西遊記龍華伝

百はな

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第陸章 花は咲いて枯れ、貴方を

狂人 弐

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源蔵三蔵 二十歳

「鈴玉(リンユー)、俺はお前が心配で…。」

鱗青はそう言って、少年に語り掛ける。

鈴玉…って、林杏(リンシン)さんの弟だよな?

でも、あの子は六歳くらいの男の子だった筈、目の前に居るのは十四歳くらいの少年だ。

急激に成長したのか?

普通の人間なら、無理だ。

数ヶ月で、早く成長して、歳を取る訳がない。

それに、あの子はもう…、人間じゃない。

「はぁ?何、心配?」

「当たり前だろ?」

「姉ちゃんを守れなかったお前がぁ、ふざけた事を言うなよ!?」

「っ!!」

鈴玉君の怒鳴り声を聞いた鱗青は、体がビクッと跳ねた。

カチャッ。

鱗青と鈴玉君が言い合いをしている中、猪八戒が紫洸の銃口を2人に向けた。

「猪八戒っ!?」

「黙ってろ。」

パァァァァン!!

パキンッ!!
 
猪八戒は俺の言葉を聞かずに、引き金を引いた。

放たれた銃弾は、鈴玉君の嵌めていたお面が割れる。

真っ白な髪はセンターで分けられ、前髪の部分が黒髪で、左眼は白目までも真っ黒になっていた。
 
鎖骨の中心には妖石が埋め込まれ、体はトライバルだらけだった。

あの妖石は…、哪吒(ナタク)達と同じ物!?

「え、え?知り合い?」
 
「そうみたい、アンタ等の知り合いなの?」

小桃と百花は、俺に尋ねて来た。

「あぁ、ここに来る前にな。ちょっと、色々あって。」

「猪八戒は、どうしたわけ?何か、怒ってるみたいだけど…。」
 
「俺にも…。」

百花の言う通りで、何故、猪八戒が怒っているのか分からなかった。
 
「お前、何やってんだよ…、鱗青!!大事な女の弟が、こんな姿にされて…、黙って見てたのか!!」

猪八戒は大きな声を出して、鱗青を睨み付けた。
 
「猪八戒、お前…。毛女郎の事を…。」

「忘れた事はないよ、一度も。コイツは、助けよう
と思えば助けれる場所に居た。なのにっ、コイツはっ。」

沙悟浄に言葉を吐いた後、猪八戒は自分の唇を噛み締めた。

大事な女…、猪八戒は鱗青を自分と重ねてる。

目の前で毛女郎は死ぬのを、黙って見る事しか出来なかった自分に。

猪八戒は、そのもどかしさを誰よりも知っている。

だから、湧いた怒りを何処に向けたら良いのか、分からないんだ。

「鱗青、弟の言いなりになる事は、守ってる事にならねぇよ。どんな事をしてでも、毘沙門天を止めるべきだったろ!!」

「お前に、何が分かるんだよ!!」

そう言ったのは、鈴玉君だった。

「僕はもう、鈴玉なんかじゃない。牛頭馬頭(コズメズ)だ。この姿を望んだのは、僕自身だ。」

牛頭…、馬頭?」

聞いた事もない名前の妖だ。

*牛頭馬頭 獄にいるという獄卒ごくそつ(地獄で罪人を責めさいなむ鬼)のこと。 また、地獄の獄卒のように情け容赦のない人のこと。 仏教のことば。 獄卒は頭が牛や馬の形で、からだは人間の形をしていることから。*

「牛頭馬頭って…、地獄の番人って言われてる鬼の事だっけ?」

「そうだった気がする。まさか、牛頭馬頭と会うとはね。」

百花は小桃と話した後、指を鳴らす。

パチンッ。

ブワッ。

俺達の周りに淡い色のジギタリスが、一斉に咲いた。

*ジギタリス 釣鐘型の花の中に、たくさんの斑点があるジギタリス。長く伸びた茎の先にいくつもの花を咲かせ、その花色も豊富なことから、庭のテイストに合わせて植えることができる、園芸に人気の多年草です。全体にジギトキシンやジゴキシンという強心配糖体が含まれていて、強心作用があります。この作用を利用して、古くはハーブとして扱われ、医薬品の原料にもなっていました。ただ、誤食すると胃腸障害や下痢、嘔吐、不整脈などの症状が出て、重症化すると心停止を起こす可能性もあります。*

「とにかく、私等の敵だろ?だったら、殺す。」

「百花ちゃん…。」

百花の言葉を聞いた小桃は、表情を曇らせた。

何でだ?

小桃の表情が暗いんだ?

百花の立ち位置からして、小桃を守る様な体勢をしている。

「お前を殺す為に、この姿になったんだよ。源蔵三蔵!!」

鈴玉君が僕に向かって、言葉を放った。

いや、鈴玉君ではなく、牛頭馬頭だ。

「吉祥天様が言っていた、姉ちゃんが死んだのは…。お前が、僕達の前に現れたからだって。お前がこの世に産まれて来なかったら、こんな事にはならなかったって。」

「は、はぁ?吉祥天の言っている事は、嘘だろ。そんな嘘を信じたのか。」

沙悟浄はそう言って、牛頭馬頭に尋ねた。

「お前等の大事な奴は、本当は死ぬ筈じゃなかった。そう言ったら、どうする?」

「「っ!?」」

牛頭馬頭の言葉を聞いた2人は、言葉を失った。

「な、何を言って…っ。」

「僕は嘘なんか言わないさ、どこかの神と違って。」

そう言われ、俺の脳裏に観音菩薩の顔が浮かんだ。

「吉祥天様は、この世界を正しくしようとしてる!!源蔵三蔵が生きている所為で、世界は歪んだ。死ななくて良い人が死んで、死ねば良い人が生きて…。あははは!!!お前は邪魔なんだよ!?」

ビュンッ!!

鉄又を持ち直した牛頭馬頭は、俺に向かって飛んで来た。

シュシュシュシュッ。

百花はジギタリスを飛ばすが、牛頭馬頭は鉄又で引き裂く。

ブチブチブチブチ!!

ビュンッ!!

牛頭馬頭は距離を詰め、俺の頭上から鉄又を振り下ろした。

ブンッ!!

まずいっ、避けれないっ!!

ポチャンッ…。

水の滴る音が、耳に届いた。
 
目の前に大量の水が畝(ウネ)りながら、俺の周りに浮いていてた。

水が俺の事を守っているような…。

「お前の言ってる事は、本当なのかもしれねぇ。けどな、俺と猪八戒、三蔵や悟空の大事な奴を殺したのは…。お前等だろ?」

沙悟浄の周りに、牛頭馬頭を威嚇している大きな水色の龍がいた。

あの龍…、沙悟浄の入れ墨の龍だよな…?

「この世に、産まれて来ちゃいけない命はないんだよ。」

「綺麗事ばっかり、言いやがって…。源蔵三蔵を殺したら…、姉ちゃんは生き返るって言ったんだ!!!僕は、僕の願いを叶える為に、源蔵三蔵を殺す。」

沙悟浄の言葉を聞いた牛頭馬頭は、俺を睨み付ける。

人だった鈴玉から、敵意の眼差しを向けられた。

吉祥天は嘘を付いてるのは明白なのに…。

誰が、林杏さんを殺したのか分からない。

林杏さんを殺した人物を見つけ、牛頭馬頭の誤解を解かないと…。

それに、まだ悟空と会ってもいない。

俺は、ここで殺される訳にはいかないんだ。

「牛頭馬頭、君が俺を恨んでいるのは分かった。だけど、俺だって殺される訳にはいかない。」

バッ!!

俺は数枚の札を取り出し、札を指で挟んだまま、素
早く動かす。

シュシュシュシュッ。

「オンキリク、シュチリビリタカナダ、ナサヤサタンバヤ、ソワカ。」

そう言って、指を鳴らした。
 
パチンッ!!

シュュュン…。

ハンドガンの形をしていた霊魂銃が、エアガンの形に変形した。

ガチャンッ!!

