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「ハルカちゃん、目が覚めたのね。起きなくても大丈夫だからそのまま寝てて。飲み物を用意するわ」
「……エディットさん、どうして?」
目の前にいるエディットに呆然としながら尋ねれば掠れた声しか出ず、エディットの眉が悲しそうに下がる。
「まずは喉を潤すのが先よ」
そう言って側にあった袋から林檎が浸かった壜を取り出すと、液体をコップに注ぎ蜂蜜やスパイスなどを入れると、最後にお湯を注いでかき混ぜていく。
「我が家では風邪を引いた時の定番なの」
甘い香りに誘われるように口を付けると、思いのほかあっさりとしていて喉から胸にかけてじわりと温かさが通り抜ける。
「メルヴィンにハルカちゃんの看病を頼まれたの。他の人だとハルカちゃんが安心できないからって。あ、お店は代わりの人を手配してもらったから心配しないで」
陽香の表情に気づいたエディットはそう付け加えてくれたが、それでも迷惑をかけたことには変わりない。謝罪を口にしかけて、陽香はあることに気づいた。
メルヴィンは陽香を訳ありな保護対象の子供としか伝えていない。だが王城の一室を与えられている状況に疑問を抱いてはいないだろうか。
(もし王子の運命の相手だと知ったら、どう思うんだろう……)
街で働くようになって運命の相手に対する人々の認識を思い知った。誰もが嬉しそうに運命の相手を歓迎し、祝いの言葉を口にする。そのことに陽香はどこか後ろめたい気持ちを覚えながら意識を逸らしていた。
「私たちには息子がいたの」
俯いた陽香の頭上にエディットが静かな口声が落ちる。
「活発で優しい子だったの。七歳の時に事故で……亡くなってしまったけど、今でもあの子を愛しく思っているわ。……だから、ハルカちゃんのご両親の気持ちを考えると、あの人たちを許せそうにないわ」
怒りを抑えるように握りしめた両手が目に入って、陽香は顔を上げた。険しい表情のエディットだったが、陽香の視線に気づくと労りに満ちた眼差しに変わる。
「ハルカちゃん、気づかなくてごめんね。運命の相手だからって勝手に親元から引き離していいわけがないよ。辛かったでしょう?よく頑張ったね」
分かってくれる人がいた。理不尽だと怒ってくれる人が側にいる。
救われたような気持ちが込み上げてきて言葉にならない。
大丈夫、偉かったね、とあやすように背中を撫でられながら、陽香は涙をこぼした。
エディットが作ってくれたスープを飲んで大人しくベッドで休んでいると、夕方にはだいぶ体調が良くなっていた。治るまで付き添ってくれるというエディットの申し出はありがたかったが、既に十分すぎるぐらいに世話をしてもらっていたため笑顔で断る。
「本当に大丈夫?ジェイやお店のことは心配しなくていいのよ?」
「エディットさんのおかげですっかり良くなりました。明日はちゃんと仕事に行きます――」
「駄目よ。熱が下がっても数日は安静にすること。いいわね?」
怖い顔で言い聞かせるエディットに、陽香は苦笑しながら頷いた。
「夜になってまた熱が上がるかもしれないし、やっぱりうちに泊まった方がいいんじゃないかしら?」
「エディット、それは安全上の理由から許可できないと伝えたはずだ」
口を挟んできたメルヴィンにエディットが向ける眼差しは冷ややかだ。
「どうしたら安全に守れるかを考えるのが貴方たちの仕事じゃないの?ハルカちゃんの体調が最優先のはずでしょう」
エディットの言葉に顔を顰めるメルヴィンだが、苛立っているというよりも困っているように見える。メルヴィンが困ろうが陽香には関係のないことだが、陽香は口を開いた。
「風邪をうつしたら申し訳ないし、ここで大丈夫です。エディットさん……心配してくれてありがとうございます」
言葉にすると少しだけ気恥ずかしい気分になったが、にっこりと微笑むエディットを見て、ちゃんと伝えて良かったと思った。
他人である陽香を心配して怒ってくれて護ろうとしてくれた、優しい人だ。
亡くなった息子について話すとき、声が震えていたし辛いことだったと思う。それなのに陽香の気持ちに寄り添い、慰めるために話してくれたのだ。
「ハルカちゃんを泣かせたら承知しないからね」
捨て台詞のように告げてエディットが去っていくと、室内が急にしんとして先ほどまでの温かい空気がどこかに行ってしまったようだ。
「必要な物があれば言ってくれ」
そう言ってベッドから離れるメルヴィンだが、部屋を出て行く様子はない。体調が悪化しないか一晩中付き添うつもりなのだろうか。
(昨晩も……多分ずっと側に付いていたはずなのに)
躊躇う気持ちゼロではないが、それでも今でなければ言えない気がした。
「……エディットさんを呼んでくれて、ありがとう」
メルヴィンのほうを見ないまま陽香はベッドに潜り込んだ。
八つ当たりを受け止めてくれたことや、看病してくれたことについては素直にお礼を言う気にはなれなかった。ただエディットのことは陽香が安心して休めるようにと配慮してくれた結果なのだから、何も言わないのは居心地が悪い。
エディットの声を思い出しながら、陽香は穏やかな気持ちで眠りについた。
「……エディットさん、どうして?」
目の前にいるエディットに呆然としながら尋ねれば掠れた声しか出ず、エディットの眉が悲しそうに下がる。
「まずは喉を潤すのが先よ」
そう言って側にあった袋から林檎が浸かった壜を取り出すと、液体をコップに注ぎ蜂蜜やスパイスなどを入れると、最後にお湯を注いでかき混ぜていく。
「我が家では風邪を引いた時の定番なの」
甘い香りに誘われるように口を付けると、思いのほかあっさりとしていて喉から胸にかけてじわりと温かさが通り抜ける。
「メルヴィンにハルカちゃんの看病を頼まれたの。他の人だとハルカちゃんが安心できないからって。あ、お店は代わりの人を手配してもらったから心配しないで」
陽香の表情に気づいたエディットはそう付け加えてくれたが、それでも迷惑をかけたことには変わりない。謝罪を口にしかけて、陽香はあることに気づいた。
メルヴィンは陽香を訳ありな保護対象の子供としか伝えていない。だが王城の一室を与えられている状況に疑問を抱いてはいないだろうか。
(もし王子の運命の相手だと知ったら、どう思うんだろう……)
街で働くようになって運命の相手に対する人々の認識を思い知った。誰もが嬉しそうに運命の相手を歓迎し、祝いの言葉を口にする。そのことに陽香はどこか後ろめたい気持ちを覚えながら意識を逸らしていた。
「私たちには息子がいたの」
俯いた陽香の頭上にエディットが静かな口声が落ちる。
「活発で優しい子だったの。七歳の時に事故で……亡くなってしまったけど、今でもあの子を愛しく思っているわ。……だから、ハルカちゃんのご両親の気持ちを考えると、あの人たちを許せそうにないわ」
怒りを抑えるように握りしめた両手が目に入って、陽香は顔を上げた。険しい表情のエディットだったが、陽香の視線に気づくと労りに満ちた眼差しに変わる。
「ハルカちゃん、気づかなくてごめんね。運命の相手だからって勝手に親元から引き離していいわけがないよ。辛かったでしょう?よく頑張ったね」
分かってくれる人がいた。理不尽だと怒ってくれる人が側にいる。
救われたような気持ちが込み上げてきて言葉にならない。
大丈夫、偉かったね、とあやすように背中を撫でられながら、陽香は涙をこぼした。
エディットが作ってくれたスープを飲んで大人しくベッドで休んでいると、夕方にはだいぶ体調が良くなっていた。治るまで付き添ってくれるというエディットの申し出はありがたかったが、既に十分すぎるぐらいに世話をしてもらっていたため笑顔で断る。
「本当に大丈夫?ジェイやお店のことは心配しなくていいのよ?」
「エディットさんのおかげですっかり良くなりました。明日はちゃんと仕事に行きます――」
「駄目よ。熱が下がっても数日は安静にすること。いいわね?」
怖い顔で言い聞かせるエディットに、陽香は苦笑しながら頷いた。
「夜になってまた熱が上がるかもしれないし、やっぱりうちに泊まった方がいいんじゃないかしら?」
「エディット、それは安全上の理由から許可できないと伝えたはずだ」
口を挟んできたメルヴィンにエディットが向ける眼差しは冷ややかだ。
「どうしたら安全に守れるかを考えるのが貴方たちの仕事じゃないの?ハルカちゃんの体調が最優先のはずでしょう」
エディットの言葉に顔を顰めるメルヴィンだが、苛立っているというよりも困っているように見える。メルヴィンが困ろうが陽香には関係のないことだが、陽香は口を開いた。
「風邪をうつしたら申し訳ないし、ここで大丈夫です。エディットさん……心配してくれてありがとうございます」
言葉にすると少しだけ気恥ずかしい気分になったが、にっこりと微笑むエディットを見て、ちゃんと伝えて良かったと思った。
他人である陽香を心配して怒ってくれて護ろうとしてくれた、優しい人だ。
亡くなった息子について話すとき、声が震えていたし辛いことだったと思う。それなのに陽香の気持ちに寄り添い、慰めるために話してくれたのだ。
「ハルカちゃんを泣かせたら承知しないからね」
捨て台詞のように告げてエディットが去っていくと、室内が急にしんとして先ほどまでの温かい空気がどこかに行ってしまったようだ。
「必要な物があれば言ってくれ」
そう言ってベッドから離れるメルヴィンだが、部屋を出て行く様子はない。体調が悪化しないか一晩中付き添うつもりなのだろうか。
(昨晩も……多分ずっと側に付いていたはずなのに)
躊躇う気持ちゼロではないが、それでも今でなければ言えない気がした。
「……エディットさんを呼んでくれて、ありがとう」
メルヴィンのほうを見ないまま陽香はベッドに潜り込んだ。
八つ当たりを受け止めてくれたことや、看病してくれたことについては素直にお礼を言う気にはなれなかった。ただエディットのことは陽香が安心して休めるようにと配慮してくれた結果なのだから、何も言わないのは居心地が悪い。
エディットの声を思い出しながら、陽香は穏やかな気持ちで眠りについた。
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