」」」
会場は大興奮に包まれた。
「お疲れ! これ、バイト代ね」
「うぃーす」
「いつもどうもー」
「また次も頼むねー」
首から上がない代わりに胴体に顔がある妖怪の胴面と、首から上しかない妖怪の舞首は、割のいいバイトにほくほく顔で帰宅した。
帰りにラーメンでも食べて帰ろうか、なんて話しながら。
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