【完結】うさぎ亭の看板娘♂は、第1王子の運命の人。

Shizukuru

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第2章

4宰相家の人々②

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私は、アイリス・フォスター。この国の宰相を父親に持ち、フォスター侯爵家の長女として教育を受けて来たわ。

宰相という職務を全うする腹黒の父親グレッグ。美容と社交を優先させ長男である兄を溺愛する母親モニカ。甘やかされ過ぎてあまり成績の良くない兄ケインの4人家族なの。

私の趣味は、お金を増やすこと。贅沢をする為に稼ぎたいの。だって増やさないと貧しくなるもの。小さい頃から見てきたの。領地経営に失敗したり、儲け話を鵜呑みにして投資して散財してしまったり。そして、没落していく彼らを。そんなの、絶対に嫌よ。だから、男の名義で…投資をしてるの。勘じゃない、リサーチもちゃんとしてる。だから割りといい感じよ。

父は上手くやっている人。きちんと儲けるコツを分かっているわ。その点兄は駄目だ。この人に任せたら多分没落してしまう。そんなの嫌なの。兄は、名ばかりの領主で構わないから私が経営して行きたい。なのに、女はダメだって言うのよ。なら、良いって言ってくれる人が理想なのよね。
王子の婚約者候補なんて面倒だと思ったんだけど、国を経営できるかも知れないなんて面白そう。外交なら得意だし。

それなのに、探しとか……バカみたいね。オメガなんて子作りだけが得意なんでしょう?けものみたいね。正直子供なんて興味がないのよね。愛人を作ってくれても良いわ。外交にきちんと出てくれればいいし。その子を私の子にしたらいいし。なら、なるべく美しい子がいいわね。なるべく、王子の色の子がいいけど……最悪私に似ていると助かるから、似た色の子を探してもらおうかしら?似てないと我が子って誤魔化せないしね。それに、子供の頃からきちんと勉強させれば……愚かな兄みたいにならないと思うのよね。私みたいなのは、売れ残ると、修道院行きにされそうだから……それも嫌だし。お父様は、本気で王子と結婚させたいのかしら?やっぱり、駒でしかないのかしらね。それが、私の運命なんでしょうね。

国を潰す気なんてないのだから、陛下達も認めてくれないかしら?
私は、男女関係なく一緒に開発とか経営とかして稼いでくれる人が理想なの。能力を認められたいだけ。あんな、馬鹿な兄なんて田舎の領地に母と一緒に隠居して欲しい。

王子も、女をバカにするのかしら?とにかく、女だって経営ができるって認めさせたい。

陛下も王妃も男同士で運命の番とかすごいわよね。その運命の番から生まれた2人の王子は、ともに優秀だとか……なら国を豊かにしたいって、手を取ってくれたらいいのに。運命追っかけてるって……その理由はなんなのかしら?優秀な子が生まれるから?閨の相性の良さを求めているのかしら?両親が運命だったから憧れているとしたら、なおさら私は選ばれないわね……

でも一国の王子が、オメガのケツ……じゃなくて運命を追っかけてるって意味が分からない。優先すべきは国じゃないの?まぁ、好きな人と力を合わせてとか……理想論よね。でもそうね……目の前に両陛下みほんがいるから、面倒なのよね。あ~とにかく、白黒付けてくれないと……時間は有限なのにね。

だって私達貴族は、立場があるのだから。恋愛なんて、二の次でいいの。そう、思わない?

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