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第3章 フラン辺境伯領
8 尻尾
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「ユラ、すまない。嫌だったな。ユラ?返事をしてくれないか?」
「し、尻尾の付け根は、駄目なんです。あの、ゾクゾクしてしまって。あの、着替え……てきます」
「着替え?そうだな、急に戻った時に気持ち悪いな。尻尾の穴が必要なら魔術で下着やズボン……上着にも変幻を付けようか?出し入れ自由になるよ」
それでも、ユラは様子がおかしい。
「おいで」
頑なに首を横に振り続ける。
手首を握ると、振り払らわれた。
「気持ちが悪いのだろう?」
涙がいっぱいに溜まりはじめる。
「ガイア様に、尻尾を触られたので。あの、そ、そ、粗相をしてしまいました。だから……ごめんなさい」
粗相?
傍に寄りブランケットごと抱きかかえる。
「なら、一緒に風呂に入ろう。
その時に全部洗濯してしまえば大丈夫だ。荷物も、別邸に届いただろうからこちらに移動させるよ。新しい服を着てみよう」
泣きそうな、ユラが小さく頷いた。
「ごめんな。ユラの耳や尻尾が可愛いくて、つい見たり触ったりし過ぎた。後で嫌なこととか、苦手なこと、色々教えてくれないか?」
「わ、笑いませんか?みっともなくないですか?」
「可愛いだけだ。俺が、ユラを虐めてしまったな」
抱きかかえて、浴室へと向かう。
防音も、全てしておこう。
「ユラ、洗濯物は魔術で綺麗に出来るし……すぐに乾かせるから安心して」
床に降ろすとそのまま固まっているので、俺自身がまず脱ぐことにする。その前に聞いておいた方がいいな。
「ユラ、お湯の風呂に入ったことはあるのか?誰かにいれてもらったりしてたのか?」
「水浴びなら、1人でしてたと思います。浴場?お湯場だったら1人では……なかったかも知れません」
「あまり、熱くない方がいいのか?なら少し温くするな?」
そう言って、俺が先にシャツを脱ぐ。その後は、ズボンから下着まで一気に全て脱いだ。
ユラの前に立つと、なぜか顔を真っ赤にしている。
熱でもあるのか?
「顔が赤いが、大丈夫か?」
「へ、平気で、す」
そうか、なら構わないな。
ユラのブランケットを剥ぎ取る。
シャツを脱がせて、ズボンに手をかけた所で急に慌て始めた。
「あ、え?じ、自分でやります」
「粗相と言うから、漏らしたのかと思ったのだが違ったんだな。濡れているように見えない。少し漏れただけなのに、気にしすぎだ」
「尿では、なくて!」
ブワッと顔が赤らんでしまった。
ああ、感じてしまったということか。
「それこそ、男なら仕方がないことだろう?若いのだし。ちゃんと抜いた方がいい」
「は、恥ずかしいことだと!みっともないことだからと!汚らしいと言われたのです」
「は?」
「ただでさえ、劣等種なのだから汚い匂いをさせるなと……言われたのです」
「何を言ってるんだ?」
ユラのスボンを剥ぎ取る。
魔術で綺麗にして、畳んでおく。
何も身につけていない、とても綺麗な体が目に入る。
慌てて座り込んで前を隠してしまった。
「俺と同じ作りだよ?恥ずかしがる必要なんてない。それより、おいで」
縦抱きにして、風呂場に入る。
椅子が1つしかないので、自分の前にユラを座らせて髪を洗ってやる。
耳がピクピク動いて可愛い。
髪を高くひとつに結んだあとは、背中を洗ってやる。前は自分でしてみるように言うと、素直に洗っている。
俺自身も、髪の毛から体全部すぐに洗って流してしまった。
ユラが綺麗に洗えたようで、少し落ち着いたようだ。
湯船にユラ連れて入り隣り座る。
「ユラ、白く汚れたことは恥ずかしくなんてないんだよ。俺もあるし、テリー達も男は、皆そうなんだよ」
「ですが、私は。特に今は、真っ黒なんです。せめてガイア様みたいな綺麗な黒……深い深い青味がかかった色ならよかったのに」
「ユラは、黒猫じゃなかったの?」
「分かりません。でも、違うって思うのです。それに、臭いって、劣等種の匂いがするからと言われていたと思います」
「みんなにか?」
「い、え。ほとんどは優しい人が、多かったと……」
「お前が、美しいから。嫌がらせだろう」
「そんなことないです。とても、綺麗な方が……いた、はずです」
そいつの仕業か?ユラは、自分の立場を脅かす存在だったのかもな。
「それより、抜き方を知らないんじゃないか?」
「抜く?」
「溜めておくのは、良くないから自分で出来るように教えておく」
そう言って、ユラを風呂からだした。
「し、尻尾の付け根は、駄目なんです。あの、ゾクゾクしてしまって。あの、着替え……てきます」
「着替え?そうだな、急に戻った時に気持ち悪いな。尻尾の穴が必要なら魔術で下着やズボン……上着にも変幻を付けようか?出し入れ自由になるよ」
それでも、ユラは様子がおかしい。
「おいで」
頑なに首を横に振り続ける。
手首を握ると、振り払らわれた。
「気持ちが悪いのだろう?」
涙がいっぱいに溜まりはじめる。
「ガイア様に、尻尾を触られたので。あの、そ、そ、粗相をしてしまいました。だから……ごめんなさい」
粗相?
傍に寄りブランケットごと抱きかかえる。
「なら、一緒に風呂に入ろう。
その時に全部洗濯してしまえば大丈夫だ。荷物も、別邸に届いただろうからこちらに移動させるよ。新しい服を着てみよう」
泣きそうな、ユラが小さく頷いた。
「ごめんな。ユラの耳や尻尾が可愛いくて、つい見たり触ったりし過ぎた。後で嫌なこととか、苦手なこと、色々教えてくれないか?」
「わ、笑いませんか?みっともなくないですか?」
「可愛いだけだ。俺が、ユラを虐めてしまったな」
抱きかかえて、浴室へと向かう。
防音も、全てしておこう。
「ユラ、洗濯物は魔術で綺麗に出来るし……すぐに乾かせるから安心して」
床に降ろすとそのまま固まっているので、俺自身がまず脱ぐことにする。その前に聞いておいた方がいいな。
「ユラ、お湯の風呂に入ったことはあるのか?誰かにいれてもらったりしてたのか?」
「水浴びなら、1人でしてたと思います。浴場?お湯場だったら1人では……なかったかも知れません」
「あまり、熱くない方がいいのか?なら少し温くするな?」
そう言って、俺が先にシャツを脱ぐ。その後は、ズボンから下着まで一気に全て脱いだ。
ユラの前に立つと、なぜか顔を真っ赤にしている。
熱でもあるのか?
「顔が赤いが、大丈夫か?」
「へ、平気で、す」
そうか、なら構わないな。
ユラのブランケットを剥ぎ取る。
シャツを脱がせて、ズボンに手をかけた所で急に慌て始めた。
「あ、え?じ、自分でやります」
「粗相と言うから、漏らしたのかと思ったのだが違ったんだな。濡れているように見えない。少し漏れただけなのに、気にしすぎだ」
「尿では、なくて!」
ブワッと顔が赤らんでしまった。
ああ、感じてしまったということか。
「それこそ、男なら仕方がないことだろう?若いのだし。ちゃんと抜いた方がいい」
「は、恥ずかしいことだと!みっともないことだからと!汚らしいと言われたのです」
「は?」
「ただでさえ、劣等種なのだから汚い匂いをさせるなと……言われたのです」
「何を言ってるんだ?」
ユラのスボンを剥ぎ取る。
魔術で綺麗にして、畳んでおく。
何も身につけていない、とても綺麗な体が目に入る。
慌てて座り込んで前を隠してしまった。
「俺と同じ作りだよ?恥ずかしがる必要なんてない。それより、おいで」
縦抱きにして、風呂場に入る。
椅子が1つしかないので、自分の前にユラを座らせて髪を洗ってやる。
耳がピクピク動いて可愛い。
髪を高くひとつに結んだあとは、背中を洗ってやる。前は自分でしてみるように言うと、素直に洗っている。
俺自身も、髪の毛から体全部すぐに洗って流してしまった。
ユラが綺麗に洗えたようで、少し落ち着いたようだ。
湯船にユラ連れて入り隣り座る。
「ユラ、白く汚れたことは恥ずかしくなんてないんだよ。俺もあるし、テリー達も男は、皆そうなんだよ」
「ですが、私は。特に今は、真っ黒なんです。せめてガイア様みたいな綺麗な黒……深い深い青味がかかった色ならよかったのに」
「ユラは、黒猫じゃなかったの?」
「分かりません。でも、違うって思うのです。それに、臭いって、劣等種の匂いがするからと言われていたと思います」
「みんなにか?」
「い、え。ほとんどは優しい人が、多かったと……」
「お前が、美しいから。嫌がらせだろう」
「そんなことないです。とても、綺麗な方が……いた、はずです」
そいつの仕業か?ユラは、自分の立場を脅かす存在だったのかもな。
「それより、抜き方を知らないんじゃないか?」
「抜く?」
「溜めておくのは、良くないから自分で出来るように教えておく」
そう言って、ユラを風呂からだした。
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