西遊記龍華伝

百はな

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第陸章 花は咲いて枯れ、貴方を

泡姫と椿の花

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同時刻 花の都ー

とある屋敷の中で、血飛沫が飛び散った。

「や、やめっ…、あが!!」

邪は長い爪で、男の目玉をくり抜く。

グチャッ!!

ズシャッ、ズシャッ!!

丁は鎌を振り回し、男達の首を跳ね飛ばして行く。

ドサッ!! 

「結構な数がいたねー。」

邪は顔に付着した血を、服の袖で拭った。

「おい、こいつ等は人間だよな?何で、花の都にいるんだ?」

「んー、使用人として雇ってたんじゃない?」

「はぁ?妖が人間を雇ったりすんのか?」

「昔からあるよ。まぁ、お互いを利用してるに過ぎないけどね。」

そう言って、邪は床に転がった死体を軽く蹴飛ばす。

「さてと、家主に会いに行きますか。」

「あぁ。」

邪と丁は、屋敷の奥に進む。

バシャ、バシャ、バシャ、バシャ!!!

水の跳ねる音が、静まり返った屋敷に響き渡る。

「妖怪の気配がするな。」

 「あ。」

「どうした?」

丁の言葉を聞いた邪は、少し考えた後に口を開いた。

「丁は水の音がした方に行ってくれる?僕はあっち側に行くから。」

「え?何で。」

「何となく。後で合流しよ、それじゃ。」

「あ、おい!!」

カツカツカツ。

邪は丁の言葉を無視し、反対の方向に歩いて行った。

「何なんだよ、アイツ…。まぁ、良いか。」

バシャ、バシャ、バシャ、バシャ!!

「ねぇ、それって本当?」

「本当、本当。美猿王様が帰って来たのよ。」

「キャー!!早くお会いしたいわぁ!!」

奥の部屋から女達の話す声がした。

丁はゆっくりと扉に手を掛け、部屋の中に入った。

部屋の床が全て水になっていて、大きな岩の上には
人魚達が座っていた。

水の底を見てみると、どうやら海に繋がっているようだった。

美しい人魚達は丁の姿を見て、驚いた。

「え?妖?」

「何で、ここに?」

「ど、どうしよう…。」

「も、もしかして…。人間達は殺された…?」

1人の人魚の言葉を聞き、人魚達は顔を青くする。

「姫様にお伝えしないと!!」

バシャ、バシャ、バシャ!!

人魚達は一斉に.、水の中に入って行った。

「何だ?あんな妖、見た事がないぞ…。」

ザパァァァァァアンッ!!!

「ぶっ!!?」

大きな水飛沫が丁の体を飲み込み、水浸しにした。


海中 珊瑚礁(サンゴショウ)

貝殻と珊瑚礁で出来た屋敷の中に、人魚達が集まっていた。

屋敷の中でも、最も高価な装飾がされた部屋がある。

この屋敷の姫であり、海の姫でもある存在の妖だ。

「泡姫(アワヒメ)様、こちらのアクセサリーは如何でしょう?」

「泡姫様、お茶が入りました。」

メイド服を着た人魚達が、ある人魚の周りに集まっていた。

色白な肌に長い睫毛、青紫色の瞳に、白いレースの中から見える紫色の尻尾。

紫色のふわふわの髪は右サイドにアップにされ、細かい編み込みやパールが数個付けられていた。

「姫様!!大変です!!」

オレンジ色の髪の人魚が、慌てながら泡姫に声を掛けた。

パシャバシャバシャ!!

「ちょっと、貴方達!!静かにしなさいな!!」

「ごめんなさい。で、でも大変なのよ!!」

「何があったの。」

泡姫はお茶を飲みながら、オレンジ色の髪の人魚を見つめる。

「飼い慣らしていた人間達が、殺されました!!それから、見知らぬ妖が2名、侵入して来ました!!」

「何ですって!?」

オレンジ色の髪の人魚の言葉を聞いた人魚達は、驚いた。

ただ、泡姫だけは冷静に物事を考えていた。

「それと、もう一つ。私に報告する事があるんじゃないの?」

「あ、はいっ!!美猿王様が、花の都に来られました。」

青い髪の人魚の言葉を聞いた泡姫は、椅子から立ち上がった。

「美猿王様が、帰って来たの!?何で、それを早く言わないのよ!!」

「す、すいませんっ!!」

「上に行く。」

「「「泡姫様自ら!?」」」

メイド達が驚く中、泡姫は黙々と花の都の屋敷に行く準備をした。

貝殻やパールが装飾された槍を持ち、ある飲み物を手に取った。

「泡姫様、体に負担が…。」

「大丈夫よ。心臓が痛くなるだけだから。」

そう言って、泡姫は手に取った飲み物を飲んだ。

ゴクッ。

紫色の尻尾が、白い肌をした人間の足に早変わりし
た。

「靴を持って来て。」

「かしこまりました。」

泡姫は上に来ていた服を脱ぎ、水色のレースのミニチャイナドレスに着替える。

「お持ちしました。」

用意された水色のヒールに履き替えた。

「それじゃあ、後の事は宜しくね。」

「「かしこまりました。」」

「案内して。」

メイド達に指示をした後、報告しに来た人魚達に視
線を送る。

「「かしこまりました!!」」

人魚達の案内に従いながら、泡姫は地上に向かった。


ザパァァァァァアンッ!!!

丁の前で再び、大きな水飛沫が飛んだ。

「ぶっ!?な、何んだよ!?また濡れた…。」

「アンタが、私のペット達を殺した奴?」

「は、は?どこから現れたんだ?まさか、水の中から現れたのか?」

「そんな事はどうでも良いでしょ?困るのよ、勝手に殺されたら。」

泡姫は淡々と話をする。

「ペット達…って。じゃあ、アンタが人間を飼っていたのか?」

「だったら?」

「ここにいた人間は、陰陽師達だった。陰陽師達に結界を張らせていたんだな。その結界、解いてくれないかな?」

「は?」

丁の言葉を聞いた泡姫は、キッと丁を睨み付ける。

「アンタ、もう1人の連れは?」

「さぁ…、急にふらっと何処かに…って!?うぉ!?」

ビュンッ!!

泡姫は、丁に向かって槍を突き刺さした。

「ちょ、ちょっと待って!?話を最後まで…っ。」

「余所者の言葉なんて、誰が信じるの。」

ビュンッ!!

体勢を整えた泡姫は、槍の角度を変えながらも攻撃
の手を止めない。

ビュンッ、ビュンッ!!

キィィィン!!

鎌で攻撃を受け止めた丁の腹を蹴り、槍を突き刺さす。

「ッチ!!このっ!!」

ビュンッ!!

丁は、槍の端を靴の裏で止めた。

「話を聞いてって!!美猿王の命令で来たんだよ!!」

「っ!?美、猿王様の…?」

カツンッ。

部屋の中に静かに足音が響く。

「久しいな、泡姫。」

「美、猿王様…。」

「俺の言い付け通りにしてたか?」

現れた美猿王の言葉を最後まで聞かずに、泡姫は抱き付いた。

「美猿王!?ど、どうしてこちらに?」

「お前等に泡姫の事を伝える事を忘れてたからな。俺以外の男には、泡姫は武器を振り回す。」

「成る程…、どうりで…。」

丁は、美猿王の話を聞いて納得した。

「美猿王様、本当に帰って来たのね。お帰りなさい。」

「あぁ、泡姫。結界を解いてくれ、俺の為に集まる
妖を引き入れたい。」

「…、分かった。」

「お前等、人魚には手出しはしない。」

「え?」

「俺の命令には、奴等は逆らえん。」

その言葉を聞き、泡姫は安堵の容姿を見せた。

「妖が人魚を狙うんですか?同じ妖なのに…。」

「人魚の肉を食べれば、不老不死になるとか。単に美人が多いから、やりたいだけの妖はいくらでもいる。弱い人魚達は妖からも人からも狙われていたが…。」

そう言って、美猿王は自分の頭を指で軽く叩く。

「考え方を変えてみろ。逆に、人魚達の方が妖も人も上手く利用出来るだろう?」

「美猿王様の助言のおかげです。私達が今まで、害なく生活をしてこられたのも。」
 
「お前と邪以外に、紛れ込んでる奴がいるな。」

「えっ!?」

「邪はそっちを狩に行ったか。」

美猿王は、部屋とは反対の方向に視線を向けた。


数分前ー

「ここにもないわね。」

スッ。

鏡を取り出した紫希(シキ)は、その場にしゃがみ込
む。

「この屋敷の何処かに、結界の元凶がある筈。どの部屋にあんのよ。」

映し出された屋敷の構造を見ながら呟いていた。

丁達と同様に、花の都の結界を解く為に屋敷に訪れていた。

牛鬼が毘沙門天に命令していたのだった。

「牛魔王と牛鬼は、どう違うわけ?髪の色と瞳の色は違った。美猿王と悟空も別物…?」

鏡に映った美猿王を見て、紫希は思考を巡らす。

「牛魔王はやたらと、悟空を意識していた。それは何でだろ?そもそも、毘沙門天様は…。何で、牛魔
王の言いなりなの?2人の関係って、一体…。」
 
そう口にした瞬間、紫希の中で疑心感が湧いた。

「毘沙門天様は、哪吒と吉祥天様しか愛していない。あたし達の事は、ただの道具として扱って…。こんな気持ちで、毘沙門天様の命令を聞いてて、良いのかしら…。」

紫希は膝を抱え、顔を埋める。

「やっぱり、ここにいた。」

「っ!?」

「こんにちは。もしかして、泣いてた?」

後ろから現れた邪に驚きながら、紫希は視線を合わせた。

「誰よ、アンタ。」

「んー、秘密。」

「は?」

「君、蹲ってどうしたの?気分でも悪いの?」

邪は優しい声で、紫希の体調を労わる。

紫希は頬をピンク色に染め、邪から顔を背けた。

「か、関係ないでしょ。目が見えないのに、何で分かるの。」

「匂いとかで分かるよ。嗅覚が鋭いんだよね、僕。」

「何にそれ、変なの。」
 
「あ、笑った。笑えて良かった。」

「っ…、何で、優しくするの?」

邪に問いた紫希は、言って欲しい言葉は既にあった。

その言葉を聞きたいが為に、邪に問いた。

「君が、1人で泣いているように見えたから。泣かせたくないと思ったから。」
 
そう言って、花瓶に飾ってあった椿を抜き取った。

紫希の前で片膝を付き、椿の花を差し出した。

「どうしたら良いのか、分からないの。」

「うん。」

「信じていた人を信じれなくなった。自分が愛された存在じゃないのかなって。」

「うん。」
 
「ねぇ、どうしたら良い?あたしは…、ここに来た目的を果たさなきゃいけないのに。」

紫希は下を向きながら、言葉を続ける。

もう、紫希は邪に言葉を言って欲しくて仕方がなかった。

「なら、僕を信じれば良い。」

「え?」

「君が誰も信じられないなら、僕を信じれば良い。僕の言葉だけを聞けば良い。」

邪の細長い指が、紫希の髪に触れる。

「貴方を…?」

「それを決めるのは君自身だ。僕は、そろそろ行くよ。」

「えっ?」

「またね。」

「まっ…。」

紫希が言葉を言い終わる前に、邪は部屋を出て行った。

「花を贈られたのは、初めて。」

カサッ。

「また…、会えるかな。」

椿の花の匂いを嗅ぎ、紫希はうっとりとしていた。

「あの人を信じれば、あたしは幸せになれるのかな…。ここを出た方が、あの人は喜ぶかな…。帰ろう。」

紫希は大きな鏡に近付き、体を吸い込ませた。


紫希と別れた邪は、美猿王と合流していた。

「王、いらしたんですね?」

「あぁ、お前こそ始末して来たのか。」
 
「いえ、殺してはいません。」

「お前、悪趣味な遊びを始めたろ。」

美猿王の言葉を聞いた邪は、ニヤリと笑う。

「どうやら、毘沙門天側の人間でした。少し泳がせて、情報を吐かせようかと。」

「ほう、毘沙門天の下っ端か。奴等が狙う物を先に奪う。今の目的は、花の都を乗っ取る事だろう。」

「美猿王様…。」

泡姫は不安な表情を見せながら、美猿王の腕を掴む。

「神が敵だろうと蹴散らせば良い。俺の道を阻む者は、殺すまで。」

「王のそう言う所、好きですよ。だからこそ、目を奪われた価値があります。」

「美猿王、ここを拠点にするのですか?」

「あぁ、人魚達を奪われる訳にはいかん。毘沙門天は人魚の肉を求めてるだろうな、牛鬼もだ。」

「何故、その2人は不老不死を求めるのでしょう。」

「惚れた男の弱みだろ、毘沙門天の場合はな。」

「それは、吉祥天の事ですよね。」

「あぁ、あの女は昔から生に依存していたからな。」

美猿王はそう言って、煙管に口を付けた。

「美猿王様、このお屋敷に住まわれるのですか!?」

「あぁ、お前が不安がるからな。」

「嬉しいっ!!それなら、珊瑚礁も好きに使って下さい!!我々、美猿王様の為なら、何でも致します!!」

「お前、海に戻れ。そろそろ、薬が切れる時間だろ。結界を解いた後、休め。」

「はい、ありがとうございます。美猿王様、珊瑚礁にも足を運んで下さいね。」

泡姫は人魚達を連れ、海に戻った。

「丁、邪。」

美猿王の言葉を聞いた2人は、瞬時に美猿王の前で膝を付いた。
 
「俺の言いたい事は分かってるな。」

「「はい。」」

「なら、行け。」」

シュンッ!!

姿を消した事を確認した美猿王は、岩に腰を下ろした。

深く煙を吸い、ゆっくりと白い煙を吐く。

美猿王の頭には、小桃と牛鬼の姿が浮かんだ。

「どちらから殺すか。」

そう言って、再び煙管に口を付けた。

暫く考えた後、美猿王の口元がニヤリと歪んだ。

「小桃から殺すか。」

カンッ!!

煙管を岩に軽く叩き付け、灰を落とした後、ゆっくりと立ち上がった。
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