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第4章 Jewelry Pupil 狩り
60.救世主
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CASE 二郎
「春…?」
五郎が僕の顔を見て、泣きそうになっていた。
「ここに来るとは思っていたけど、僕よりも早く着いていたなんてね。」
「俺は…、春を止めに来たんだよ。」
「止める?何を止めに来たの。」
「春がコイツを殺して、死のうとしてるからだよ。春、自殺なんて考えるなよ!!」
五郎、いや…、莇。
僕はね、お前が思ってるよりも立派な男じゃない。
莇が何で、僕を慕ってくれるのか分からなかった。
昔から莇の僕を見る目は、今も変わらない。
「僕は僕自身が生きている事が、許せないんだよ。」
那津、僕よりもお前が生きてるべきだったんだ。
タタタタタタタ!!!
「ふざけんなよ、春!!」
ドカッ!!
莇が血相を変えて走って来たかと思えば、後ろに居た死人を殴り付ける。
「あの日の事は全部、泉淳が居なきゃ良かった事なんだよ。春、アンタが泉淳を殺して自殺して、兄貴が喜ぶと思ってんのか?兄貴は、春にそんな事を望んでねーんだよ!!!」
「お前は昔からそうだ。僕にしがみ付こうとして来るんだ。僕がお前を遠ざけても遠ざけても、お前は後ろを付いて来る。」
カチャッ。
パシュッ、パシュッ、パシュッ!!
ブシャッ、ブシャッ、ブシャッ!!
「あがぁぃぁあ!!?」
「うがぁぁぁあ!!!」
Five-seveNの引き金を引き、死人達の頭を撃ち抜く。
次々と死人達の頭を撃ち、莇に近付かせないように周囲を警戒する。
「この糞野郎共が!!調子に乗んなよ!?」
カチャッ!!
泉淳が叫びながら、ハンドガンの銃口を僕に向けた。
「どうせ、死ぬなら…っ。お前等も道連れにしてやるよおおおおお!?」
「この野郎っ!!」
ガシッ!!
莇が泉淳の元に走るのを止めようとするが、死人の1人が僕の腕を掴んだ。
「なっ!?」
「あひゃひゃひゃ!!死ねェェェェエ!!」
僕の腕を掴んでいる死人の頭に向かって、Five-seveNの引き金く。
パァァンッ!!!
泉淳に向かって、引き金を引こうとした時だった。
バンッ!!!
迷う事なく莇が僕の前に立ち、泉淳が放った銃弾が首元を掠る。
ブシャアアアア!!!
莇の首元から噴き出される血が視界を赤く染める。
頭が真っ白のなまま、照準を整えFive-seveNの引き金き、泉淳の頭に向かって引き金を引いた。
カチャッ。
パァァンッ!!!
パァァンッ、パァァンッ、パァァンッ、パァァンッ!!
泉淳の頭の原形が残らない程、弾丸が無くなるまで引き金を引き続ける。
カチャッ、カチャッ、カチャッ。
「は、る…。」
莇の小さな声を聞き、ふと我に帰った。
「莇っ、莇!!しっかりしろ!!」
ビリッ!!
僕は倒れている死人の服を破き、莇の首元を抑える。
赤い血は服に染み込み、血が止まる事は無そうだ。
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
こんなの嘘だろ、僕は莇の目の前に居たのにまた…。
僕はまた、大切な人を失うのか…?
「春…、怪我はねぇ?ゴホッ、ゴホッ!!」
「何で、僕の前に出たんだ!!泉淳が狙っていたのは、僕だったろ!?」
「しょうがねーじゃん…、体が、勝手に動いちまったんだから…さ。」
莇の顔色が真っ青になって来てる。
血を流し過ぎた所為だ、今だに血が止まる事はない。
「なぁ、春…。」
「喋るな、傷が広がる。頼むから、死ぬな。」
「俺は…、死なないよ。春を、1人にしてらんねぇ…
からな。」
莇はそう言って、重たくなった瞼を閉じないようにしていた。
何で、こうなったんだ。
莇が死なないように、死なせないように遠ざけて来た
のに。
僕と一緒に居たら、危険な目に遭うと思ったから、遠ざけた。
だけど、莇は僕の言う事を1つも聞かずに、スナイパーになる為に動き出していたし。
「僕の言葉を聞かずに、莇は勝手な事ばかりして来たんだ。莇、僕の為なんかに死ぬような真似をすんなよ!!!」
何年かぶりに莇に向かって、怒鳴り付ける。
「春…、兄貴の事は俺達…が、背負う事だろ?」
「っ…、莇、目を開けろよ。莇、莇!!!!」
莇の体を揺らしてみるが、瞼を開けようとしなかった。
ただ、莇の首元から血が流れ続けている。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ!!莇、莇!!!こんな結末の為に、莇を避けてたんじゃない。僕は…、莇を守りたかっただけなんだよ…。」
莇、こうなるんだったら…。
お前の泣きそうな顔ばかりを見るんじゃなかった。
あの時、莇の事を殴って抜けさせなきゃ良かった。
莇を遠ざける為に吐いた冷たい言葉を、吐き出さなきゃ良かった。
「莇、お願いだから…っ、死ぬなよ。」
ポタッ、ポタッ。
視界が歪み涙が出た瞬間、鼻の奥が痛くなった。
もう泣く事なんか無いと思っていたのに、那津が死んだ時だって泣かなかったのに。
涙を流すよりも、泉淳を殺す目的の方が強かった。
莇が血を流してまで、殺したかった相手に視線を送る。
「呆気ねぇな。」
何年も探し回った男は、呆気なく殺されて死んだ。
僕がこの手で殺したのに、何も感じない。
あぁ、そうか。
莇が起きてくれないからか。
僕は莇の体を抱き締めながら、壁に凭(もた)れ掛かる。
「春、満足したか?」
懐かしい声が頭上から、聞こえたので目線を上に戻す。
そこに居たのは、あの時のままの那津が立っていて…。
「な、那津…?」
「おう、お前等が心配で来ちまったわ。」
「嘘だろ?お、お前は幽霊って事になんのか?」
「ま、そう言う事だ。」
「はぁー、おちおち成仏出来たもんじゃねーよ。春、お前はいつまで、俺の死に縛られてんだ?」
そう言って、那津は目を細めながら後ろ髪を掻いた。
あぁ…、これ、よく癖でやっていた仕草だ。
那津が現れた瞬間、全ての時間の動きが止まっている
気がした。
今、那津が目の前に現れてる事は現実?
話し方や仕草、僕と同じ銘柄の煙草の匂いが鼻を通る。
確かに那津が、ここに居ると証明していた。
「はぁー、おちおち成仏出来たもんじゃねーよ。春、
お前はいつまで、俺の死に縛られてんだ?」
那津が僕の前に座り、僕のズボンのポケットからマールボロ・メンソールライト4ボックスを取り出した。
手慣れたように煙草を咥え、火を付けた後、深く吸い込みながら煙を吐く。
これも、那津が煙草の吸い方だ。
「春、俺の死が重荷になっちまったみたいだな。」
「そんな事ないよ、那津。僕は、那津を忘れる事は出来ない。那津の代わりに僕が、死ぬべきだった。チームの皆んなも、僕よりも那津に付いて来ていた子等の方が多いだろ?」
「確かに、俺に付いて来てくれいた奴も居たよ。だけどな、春。お前に憧れて入った奴等も居たんだ、春の背中を追い掛けて来た奴等の気持ちまで無かった事にするな。」
那津の言葉の1つ1つが、僕の胸に響く。
「春、お前と莇を残したまま死んだ事が、心残りだった。俺の仇を討つ為に殺しの道を選ばせちまった。」
「那津の所為じゃないよ。僕自身がボスに着いて行くって決めて、今のメンバーと居るんだ。僕の方こそ、莇をこっちの世界に染めちゃってごめん。合わせる顔がないよ、マジで。」
「莇が自分で決めて、お前の側に居るんだ。俺が、莇に頼んじまったんだよ。春を1人にしないでくれってさ。だって、お前は寂しがり屋だろ?」
そう言って、那津は僕の顔を覗き込む。
「俺と春はずっと、一緒に居たからさ。他の奴等には分からなかっただろうけど、俺は知ってるよ。1人じゃ、眠れなかった事も、1人で飯を食うのも嫌だった事も。わざわざ、口にする事じゃなかったら言わなかったけどよ。春は、何でも1人で抱え込む癖があったしな。」
「寂しがり屋って、何だよ。お前だってそうだろうが。」
「はははっ!!やっと、昔の口調に戻ったな?お前が素で居られるのは、莇の前だけだろ?ガス抜きも必要なんだよ、春は。莇は、春のガスをずっと抜きたかったんじゃねーか?まぁ、お前はわざと莇を遠ざけていたみたいだけどな。」
「…、そうだな。莇の気持ちは痛い程、伝わって来てたからな。だからこそ、莇を抜けさせたんだけど。勝手に、泉淳の所に行っちゃっし。」
「莇は行くだろうなぁ、春を止めに。アイツは分かってたんだよ、泉淳を殺して、春が死ぬつもりだった事。俺はお前に、そんな事をしてほしくねぇ。つうか、来ても蹴り飛ばして追い返すからな。」
「僕は、莇を死なせちまったっ。お前に託された莇を、目の前でっ。」
カツカツカツ。
僕の言葉と同時に、ヒールの足音が廊下に響く。
そして、カチカチと時計の針の音が聞こえ、周囲に視線をくばる。
すると、僕と五郎の心臓部分に時計が現れている事に気が付いた。
「何だ、これ?いきなり時計が…?」
「まだ死んでませんよ、私のJewelry Wordsの力でね。」
そう言って現れたのは、見知らぬスーツを着た男女だった。
数分前ー
カチャンッ!!
