【完結】うさぎ亭の看板娘♂は、第1王子の運命の人。

Shizukuru

文字の大きさ
上 下
19 / 58
第1章

18 発情⑥

しおりを挟む
「ライラ…俺の名前を呼んで」
華奢だが、美しい肢体。筋肉が付きにくいのかも知れないが…
無駄がなく引き締まった体をしている。

 か弱い女の子とか、勝手に思いこんでた。必死にオメガの運命に立ち向かっていたんだな。ヒートは、家族で乗り越えてた?
 まさか… 兄に手伝ってもらってないよな?発情期は個人差があるが、5日も過ぎれば落ち着いてくると聞く。父上達は、を3日間続けば収まるようだった。3日後アルファの父上はすこぶる上機嫌で政務に励むし、母上はその後2日間は部屋から出て来れない。会わせてももらえないのは、息子達がアルファだからだろう。深く深く繋がって溶け合うのだと父上が言った。
うなじさえ噛んでしまえば、俺しか認識しなくなる。早く手に入れたが、色んな課題が山積みだ。それでも、俺は 君を逃がさないから。

優しく抱きたいのに、魔道具が外れる度に色白のきめ細やかな肌が薄く淡く色付く。歓喜のような笑顔が溢れて、心を持っていかれてしまうんだ。用意された薄いレースの下着から見え隠れする胸の粒も、滲んで貼りついた下着も色香を纏い俺を誘惑し続ける。

全て脱いで抱きあえばいいのだ。
君がそれを望んでいるのだから。

俺が脱ぎ始めた時に、足を広げて溢れていく蜜の先に指が絡もうとした。
ああ、だめだ。それは、俺が気持ち良くしてあげるところだから。
軽く握れは、腰が浮き自ら揺れていく。
くそ。可愛い。

そして、オメガのフェロモンが溢れかえる。酔ってしまいそうだ。君も俺でいいんだよな?もう逃してやれない。例え今日番えなくても、もう俺のものなのだから。

指で解し、溢れかえる蜜に、物欲しそうなその顔に。己が獣化したとしか思えない。
──貫いた。

一つになっても、止まらないんだ。愛しくて、噛んではいけないそのうなじの青い布が、ただ恨めしく視界に入る。思わず牙を立てそうになる。冷静になれ。背中にキスを落とすと、少し痙攣をしているのかビクビクと小刻みに揺れる。すべてが愛しいとか、本当にあるんだな。

「ライラ、俺の愛は重いから覚悟して。何があっても逃がさない」


揺さぶり、最奥に欲望を突き立てれば、甘やかな吐息と可愛らしい声が聞こえた。

「も、離して、イく。そこばっかり、や… 」

一日中、貪り尽くして我に返る。用意されていた水を飲ませたり、果物を餌付けするように与えた。プライドの高い猫が懐いたようでそれはそれで愛しくなる。

定期的な発情の波に乗って抱く。義務ではなく、ただ悦の中に溺れていく。
父上が強いのは、すべて番の母上のためかも知れない。


俺も、ライラの家族に認められるようになるだけだ。

強く、ありたい。

今はただ、君に溺れていくだけ。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

これはハッピーエンドだ!~モブ妖精、勇者に恋をする~

ツジウチミサト
BL
現実世界からRPGゲームの世界のモブ妖精として転生したエスは、魔王を倒して凱旋した勇者ハルトを寂しそうに見つめていた。彼には、相思相愛の姫と結婚し、仲間を初めとした人々に祝福されるというハッピーエンドが約束されている。そんな彼の幸せを、好きだからこそ見届けられない。ハルトとの思い出を胸に、エスはさよならも告げずに飛び立っていく。 ――そんな切ない妖精に教えるよ。これこそが、本当のハッピーエンドだ! ※ノリと勢いで書いた30分くらいでさくっと読めるハッピーエンドです。全3話。他サイトにも掲載しています。

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

処理中です...