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第1章
13 発情②
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潤んだ瞳に見つめられて、抑えが効かない。
だが、触手魔獣を殺らないと駄目だ。
ここに入ってから見る魔獣が全ておかしい。
変異種に見える…何かが起きているのだろうか?
動きが読めない。知っている奴の動きではない。
突然伸びてくる触手を避ける為、ロイドもレンドルも核を狙いにくいみたいだ。
アイツらは強い。核は任せられるだろう。
なら、俺がライラを護るだけだ。
ローブを着せてフードも被せる。
こんな表情を誰にも見せたくない。
────俺のだ。
「しっかり、しがみついてろ」
意図が伝わったのか、首筋にしっかりと捕まってくれた。
柔らかな頬が、俺の首筋に触れる。
愛しさが溢れてくる。
抱えている手に力が入り過ぎそうになるのを、必死で抑えて触手を避ける。
小柄な体は、軽すぎて巨大蚯蚓を倒した剣士には思えない。だからレイピアなんだろうな。重い剣は素早さを殺してしまうし、体が小さいが故に魔術と素早さで魔獣を倒しているのだと納得する。
なんで、男の振りをするんだ?
母親も魔術師でS級なんだから、それを目ざしても良いはずだ。
親に反対されているなら、兄が連れてくるとは思えない。
─────オメガだから?
自分を守る為に強くなろうとしているのか?
皆にバレないように、男装までしてここにいるのか?
俺が、護るのに。
そう思っていたら、突然首筋を軽く食まれる。
柔らかな唇に、その感触に思わずビクついた。
可愛い。
たまらなくて、抱きしめる腕に力が入ってしまった。
駄目だ。
潰してしまいそうだ。
壊さないように、大切に抱き直す。
ロイドが黒剣を核に突き立てた。
───斬。
それをレンドルが氷で固め始める。剣を抜き離脱したロイドを確認すると一気に圧縮した。
急激に魔力が高まるが、レンドルの魔術の方が遥かに強い。本体が粉砕し拳大の魔石がコロンと転がった。
それを見向きもせずに、ロイドがこちらに寄ってくる。
渡さない。
こんな状態のライラを譲る気はない。
「離れろ」
低い声が地下に響く。
離したくない。
だが、彼にとっても大切な妹だ。無理やり奪う訳には行かない。
「地上────うさぎ亭まで連れていく。発情し始めている。事情を話して欲しい」
「お前!」
「ロイドさん。落ち着いて下さい。私も匂いが分かり始めてます。このままより、貴方の家に戻るべきだと思います」
「──くそ」
「俺…の、この人は……俺のもの」
彼女の声がする。
その声に、言葉にロイドの顔が歪んだ。
「そうだよ。ライラ、俺はお前の物だ」
「違う!今は触手魔獣のせいだ!家に……転移するから魔道具の傍に来てくれ」
ロイドの怒りが伝わって来る。だが、俺も譲れない。
「とにかく、両親の許可なく勝手に噛んで番なよ!酩酊状態のライラを犯したりしたら、貴族だろうが……躊躇わないからな」
「大切な彼女を傷つけたりしない」
「お前、きっと振られるよ。早くこっちに来い」
そして、安否連絡の為にレンドルが言の葉蝶をギルドに飛ばした。
俺達は、1度うさぎ亭に戻ることになった。
だが、触手魔獣を殺らないと駄目だ。
ここに入ってから見る魔獣が全ておかしい。
変異種に見える…何かが起きているのだろうか?
動きが読めない。知っている奴の動きではない。
突然伸びてくる触手を避ける為、ロイドもレンドルも核を狙いにくいみたいだ。
アイツらは強い。核は任せられるだろう。
なら、俺がライラを護るだけだ。
ローブを着せてフードも被せる。
こんな表情を誰にも見せたくない。
────俺のだ。
「しっかり、しがみついてろ」
意図が伝わったのか、首筋にしっかりと捕まってくれた。
柔らかな頬が、俺の首筋に触れる。
愛しさが溢れてくる。
抱えている手に力が入り過ぎそうになるのを、必死で抑えて触手を避ける。
小柄な体は、軽すぎて巨大蚯蚓を倒した剣士には思えない。だからレイピアなんだろうな。重い剣は素早さを殺してしまうし、体が小さいが故に魔術と素早さで魔獣を倒しているのだと納得する。
なんで、男の振りをするんだ?
母親も魔術師でS級なんだから、それを目ざしても良いはずだ。
親に反対されているなら、兄が連れてくるとは思えない。
─────オメガだから?
自分を守る為に強くなろうとしているのか?
皆にバレないように、男装までしてここにいるのか?
俺が、護るのに。
そう思っていたら、突然首筋を軽く食まれる。
柔らかな唇に、その感触に思わずビクついた。
可愛い。
たまらなくて、抱きしめる腕に力が入ってしまった。
駄目だ。
潰してしまいそうだ。
壊さないように、大切に抱き直す。
ロイドが黒剣を核に突き立てた。
───斬。
それをレンドルが氷で固め始める。剣を抜き離脱したロイドを確認すると一気に圧縮した。
急激に魔力が高まるが、レンドルの魔術の方が遥かに強い。本体が粉砕し拳大の魔石がコロンと転がった。
それを見向きもせずに、ロイドがこちらに寄ってくる。
渡さない。
こんな状態のライラを譲る気はない。
「離れろ」
低い声が地下に響く。
離したくない。
だが、彼にとっても大切な妹だ。無理やり奪う訳には行かない。
「地上────うさぎ亭まで連れていく。発情し始めている。事情を話して欲しい」
「お前!」
「ロイドさん。落ち着いて下さい。私も匂いが分かり始めてます。このままより、貴方の家に戻るべきだと思います」
「──くそ」
「俺…の、この人は……俺のもの」
彼女の声がする。
その声に、言葉にロイドの顔が歪んだ。
「そうだよ。ライラ、俺はお前の物だ」
「違う!今は触手魔獣のせいだ!家に……転移するから魔道具の傍に来てくれ」
ロイドの怒りが伝わって来る。だが、俺も譲れない。
「とにかく、両親の許可なく勝手に噛んで番なよ!酩酊状態のライラを犯したりしたら、貴族だろうが……躊躇わないからな」
「大切な彼女を傷つけたりしない」
「お前、きっと振られるよ。早くこっちに来い」
そして、安否連絡の為にレンドルが言の葉蝶をギルドに飛ばした。
俺達は、1度うさぎ亭に戻ることになった。
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