俺はエマガンを持ち、牛頭馬頭に銃口を向けた。

「上等だ、お前の喧嘩を買ってやる。来いよ、牛頭馬頭。」

挑発するように、牛頭馬頭に向かって笑う。

猪八戒と沙悟浄は苦笑した後、武器を構え直した。

「うちの三蔵様は、これだもんなぁー。俺等が側に居ないと駄目だよな?沙悟浄殿。」

「全くだ、猪八戒殿?まぁ、だからこそ…。」
 
「「面白い!!」」

ブシャッ!!

猪八戒と沙悟浄の声が重なると同時に、2人は向かって来た妖を斬り付けた。


三蔵達が妖と戦っている中、この2人も戦っていた。

向かって来る妖達を斬り付けた小桃は、大きな声を
上げた。

「ちょっと、何なの!?もー!!!」
 
「男は馬鹿だな。小桃、こっちにおいで。」

「へっ!?」

グイッ。

百花は小桃の手を引き、後ろに下がらせた。

「くらぇぇぇ!!」

「殺せ、殺せぇぇぇ!!」

スッ。

妖達に向かって、百花は手のひらを広げる。

シュシュシュシュッ!!

咲き誇ったジギタリスが、妖怪達に飛び掛かる。

グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ。

嫌な音を立てながら、ジギタリスの根が体を吸い上げる。

そして、次々に地面に倒れ込む。

ドサッ!!

「あははは!!!面白いな、そこのガキ。」

白沢が牛頭馬頭に声を掛けた。

「あ?何言ってんだ、お前。馬鹿にしてんの?」

「お、おいっ!?鈴玉、そんな言い方は…。」

「お前は黙ってろよ!?ゴミが!!!」

牛頭馬頭は、鱗青を怒鳴り付けた。

「あははは!!威勢の良いのは、嫌いじゃないぞ。
牛頭馬頭よ、私と組もうではないか。」

「は?どう言う事。」

「言葉のままよ、牛頭馬頭。貴様も馬鹿で無ければ、分かるだろう?この戦場は、誰が有利なのか。」

白沢の言葉を聞いた牛頭馬頭は、戦場に目を向けた。

「僕達の方が押されてるね、それくらい分かるよ。」

「ただの阿呆ではないな。なら、私の言いたい事が、分かっただろう。」

「つまり、俺と共に行動するって事か?吉祥天様の
下に。そっか、良いね。今はタイミングが悪いし。」

牛頭馬頭はそう言って、牛の仮面を顔に嵌めた。

「ゴミ、行くぞ。白沢も、生きてる妖を引き連れて来て。」

「承知した。」

白沢が足を大きく振り上げ、地面に脚を叩きつけた。


源蔵三蔵 二十歳

ドンッ!!

音を聞いた妖達は動きを止め、白沢の元に集まった。

攻撃を止めた?

「三蔵、見ろよ。白沢の奴、牛頭馬頭と手を組むつもりだ。」

猪八戒の言われた通りに、白沢に目を向けた。

視界に映ったのは、白沢に跨っている牛頭馬頭だった。

その姿はまるで、妖怪を率いる大将だった。

彼はもう、人間ではなくなった事を実感させられた。

俺と牛頭馬頭の間には、見えない大きな境界線が張られているようだ。

「もう時期、朝が来る。一旦、引くよ。」

「大人しく帰るのか?散々、騒いどいてさ。」

「完璧に殺せる場所を作ろうと思って。確実に、正確に、殺せる場所を。」

様子が変だな…。

気狂いみたいな笑い声を上げないな。

「とにかく、帰るなら早く帰れ。」

「お前に言われると苛々するな。」

シュンッ!!

牛頭馬頭はそう言って、姿を消した。

その瞬間、暗い空に太陽が顔を出し光を放った。

「はぁー、終わったぁ…。ふわぁぁ…。」

「お疲れ様、小桃。」

「百花ちゃんも、お疲れ様。小桃、白虎の所に行くよ。」

「私も行くわ、お疲れ。」

「お疲れ様ー。」

小桃と百花は、俺達に声を掛けてから歩き出した。

「風呂入りてー。返り血で、ベタベタする。」

猪八戒は、体に付いた血に触れながら呟いた。

「そうだな、俺も風呂に入りたい。三蔵、どうした?」

「ずっと、牛頭馬頭の言っていた言葉が…。引っ掛かってさ…。」

「アイツの言った事は気にするな。」

沙悟浄はそう言って、俺の頭を撫でた。

観音菩薩は、俺達に話していない事がある。

観音菩薩は…、何かを隠してる?


同時刻 天界 観音菩薩の自室

「おい、俺達に見せたい物ってのは?この絵巻か。」

鳴神は、壁に飾ってある巨大な絵巻を見つめながら、尋ねた。

観音菩薩の自室の壁には、大きな絵巻が描かれていた。

その絵に描かれている人物達は、三蔵一行や観音菩
薩達、毘沙門天達にソックリだった。

様々な妖達が、毘沙門天と観音菩薩の周りに集まる
姿は、二つの百鬼夜行だった。

「何だこれ?俺達が描かれてんじゃねーかよ!?」

「本当ですね。観音菩薩様、これは?」

雨桐(ユートン)も観音菩薩に尋ねる。

⬜︎ 雨桐 羅刹天のお世話係の女。妖怪、蛇女。⬜︎

「はい、これは天帝が未来予知をして、描いた絵巻です。」

「はぁ!?未来予知だぁ?そんなの当たるのか?た
だの予知だろ?」

「天帝の未来予知は外れないよ、現に彼等の大切な人は死んだ。」

観音菩薩は一つの絵巻を見せる。

そこには、三蔵一行の大切な人達が殺されている絵が描かれていた。

そして、伊邪那美命の絵も描かれていた。

「つまり、この絵巻は悟空や俺達の未来が描かれてるのか。」

「はい。僕と毘沙門天のどちらかが、死ぬ未来が描かれています。毘沙門天は、凶悪な妖を作り出そうとしている。その妖が世に放たれたら、僕達は終わりです。」

「誰にも止められねぇって?」

「いえ、悟空が…。その妖を止める為の、鍵なんです。」

観音菩薩はそう言って、悟空の絵が描かれた絵巻を軽く叩く。

絵巻には、巨大な黒い靄の中に悟空と男の子が描かれていた。

「悟空は今、鍵を探している所です。」

「鍵って、本当の鍵じゃねーんだろ?どう言う事だよ。」

「この妖の正体は…、。」

「「っ!?」」

羅刹天と鳴神は、観音菩薩の言葉を聞いて驚いた。

「三蔵一行が何故、天竺に行かなければならない。お前が天竺に拘(コダワ)る理由は…。」

「始まりと終わりの場所だからです。三蔵は、この世界の始まりと終わりの存在なのです。天竺に行かないと行けない運命…、いや、この世界を終わらせる人物なんです。」

「終わらせる?」

「鳴神、羅刹天。この世界は、消滅する運命です。」

「「は?」」

鳴神と羅刹天の声が重なった。

「おい、観音菩薩!!ちゃんと分かりやすく話せ!!」

「もしかして…、源蔵三蔵はこの世界の核?」

雨桐は思い付いたように言葉を放った。

「彼が輪廻転生する時に、課せられた使命なんだ。この世界を終わらし、新しい世界を作り出す事。そして…、二度と彼は生まれ変わることを神が拒んだ。」

「な、何だよそれ…。神がそんな事をして良いのかよ!?」

「悟空の封印を解く条件だったんだ。彼は、悟空の封印を解く為に了承した。全ては…、悟空を斉天大聖にする為に。」

「だから、斉天大聖って何だよ!?」

「この世界の頂点、神より上の存在だよ。三蔵…いや、金蝉(コンゼン)の夢を叶える為、僕は悟空を斉天大聖にしなくちゃいけないんだ。」

観音菩薩はジッと、羅刹天と鳴神を見つめた。
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