槙島ネネと八代和樹の手首に、お互いを繋ぐシルバーの手錠が嵌められていた。
八代和樹は瞬時に、槙島ネネがJewelry Wordsが使用したのだと理解しているようだ。
そして、死人達の動きと毒ガスの動きが止まっている事を確認した。
「ちょっと、和樹さんの体力も使わせて貰います。アイツ、ヨウが頼んで来たもう1つの用件を済ませます。」
槙島ネネがヨウと言った人物は、神楽ヨウ(嘉助)の事である。
「体力を使うのは良いが、泉淳の捕獲はどうする?」
「残念ですが、一足遅かったようです。殺されてしまいました、泉淳。」
「こ、殺された!?誰に!?」
「二郎君ですね、兵頭雪哉が匿ってる男性です。五郎君と鉢合わせになるかなと思ってましたが、まさか五郎君が撃たれてしまうとは…。」
その言葉を聞いて、八代和樹は頭を抱えた。
「俺達がここで、時間を食っちまった事が原因だな。泉淳の件はBプランに移行するしかねぇな。」
八代和樹が言ったBプランとは、泉淳が死亡した場合、泉病院がやってきた悪事を世間に公開する事であった。
そして、泉病院を廃業に追い込み、キャンディの製造を止める事。
Aプランは泉淳を逮捕し、全ての事を自白させ、メディアに流す事であった。
これは全て、神楽ヨウの1つ目の計画だったのだ。
「ヨウに、五郎君の死を回避して欲しいと頼まれたんですよ。アイツ、兵頭雪哉が囲ってる組織の子等を引き金にしようとしてる。だから、五郎君の死を止めろって。」
「椿恭弥を落とす準備に入ったって事か…。ヨウ、お前は何処まで憎悪に染まる気なんだ。」
「兵頭拓也、彼はヨウにとって特別な存在だったんですよ。ヨウをヨウのまま見て、接してくれた人。私達はJewelry Pupilだから、普通の人のように関わってくれるのが嬉しいんです。だから、私はヨウの復讐に付き合います。何処までも、例えそれが茨の道だろうと。」
槙島ネネはそう言って、八代和樹を見つめる。
その目を見た八代和樹は、槙島ネネにも大切な存在が居る事を察した。
「槙島にも居るんだな、大切な奴が。」
「幼馴染みの女の子がね、今はどうしてるのか分かりませんが。私、刑事になる前は売られてしまってたので。」
「売られてた…って、闇市場でか。悪い、無神経な質問をした。」
「フッ、和樹さんは優しいですね。だから、私は和樹さんを騎士にしたんです。行きましょう、五郎君は3階に居ますから。」
「あぁ。」
槙島ネネの背中を見ながら、八代和樹は階段を登り始める。
彼女もまた、悲惨な人生を辿って来た1人である事を、この時の八代和樹は言葉を交わさなくても理解していた。
3階ー
3階に到着した槙島ネネと八代和樹の視界に、変わり果てた泉淳の死体を発見する。
そして、頭を潰されている死人達も廊下に倒れており、二郎が首から血を流す五郎を抱き締めていた。
「あの五郎って子、ヤバイな。今すぐ止血しないと…。」
「大丈夫、私の力で止めてます。後は、二郎君は誰かと会話をしてるようですね。」
八代和樹には、幽霊の佐々木那津の姿は見えていなかった。
だが、槙島ネネには佐々木那津の姿は見えており、ポケットからアンティークの懐中時計を取り出す。
キラリとタンザナイトが光ると、廊下に沢山の時計が現れた。
カチカチカチカチカチカチ…。
「槙島っ、お前…。鼻血が出てるぞ、大丈夫か。」
「大丈夫です、力の質量を上げてるだけですから。五郎君の心臓が止まるまでの時間を増やしてる所です。」
「そんな事まで出来るのか…。これ、鼻を抑えとけ。」
そう言って、八代和樹は黒いハンカチを槙島ネネに渡す。
槙島ネネはハンカチを受け取り、鼻血を拭き取る。
「ありがとうございます、洗って返しますね。」
「良いって、別にハンカチくらい。」
「私の気が治らないので、行きましょう。」
ハンカチを胸ポケットに入れ、槙島ネネと八代和樹は二郎の元へと足を運んだ。
CASE 二郎
目の前に現れた刑事の女は、何を言ってるんだ?
女の目を見て、モモちゃんと同じJewelry Pupilだと分かった。
「五郎の心臓部分にある時計は、アンタが?」
「えぇ。私のJewelry Wordsで、五郎君の心臓が止まる時間を止めてます。そして、首元の動脈の血の動きもね?二郎君。」
「っ!?何で、僕達の名前を知って…。それよりも、コイツは助けれるのか?」
刑事の女が何で、僕と莇の事を知ってるのかはこの際、どうでも良い。
今は、莇の事を助けれる方法を知るのが先だ。
「貴方と私だけが見えてる彼は、何かしに来たようですね?」
女はそう言って、那津を指差す。
隣にいた男は、女の言った言動を理解してない様子だ。
「那津、あの女が言ってる事は…、本当なのか?」
「あぁ、俺は莇の魂を引きずり戻して、ここに来たんだ。」
「魂って…、何だよ。意味分からんねーよ、さっきから。」
「ほら、これが莇の魂だ。」
那津は光る玉を大事そうに手の平に乗せ、僕の前に差し出す。
「その人の言ってる事は合ってますよ。莇の魂は、体から離脱してしまってる状態なので。ほら、よくテレビとかでも言うじゃないですか、臨死体験?的な…。何にせよ、助かるって事ですね。」
「莇の魂…。」
そんなファンタジーみたいな出来事が、目の前で起きている。
那津が莇の魂と言って持って来た光の玉に触れると、不思議な温かみを感じた。
脳裏に莇の顔が浮かび、光の玉が莇の魂だと実感した時、目が涙が零れ落ちる。
「那津っ、那津っ…。莇を連れ戻してくれて、ありがとう。」
込み上げて来る言葉は沢山ある、込み上げて来る思い
も。
那津はその事を分かっているかのように、僕に微笑み掛ける。
「やっと泣けたな、春。お前等はまだ、こっちに来るなよ?ちゃんと莇との溝を埋める事、良いな?」
「うん、分かったよ那津。莇の事は、ちゃんといや…、必ず守るから。だから、那津…。もう少しだけ、そっちに行くの遅くなるわ。お前に嫌われたくないからな。」
那津、これで良いんだよな?
この言葉で合ってるよな?
僕はこの先も、ずっと那津の事を忘れる事は出来ない。
「那津、僕はお前が大事だ。それはこれからも変わらない。那津、それだけは許してくれるよ。」
「俺もさ…、本音を言うと春に忘れられたくねぇ。ありがとう、こんな俺をさ、ずっと忘れないでいてくれて。今度は、莇と2人で墓参りに来いよ?約束だ。」
「分かった、必ず莇と行くよ。那津…、莇を助けてくれてありがとう…。」
そう言うと、光の玉が莇の胸の中に吸い込まれて行った。
那津の居た方に視線を向けると、もう那津の姿は消えている。
那津、お前の守った莇を必ず守るから。
ギュッと莇の体を抱き締めると、刑事の女が声を掛けて来た。
「魂は戻ったようですね、では本題に入ります。貴方の大事なその子を助けるようにと、ある男から言われました。私はその男の指示で、Jewelry Wordsを使い五郎君の死を止めた。貴方なら、もう言いたい事が分かりますよね。」
女のタンダナイトの瞳が、僕を冷たく見下ろした。
この女は、僕に交渉を求めて来ている。
無償で刑事が、僕達のような殺し屋を助けるなんて有り得ない。
「交渉だろ?僕だけが犠牲になるのは構わない。だけど、コイツに手を出したら殺すぞ。」
殺気を込めた瞳で、女と男を交互に睨み付ける。
「犠牲?貴方が死ぬ事はありませんよ?」
「は、は?じゃあ、何なんだよ。」
「私とその男の目的は、椿恭弥をどん底に落とす事が
目的です。今日にも、兵頭雪哉と対談をします。その時に、貴方達の仲間である四郎君を使わせて欲しいと頼むつもりです。ですので、貴方達には四郎君を使う事に後押しして下さい。」
その言葉を聞いた僕は、隠し持っていたナイフを女に投げに投げる。
ビュンッ!!
だが、飛ばしたナイフは女の前で止まってしまい、当たる事はなかった。
「四郎を使う?ふざけるな、四郎はお前等の道具じゃない。アイツを貸し出す事をボスは絶対に、許可しない。四郎を道具扱いしたら、マジで殺すぞ。」
「四郎君とモモちゃん?と言う少女は、大きな鍵になる存在です。椿恭弥は貴方達を本気で、潰しに掛かる。生き延びる為には、四郎君とモモちゃんが大きく関わる。分かります?何故に兵頭雪哉が、四郎君とモモちゃんを引き合わせたのか。」
僕の目元で、見透かしているような言葉を吐き捨てたのだ。
「春…?」
五郎が僕の顔を見て、泣きそうになっていた。
「ここに来るとは思っていたけど、僕よりも早く着いていたなんてね。」
「俺は…、春を止めに来たんだよ。」
「止める?何を止めに来たの。」
「春がコイツを殺して、死のうとしてるからだよ。春、自殺なんて考えるなよ!!」
五郎、いや…、莇。
僕はね、お前が思ってるよりも立派な男じゃない。
莇が何で、僕を慕ってくれるのか分からなかった。
昔から莇の僕を見る目は、今も変わらない。
「僕は僕自身が生きている事が、許せないんだよ。」
那津、僕よりもお前が生きてるべきだったんだ。
タタタタタタタ!!!
「ふざけんなよ、春!!」
ドカッ!!
莇が血相を変えて走って来たかと思えば、後ろに居た死人を殴り付ける。
「あの日の事は全部、泉淳が居なきゃ良かった事なんだよ。春、アンタが泉淳を殺して自殺して、兄貴が喜ぶと思ってんのか?兄貴は、春にそんな事を望んでねーんだよ!!!」
「お前は昔からそうだ。僕にしがみ付こうとして来るんだ。僕がお前を遠ざけても遠ざけても、お前は後ろを付いて来る。」
カチャッ。
パシュッ、パシュッ、パシュッ!!
ブシャッ、ブシャッ、ブシャッ!!
「あがぁぃぁあ!!?」
「うがぁぁぁあ!!!」
Five-seveNの引き金を引き、死人達の頭を撃ち抜く。
次々と死人達の頭を撃ち、莇に近付かせないように周囲を警戒する。
「この糞野郎共が!!調子に乗んなよ!?」
カチャッ!!
泉淳が叫びながら、ハンドガンの銃口を僕に向けた。
「どうせ、死ぬなら…っ。お前等も道連れにしてやるよおおおおお!?」
「この野郎っ!!」
ガシッ!!
莇が泉淳の元に走るのを止めようとするが、死人の1人が僕の腕を掴んだ。
「なっ!?」
「あひゃひゃひゃ!!死ねェェェェエ!!」
僕の腕を掴んでいる死人の頭に向かって、Five-seveNの引き金く。
パァァンッ!!!
泉淳に向かって、引き金を引こうとした時だった。
バンッ!!!
迷う事なく莇が僕の前に立ち、泉淳が放った銃弾が首元を掠る。
ブシャアアアア!!!
莇の首元から噴き出される血が視界を赤く染める。
頭が真っ白のなまま、照準を整えFive-seveNの引き金き、泉淳の頭に向かって引き金を引いた。
カチャッ。
パァァンッ!!!
パァァンッ、パァァンッ、パァァンッ、パァァンッ!!
泉淳の頭の原形が残らない程、弾丸が無くなるまで引き金を引き続ける。
カチャッ、カチャッ、カチャッ。
「は、る…。」
莇の小さな声を聞き、ふと我に帰った。
「莇っ、莇!!しっかりしろ!!」
ビリッ!!
僕は倒れている死人の服を破き、莇の首元を抑える。
赤い血は服に染み込み、血が止まる事は無そうだ。
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
こんなの嘘だろ、僕は莇の目の前に居たのにまた…。
僕はまた、大切な人を失うのか…?
「春…、怪我はねぇ?ゴホッ、ゴホッ!!」
「何で、僕の前に出たんだ!!泉淳が狙っていたのは、僕だったろ!?」
「しょうがねーじゃん…、体が、勝手に動いちまったんだから…さ。」
莇の顔色が真っ青になって来てる。
血を流し過ぎた所為だ、今だに血が止まる事はない。
「なぁ、春…。」
「喋るな、傷が広がる。頼むから、死ぬな。」
「俺は…、死なないよ。春を、1人にしてらんねぇ…
からな。」
莇はそう言って、重たくなった瞼を閉じないようにしていた。
何で、こうなったんだ。
莇が死なないように、死なせないように遠ざけて来た
のに。
僕と一緒に居たら、危険な目に遭うと思ったから、遠ざけた。
だけど、莇は僕の言う事を1つも聞かずに、スナイパーになる為に動き出していたし。
「僕の言葉を聞かずに、莇は勝手な事ばかりして来たんだ。莇、僕の為なんかに死ぬような真似をすんなよ!!!」
何年かぶりに莇に向かって、怒鳴り付ける。
「春…、兄貴の事は俺達…が、背負う事だろ?」
「っ…、莇、目を開けろよ。莇、莇!!!!」
莇の体を揺らしてみるが、瞼を開けようとしなかった。
ただ、莇の首元から血が流れ続けている。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ!!莇、莇!!!こんな結末の為に、莇を避けてたんじゃない。僕は…、莇を守りたかっただけなんだよ…。」
莇、こうなるんだったら…。
お前の泣きそうな顔ばかりを見るんじゃなかった。
あの時、莇の事を殴って抜けさせなきゃ良かった。
莇を遠ざける為に吐いた冷たい言葉を、吐き出さなきゃ良かった。
「莇、お願いだから…っ、死ぬなよ。」
ポタッ、ポタッ。
視界が歪み涙が出た瞬間、鼻の奥が痛くなった。
もう泣く事なんか無いと思っていたのに、那津が死んだ時だって泣かなかったのに。
涙を流すよりも、泉淳を殺す目的の方が強かった。
莇が血を流してまで、殺したかった相手に視線を送る。
「呆気ねぇな。」
何年も探し回った男は、呆気なく殺されて死んだ。
僕がこの手で殺したのに、何も感じない。
あぁ、そうか。
莇が起きてくれないからか。
僕は莇の体を抱き締めながら、壁に凭(もた)れ掛かる。
「春、満足したか?」
懐かしい声が頭上から、聞こえたので目線を上に戻す。
そこに居たのは、あの時のままの那津が立っていて…。
「な、那津…?」
「おう、お前等が心配で来ちまったわ。」
「嘘だろ?お、お前は幽霊って事になんのか?」
「ま、そう言う事だ。」
「はぁー、おちおち成仏出来たもんじゃねーよ。春、お前はいつまで、俺の死に縛られてんだ?」
そう言って、那津は目を細めながら後ろ髪を掻いた。
あぁ…、これ、よく癖でやっていた仕草だ。
那津が現れた瞬間、全ての時間の動きが止まっている
気がした。
今、那津が目の前に現れてる事は現実?
話し方や仕草、僕と同じ銘柄の煙草の匂いが鼻を通る。
確かに那津が、ここに居ると証明していた。
「はぁー、おちおち成仏出来たもんじゃねーよ。春、
お前はいつまで、俺の死に縛られてんだ?」
那津が僕の前に座り、僕のズボンのポケットからマールボロ・メンソールライト4ボックスを取り出した。
手慣れたように煙草を咥え、火を付けた後、深く吸い込みながら煙を吐く。
これも、那津が煙草の吸い方だ。
「春、俺の死が重荷になっちまったみたいだな。」
「そんな事ないよ、那津。僕は、那津を忘れる事は出来ない。那津の代わりに僕が、死ぬべきだった。チームの皆んなも、僕よりも那津に付いて来ていた子等の方が多いだろ?」
「確かに、俺に付いて来てくれいた奴も居たよ。だけどな、春。お前に憧れて入った奴等も居たんだ、春の背中を追い掛けて来た奴等の気持ちまで無かった事にするな。」
那津の言葉の1つ1つが、僕の胸に響く。
「春、お前と莇を残したまま死んだ事が、心残りだった。俺の仇を討つ為に殺しの道を選ばせちまった。」
「那津の所為じゃないよ。僕自身がボスに着いて行くって決めて、今のメンバーと居るんだ。僕の方こそ、莇をこっちの世界に染めちゃってごめん。合わせる顔がないよ、マジで。」
「莇が自分で決めて、お前の側に居るんだ。俺が、莇に頼んじまったんだよ。春を1人にしないでくれってさ。だって、お前は寂しがり屋だろ?」
そう言って、那津は僕の顔を覗き込む。
「俺と春はずっと、一緒に居たからさ。他の奴等には分からなかっただろうけど、俺は知ってるよ。1人じゃ、眠れなかった事も、1人で飯を食うのも嫌だった事も。わざわざ、口にする事じゃなかったら言わなかったけどよ。春は、何でも1人で抱え込む癖があったしな。」
「寂しがり屋って、何だよ。お前だってそうだろうが。」
「はははっ!!やっと、昔の口調に戻ったな?お前が素で居られるのは、莇の前だけだろ?ガス抜きも必要なんだよ、春は。莇は、春のガスをずっと抜きたかったんじゃねーか?まぁ、お前はわざと莇を遠ざけていたみたいだけどな。」
「…、そうだな。莇の気持ちは痛い程、伝わって来てたからな。だからこそ、莇を抜けさせたんだけど。勝手に、泉淳の所に行っちゃっし。」
「莇は行くだろうなぁ、春を止めに。アイツは分かってたんだよ、泉淳を殺して、春が死ぬつもりだった事。俺はお前に、そんな事をしてほしくねぇ。つうか、来ても蹴り飛ばして追い返すからな。」
「僕は、莇を死なせちまったっ。お前に託された莇を、目の前でっ。」
カツカツカツ。
僕の言葉と同時に、ヒールの足音が廊下に響く。
そして、カチカチと時計の針の音が聞こえ、周囲に視線をくばる。
すると、僕と五郎の心臓部分に時計が現れている事に気が付いた。
「何だ、これ?いきなり時計が…?」
「まだ死んでませんよ、私のJewelry Wordsの力でね。」
そう言って現れたのは、見知らぬスーツを着た男女だった。
数分前ー
カチャンッ!!
槙島ネネと八代和樹の手首に、お互いを繋ぐシルバーの手錠が嵌められていた。
八代和樹は瞬時に、槙島ネネがJewelry Wordsが使用したのだと理解しているようだ。
そして、死人達の動きと毒ガスの動きが止まっている事を確認した。
「ちょっと、和樹さんの体力も使わせて貰います。アイツ、ヨウが頼んで来たもう1つの用件を済ませます。」
槙島ネネがヨウと言った人物は、神楽ヨウ(嘉助)の事である。
「体力を使うのは良いが、泉淳の捕獲はどうする?」
「残念ですが、一足遅かったようです。殺されてしまいました、泉淳。」
「こ、殺された!?誰に!?」
「二郎君ですね、兵頭雪哉が匿ってる男性です。五郎君と鉢合わせになるかなと思ってましたが、まさか五郎君が撃たれてしまうとは…。」
その言葉を聞いて、八代和樹は頭を抱えた。
「俺達がここで、時間を食っちまった事が原因だな。泉淳の件はBプランに移行するしかねぇな。」
八代和樹が言ったBプランとは、泉淳が死亡した場合、泉病院がやってきた悪事を世間に公開する事であった。
そして、泉病院を廃業に追い込み、キャンディの製造を止める事。
Aプランは泉淳を逮捕し、全ての事を自白させ、メディアに流す事であった。
これは全て、神楽ヨウの1つ目の計画だったのだ。
「ヨウに、五郎君の死を回避して欲しいと頼まれたんですよ。アイツ、兵頭雪哉が囲ってる組織の子等を引き金にしようとしてる。だから、五郎君の死を止めろって。」
「椿恭弥を落とす準備に入ったって事か…。ヨウ、お前は何処まで憎悪に染まる気なんだ。」
「兵頭拓也、彼はヨウにとって特別な存在だったんですよ。ヨウをヨウのまま見て、接してくれた人。私達はJewelry Pupilだから、普通の人のように関わってくれるのが嬉しいんです。だから、私はヨウの復讐に付き合います。何処までも、例えそれが茨の道だろうと。」
槙島ネネはそう言って、八代和樹を見つめる。
その目を見た八代和樹は、槙島ネネにも大切な存在が居る事を察した。
「槙島にも居るんだな、大切な奴が。」
「幼馴染みの女の子がね、今はどうしてるのか分かりませんが。私、刑事になる前は売られてしまってたので。」
「売られてた…って、闇市場でか。悪い、無神経な質問をした。」
「フッ、和樹さんは優しいですね。だから、私は和樹さんを騎士にしたんです。行きましょう、五郎君は3階に居ますから。」
「あぁ。」
槙島ネネの背中を見ながら、八代和樹は階段を登り始める。
彼女もまた、悲惨な人生を辿って来た1人である事を、この時の八代和樹は言葉を交わさなくても理解していた。
3階ー
3階に到着した槙島ネネと八代和樹の視界に、変わり果てた泉淳の死体を発見する。
そして、頭を潰されている死人達も廊下に倒れており、二郎が首から血を流す五郎を抱き締めていた。
「あの五郎って子、ヤバイな。今すぐ止血しないと…。」
「大丈夫、私の力で止めてます。後は、二郎君は誰かと会話をしてるようですね。」
八代和樹には、幽霊の佐々木那津の姿は見えていなかった。
だが、槙島ネネには佐々木那津の姿は見えており、ポケットからアンティークの懐中時計を取り出す。
キラリとタンザナイトが光ると、廊下に沢山の時計が現れた。
カチカチカチカチカチカチ…。
「槙島っ、お前…。鼻血が出てるぞ、大丈夫か。」
「大丈夫です、力の質量を上げてるだけですから。五郎君の心臓が止まるまでの時間を増やしてる所です。」
「そんな事まで出来るのか…。これ、鼻を抑えとけ。」
そう言って、八代和樹は黒いハンカチを槙島ネネに渡す。
槙島ネネはハンカチを受け取り、鼻血を拭き取る。
「ありがとうございます、洗って返しますね。」
「良いって、別にハンカチくらい。」
「私の気が治らないので、行きましょう。」
ハンカチを胸ポケットに入れ、槙島ネネと八代和樹は二郎の元へと足を運んだ。
CASE 二郎
目の前に現れた刑事の女は、何を言ってるんだ?
女の目を見て、モモちゃんと同じJewelry Pupilだと分かった。
「五郎の心臓部分にある時計は、アンタが?」
「えぇ。私のJewelry Wordsで、五郎君の心臓が止まる時間を止めてます。そして、首元の動脈の血の動きもね?二郎君。」
「っ!?何で、僕達の名前を知って…。それよりも、コイツは助けれるのか?」
刑事の女が何で、僕と莇の事を知ってるのかはこの際、どうでも良い。
今は、莇の事を助けれる方法を知るのが先だ。
「貴方と私だけが見えてる彼は、何かしに来たようですね?」
女はそう言って、那津を指差す。
隣にいた男は、女の言った言動を理解してない様子だ。
「那津、あの女が言ってる事は…、本当なのか?」
「あぁ、俺は莇の魂を引きずり戻して、ここに来たんだ。」
「魂って…、何だよ。意味分からんねーよ、さっきから。」
「ほら、これが莇の魂だ。」
那津は光る玉を大事そうに手の平に乗せ、僕の前に差し出す。
「その人の言ってる事は合ってますよ。莇の魂は、体から離脱してしまってる状態なので。ほら、よくテレビとかでも言うじゃないですか、臨死体験?的な…。何にせよ、助かるって事ですね。」
「莇の魂…。」
そんなファンタジーみたいな出来事が、目の前で起きている。
那津が莇の魂と言って持って来た光の玉に触れると、不思議な温かみを感じた。
脳裏に莇の顔が浮かび、光の玉が莇の魂だと実感した時、目が涙が零れ落ちる。
「那津っ、那津っ…。莇を連れ戻してくれて、ありがとう。」
込み上げて来る言葉は沢山ある、込み上げて来る思い
も。
那津はその事を分かっているかのように、僕に微笑み掛ける。
「やっと泣けたな、春。お前等はまだ、こっちに来るなよ?ちゃんと莇との溝を埋める事、良いな?」
「うん、分かったよ那津。莇の事は、ちゃんといや…、必ず守るから。だから、那津…。もう少しだけ、そっちに行くの遅くなるわ。お前に嫌われたくないからな。」
那津、これで良いんだよな?
この言葉で合ってるよな?
僕はこの先も、ずっと那津の事を忘れる事は出来ない。
「那津、僕はお前が大事だ。それはこれからも変わらない。那津、それだけは許してくれるよ。」
「俺もさ…、本音を言うと春に忘れられたくねぇ。ありがとう、こんな俺をさ、ずっと忘れないでいてくれて。今度は、莇と2人で墓参りに来いよ?約束だ。」
「分かった、必ず莇と行くよ。那津…、莇を助けてくれてありがとう…。」
そう言うと、光の玉が莇の胸の中に吸い込まれて行った。
那津の居た方に視線を向けると、もう那津の姿は消えている。
那津、お前の守った莇を必ず守るから。
ギュッと莇の体を抱き締めると、刑事の女が声を掛けて来た。
「魂は戻ったようですね、では本題に入ります。貴方の大事なその子を助けるようにと、ある男から言われました。私はその男の指示で、Jewelry Wordsを使い五郎君の死を止めた。貴方なら、もう言いたい事が分かりますよね。」
女のタンダナイトの瞳が、僕を冷たく見下ろした。
この女は、僕に交渉を求めて来ている。
無償で刑事が、僕達のような殺し屋を助けるなんて有り得ない。
「交渉だろ?僕だけが犠牲になるのは構わない。だけど、コイツに手を出したら殺すぞ。」
殺気を込めた瞳で、女と男を交互に睨み付ける。
「犠牲?貴方が死ぬ事はありませんよ?」
「は、は?じゃあ、何なんだよ。」
「私とその男の目的は、椿恭弥をどん底に落とす事が
目的です。今日にも、兵頭雪哉と対談をします。その時に、貴方達の仲間である四郎君を使わせて欲しいと頼むつもりです。ですので、貴方達には四郎君を使う事に後押しして下さい。」
その言葉を聞いた僕は、隠し持っていたナイフを女に投げに投げる。
ビュンッ!!
だが、飛ばしたナイフは女の前で止まってしまい、当たる事はなかった。
「四郎を使う?ふざけるな、四郎はお前等の道具じゃない。アイツを貸し出す事をボスは絶対に、許可しない。四郎を道具扱いしたら、マジで殺すぞ。」
「四郎君とモモちゃん?と言う少女は、大きな鍵になる存在です。椿恭弥は貴方達を本気で、潰しに掛かる。生き延びる為には、四郎君とモモちゃんが大きく関わる。分かります?何故に兵頭雪哉が、四郎君とモモちゃんを引き合わせたのか。」
僕の目元で、見透かしているような言葉を吐き捨てたのだ。
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