6 / 10
Vérité
-3-
しおりを挟む
レヴェは悲しみの灯る涙を溢れさせた。
「また……君の死を見届けないといけないの……」
「レヴェにしか出来ない」
「そんなの……嫌だっ!そんな景色は二度と見たくないっ!」
レヴェは張り裂けそうなほど声を荒げた。
二度とモンドが死す瞬間を見届けないために時を止めていたレヴェにとっては、この上ない無慈悲な現実だった。共にいたい一心でこの残酷な運命を受け入れていた心には耐えがたい苦痛であり、光を受け入れることの無い絶望の花を咲かせるものだ。
何故、二人は共にいることを許されないのだろうか?
何故、語り部はこのような生を授けたのだろうか?
何故、二人はこのような形で出会ってしまったのだろうか?
悲しみに絶望するレヴェにはモンドの声さえ届いていなかった。
「レヴェ」
「嫌だっ!モンドを殺すことなんて出来ない!俺はただ一緒にいたいだけなんだっ!」
「レヴェ」
「何でっ!何でこんな世界で君と出会ったんだっ!何で幸せな形で出会わせてくれなかったん、」
再度、優しい口づけを落とされ発言権を失うと温もりのある胸へと引き寄せられる。全てを受け入れる暖かさに落ち着きを取り戻すと止めどない涙が更に溢れ、大地へと還り悲しみの波紋となって描かれていく。
「レヴェ、お前をこの世界から救いたいんだ」
「………………」
「いつまでも一緒にいよう」
「………………本当に……? 」
レヴェの瞳は光にすがるように揺れており、視界からモンドを永遠に映そうとまっすぐに見つめる。
そんな眼差しに同じく交差させるモンドは、どこまでも優しげな微笑を浮かべた。
「いつまでも一緒だ」
「……………うん」
「愛してるよ、レヴェ」
「俺も愛してる、モンド」
二人は互いに引き寄せ会うと口づけを交わす。
何処までも温かく、何処までも繋がりを得た愛は最後の別れを惜しむかのように絡み合う。深い口づけは互いを求め合いながらもゆっくりと離れる。交わる瞳は悲しみの色を残しながらも解放への世界を映し出していた。
「また……君の死を見届けないといけないの……」
「レヴェにしか出来ない」
「そんなの……嫌だっ!そんな景色は二度と見たくないっ!」
レヴェは張り裂けそうなほど声を荒げた。
二度とモンドが死す瞬間を見届けないために時を止めていたレヴェにとっては、この上ない無慈悲な現実だった。共にいたい一心でこの残酷な運命を受け入れていた心には耐えがたい苦痛であり、光を受け入れることの無い絶望の花を咲かせるものだ。
何故、二人は共にいることを許されないのだろうか?
何故、語り部はこのような生を授けたのだろうか?
何故、二人はこのような形で出会ってしまったのだろうか?
悲しみに絶望するレヴェにはモンドの声さえ届いていなかった。
「レヴェ」
「嫌だっ!モンドを殺すことなんて出来ない!俺はただ一緒にいたいだけなんだっ!」
「レヴェ」
「何でっ!何でこんな世界で君と出会ったんだっ!何で幸せな形で出会わせてくれなかったん、」
再度、優しい口づけを落とされ発言権を失うと温もりのある胸へと引き寄せられる。全てを受け入れる暖かさに落ち着きを取り戻すと止めどない涙が更に溢れ、大地へと還り悲しみの波紋となって描かれていく。
「レヴェ、お前をこの世界から救いたいんだ」
「………………」
「いつまでも一緒にいよう」
「………………本当に……? 」
レヴェの瞳は光にすがるように揺れており、視界からモンドを永遠に映そうとまっすぐに見つめる。
そんな眼差しに同じく交差させるモンドは、どこまでも優しげな微笑を浮かべた。
「いつまでも一緒だ」
「……………うん」
「愛してるよ、レヴェ」
「俺も愛してる、モンド」
二人は互いに引き寄せ会うと口づけを交わす。
何処までも温かく、何処までも繋がりを得た愛は最後の別れを惜しむかのように絡み合う。深い口づけは互いを求め合いながらもゆっくりと離れる。交わる瞳は悲しみの色を残しながらも解放への世界を映し出していた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる