13 / 73
13話 この身に換えても
しおりを挟む
リメレ村のガナン村長は、末弟のジャンゴを使者として先般の申し出についての返答を寄越した。内容を簡単に言えば、我がハースガルド家の屋敷で会談の場を設けるのであれば、参加しても良いとの返事だ。随分と譲歩した印象がある。
ただ、譲歩した事実を間違えて取り扱えば大変なことになる。
ガナン村長が自発的に譲歩したのは、それほどまでに領主との確執を解消したいという弱みを見せた訳では決してない。先に譲歩を見せたのは、これが限界であるとの主張をはらんでいる。つまり、これ以上一切の譲歩は不可能であり、相手方が譲歩しないのであれば交渉は決裂するという一方的な宣言とも取れるのだ。
さすが二十五年も領主を相手に回して村民を結束させてきた辣腕、とてもとても一筋縄では行かない。
「どう思う」
昼食の席で占い師に問えば、相手は肉団子をパクパク口に放り込みながら笑う。
「恐れながら申し上げると、こないだのご領主様の返答に比べて頭のキレが違いますね。いかにも手強いという感じです」
と、まったく恐れた様子もなく言ってのけた。
「もし領主と村長を二人で会わせたらどうなる」
「そりゃあご領主様がコテンパンにやられるでしょう。旦那様としてはそれはマズいとお考えなのですよね」
「うむ。もし村長に面目を潰されれば、グリムナントは今度こそ苛烈な弾圧に出るかも知れない。それだけはさせてはならん。何か良い知恵はないか」
すると果物にかぶりついていたタクミ・カワヤは笑顔のままで首を振った。
「占い師は見えるものを見るだけですから知恵はありませんよ」
この言い方が頭にカチンとくる。
「未来が本当に見えるのなら、それに基づく助言の一つくらいはあるだろう」
「助言ですかあ」
「交渉の場にはおまえも参加するのだぞ、少しは真剣に考えろ」
「なら旦那様に助言を一つ。ご領主様の面目を潰さないのも大事ですが、面目を潰されるくらいはどうでもよくなる程度の混乱を引き起こすという手もあります。ちょっとズルい交渉術ですけどね」
それはいささか意外な答だった。交渉の場であえて混乱を引き起こせというのか。
「いったいどのように混乱させろと」
「まずは旦那様が帝国貴族に顔が利くとか言ってみることです」
「顔が利くほどの知り合いはおらんぞ」
「いやだなあ、何も本当のことを正直に言う必要はないんですよ。あくまでも交渉術の一環なんですから」
「嘘をつけと言うのか」
「嘘をつく必要はありません。この間話した帝国貴族の件、あれはどうなりましたか」
「すでに書簡は送っているが、返事はいつになるかわからん」
私がそう答えると、占い師はしばしこちらを見つめた。
「どうした」
「……書簡の返事は明日にも届きますね。交渉の場でこの返信の内容について世間話のように取り上げてみてください」
また未来を見たのか。信用できない部分はまだ心の中にあるものの、経験則で考えるなら現実はそのように動くはずだ。しかし、だからといって。
「腹芸は苦手だ」
肚の内に思惑を抱えたままで、それに沿って会話を導くなど自分にはできそうにない。だが黒髪の占い師は言う。
「難しいことを考えなくてもいいんです。旦那様には公爵の立場があり、普段の言動の積み重ねもあります。つまり言葉に説得力がある訳ですから、言うべきことさえ言えば、あとは周りが勝手に都合よく解釈してくれます」
「あのなあ、人間がそうそう思い通りに動いてくれる訳がないだろう」
「それが案外上手く行くかもしれませんよ」
占い師はまた肉団子を口に放り込み、満足そうな笑顔を見せた。いったいどこまで信じて良いのやら。
とは言え、これも一つの案としては考慮すべきだろう。私の性格的に、そのまま実行するのは不可能に近いが。
◇ ◇ ◇
ドアをノックしたが返事がない。ご寝室なら躊躇するところだが、ここは執務室。仕事に忙殺されているだけならともかく、何か異変が起きていないとも限らない。こういうことがあり得るから侍女を置いていただきたいのだが、カリアナ・レンバルト閣下は変なところが頑固で困る。
ただでさえ閣下が女性であることで肩身の狭い思いをされているのに、侍女や執事が行うような仕事を騎士団長の私がしている現状を揶揄する向きもあるらしい。閣下のお立場にも関わることでもあり、決して財政的に困窮している訳でもないのだから使用人を雇うべきであるとご意見申し上げてはいるものの、閣下は私以外の者に身の回りの世話を焼かれるのを嫌う。子供の頃からずっと。
それは家臣として嬉しくない訳ではない。騎士として他の貴族から誘いを受けたことも幾度かあるが、それをすべて断ったのは閣下を放っておけなかったからだ。無論それだけではなく、カリアナ閣下は己の主人として誇りに思える人物であり、仕え甲斐があるのも事実。ただ御年四十近くになったいまでも子供のような純真さを隠さない。そのまっすぐ過ぎる正義感は家臣として冷や汗をかくことも珍しくないのだ。できればもう少し大人になっていただきたいところ。
「失礼いたします」
ドアを開ければカリアナ閣下は部屋の真ん中で椅子に座り、手紙を手にぼうっとした顔で虚空を見つめていた。
手紙の主は隣国シャナン王国の公爵エブンド・ハースガルド。公爵とは名ばかりの、田舎暮らしの貧乏貴族である。しかしカリアナ閣下にとっては若き日の思い出の人、留学先で出会った人生最初で最後の恋の相手だ。
「伯爵閣下」
すぐ隣に立った私の声に、閣下はようやく顔を上げる。
「ああ、ザインク。ごめんなさい、少しぼうっとしていたようです」
「いささか根を詰め過ぎではございませんか」
閣下は手紙を折りたたみ、封筒に戻した。この姿をもう何度見ただろう。
「ねえザインク」
「はい閣下」
そしてこれまた何度もたずねられた問いを繰り返すのだ。
「私の出した手紙はもう着いたでしょうか」
「通常であれば明日頃には届くのではないかと」
「そう」
うつむいて小さなため息をつくのまで同じ。
ただ今回は少し違った。閣下はこうおっしゃったのだ。
「ボイディア卿の影響が王国にも広がっているという話、どう思います」
私を見つめるその目は、いつもの閣下だ。
「十分にあり得ることだと存じます」
その回答に満足そうな笑みを浮かべると、閣下はこう続けられた。
「あなたは私に大人になってほしいのだろうけど、この件に関してはそうは参りません。どれほど子供じみていると言われたところで、後に引く気はないのです。曲がりなりにも落ちぶれ果てても、私は帝国貴族。皇帝陛下の剣にならねば」
その瞳に燃える炎が私を照らす。やれやれ、やはりこの方にはかなわない。仕方ない、あなたが皇帝陛下の剣となられるのなら、私はあなたの盾となりましょう。たとえこの身に換えても。
ただ、譲歩した事実を間違えて取り扱えば大変なことになる。
ガナン村長が自発的に譲歩したのは、それほどまでに領主との確執を解消したいという弱みを見せた訳では決してない。先に譲歩を見せたのは、これが限界であるとの主張をはらんでいる。つまり、これ以上一切の譲歩は不可能であり、相手方が譲歩しないのであれば交渉は決裂するという一方的な宣言とも取れるのだ。
さすが二十五年も領主を相手に回して村民を結束させてきた辣腕、とてもとても一筋縄では行かない。
「どう思う」
昼食の席で占い師に問えば、相手は肉団子をパクパク口に放り込みながら笑う。
「恐れながら申し上げると、こないだのご領主様の返答に比べて頭のキレが違いますね。いかにも手強いという感じです」
と、まったく恐れた様子もなく言ってのけた。
「もし領主と村長を二人で会わせたらどうなる」
「そりゃあご領主様がコテンパンにやられるでしょう。旦那様としてはそれはマズいとお考えなのですよね」
「うむ。もし村長に面目を潰されれば、グリムナントは今度こそ苛烈な弾圧に出るかも知れない。それだけはさせてはならん。何か良い知恵はないか」
すると果物にかぶりついていたタクミ・カワヤは笑顔のままで首を振った。
「占い師は見えるものを見るだけですから知恵はありませんよ」
この言い方が頭にカチンとくる。
「未来が本当に見えるのなら、それに基づく助言の一つくらいはあるだろう」
「助言ですかあ」
「交渉の場にはおまえも参加するのだぞ、少しは真剣に考えろ」
「なら旦那様に助言を一つ。ご領主様の面目を潰さないのも大事ですが、面目を潰されるくらいはどうでもよくなる程度の混乱を引き起こすという手もあります。ちょっとズルい交渉術ですけどね」
それはいささか意外な答だった。交渉の場であえて混乱を引き起こせというのか。
「いったいどのように混乱させろと」
「まずは旦那様が帝国貴族に顔が利くとか言ってみることです」
「顔が利くほどの知り合いはおらんぞ」
「いやだなあ、何も本当のことを正直に言う必要はないんですよ。あくまでも交渉術の一環なんですから」
「嘘をつけと言うのか」
「嘘をつく必要はありません。この間話した帝国貴族の件、あれはどうなりましたか」
「すでに書簡は送っているが、返事はいつになるかわからん」
私がそう答えると、占い師はしばしこちらを見つめた。
「どうした」
「……書簡の返事は明日にも届きますね。交渉の場でこの返信の内容について世間話のように取り上げてみてください」
また未来を見たのか。信用できない部分はまだ心の中にあるものの、経験則で考えるなら現実はそのように動くはずだ。しかし、だからといって。
「腹芸は苦手だ」
肚の内に思惑を抱えたままで、それに沿って会話を導くなど自分にはできそうにない。だが黒髪の占い師は言う。
「難しいことを考えなくてもいいんです。旦那様には公爵の立場があり、普段の言動の積み重ねもあります。つまり言葉に説得力がある訳ですから、言うべきことさえ言えば、あとは周りが勝手に都合よく解釈してくれます」
「あのなあ、人間がそうそう思い通りに動いてくれる訳がないだろう」
「それが案外上手く行くかもしれませんよ」
占い師はまた肉団子を口に放り込み、満足そうな笑顔を見せた。いったいどこまで信じて良いのやら。
