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第2章
3ライラの目覚め②
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「しかし、お兄さんとは……どういう関係なんだ?兄弟でいまだに一緒に寝てる?それとも、ヒートの時の処理の手伝いを頼んでいるのかな?」
アルファの独占欲……だよね?抑えているみたいだけど顔が怖い。
「え、自分じゃ奥まで届かないから……魔道具を」
あ、さらに顔つきが険しくなる。でも、嘘は不味い気がするし。
「──届かないから?」
にこやかに、笑う顔が怖い。
「成長に合わせて……サイズを変えてもらったりしてました。1人で部屋に閉じこもるから」
自分の部屋に数種類の魔道具があるけど……一応成長期だから物足りなくなるんだ。体格に合わせて兄さんが色々調整してくれてた。ローションも色々作ってくれて、孤独な処理中に気分が少しでも落ち込まない様にって優しい香とか……いつも考えてくれてたんだ。時々、ひどく暴れてしまうみたいで、その時は抱きしめてくれてたと思う。ヒート明けに、兄さんの腕とかに引っ掻き傷とか増えてるけど、責められたことなんて1度もない。
「兄さん……は、絶対に手を出したりしない。狂いそうになった時に抱き締めてくれるだけだよ」
抱き締められる腕の力が増す。
「ごめん。大切なお兄さんだよな。疑ってすまない。女装の理由は……男オメガと知られたくなかったんだろう?」
オメガは、貴族からすれば奴隷だ。しかも、男のオメガなんて家畜みたいなものだ。下手をすれば複数人の相手だってありえる。だからこそ、鍛えてもらっていた。生き抜く為に。女の振りは、別の理由がある訳で……これは言えない。まだ信用していいのか分からないから。本人は良い人でも、家族は期待出来ない。立場が違うから、認められる訳が無い。周りの貴族が黙って頷いたりしないはずだ。
反対される。真実を知られたら、もっと家族に危険が及ぶ可能性が高い。
本気で、この国を出た方がいい気がして来た。でも……家族を巻き込むのは、嫌だ。
「───そうですね。家畜にされたくないので」
「そんなこと、させない!」
「───お願いです。俺のこと……忘れて下さい。ネックガードがあって良かった」
にっこりと笑って見せた。この行為は、ヒートに巻き込んだだけのこと。愛なんて何もない。
王子が驚いて抱き締めていた手を弛めた。
「家族に迷惑を掛けられない。うさぎ亭にも来ないで下さい。髪色とか変えても……貴方は目立つから」
これでいい。もう少し力をつけたら、出て行かないといけない。母さんのあの魔術は覚えたから使えるはずだ。
「───逃がすつもりは、無い。店に来るなって言うのなら、直接君の部屋に会いに行くよ。宰相が娘を押し付けたくて、デマを流しているみたいだから、それを先ず解決する。番のはその後だ」
は?何。本気で噛む気なの?
「だから、平民……」
「身分は関係ないし、どうとでもする。そう言う……しがらみ抜きなら、俺の事どう思う?」
身分とか抜きなら……?この人と番うかどうか?
今は、お互いが裸だ。ほど良い筋肉がついた引き締まった身体。昨日の情交がよぎる所有印がある。それって……俺がつけた奴だよね?そして、自身の身体には……
「何これ……」腕、腹、太もも……すごい、跡だらけだ。見えてるだけでこんなにある。
「俺のだってこと」
そう言って、胸を触られて……カプッて食まれてしまえば、まだ残っているフェロモンが溢れてきそうになる。
1人で、シテた時と違う。気持ちが持っていかれる。
「ん。まっ……て」
吸われて、舐められればゾクゾクと興奮してしまう。
「ライラが嫌がっても、離してやれない」
前も蜜がこぼれ、後からも溢れてくる。触って、挿れてと声が出そうになるのを唇を噛み締めて我慢する。
「待って、お願い。考えさせて」
そう答えるので精一杯だ。
「お前しか要らない」
その言葉に歓喜する自分がいる。
そしてまた……貴方に溶けていく。
アルファの独占欲……だよね?抑えているみたいだけど顔が怖い。
「え、自分じゃ奥まで届かないから……魔道具を」
あ、さらに顔つきが険しくなる。でも、嘘は不味い気がするし。
「──届かないから?」
にこやかに、笑う顔が怖い。
「成長に合わせて……サイズを変えてもらったりしてました。1人で部屋に閉じこもるから」
自分の部屋に数種類の魔道具があるけど……一応成長期だから物足りなくなるんだ。体格に合わせて兄さんが色々調整してくれてた。ローションも色々作ってくれて、孤独な処理中に気分が少しでも落ち込まない様にって優しい香とか……いつも考えてくれてたんだ。時々、ひどく暴れてしまうみたいで、その時は抱きしめてくれてたと思う。ヒート明けに、兄さんの腕とかに引っ掻き傷とか増えてるけど、責められたことなんて1度もない。
「兄さん……は、絶対に手を出したりしない。狂いそうになった時に抱き締めてくれるだけだよ」
抱き締められる腕の力が増す。
「ごめん。大切なお兄さんだよな。疑ってすまない。女装の理由は……男オメガと知られたくなかったんだろう?」
オメガは、貴族からすれば奴隷だ。しかも、男のオメガなんて家畜みたいなものだ。下手をすれば複数人の相手だってありえる。だからこそ、鍛えてもらっていた。生き抜く為に。女の振りは、別の理由がある訳で……これは言えない。まだ信用していいのか分からないから。本人は良い人でも、家族は期待出来ない。立場が違うから、認められる訳が無い。周りの貴族が黙って頷いたりしないはずだ。
反対される。真実を知られたら、もっと家族に危険が及ぶ可能性が高い。
本気で、この国を出た方がいい気がして来た。でも……家族を巻き込むのは、嫌だ。
「───そうですね。家畜にされたくないので」
「そんなこと、させない!」
「───お願いです。俺のこと……忘れて下さい。ネックガードがあって良かった」
にっこりと笑って見せた。この行為は、ヒートに巻き込んだだけのこと。愛なんて何もない。
王子が驚いて抱き締めていた手を弛めた。
「家族に迷惑を掛けられない。うさぎ亭にも来ないで下さい。髪色とか変えても……貴方は目立つから」
これでいい。もう少し力をつけたら、出て行かないといけない。母さんのあの魔術は覚えたから使えるはずだ。
「───逃がすつもりは、無い。店に来るなって言うのなら、直接君の部屋に会いに行くよ。宰相が娘を押し付けたくて、デマを流しているみたいだから、それを先ず解決する。番のはその後だ」
は?何。本気で噛む気なの?
「だから、平民……」
「身分は関係ないし、どうとでもする。そう言う……しがらみ抜きなら、俺の事どう思う?」
身分とか抜きなら……?この人と番うかどうか?
今は、お互いが裸だ。ほど良い筋肉がついた引き締まった身体。昨日の情交がよぎる所有印がある。それって……俺がつけた奴だよね?そして、自身の身体には……
「何これ……」腕、腹、太もも……すごい、跡だらけだ。見えてるだけでこんなにある。
「俺のだってこと」
そう言って、胸を触られて……カプッて食まれてしまえば、まだ残っているフェロモンが溢れてきそうになる。
1人で、シテた時と違う。気持ちが持っていかれる。
「ん。まっ……て」
吸われて、舐められればゾクゾクと興奮してしまう。
「ライラが嫌がっても、離してやれない」
前も蜜がこぼれ、後からも溢れてくる。触って、挿れてと声が出そうになるのを唇を噛み締めて我慢する。
「待って、お願い。考えさせて」
そう答えるので精一杯だ。
「お前しか要らない」
その言葉に歓喜する自分がいる。
そしてまた……貴方に溶けていく。
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