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第3章
11誰?
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手を繋ぐ。
指を絡める。
魔族だけど、人型なのかな……?上位魔族。
そんなことが頭をよぎる。不思議と優しく触れてくれる。魔獣のせいで、だんだん感覚がおかしくなっていくみたいだ。
視界は遮られたままで、相手の顔もわからない。でも、ヒートの始まっている身体は興奮を覚えて乱れていく。もどかしい熱を持て余していく。
何か、口に押し込まれる。思わず吐き出そうとしたら、更に液体を流し込まれる。ゴホゴホと咳き込んだものの、多分その何かを飲んでしまった。優しく背中を摩り口元を拭いてくれた。
その後もただ抱きしめられて、顔にたまにキスが落とされるだけだ。身体を押さえられていて逃げられない。それなのに特に触れて来ないのでもどかしい。
思わず、片手を振りほどき自分のお尻の方へ持っていく。指で触れるとクチュリと音が聞こえそうな位溢れている。
『──ん』
姿勢のせいか、自分の指は上手く後孔に入らない。
せめて四つん這いになれたら、もう少し入る?
どうして、この人は触ってくれないんだろう?
もしかしたら、人嫌いなのかも知れない。ただ傍にいてくれるだけ?他の魔族から守るため、処理の手伝いをクロさんにたのまれたとか?
まさか、血族とか……?
『──お父さん?』
だから、視界も音も遮ってるの?
「──チガ……」
『え?──じゃあ、誰?魔族?』
馬鹿な質問をしている。あんな過去の映像に惑わさている。
視界が広がり、もやが晴れていく。
苦しそうな、表情の兄さんが目の前にいる。
「兄さん……なんで?」
俺、俺……
「ごめんな。王子じゃなくて。あの時、お前が連れ去られるのを見たんだ。間に合わなくて。ギルマスが駆けつけてくれてアイツは倒したよ」
また抱きしめられる。
「あの時、魔族が現れたんだ『──少し借りるが、殺しはしない。話をするだけだ』そう言って消えたんだ。ギルマスには、王子達が来るはずだから、セーフティポイントで待ってもらうように頼んだ。アイツは絶対に来たがるだろうけど……一国の王子だからな。何かあったら問題になる。でも俺は待てなかった。お前に何かあったら、だめなんだ」
だから、ここに───?
兄さんが、苦しそうに笑った。
「そんな時に向こうから……俺に接触してきた。お前の番を知らないかって。王子を魔族に渡す訳にはいかないだろ?でも誰か魔族をあてがわれて、ライラが無理やり番にされても嫌だし。俺に会いに来た魔族は、話すうちに不思議と信用出来るって思ったんだ。でも他は分からない。もしかしたら、ライラが殺されるかも知れないし」
抱きしめられる。この腕にどれだけ助けてもらったんだろう。
「だから、俺なら処理をしてやれるって言ったんだよ」
「──兄さん」
「キスはもちろんしないし。抜いてやるだけだ。抑制剤をさっき一つだけ飲ませた。黒兎が、作った薬は、すごいよ。もう一つ飲めばもう少し楽なはずだ。これを飲んで、その後抜くから我慢して」
相手が魔族じゃなかった……良かった。でも、俺が半魔……だよ?
「俺、俺は……」
「ライラが何者でも俺はお前の味方だ。多分、アイツも。お前を探しに来るはずだ。アイツの執着心知ってるだろ?」
潰されそうなの心をいつも、助けてくれる。
「──兄さん。大好き」
ハッとして一瞬驚いた様に見えたけど、少しかぶりを降って……兄さんが笑った。
「知ってる。ほら、薬飲んで」
その後は、高揚はしてるけど……目の前の人のことが理解できて、ただ抜きあいをするような形で何回かイッて、力尽きた。
それに薬の効果がすごい。なんでこんなにも自分に合うのか……魔族用だからかも知れない。
兄さんが傍にいてくれるのも、きっと大きい。
ただ安心して、意識を飛ばした。
指を絡める。
魔族だけど、人型なのかな……?上位魔族。
そんなことが頭をよぎる。不思議と優しく触れてくれる。魔獣のせいで、だんだん感覚がおかしくなっていくみたいだ。
視界は遮られたままで、相手の顔もわからない。でも、ヒートの始まっている身体は興奮を覚えて乱れていく。もどかしい熱を持て余していく。
何か、口に押し込まれる。思わず吐き出そうとしたら、更に液体を流し込まれる。ゴホゴホと咳き込んだものの、多分その何かを飲んでしまった。優しく背中を摩り口元を拭いてくれた。
その後もただ抱きしめられて、顔にたまにキスが落とされるだけだ。身体を押さえられていて逃げられない。それなのに特に触れて来ないのでもどかしい。
思わず、片手を振りほどき自分のお尻の方へ持っていく。指で触れるとクチュリと音が聞こえそうな位溢れている。
『──ん』
姿勢のせいか、自分の指は上手く後孔に入らない。
せめて四つん這いになれたら、もう少し入る?
どうして、この人は触ってくれないんだろう?
もしかしたら、人嫌いなのかも知れない。ただ傍にいてくれるだけ?他の魔族から守るため、処理の手伝いをクロさんにたのまれたとか?
まさか、血族とか……?
『──お父さん?』
だから、視界も音も遮ってるの?
「──チガ……」
『え?──じゃあ、誰?魔族?』
馬鹿な質問をしている。あんな過去の映像に惑わさている。
視界が広がり、もやが晴れていく。
苦しそうな、表情の兄さんが目の前にいる。
「兄さん……なんで?」
俺、俺……
「ごめんな。王子じゃなくて。あの時、お前が連れ去られるのを見たんだ。間に合わなくて。ギルマスが駆けつけてくれてアイツは倒したよ」
また抱きしめられる。
「あの時、魔族が現れたんだ『──少し借りるが、殺しはしない。話をするだけだ』そう言って消えたんだ。ギルマスには、王子達が来るはずだから、セーフティポイントで待ってもらうように頼んだ。アイツは絶対に来たがるだろうけど……一国の王子だからな。何かあったら問題になる。でも俺は待てなかった。お前に何かあったら、だめなんだ」
だから、ここに───?
兄さんが、苦しそうに笑った。
「そんな時に向こうから……俺に接触してきた。お前の番を知らないかって。王子を魔族に渡す訳にはいかないだろ?でも誰か魔族をあてがわれて、ライラが無理やり番にされても嫌だし。俺に会いに来た魔族は、話すうちに不思議と信用出来るって思ったんだ。でも他は分からない。もしかしたら、ライラが殺されるかも知れないし」
抱きしめられる。この腕にどれだけ助けてもらったんだろう。
「だから、俺なら処理をしてやれるって言ったんだよ」
「──兄さん」
「キスはもちろんしないし。抜いてやるだけだ。抑制剤をさっき一つだけ飲ませた。黒兎が、作った薬は、すごいよ。もう一つ飲めばもう少し楽なはずだ。これを飲んで、その後抜くから我慢して」
相手が魔族じゃなかった……良かった。でも、俺が半魔……だよ?
「俺、俺は……」
「ライラが何者でも俺はお前の味方だ。多分、アイツも。お前を探しに来るはずだ。アイツの執着心知ってるだろ?」
潰されそうなの心をいつも、助けてくれる。
「──兄さん。大好き」
ハッとして一瞬驚いた様に見えたけど、少しかぶりを降って……兄さんが笑った。
「知ってる。ほら、薬飲んで」
その後は、高揚はしてるけど……目の前の人のことが理解できて、ただ抜きあいをするような形で何回かイッて、力尽きた。
それに薬の効果がすごい。なんでこんなにも自分に合うのか……魔族用だからかも知れない。
兄さんが傍にいてくれるのも、きっと大きい。
ただ安心して、意識を飛ばした。
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