とは言え、これも一つの案としては考慮すべきだろう。私の性格的に、そのまま実行するのは不可能に近いが。
◇ ◇ ◇
ドアをノックしたが返事がない。ご寝室なら躊躇するところだが、ここは執務室。仕事に忙殺されているだけならともかく、何か異変が起きていないとも限らない。こういうことがあり得るから侍女を置いていただきたいのだが、カリアナ・レンバルト閣下は変なところが頑固で困る。
ただでさえ閣下が女性であることで肩身の狭い思いをされているのに、侍女や執事が行うような仕事を騎士団長の私がしている現状を揶揄する向きもあるらしい。閣下のお立場にも関わることでもあり、決して財政的に困窮している訳でもないのだから使用人を雇うべきであるとご意見申し上げてはいるものの、閣下は私以外の者に身の回りの世話を焼かれるのを嫌う。子供の頃からずっと。
それは家臣として嬉しくない訳ではない。騎士として他の貴族から誘いを受けたことも幾度かあるが、それをすべて断ったのは閣下を放っておけなかったからだ。無論それだけではなく、カリアナ閣下は己の主人として誇りに思える人物であり、仕え甲斐があるのも事実。ただ御年四十近くになったいまでも子供のような純真さを隠さない。そのまっすぐ過ぎる正義感は家臣として冷や汗をかくことも珍しくないのだ。できればもう少し大人になっていただきたいところ。
「失礼いたします」
ドアを開ければカリアナ閣下は部屋の真ん中で椅子に座り、手紙を手にぼうっとした顔で虚空を見つめていた。
手紙の主は隣国シャナン王国の公爵エブンド・ハースガルド。公爵とは名ばかりの、田舎暮らしの貧乏貴族である。しかしカリアナ閣下にとっては若き日の思い出の人、留学先で出会った人生最初で最後の恋の相手だ。
「伯爵閣下」
すぐ隣に立った私の声に、閣下はようやく顔を上げる。
「ああ、ザインク。ごめんなさい、少しぼうっとしていたようです」
「いささか根を詰め過ぎではございませんか」
閣下は手紙を折りたたみ、封筒に戻した。この姿をもう何度見ただろう。
「ねえザインク」
「はい閣下」
そしてこれまた何度もたずねられた問いを繰り返すのだ。
「私の出した手紙はもう着いたでしょうか」
「通常であれば明日頃には届くのではないかと」
「そう」
うつむいて小さなため息をつくのまで同じ。
ただ今回は少し違った。閣下はこうおっしゃったのだ。
「ボイディア卿の影響が王国にも広がっているという話、どう思います」
私を見つめるその目は、いつもの閣下だ。
「十分にあり得ることだと存じます」
その回答に満足そうな笑みを浮かべると、閣下はこう続けられた。
「あなたは私に大人になってほしいのだろうけど、この件に関してはそうは参りません。どれほど子供じみていると言われたところで、後に引く気はないのです。曲がりなりにも落ちぶれ果てても、私は帝国貴族。皇帝陛下の剣にならねば」
その瞳に燃える炎が私を照らす。やれやれ、やはりこの方にはかなわない。仕方ない、あなたが皇帝陛下の剣となられるのなら、私はあなたの盾となりましょう。たとえこの身に換えても。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)
朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】
バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。
それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。
ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。
ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――!
天下無敵の色事師ジャスミン。
新米神官パーム。
傭兵ヒース。
ダリア傭兵団団長シュダ。
銀の死神ゼラ。
復讐者アザレア。
…………
様々な人物が、徐々に絡まり、収束する……
壮大(?)なハイファンタジー!
*表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます!
・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
夜の声
神崎
恋愛
r15にしてありますが、濡れ場のシーンはわずかにあります。
読まなくても物語はわかるので、あるところはタイトルの数字を#で囲んでます。
小さな喫茶店でアルバイトをしている高校生の「桜」は、ある日、喫茶店の店主「葵」より、彼の友人である「柊」を紹介される。
柊の声は彼女が聴いている夜の声によく似ていた。
そこから彼女は柊に急速に惹かれていく。しかし彼は彼女に決して語らない事があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる