MOMO

百はな

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第4章 Jewelry Pupil 狩り

58.守るI

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PM 18:00前に遡る。


PM16:00  泉病院

CASE 五郎

タタタタタタッ!!

「待てや、ゴラ!!!」

俺は叫びながら、前方を走る泉淳に向かって叫ぶ。

「しつこい野郎だなっ!!」

カチャッ!!

パァァンッ!!

泉淳が後ろを振り返り、手にはハンドガンが握られていて、引き金を引いて来た。

ビュンッ!!

キラリと光った弾丸を避ける為に、一回転するように床に手を付き、転がった。

カンッ!!

プシュュゥー。

放たれ弾丸は消化器に当たり、白い煙が湧き上がる。

「クッソ、煙が目に染みる。」

両目に激痛が走り、喉に煙がへばり付く感触が広がった。

痰が絡んでいるような、ネッチャリとした感触に似ている。

「ゴホッ、ゴホッ!!」

「死ねぇぇぇえ!!」

ブンッ!!

煙を手で掻き分けわけながら、泉淳はナイフを持って走って来た。

殺意に満ちた表情で顔を歪ませた泉淳は、気持ち悪く見える。

俺はナイフを持った手を掴み、本来は曲がらない方向に腕を曲げる。

「いだだだだだだただ!!?」

「お前、俺の顔に見覚えがあるよな。」

「は、は?何を言って…。」

泉淳は俺の事も、兄貴の事も覚えていないのか?

ハッとしたのは、何だったんだ?

本当に覚えてないのか?

あの日の出来事を覚えてないのか?

ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!!

グッと泉淳の手を握る手に力を込め、声を震わせながら叫んだ。

「お前が殺した笹木那津の弟、笹木莇だ!!」

ゴキッ!!

泉淳の手を思いっきり曲げてやると、曲がった腕を押さえながら泉淳が叫ぶ。

「ぐぁぁぁぁぁぁ!!はぁ、はぁっ。お前…っが、あの男の弟だったのかっ?ゴフッ!!」

ドスッ!!

床に倒れ込んだ泉淳の顔に、蹴りを入れる。

「兄貴を殺したお前が、憎くて仕方がねぇ。何で、兄貴を殺した!!あの時、何で…。兄貴が殺されなきゃいけなかったんだ!!」

「ゔっ!?」

ドスッ!!

泉淳の腹や顔、至る所に蹴りを入れ続ける。

「ゴホッ、ゴホッ!!はっ、ははは!!!」

「何、笑ってんだよ。テメェ!!」

ガッ!!

不気味に笑い出す泉淳の胸ぐらを掴み、無理矢理体をおこす。

「笹木那津じゃないとダメだったか?理由なんかないさ、誰でも良かったんだよ!?邪魔だったんだよ、お前等みたいな不良風情が!!エリートのやり
方に口出すのがいけないんだろうが、あぁ!?」

「テメェ、マジでふざけてんな。」

「え。」

シュッ。

グサッ。

持って来ていたナイフを取り出し、泉淳の右目に突き刺した。

「あ、あ、あああああああああああ!!!」

ブシャァア…!!

ナイフを突き刺さした瞬間、目玉から血が勢いよく噴き出し始める。

グリグリグリ。

グチャクチャグチャ。

「あ、あ、ああああああああああ!!!め、目がぁぁあぃう!?」

「誰でも良かった?お前の鬱憤(うっぷん)を晴らす為に、兄貴を殺したのか?」

突き刺さしたナイフを持ったまま、グリグリと抉るように動かす。

泉淳は足をバタバタと動かして、痛みを与える度に足が反応していた。

「テメェは神にでもなったつもりか?テメェは、そんなに偉いのかって聞いてんだよ。」

「あ、あああっ…!!」

「お前が兄貴の代わりに生きてる事自体が、鬱陶しいんだよ!!」

ズポッ!!

ブシャァア!!

ナイフを勢いよく抜くと、再び血が噴き出す。

「め、目がぁぁぁぁぁああ!!」

「目ぐらいどうって事ねぇだろ。それに、充分楽しんだだろ?お前。汚ねぇ事して稼いだ金で楽しんだだろ?」

「ひっ、ひぃ!?」

カツカツカツ。

ズルズルッ。

俺が近く付くと、泉淳は後ろにみっともない姿で下がる。

俺の事を怖がっているのが見て分かる。

恐怖心を抱かせたのも俺だと言う事も分かる。

春がこんな奴の所為で、春自身が傷付いてるのも許せない。

兄貴が死んだ事、春は責任に感じてるんだ。

春の所為じゃないのに。

全部、全部、全部、コイツが悪いのに。

俺を遠ざけてるのも、冷たくする理由も分かってる。

春が俺をこっちの世界に入れたかったからだって事を。

目を閉じれば、春と再会した日を思い出す。


数年前ー

兄貴が死んで、春が族を抜けてから暫く経った頃。

俺1人で兄貴の墓参りに訪れた時、黒尽くめの格好をした春がいた。

「春!!」

俺の方を見た春の顔は、俺の知ってる春じゃなかった。

顔色は悪く、瞳に覇気が無くなってしまっている。

それに、誰も寄せ付けない不気味なオーラを放っといて…。

目の前にいる春は、誰…?

「…、莇。」

「ずっと探してたんだよ!?何処に行ってたの。」

「莇、俺の事は忘れろ。」

「え?」

そう言って、春は俺の方に視線を向けた。

「何言って…るんだよ、春!!どうしちゃったんだよ、本当に。」

「その名前は捨てたんだ。もう、俺とお前は他人にだ。」

「冗談はやめてよ、春。」

「俺の事は忘れてくれ、莇。でないと、お前を殺す事になる。」

「っ!?」

この時、俺は確信してしまった。

俺と春はもう、違う世界で生きている事を悟らされた。
 
戻ってる、兄貴と出会う前の春に。

「忘れられないよ…、忘れられる訳がないないだろ!?どうしちゃったんだ…。」

「泉淳の父親を殺した。」

「…え?」

「事件になってただろ、アレは俺がやった。」

「本当に言ってるの?」

「現に死んでるだろう。」

春が嘘を言っているようには聞こえなかった。

本当に、春が殺したんだ。

「兄貴の仇を討つ為…に?」

「アイツより、俺が死ぬべきだったんだよ莇。」

「何で…、そんな事言うだよ。俺はっ…。」

「二郎。」
 
俺の言葉を掻き消すように、男の低い声が重なる。

振り返ると、テレビで見た事がある兵頭会の組長が
立っていた。

春の事を二郎って…、呼んだ?

「今、行きます。」

「春っ…。」

「じゃあな、莇。」

春は俺の頭を撫でてから、兵頭雪哉と一緒に歩き出した。

俺は、春に死んでほしくないんだよ。

春を1人にさせたら駄目だ。

このままだと、春が死んでしまいそうで…。

「アイツの事、頼むな莇。」

その時だった、俺の頭の中で兄貴が囁く声がした。

バッと後ろを振り返ると、当然ながら誰もいなかった。

兄貴も見てるんだよな、今の春の姿を。

俺に止めて欲しいって思ってるんだよな?兄貴。

このままじゃダメだ!!

「ま、待って下さい!!」

兵頭雪哉に向かって、俺は大きな声で呼び止める。

「俺の事を呼んだか。」

クルッと振り返った兵頭雪哉の威圧感に、圧倒されそうになる。

「俺も連れて行って下さい。」

そう言って、俺は兵頭雪哉に頭を下げてた。
 
「ボス、無視して下さい。コイツとは、何の関係もないんです。」

兵頭雪哉が手を挙げると、春は口を閉じた。

「君は、笹木那津の弟さんか。どうして、連れて行って欲しいんだ。敵討ちでもしたいのか?」

「それもある、あります。俺は、春を1人にさせたくないんです。」

「君はその為なら、どんな事でも出来るのか?例えば、人を殺す事でも?」

ドクンッ。

その言葉を聞いて、鼓動が早まる。

春は黙って、俺の事を見ていた。

俺が試されているのを黙ってるって事は、春に完全には距離を置かれた訳じゃない。
 
ドクドクと鳴る心臓を押さえながら、兵頭雪哉の問いに答える。

「春の側に居られるなら、何でもやります。」

「なら、付いて来い。」

「え?」

「車に乗れ。」

「は、はい!!」

春は終始黙ったまま、兵頭雪哉の隣を歩き始めた。

これが、俺が殺し屋になった理由だった。


閉じていた瞳を開け、泉淳を視界に入れる。

コイツは、生きていたらいけない存在なんだよな。

「なぁ、もうさ?死んでも良いだろ。」

「っ…。」

泉淳は俺の見て、言葉を失ってしまった。

自分でも分かる、冷たい目をしている事を。

ゴミを見るような、軽蔑しているような目をしてる事を。

「自由な時間を楽しめただろ?だったら、死んでも良いよな。兄貴を殺した事も忘れるくらいさ、楽しかったんだろ。」

「あ、謝るよ!!お兄さんを殺した事を謝るからさ!?だから、許してくれよ!?」

グサッ。

「え?あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ。」

泉淳の頬にナイフを突き刺すと、慌てたように取り乱す。

「謝ってどうなるんだ?兄貴が戻って来るのか?」

グチャクチャグチャ。

頬に突き刺さしたナイフをグリグリと動かしながら、泉淳の様子を伺う。

「あ、あああ、あ、あ、あ!!」

「戻って来るなら、やってみろよ!!」

ズシャッ!!

刺したナイフを口まで動かしてから、思いっきり抜く。

裂けた頬は大きく穴が開き、頬で隠れていた歯が剥き出しになった。

「あ、あ、あ、あ、ああ、あ、あああ!!」

バタバタバタバタ!!

泉淳は裂けた頬を抑えながら、足をバタつかせる。

「はぁ、はぁ…。な、なめんなよ…、このクソガキ!!」

ガッチャンッ!!

ボタンを押した瞬間、封鎖されていた柱達が上がり出す。

「「「ゔっ、ぅあがいぃい。」」」

紫色の肌をした患者達が一斉に、柱が上がった瞬間に走り出した。

「あははは!!お前が死ね、クソガキが!!!」

作動させたスイッチは、柱を上がらず為だったのか。

「どこまでも汚ねぇ野郎だよ、テメェは!!」

「あははは!!死んでしまえ!!」

パァァンッ!!

ブシャァア!!

その瞬間、後方から発砲音が響き渡る。 

俺に近付いて来た紫色の肌をした男の頭から、血が噴き出していた。

「五郎、ソイツは僕の獲物だよ。」

後ろを振り返ると、愛銃Five-seveNの引き金を引いていた二郎が居た。


PM.16:30 地下室


椿恭弥の肩から血が噴き出した瞬間、七海は誰かに抱き締められていた。

優しく七海の体を抱き締めてる体が、小刻みに震えている。

「マスター、遅くなりました。」

「あま…ね?天音なのか?」

七海の視界に映ったのは、ガスマスクを装着していた天音の姿だった。

天音は七海の姿を見て、泣きそうな顔をしている。

顔には殴られた跡が幾つかあり、アキレス腱がパッ
クリと開かれた両足首。

痛々しい姿の七海を見た天音は、椿恭弥に対して憎
悪が増した。

「お前等がマスターをこんな風にしたのか。」

「痛いなぁ…、何すんの?」

噴き出している血を抑えながら、椿恭弥は天音に尋ねた。

「マスター!!」

「ノア…、ノアなの?」

「うん、ノアだよ。マスター、会えて良かった。」

LCTPP1901VITYAZを持ったガスマスクを装着したノアが、七海の頬に触れた。

「後ろから殴るなよなぁ?𣜿葉。」

額を抑える芦間啓成の背後に立っていたのは、同じガスマスクを装着していた𣜿葉孝明と𣜿葉薫だった。

𣜿葉孝明の手にはバールが握られており、芦間啓成の額から血が出ている事に理由が付く。

「啓成!?大丈夫?」

「平気、平気。お前が仲間を連れて来るなんて、思っても見なかったけどな。」

芦間啓成はそう言って、天音とノアに視線を向けた。

「は?仲間?コイツと俺等が?」

「その2人と俺達は、何の関係もねぇけど。」

ノアと𣜿葉孝明の声が重なる。


何故、𣜿葉孝明と天音達が同時に地下室に入って来るまで時間を遡る。


PM 15:05

𣜿葉孝明と𣜿葉薫もまた、泉病院の非常口から潜入していた。

「うわっ、椿会の連中が転がってんな。薫、足元気を付けろよ。」

「分かってる。」

倒れ込んでいる椿会の組員達を避けながら、2人は非常口のドアの前まで足を進める。

𣜿葉孝明はドアを開けようとするが、ふと足元に視線を向けた。

シュュウ…。

ドアの隙間から紫色の煙が入って来た瞬間、大きな警報音が鳴り響く。

ウー!!ウー!!ウー!!

「え!!な、何??」

「この煙と関係ありそうだな。薫、ガスマスクを出してくれるか?」

「え、ガスマスク?分かった。」

𣜿葉薫はポンッと、手のひらからガスマスクを出し、𣜿葉孝明に渡した。

「ありがとう、毒の可能性があるから着けよう。薫も付けとけ。」
 
「分かった。」

「よし、中に入るぞ。」

キィィ…。

ゆっくりと非常口の扉を開くと、中の異様さ2人は感じ取った。
 
フロアに出た𣜿葉薫は、𣜿葉孝明の足にしがみ付く。

「薫、俺の側から離れ…。」

「動くな。」

スッ。

𣜿葉孝明の背後を取った天音が、𣜿葉孝明の首元にナイフを当てた。

「兄貴!?」

「おっと、君は動かない方が良いよ。」
慌てる𣜿葉薫に、ノアが優しく声を掛ける。

「お前、椿会の人間か。」

「俺は椿会とは関係ねぇよ、殺したい奴は居るけどな。アンタ等こそ、誰だ。弟に手を出したら殺すぞ。」

𣜿葉孝明は持っていたナイフを取り出し、天音の脇腹に近付けた。

暫くの沈黙が続き、𣜿葉孝明と天音は同時にナイフを互いの体から離す。

「兄貴っ。」

ギュッ。

「心配掛けたな、薫。」
 
𣜿葉孝明は、抱き付いて来た𣜿葉薫の頭を優しく撫でる。

その光景を見た天音とノアの脳裏には、七海の姿が映っていた。

「アンタ等、毒は平気なのか?」

「普通の人よりかは耐性があるだけだ。椿会の連中が持っていたカズマスクは、この為か。ノア、はめとけ。」

ポイッ。

天音はノアに向かってガスマスクを投げる。

「兄貴、下にJewelry Pupilが居るよ。この間の子の気配がする。」

「芦間が連れていた子か、下って事は地下か?」

「うん、下から気配がするから…。」
 
そう言って、𣜿葉薫は床に視線を落とす。
 
「アイツが言っていた場所にある筈。」

「了解、急いでマスターを迎えに行かないと。」

「悪いが、俺達も同行させてくれ。」
 
天音とノアの話している間に、𣜿葉孝明が割って入る。

「勝手にこれば良い、僕達は僕達の目的を果たすだけだ。」

「そうしてくれ、俺達の似たような事情だからな。」

「地下はこっちだ。」

走り出した天音とノアの後を追うように、𣜿葉孝明と𣜿葉薫も走り出した。


PM 16:35 地下室 


「理由なんてどうでも良いけど、この怪我は返すよ。」
 
椿がそう言って、指を鳴らそうとした瞬間、ノアは引き金を引いた。

パァァンッ!!

弾丸を避けた所為で、椿の体勢が崩れてしまう。

ノアはそのまま椿に攻撃を仕掛けようと、動き出そうとし時だった。

パチンッ。

動き出したノアよりも早く、椿が指を鳴らす。

ブシャァ!!

ノアの右足の脹脛から血が噴き出したのを見た七海は、声を出した。

「ノア!?」

「大丈夫ですよ、マスター。」

「ノア…。」

ふらつくノアを見た七海は、瞳に涙が溜まり出す。

「七海君を渡す訳にはいかないんだよね。必要な道具なんだからさ。君達、邪魔だな。芦間ー、コイツ等を殺せ。」
 
椿はそう言って、芦間啓成に視線を送る。
 
「…、分かりました。」

「テメェの相手は俺だろうが、芦間。」

ガッ!!

ブンッ!!

芦間啓成の腕を掴んだ𣜿葉孝明は、地下室から引き摺り出す。

廊下の壁に芦間啓成の体を押し付け、𣜿葉孝明は睨みを効かせる。

「何の為にここに呼び出したのか、分かってん の。」
 
「お前は良いよな、自由でさ。」

そう言った芦間啓成の顔は、どこか悲しげに見えた。

「𣜿葉ぁ、俺を殺せるのはお前だけだろ。」

「何言ってんだ、テメェはよ。」

「さぁな。」

グサッ!!

「兄貴!?」

「啓成!?」

𣜿葉薫とリンの声が同時に重なった。

何故なら、𣜿葉孝明と芦間啓成は同じタイミングで、ナイフをお互いの腹に突き刺さしていたからだ。

「ハッ、お前の動きは単純で分かりやすいんだよ。」

「ヴッ!!」 

ドカッ!!

芦間啓成は言葉を吐きながら、𣜿葉孝明の腹に蹴りを入れる。

ドサッ!!

床に倒れ𣜿葉孝明にナイフを突き刺そうと、芦間啓成が馬乗りになろうと動き出した。

パァァンッ!!

ビュンッ!!

発砲音の後に、芦間啓成の耳を何かが擦った。

𣜿葉孝明の後ろに居た𣜿葉薫の手には、ハンドガンが握られていた。

「薫!?何やってんだ!!」

「兄貴を守る為だよ!!兄貴を守るんだ、僕がっ、僕がっ!!」

息を荒く吐く𣜿葉薫の体に、𣜿葉孝明は優しく触れる。

「ありがとう薫、俺から離れるなよ。」

「うん!!」

「あははは!!茶番だなぁ、お前等の関係はよ?!」

2人の仲睦まじい光景を見た芦間啓成は、大きな声で笑い出す。

「啓成、コイツ等を殺して良いんだよね。」

「おー、良いぞ。あの2人は、俺達の敵だからなぁ。」

「啓成の事を傷付ける奴は、死ねば良い。」

リンがそう言うと、武器と言う凡ゆる物達が床から現れた。

武器達はフワッとリンの周りで浮き出し、芦間啓成は浮いていた刀を握る。

スフェーンの宝石言葉である、才能の開花をさせたリンのJewelry Wordsの力が発揮された。

「決着付けようや、𣜿葉。」

「最初からそのつもりだ、芦間。」

タッ!!

𣜿葉孝明と芦間啓成は同時に、走り出した。
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