MOMO

百はな

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第4章 Jewelry Pupil 狩り

悪魔のような男 II

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PM14:50泉病院

泉淳は1人、院長室でパソコンを操作していた。

パソコンに映し出されていたのは、1階のフロントの映像だった。

「よ、よし…。あ、集まって来たな…。は、ははは。ほ、本当に来やがったな。」

ボゾボソと話しながら、泉淳は箱型のスイッチに手
を伸ばす。

「は、ははは。15時になったら、このスイッチを押す…。このスイッチを…、スイッチを押せば…。僕の人生は…、終わる。」

ブー、ブー、ブー、ブー。

「っ!!」

カタカタと震える指先で、スマホ画面に触れる。

着信相手を確認した後、通話をする為に、スマホを耳に当てる。

「も、もしもし。」

「俺だけど、急遽そっちに行く事になったから。」

「え、え?そ、それは急ですね…。」

「まぁね、お前は予定通りに進めてね?」

「は、はい。」

椿は泉淳の返事を聞かずに、通話を終わらせた。

ダンッ!!!

強くテーブルに拳を押し付けた泉淳の荒い息遣いが、部屋に響く。

「あの糞野郎…。舐めやがって、お前も道連れにしてやるからな。」

時刻が15時に差し掛かろうとした時、泉淳はスイッチのボタンを押した。

カチッ。


PM 15:00

泉病院に到着した八代和樹と槙島ネネは、静かに院
内に入った。

ガヤガヤガヤガヤ…。

お昼を過ぎた院内は、人が少なる事は無く、騒がしい声が耳に入る。

一般人に紛れて、椿会の組員の数人が紛れている事に2人は気付いていた。

「俺達の事を見てんな。」

「でしょうね。でも、私の他にJewelry Pupilがここに居ますね。恐らく、芦間啓成が連れている子供でしょう。」

八代和樹と槙島ネネは小声で話しながら歩き出すと、椿会の組員も数人、歩き出した。

「付けて来てんな。」

「椿会の組員でしょう、椿の花のネクタイピンクをしてました。裏で眠らせましょう。ちょうど…、非常口のドアがありますから。」

「お前、体術は?」

「ある程度は。」

「なら、大丈夫だな。」

2人は自然な振る舞いを装い、非常口のドアを開ける。

キィィィ…。

シュルッ。

八代和樹はネクタイを緩め、動きやすい様に準備をする中、槙島ネネは床に付着していた血痕を見つけていた。

槙島ネネの頭の中に言葉が響く。

「成る程、弥助君の裏切り行為…。アイツが仕組んだみたいね。へぇ…、椿恭弥もここに…。じゃあ、あそこにいた患者達もまた…、共犯?」

キィィィ…。 

入って来た椿会の組員達が一斉にナイフを取り出し、2人と距離を積める。

「警察が何しにここに来たんだ?あぁ!?」

「悪いが、お前等には死んで貰うぜ。」

「武器を出したからには、それ相当の覚悟があるんだな。」

ガチャンッ。

八代和樹柄取り出したのは、警棒だった。

短くなっていた警棒を伸ばし、八代和樹は目の前にいた男の手首を叩いた。

ドコッ!!

「ゔっ!?」

カラン、カランッ。

持っていたナイフを床に落とた組員の上腹部分に、八代和樹は力強く拳を入れた。

ドコッ!!

「ガハッ!!」

「悪いが、暫く寝てて貰うぞ。」

「この野郎!!女の方をやれ!!」

「わ、分かってる!!」

タタタタタタタッ!!

走って来た組員に向かって、槙島ネネは着ていたジャケットを投げ付ける。

パサッ!!

「ゔ!?」

ガッ!!

ガンッ!!

頭にジャケットを被った組員の頭を掴み、2階へと続く階段の鉄製の手摺りに叩き付けた。

そのまま槙島ネネは、八代和樹の隣にいた組員に向かって、回し蹴りを喰らわす。

ドカッ!!

「あがっ!?」

八代和樹は余所見をしていた組員の太ももを警棒で
叩き、崩れた瞬間に頭を床に叩き付けた。

ドカッ!!

「ぐっ?!」

パタンッ。

倒れた組員達を見ながら、八代和樹は警棒を短く戻す。

ガチャンッ。

「和樹さん、ここに椿恭弥も来ます。」

「椿が?何で、また…。」

「アイツの能力が、効いてるんです。」

そう言った瞬間、病院内に警報が鳴り響いた。

ウー!!ウー!!ウー!!ウー!!

「っ!?警報!!?」

「キャァアァァァァァ!!!」

「槙島、表に行くぞ!!!」

「了解。」

女性の悲鳴を聞いた2人は、急いで非常口から飛び出した。

バンッ!!!

シュュュュュ…!!!

病院のフロアに紫色の煙が充満しており、患者達が倒れていたのだ。

その中には痙攣を起こしてしまい、泡を吹いている人もいる。

「和樹さん、これを装着して。」

槙島ネネが八代和樹に渡して来たのは、ガスマスクであった。

「お前、こんな物を持ってなかっただろ?何で、持ってんだ。」

「さっきの組員達から持って来ました。これ、即効性の毒ですよ。」

ガスマスクを装着しながら、槙島ネネは説明する。

「キャンディの成分と同じですが、有毒も混じっています。」

「じゃあ、ここに居る患者達は…、手遅れって事か?」

「和樹さん、残念ですけど…。ここに居る人達は診察を待つ患者じゃありませんよ。」

槙島ネネの言葉を聞いて、八代和樹は目を丸くさせる。

「は?患者じゃない?」

「これ、見てください。」

そう言って、槙島ネネはスマホ画面を八代和樹に見せる。

画面に表示されていたのは、"自殺願望者募集"と書かれた掲示板であった。

内容を見ると、午後15時までに泉病院のフロントに集まると、楽に死ねると書かれてあり、観覧者は100人近くいた。

「弥助君が作ったサイトみたいですね。どうやら…、私達。」

ガチャンッ!!

槙島ネネが言葉を続けようとすると、鍵の施錠される音が響いた。

「はっ?」

タタタタタタタッ!!

八代和樹は慌てて、出入り口のドアを引いた。

ガチャッ、ガチャッ!!!

「ッチ、閉められた。」

「外に待機していた組員達が鍵を閉めたんですね。それよりも、こちらを片付けないといけません。」

ガチャンッ。

槙島ネネは持って来ていた警棒を伸ばし、歩き出す。

「ゔぅ、ゔぅ…。」

既に死んでいる筈の死体が動き出し、八代和樹達の居る方向に走り出した。

「「「ぁぁあ、あいああ!!!」」

「和樹さん、こうなった死体は頭を潰すしかありませんよ。言葉を悪くすると、コイツ等は生きるのやめた人間です。助ける方法なんてない、生き地獄を味わうだけです。」

ブンッ!!

スッと槙島ネネは警棒を振り上げ、向かって来た死体の頭を叩き潰す。

ブシャッ!!

「ゔぃあぃがぁぁぁ!!」

「槙島、分かってる。俺達の目的は泉淳の逮捕だ。院長室まで行くぞ、槙島。」

「了解しました。」

槙島ネネは八代和樹に微笑みかけた後、向かって来た死体の頭を叩き付けた。


PM 15:30

警報を聞いていたのは、八代和樹達だけではなかった。

カルテ室を出て来た五郎達の現在地は、2階の患者達が入院している病棟だった。

ウー!!ウー!!ウー!!

「な、何だ?!急に警報が?」

「あ、あれ!!?あれ見てください、皆さん!!!」

驚いている五郎の肩を叩きながら、木下穂乃果は晶達に声を掛ける。

晶と齋藤が視線を向けた先に居たのは、青白い肌をした死体が病室から出て来ていた。

シュュュュュ!!

同時に紫色の煙が2階を充満し始めている。

「齋藤さん、これ…。」

「毒か。」

「「ど、毒!?」」

晶と齋藤の会話を聞いた2人は、大声を出す。

カチャッ。

パシュッ!!

晶は黙って愛銃のベレッタM92Fを取り出し、毒ガスが流れ出している機械を破壊。

バキッ!!

木下穂乃果もワルサーP38ミリタリーモデルを取り出し、窓を破壊する。

パシュッ、パシュッ!!

パリーンッ!!

パリパリパリーッン!!

「穂乃果、窓はちゃんと当てれんだな。」

「なっ、晶さん!!人にも当てれるし!!」

「ふーん。じゃあ、本番だ。アイツ等の頭を撃ち抜けよ。」

晶はニヤニヤしながら、走って来ている青い白い肌の人間を指差す。

「安心しろ、アイツ等はもう死んでる。さっきの毒ガスを嗅いじまったからな。」

齋藤はそう言って、トンッと木下穂乃果の背中を叩く。

「おいおい、遊んでる暇…。」

五郎はある人物を見つけて、言葉を失った。

何故なら、大勢の人間の後ろに焦りの表情を見せながら、走る泉淳の姿を見つけたからだ。

その瞬間、五郎の中で沸々と湧いてくる怒りを感じていたのだ。

「居た。」

「あ?」

五郎の小さな声を聞いた晶は聞き返すが、その言葉は五郎に届く事はなかった。

「泉淳!!!!」

「っ!?」

「テメェ、やっと見つけたぞ。死ぬ覚悟は出来てん
だろうなぁ!?あ!?」

「ッチ!!」

カチッ。

泉淳は五郎の存在に気付き、その場から離れる為に、何らかのスイッチを押した。

ガチャンッ!!!

その瞬間、五郎達のいる左右から通路を閉鎖するようにか、鉄製の網状になった柱が次々と降りて来た。

ゴゴゴゴゴゴゴッ…。

「は?何で柱が降りて来てんの?」

「五郎が泉淳って叫んでたけど、アイツが柱を降ろしていった感じだな。俺達を閉じ込める気か…、まだ2階だから窓から飛び降りるよって!?」

晶の言葉を聞いて齋藤が推理した結果を話している
と、五郎が走り出した。

ドカッ、ドカッ!!!

タタタタタタタ!!!

向かって来る死体になった人々を蹴り飛ばしながら、柱が降りる前に、前の通路まで到着していた。

ガチャンッ!!

降りて来た柱は、五郎と晶達の分裂に成功させる。

「悪い、晶。どうにか、脱出してくれ!!」

「はぁ!?お前、ふざけんなよ…。」

五郎は晶に言葉を投げたまま、泉淳を追って走り出していた。

「斎藤さん、どうします?」

「んー、ここは2階だから、飛び降りても問題ないだろ。病院から一時的に、出てようか。」

「了解しました。」

「君、2階からだけど、降りれる?」

そう言って、齋藤は木下穂乃果に言葉を投げ掛ける。

「は、はい。」

「それじゃ、お先に。」

ピョンッと窓から飛び降りた晶に続き、齋藤と木下穂乃果も飛び降りた。



同時刻 地下室 

CASE 七海

ガチャンッ!!

ビクッ!!

突然、扉が開き体がビクッと跳ね上がる。
「よっと。」

知らない男が弥助の体を乱暴に床に転がせた。

バタンッ。

弥助の体には殴られた跡が沢山あり、意識は失っているようだ。

だ、誰だ…?

「おーい、弥助ー。起きろよー、もうすぐ"頭"が来るぞー。」

頭…?

男の椿の花のネクタイピンを見て、僕はハッとした。

コイツ、椿会の組員だ。

じゃあ…、ここに来るのって…。

カツカツカツ。

廊下から誰かが歩いて来る足音が響く。

その音を聞く度に、僕の体から冷や汗が流れ出す。

開かれた扉から顔を出した赤髪の男、異様な程の綺麗さを放っていた。

色白な肌に肩までの長さの赤い髪、左目のオレンジダイヤモンドの瞳が輝いている。

この男が、椿恭弥だと一目で分かってしまった。

ガッ!!

椿恭弥は気を失っている弥助の髪を掴み、思いっきり床に叩き付けた。

ゴンッ!!!

「ゔっ。」

「おはよう、弥助。君の素晴らしい友情を見に来たよ。」

「っ!?ボ、ボス…。」

「やぁ、七海君。その痛々しい姿、よく似合ってるよ。」

フッと優しく微笑んだ椿恭弥だが、その笑顔は恐怖感を植え付けているように思えた。

「弥助ー、どうして、勝手な行動をしようとしたの?教えてほしいな。」

「えっ…、お、俺は…っ。」

「ハッキリ喋れ。」

優しい笑顔は消え、スッと真顔になった椿恭弥を見た弥助は、体を震わせる。

椿恭弥の威圧感は、半端じゃない。

弥助が居直ったとしても、僕を裏切ろうとしても仕方がない。

僕が今まで見て来た人の中で1番…、恐ろしい人だ。

「…。」

「弥助、君がそんな人間だなんて思わなかったな。」

「ボス、自分は…、七海君を死なせたくないで。」

「そっかー。」

ドスッ!!

転がっている弥助の背中に腰を下ろした椿恭弥の手には、ニッパが握られていた。

僕は嫌な予感がし、思わず目を逸らしてしまう。

グッと弥助の手を持ち上げ、小指の爪を挟み、一気に引っ張った。

ブチッ!!

ビチャッ!!

「あ、ああああああ!!!」

弥助の小指の爪が剥がされる音と、叫び声が地下室に響く。

バタバタと暴れ出す体を押さえつけるように、後ろに立っていた男がナイフを数本取り出した。

グサッ!!

その瞬間、弥助の両足にナイフを突き刺す。

「あ、ああぁぁぁあ"!?」

「弥助ー、次はどの指の爪を剥がされたい?」

「や、やめ…っ。」

「中指か。」

椿恭弥は弥助の言葉を聞かずに、中指の爪をニッパで挟み、一気に引っ張った。

「ぐ、ぐぁぁぁぁぁ"!!!」

「次はー、親指からの薬指ー。」

ブチッ、ブチッ、ブチッ!!!

弥助の赤い血と爪が宙に飛び散る。

「はぁ、はぁ…。」

「弥助ー、君を拾ったのは利用価値があり、僕を裏切らないと思っていたからだよ。」

「は、はは、よく言いますよ。俺達の間に本当の忠誠心なんか、ありやせんよ。」

「そうか、そうか。お前は、爪を剥いだだけじゃ、大人しくならないか。」

グググッ。

椿恭弥はニッパで指の先を挟み、逆の方向に折り曲げた。

ゴキッ!!!

「ぐぁぁあぁ"!!!」

「まだまだ行くよー、根性見せろっよ。」

「やめろ!!!」

僕は我慢出来ずに大きな声を出して、椿恭弥を睨み付ける。

「どうしたのかな?七海君。」

「そいつの事、離してやってよ。」

「うーん、それは君が決める事じゃないよ。僕が生かすか殺すか決める。コイツ等は、僕の所有物だからね。」

「ボスとは大違いだな、お前。慕われてないのに気付いてねーのかよ。」

そう言うと、椿はスッと立ち上がった。

「あっちゃー、それは禁句ワードなんだけどなぁ。」

「あの人、終わったね。」

男と隣にいたガキが、ヒソヒソと話していた。

椿恭弥がゆっくり僕の顔に手を伸ばし、力強く顔を掴んできた。

ガシッ!!

