【完結】うさぎ亭の看板娘♂は、第1王子の運命の人。

Shizukuru

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第2章

1 宰相家の人々①

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 王子が、運命を探して地下迷宮ダンジョンのあるウェスタリア領へと度々向かっていると報告を受けている。

全く、運命を信じているとか青臭いな。国王夫妻両親がそうだから憧れるのは分かるが、王国の為にさっさとアイリスと婚約をして欲しいものだ。

身分も教養も問題ない。見た目はをかけている分肌などはシミも無く綺麗だろう。妻と一緒になってやたら高級な化粧品を買い漁っている。妻曰く、美しさは武器になり、ちゃんと元を摂るから大丈夫だと言う。確かにそれで王子が手に入るなら安いがな。
 まぁ、性格が妻に似てキツめだが、好きな男の前で従順になるだろうし。
とりあえず、アルファだからな、最低でランクAのアルファは産むはずだ。最悪どこかで女のオメガを捕まえて愛人にすれば良い。子を産ませればランクSの王子の出来上がりだ。

愛人なら囲っていいのだ。それを娘が産んだことにすれば良いだけだ。どの貴族でもやっているのだ。だから、運命の出会いなんて奇跡だ。こうして監禁されているのだから出会える可能性はさらに低いはずだ。それにある程度したら、処分してしまえば済む。身分の低いオメガなど性奴隷と同じなのだから。

さて、どうしたものか。

「お父様」

「どうした、アイリス」

「まだ、殿下との婚約は成立しないのかしら?王妃教育とかあるのでしょう?本当に面倒なのよ。さっさと決めてもらえませんか?」

「お前ほど、優秀な貴族令嬢はいない。直ぐに王妃教育はこなせるから大丈夫だよ。陛下達が運命などを信じるから、進まぬのだ。第1候補であるのは変わらないから、な?安心して良いんだ」

「他のご令嬢達は、どんどん婚約しています。とか嫌なので、王子に脈がないのなら、隣国の王家でも、第2王子殿下でも構わないのです。私は、年増になって余るとかが嫌なんです」

「お、落ち着け。お前に限って余るとかないからな。それにしても、隣国に嫁ぐ気だったのか?」


「私は、身分が高くお金があればなどどうでもいいのです。世の中お金です。ただ不潔過ぎる方や身分の低い方はいやだわ。多少なら歳上でも、があれば妃教育でも、領地経営でもやります」


「お前は、お金お金と……本当に経営者になりたいのだな?」

「兄上を見ていたら、その才能の無さに驚くからです。母上が甘やかした結果です」

妻が、自分に似た息子を可愛がり過ぎて……どうにも頼りなく育ってしまった。アイリスが男だったら、領地経営も問題ない気がしてしまう。だが、やはり王家に嫁いで欲しいものだ。息子は期待出来ぬからな。アイリスの子が複数出来たら……後継者にしてもいいな。俺が、1人くらい……オメガに産ませてもいいな。
どこかに、適当なオメガはいないだろうか?抱き心地が最高だと聞く。

ウェスタリア領……なら隣国からも人が集まるな。こちらでも、都合のいいオメガを探しておくか。
王子に充てがうのも、のものにするのも、面白いな。

それにしても、女が経営の方を好むのか……あの、フワフワと出て回る王子を名ばかりの国王にして、実権を我が侯爵家が握るのも面白いかも知れない。

ああ、早くアイリスとの婚約を成立させよう。

運命などそんな簡単に転がってはいない事を知るがいい。

婚約を進めるべくそろそろ、動きだすか。国王に謁見の申し出をしよう。
わが娘が将来の王妃になるのか……楽しみだな。



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