4 / 82
第1章 少女の価値
3. Hero Of Justice Member 2
しおりを挟むゴホン、突然ですがこんにちは。俺の名前は、宮田ヒロキです。
俺には好きな人がいます。
同じクラスの南ハルカです。
俺と南は幼稚園からずっと一緒。家も近くて家族ぐるみで仲がいい。いわゆる幼馴染みってやつだ。もちろん、幼馴染みとして、1人の友人として南のことが好きだった。
でも
中学2年生の頃、あいつはクラスの女子に告白された。その時、俺の中で黒い感情がふつふつと湧き上がった。
まぁ、告白は秒で断っていたが。
しかし!!それからというもの、俺はことある事にあいつを意識してしまうようになった。
意識してからというもの、俺はあいつのことを名前で呼ぶことができなくなり、〝南〟と苗字で呼ぶようになった。
でもこのままじゃダメなんだ!!!
南はものすごーくモテる。柔らかいウェーブのかかった茶色の髪に、タレ目で優しい顔。身長こそ俺とあまり変わらないが、体がシュッとしているせいかスタイルが良く見える。
そんなあいつは老若男女問わずモテる!!
この間も1個年上の女の先輩から告白されていた。
俺達も高校生になったんだ。きっとあいつだっていつかは彼女を作るに決まっている。
だから俺は〝しない後悔〟より〝する後悔〟を選ぶことにしたのだ。
今日、俺は南ハルカに告白をする。
付き合えなくたっていい。友達で居られなくなってもいい。いや良くは無いが。
でもそんなリスク、俺の愛の前にすればちっぽけなんだ。もし、告白をして断られても、南に嫌われても、俺はこの先ずっと南だけを愛する。
それくらい大好きだ。
ジャリッ
「宮田…?どうしたの?わざわざ校舎裏になんて呼び出して。」
南は俺が苗字呼びすると同時に、合わせるように〝宮田〟と呼ぶようになった。それが今は心苦しい。
「南、お前にさ、言いたいことがあって。」
サァアアアアア
肌寒い風が降りかかる。
「俺さ、」
「うん」
もし拒絶されたら。
もし嫌われたら。
もし、もうこの先一生話してくれなくなったら。
ついさっきした決意が揺らぐ。
でも言いたい。
誰かに盗られる前に。誰かの大事な人になる前に。
「お、おれ、南のことが」
ギュッと拳を握り震える。
でも最後の言葉だけは、南の目を真っ直ぐ見て伝えよう。
「好きだ。」
南の茶色い目と俺の黒い目が交差する。
本当は怖くて逃げ去りたい。
返事を聞きたくない。
タッと音が聞こえたかと思うと目の前に南が来る。
ギュウウウウウっと俺を抱きしめる大好きな人。
「僕も、宮田が、ヒロキのことが好きだよ」
そしてバッと離したか思うと、南は俺を見る。
「僕もね、宮田が大好きなんだ。これから2人で幸せになろうね。」
「うん、うん」
あぁ、君に好きだと伝えてよかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


トレジャーキッズ
著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ
ファンタジー
だらだらと自堕落な生活から抜け出すきっかけをどこかで望んでいた。
ただ、それだけだったのに……
自分の存在は何のため?
何のために生きているのか?
世界はどうしてこんなにも理不尽にあふれているのか?
苦悩する子どもと親の物語です。
非日常を体験した、命のやり取りをした、乗り越える困難の中で築かれてゆくのは友情と絆。
まだ見えない『何か』が大切なものだと気づけた。
※更新は週一・日曜日公開を目標
何かございましたら、Twitterにて問い合わせください。
【1】のみ自費出版販売をしております。
追加で修正しているため、全く同じではありません。
できるだけ剣恵真さんの原文と世界観を崩さないように直しておりますが、もう少しうまいやり方があるようでしたら教えていただけるとありがたいです。(担当:猫宮りぃ)


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる