【完結】うさぎ亭の看板娘♂は、第1王子の運命の人。

Shizukuru

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第2章

2ライラの目覚め①

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なんだろう?
いい匂いがする。頭の芯が痺れているみたいだ。急に抱きかかえられたような……腕の中に収まっているような?肌色が視界に入ってきた。
夢?

「にぃ……さん?」
その言葉にびくりと、反応をする。違うのかな?えっと、何があったんだっけ?

更に抱き寄せられて、太ももの近くに何か熱い塊を感じる。片足を取られて、お尻の割れ目をなぞられた。

クチュリと音がした。クプックプッと何か……指が入り込んできた。

「え、なに?」
目線を上げると、金色の髪に美しいエメラルドの双眸がこちらを見ていた。

「まだ、ヒートは完全に終わってないから……辛いならもう一度しようか?」

指先がなぞるのは……嘘。グッと押し込まれる。その瞬間、軽くイッてしまった。なんで裸?ヒート?思わず首を確認するとネックガードがついている。これ、特注のだ。

「ちょっと、まって!何があったか教えて!」

地下迷宮ダンジョンで、ヒートを起こした。君が俺を運命って言ったんだよ。でも、よりによって、兄さんって呼ばれるとは……その理由もちゃんと聞かないとね」

「​───運命?誰と誰が?」

「俺……ジェイク・セリオライトとライラが」

「セリオライト……どこかで聞いたことあるけど?どこだっけ?」

「この国の名前だよ。セリオライト王国」

「あ、そっか。それそれ、王国の……名前って、は?どう言うこと」

「この国の第1王子ってこと」
だいいちおうじ……ってなんだっけ?
第、1……王子?

「は?なんで、え?誰」

「こうして3日も抱き合っているし、何度も俺の名前呼んでくれたよ?寝起きの呼びが気になるところだね」
美形の笑顔が眩しい。

あ、兄さん……地下迷宮ダンジョン触手魔獣ローパーは?どうしたんだろう?

「兄さんは無事?変異種みたいな触手魔獣ローパーはどうなったの?」

「​────だから」
ギュッと抱き寄せられて軽く唇が触れ合う。

「皆、無事だよ。ただ君は俺を運命と認めて、離れないって言ったんだ。君の大好きなが、離れろって言っても抱きついて離れない。ご両親に魔道具を付けられたけれど、効果は無くて……いや運命を引き離す事にはならなかったよ」


運命。この国の第1王子が俺の運命って何言ってるの?

「そんな、ヒート中の気の迷いっ」
唇が塞がれて舌で蹂躙されていく。奥をなぞられ、絡められるとドロリと何かが溢れていく。お腹がキュンとし始めて、軽くイッてしまった俺の中心が上を向く。王子だと言うこの人の熱いそれが擦り付けられると、もどかしくて腰が揺れる。
俺、どうしたんだろう?
欲しい​────って気持ちがむくむくと湧いてきて……擦り寄りそうになる。
落ち着け。キノマヨイこれは、気の迷いだ!

「やめて!」
グイッと押し返した胸板にドキリとしてしまう。何これ。なんでキュンってしてしまうんだろう?

「素直に閉まったけど?」
どこがって……考えてたら羞恥に染まる頬を撫でられる。そのまま、指が鎖骨をなぞり胸の尖りを転がしてくる。後ろと乳首をいじられれば、トロトロと恥ずかしいのに反応しているそこを腹筋が触れてきた。

「この!待ってって言ってるだろう!」
だいたい、平民のオメガが王子と運命とかある訳ないじゃん!監禁とか……されたくない。

「運命なんかない!ヒートに巻き込んだだけ……」

自称第1王子の顔が歪んだ。え?怒らせた?

「君の両親もお兄さんも、あれだけの魔道具を付けたのに、匂いを共有する俺達のこと認めたよ。不安も全部解消するから、待ってて欲しい。人から聞く話や噂に惑わされるな。俺がお前以外を選ぶ事はない」

そんな言葉に単純に反応してしまう。自分から発せられるフェロモンが濃くなったのが、きっとバレた。
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