「ゔっ。」

「調子に乗るなよ、クソガキ。僕はね、あの男と比べられるのが嫌いなんだよ。」

グッ!!

ゴンッ!!

その瞬間、椿恭弥の膝が顔面に飛んで来た。

ブシャッ!!

鼻と口から大量の血が噴き出すが、椿恭弥はお構い無いし殴り続けた。

「や、やめて下さい、ボス!!俺だけを殴れば良いでしょう!?貴方を裏切ろうとした俺を、殺せば良いでしょう!?」

「あ?何で、お前が生きてる前提で物事を話してるんだ?それに、喋って良いって言ってないだろ?弥助。」

「っ…。」

「お前の行動は爪が甘過ぎるんだよ。その小さい脳みそで一生懸命に考えた作戦も、直ぐにバレちゃってる。」

「そ、それは…。」
 
カツカツカツ。

ガッ。

弥助に近付いた椿恭弥は、弥助の髪を乱暴に持ち上げ、顔を上げさせた。

「お前は頭が足りないんだよ。パソコンしか出来ないんだから、余計な事を考えたら駄目だろ?」

「ボ、ボス。」

オレンジダイヤモンドが、眩しい光を放ち出す。

その光を見た弥助は、椿の事を敬愛するような眼差しを向け始めた。

弥助の様子がおかしい。

あの、オレンジダイヤモンドの瞳を見てから、弥助の毒気が抜かれたような…。

もしかして、Jewelry Wordsの能力が発揮されてる?

確か、オレンジダイヤモンドは、邪気を払う効果があった気がする。

もし、この知識が正しいなら…!!

弥助は今、Jewelry Wordsの能力が掛かってるんだ。

だけど、どうやって能力を解けば良い?

椿から弥助を引き剥がせば良いんじゃないのか?

ふと、僕の中で1つの疑問が湧いた。

僕はどうして、弥助を助けようとしてるんだろう。

初めて会って数分しか経ってない男の事を…。

分からない、理由なんて分からない。

ただ、このままじゃ駄目な気がするんだ。

僕の中で知らない感情が生まれて来ている。

口が、体が勝手に動くなんて事、今までなかった。

弥助は慌てて、椿恭弥に頭を下げる。

「す、すみません。お、俺…、俺はなんてことを…。ボ、ボスを裏切るなんて事をっ…!!」

「久しぶりの外に興奮しただけだよ、お前は。弥助はただ、黙って命令通りに動けば良いんだからな。」

「お前、何勘違いしてんの?」

「ん?」

僕の言葉を聞いた椿恭弥は、こちらに視線を向けた。

「弥助の技術があって、助かった事はあったでしょ。何を自分の手柄みたいに言ってんの。」

「七海君は、僕を怒らせたいのかな?」

「調子に乗るなって言ってんだよ、椿恭弥。アンタは1人じゃ、何も出来ないんだよ。」

そう言って、口に溜まっていた血を、椿恭弥の頬に向かって吐き出す。

ペッ!!

椿恭弥の拳が、僕の右頬に練り込んだ。

ドサッ!!

倒れ込んだ僕の体の上に座り、椿恭弥はナイフを取り出した。

グサッ!!

ナイフの刃が右肩に刺さり、グリグリと中身を抉るように動かて来た。

激痛のあまり、吐き出しそうになる。

ズズズズッ。

そのまま刺さったまま、ナイフが肩から腕にかけて下がって来る。

痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!!

叫び出したいのに、声を出す気力がない。

段々と視界がボヤけて、椿恭弥の声が遠くなって行く。

僕、このまま死ぬのかな…。

死ぬんだとしたら、最後に2人に会いたかった。

「天音、ノア…。」 

パァァァァン!!!

ブシャッ!!!

発泡音が鳴り響き、椿恭弥の肩から血が噴き出した。
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