38 / 60
助言
しおりを挟む
「浮かない顔だね。あまり好みじゃなかったかな?」
その言葉にアネットは我に返って顔を上げると、そつのない笑みを浮かべたフェルナンと目があった。
「申し訳ございません――いえ、とても美味しくいただいておりますわ」
アネットの目の前には美しい宝石のように輝く一口サイズのお菓子が並べられている。たっぷりのフルーツを使ったタルトや花をかたどったチョコレートなど、お茶会に出せば称賛を浴びる可愛いらしい見た目だけでなく、味も抜群に美味しい。
(お姉様にも食べさせてあげたい!)
そう思ってしまったことから最近のクロエとの距離感に心が沈み、ついそちらに気を取られてしまったのだ。
「気になるところがあったら何でもいいから教えて欲しい。アネット嬢はお菓子作りが得意だと聞いているからね」
貴族令嬢として眉を顰められる趣味だが、フェルナンは気にした様子もない。むしろアネットの意見を聞くためにカフェに連れてこられたのかと思うほど、様々な種類の菓子が用意されていたのだ。
「私のような素人の意見などあまり当てにはならないと思いますが……」
プロの作ったものを批評するほど美食家ではないが、何も言わないのも失礼だと思ったアネットは取り敢えず思いついたことを口にすることにした。
「チーズや胡椒などを混ぜた甘くないクッキーなどを添えればアクセントになりますし、甘い物が苦手な方にも喜ばれるのではないでしょうか」
きらりとフェルナンの瞳が光ったような気がした。
その後はクッキーに合うスパイスの話や男性にも喜ばれそうなお菓子の話題で、婚約者候補というより仕事相手と話しているかのような気分になる。
「とても参考になったよ。有益な意見をありがとう、アネット嬢」
満面の笑みを浮かべたフェルナンを見て、頭の片隅で失敗したかなという思いがよぎる。
以前リシャールと訪れたことがあるイリゼはフェルナンが経営しているカフェだった。人気店であると聞いているから売上も好調だろうし、アネットの発言がきっかけで更に業績を伸ばすことになれば、自分で自分の首を絞めたも同然だ。
「お礼という訳じゃないけど、悩んでいるのはクロエ嬢のことかな?」
さらりと告げられた言葉にアネットは何も言わずにカップを手に取る。フェルナンが油断のならない人物だと思うのはこういうところだ。
悪意はないと思っているが、相手の懐に飛び込むことに長けた言動は正直苦手に感じてしまう。ぼんやりしてしまったのはアネットのミスなので仕方ないが、これ以上立ち入られたくはない。
「アネット嬢が気にしているのがお茶会の件なら大丈夫だよ」
望んでもいないのに勝手に人の空間に入ってくるような人は嫌いだ。それが親切からのものであっても、信頼関係が築けていない相手であるなら不愉快でしかない。
「クロエ嬢はきっと――」
「ご用件はお済みですわね。そろそろ失礼いたしますわ」
フェルナンの言葉を遮って告げたアネットの声音は平坦だったが、心の中は激しい感情が暴れまわっている。クロエが告げなかったことを他人から聞かされたくはなかった。
「気分を害してしまったか。今日のところはこれでお開きにしよう」
苦笑するフェルナンの顔を見ないことで、アネットは込み上げる思いに蓋をした。
「不愉快にさせたお詫びに一つだけ助言してあげよう。アネット嬢、君はもう少し自分のことを考えてみたほうがいい。誰のためでもなく君自身のために」
「……本日はありがとうございました」
別れる直前にフェルナンからさらりと告げられた言葉にアネットは戸惑いを覚えた。表面的な笑みではなく、どこか真剣なフェルナンの表情に何と返答していいか分からず、結局当たり障りのない言葉を返してその場を離れた。
何だかひどく疲れた気分でアネットはベッドに倒れ込む。掛け違えたボタンに気づいているのに、どうして良いか分からないようなもどかしさばかりが募っていく。
(私自身のことって何?そもそも私から選択肢を奪おうとしている会長には言われたくないわ)
八つ当たりであることを自覚しつつも、フェルナンへの不満を頭の中で並べて枕をペシペシと叩く。子供じみた態度が余計にやるせなくて余計に落ち込んでしまう。
(お姉様のことなら考えられるのに……)
いざとなれば逃げればいいと思っていたのに、それが簡単なことではないと気づくのが遅すぎた。クロエの傍にいることを諦めて市井で働くにしても、貴族令嬢として育ったアネットが仕事を得るための能力があるのだろうか。
伝手も頼る相手もいない中、一人で生きていくことに不安を覚え始めたのは、婚約者候補が現れて現実を突きつけられたせいかもしれない。
政略結婚など当たり前だという教育を受けたはずなのに、知らない相手と過ごし後継を産むことを考えるとぞっとしてしまう。前世の記憶を持っている弊害に、アネットは深い溜息を吐いた。
(会長はある程度私を尊重してくれそうだけど……)
だからと言ってフェルナンに触れられることを考えれば、どうしても嫌悪感が先に立つ。仕事相手として見ればフェルナンの意見や考え方は面白く、良い関係性を築けるような気がしたが、やはり結婚というプライベートなものについては別なのだ。
考えすぎて疲れたのか眠気がやってきて、アネットは目を閉じる。
(あの手は温かくて嫌じゃなかったな……)
膝の痛みよりもズキズキと痛んでいた心が、安心させるようにしっかりと繋がれた手のおかげでふっと軽くなったのだ。微睡みのなか手のひらに蘇った温もりを繋ぎ留めるかのように、アネットは右手を握りしめ眠りへと落ちて行った。
その言葉にアネットは我に返って顔を上げると、そつのない笑みを浮かべたフェルナンと目があった。
「申し訳ございません――いえ、とても美味しくいただいておりますわ」
アネットの目の前には美しい宝石のように輝く一口サイズのお菓子が並べられている。たっぷりのフルーツを使ったタルトや花をかたどったチョコレートなど、お茶会に出せば称賛を浴びる可愛いらしい見た目だけでなく、味も抜群に美味しい。
(お姉様にも食べさせてあげたい!)
そう思ってしまったことから最近のクロエとの距離感に心が沈み、ついそちらに気を取られてしまったのだ。
「気になるところがあったら何でもいいから教えて欲しい。アネット嬢はお菓子作りが得意だと聞いているからね」
貴族令嬢として眉を顰められる趣味だが、フェルナンは気にした様子もない。むしろアネットの意見を聞くためにカフェに連れてこられたのかと思うほど、様々な種類の菓子が用意されていたのだ。
「私のような素人の意見などあまり当てにはならないと思いますが……」
プロの作ったものを批評するほど美食家ではないが、何も言わないのも失礼だと思ったアネットは取り敢えず思いついたことを口にすることにした。
「チーズや胡椒などを混ぜた甘くないクッキーなどを添えればアクセントになりますし、甘い物が苦手な方にも喜ばれるのではないでしょうか」
きらりとフェルナンの瞳が光ったような気がした。
その後はクッキーに合うスパイスの話や男性にも喜ばれそうなお菓子の話題で、婚約者候補というより仕事相手と話しているかのような気分になる。
「とても参考になったよ。有益な意見をありがとう、アネット嬢」
満面の笑みを浮かべたフェルナンを見て、頭の片隅で失敗したかなという思いがよぎる。
以前リシャールと訪れたことがあるイリゼはフェルナンが経営しているカフェだった。人気店であると聞いているから売上も好調だろうし、アネットの発言がきっかけで更に業績を伸ばすことになれば、自分で自分の首を絞めたも同然だ。
「お礼という訳じゃないけど、悩んでいるのはクロエ嬢のことかな?」
さらりと告げられた言葉にアネットは何も言わずにカップを手に取る。フェルナンが油断のならない人物だと思うのはこういうところだ。
悪意はないと思っているが、相手の懐に飛び込むことに長けた言動は正直苦手に感じてしまう。ぼんやりしてしまったのはアネットのミスなので仕方ないが、これ以上立ち入られたくはない。
「アネット嬢が気にしているのがお茶会の件なら大丈夫だよ」
望んでもいないのに勝手に人の空間に入ってくるような人は嫌いだ。それが親切からのものであっても、信頼関係が築けていない相手であるなら不愉快でしかない。
「クロエ嬢はきっと――」
「ご用件はお済みですわね。そろそろ失礼いたしますわ」
フェルナンの言葉を遮って告げたアネットの声音は平坦だったが、心の中は激しい感情が暴れまわっている。クロエが告げなかったことを他人から聞かされたくはなかった。
「気分を害してしまったか。今日のところはこれでお開きにしよう」
苦笑するフェルナンの顔を見ないことで、アネットは込み上げる思いに蓋をした。
「不愉快にさせたお詫びに一つだけ助言してあげよう。アネット嬢、君はもう少し自分のことを考えてみたほうがいい。誰のためでもなく君自身のために」
「……本日はありがとうございました」
別れる直前にフェルナンからさらりと告げられた言葉にアネットは戸惑いを覚えた。表面的な笑みではなく、どこか真剣なフェルナンの表情に何と返答していいか分からず、結局当たり障りのない言葉を返してその場を離れた。
何だかひどく疲れた気分でアネットはベッドに倒れ込む。掛け違えたボタンに気づいているのに、どうして良いか分からないようなもどかしさばかりが募っていく。
(私自身のことって何?そもそも私から選択肢を奪おうとしている会長には言われたくないわ)
八つ当たりであることを自覚しつつも、フェルナンへの不満を頭の中で並べて枕をペシペシと叩く。子供じみた態度が余計にやるせなくて余計に落ち込んでしまう。
(お姉様のことなら考えられるのに……)
いざとなれば逃げればいいと思っていたのに、それが簡単なことではないと気づくのが遅すぎた。クロエの傍にいることを諦めて市井で働くにしても、貴族令嬢として育ったアネットが仕事を得るための能力があるのだろうか。
伝手も頼る相手もいない中、一人で生きていくことに不安を覚え始めたのは、婚約者候補が現れて現実を突きつけられたせいかもしれない。
政略結婚など当たり前だという教育を受けたはずなのに、知らない相手と過ごし後継を産むことを考えるとぞっとしてしまう。前世の記憶を持っている弊害に、アネットは深い溜息を吐いた。
(会長はある程度私を尊重してくれそうだけど……)
だからと言ってフェルナンに触れられることを考えれば、どうしても嫌悪感が先に立つ。仕事相手として見ればフェルナンの意見や考え方は面白く、良い関係性を築けるような気がしたが、やはり結婚というプライベートなものについては別なのだ。
考えすぎて疲れたのか眠気がやってきて、アネットは目を閉じる。
(あの手は温かくて嫌じゃなかったな……)
膝の痛みよりもズキズキと痛んでいた心が、安心させるようにしっかりと繋がれた手のおかげでふっと軽くなったのだ。微睡みのなか手のひらに蘇った温もりを繋ぎ留めるかのように、アネットは右手を握りしめ眠りへと落ちて行った。
21
お気に入りに追加
2,120
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は推し活中〜殿下。貴方には興味がございませんのでご自由に〜
みおな
恋愛
公爵家令嬢のルーナ・フィオレンサは、輝く銀色の髪に、夜空に浮かぶ月のような金色を帯びた銀の瞳をした美しい少女だ。
当然のことながら王族との婚約が打診されるが、ルーナは首を縦に振らない。
どうやら彼女には、別に想い人がいるようで・・・
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】
男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。
少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。
けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。
少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。
それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分の初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。
その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。
そこには残酷な現実が待っていた――
*他サイトでも投稿中

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる