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第1章
11 接近③
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あ、不味い。
そう思った時は遅かった。
「こそこそと俺達を見ている理由は何?」
レンドルがフードを下げて顔を見せる。
「レベル上げの為にこちらに来ただけです。戦っている所に出ていけば、獲物の取り合いになってしまうじゃないですか?横取りとか思われたくありませんので。あなた方のレベルも分からないから手を貸すか見極めるために隠れていただけです。逆にあなた方なら横取りをするのですか?」
レンドルがスラスラと正論を述べる。
「なるほどね。そう言う事にしとくよ。行こう」
顔を隠したままのもう1人が気になる。
小柄だ。男なのだろうか?ロイドの恋人か?
だが、剣の腕は相当なものだ。
その時地下から嫌な気配を感じた。
─────不味い。
「地下から出てくるぞ」
すぐにレンドルが反応して高く飛び上がり、陣を作る。
ロイドは、素早く剣を抜き土の盛り上がりかけた所に突き刺す。
だが、手応えがないようだ。
フードの奴が、レイピアに青い炎を纏わせて両手で、地面に剣を突き立てる。そのまま土が盛り上がり突き立てたまま持ち上げられる。
巨大蚯蚓か?だが、変異種にも見える。
剣が抜けないのか?
思わず、地面を蹴り奴の横へ移動する。突き立てている剣の手前を俺の剣でと思った瞬間に蹴りが入ってきた。
慌てて身を翻し、その蹴りを避ける。
「横取りする気はない!」
「────手を借りなくても倒せる。邪魔だ!」
魔力が膨れ上がる。
「ジェイ!離れて!」
レンドルが叫ぶ。
距離を置くと、直ぐにレンドルが防御壁を展開した。
ロイドも片手で多分防御壁を展開している。
巨大蚯蚓が膨れ上がり破裂しかけると同時に膜が張られた。その中でグシャリと潰れ体液が飛び散った。
膜が縮んで、コロンと胡桃大の魔石が転がった。
これを少年1人で倒せるのか。
「思ったより、魔石が小さいな」
ロイドが呟くと、奴が魔石を握りしめてカバンに押し込む。
「でも、純度が高そうだよ」
少し低めだが、この声は───
まさか。そんなはずはない。華奢なあの娘のはずがない。
ロイドのバディの貴族の少年のはずだ。
「行くぞ」
2人が背を向ける。
「待て」
思わず止めに入ってしまう。この声は、低めに装っているとかじゃないよな?
声変わり途中の男の子だよな?
「しつこいな?」
ロイドが殺気を纏わせている。
ぞわり……嫌な感じがした。
まだいる。警鐘がなる。
思わず、剣を構えた。
「────何のつもりだ?」
「動くな」
ロイドの怒りは、分かる。だが、駄目だ。
「ジェイ?」
レンドルには伝わるはずだ。
「まだ、いる」
「なんの気配もしない!いい加減にしろ。俺達に構うな!」
いるんだ。俺は、探索の範囲が広い。
「ジェイがいると言ったら絶対に魔獣はいます!気を抜かないで下さい」
その一声で静まり返った。
「───頼む。動かないでくれ」
そこだ!
少年の後ろだ!
彼の背後へ移動を開始した直後に向きを変えた。
「バカヤロっ!動く、な」
遅かった。
触手魔獣だ。奴の触手が伸びて、少年が慌ててレイピアを振りかざした。
「駄目だ!よせっ!触手は駄目だ。本体を狙え。体液が飛び散る!!」
遅かった。フードの所々が溶けて行く。
不味い。体液だけじゃない。その液は催淫効果が強いんだ。直に浴びたのなら…反応をし始めるはずだ。
「早く、ローブを脱げ」
「嫌だ」
思わず、ロイドより先に奴の傍に瞬間移動してローブを剥ぎ取った。
頬がピンクに染まり、潤んだ青い瞳がこちらを見ていた。
そう思った時は遅かった。
「こそこそと俺達を見ている理由は何?」
レンドルがフードを下げて顔を見せる。
「レベル上げの為にこちらに来ただけです。戦っている所に出ていけば、獲物の取り合いになってしまうじゃないですか?横取りとか思われたくありませんので。あなた方のレベルも分からないから手を貸すか見極めるために隠れていただけです。逆にあなた方なら横取りをするのですか?」
レンドルがスラスラと正論を述べる。
「なるほどね。そう言う事にしとくよ。行こう」
顔を隠したままのもう1人が気になる。
小柄だ。男なのだろうか?ロイドの恋人か?
だが、剣の腕は相当なものだ。
その時地下から嫌な気配を感じた。
─────不味い。
「地下から出てくるぞ」
すぐにレンドルが反応して高く飛び上がり、陣を作る。
ロイドは、素早く剣を抜き土の盛り上がりかけた所に突き刺す。
だが、手応えがないようだ。
フードの奴が、レイピアに青い炎を纏わせて両手で、地面に剣を突き立てる。そのまま土が盛り上がり突き立てたまま持ち上げられる。
巨大蚯蚓か?だが、変異種にも見える。
剣が抜けないのか?
思わず、地面を蹴り奴の横へ移動する。突き立てている剣の手前を俺の剣でと思った瞬間に蹴りが入ってきた。
慌てて身を翻し、その蹴りを避ける。
「横取りする気はない!」
「────手を借りなくても倒せる。邪魔だ!」
魔力が膨れ上がる。
「ジェイ!離れて!」
レンドルが叫ぶ。
距離を置くと、直ぐにレンドルが防御壁を展開した。
ロイドも片手で多分防御壁を展開している。
巨大蚯蚓が膨れ上がり破裂しかけると同時に膜が張られた。その中でグシャリと潰れ体液が飛び散った。
膜が縮んで、コロンと胡桃大の魔石が転がった。
これを少年1人で倒せるのか。
「思ったより、魔石が小さいな」
ロイドが呟くと、奴が魔石を握りしめてカバンに押し込む。
「でも、純度が高そうだよ」
少し低めだが、この声は───
まさか。そんなはずはない。華奢なあの娘のはずがない。
ロイドのバディの貴族の少年のはずだ。
「行くぞ」
2人が背を向ける。
「待て」
思わず止めに入ってしまう。この声は、低めに装っているとかじゃないよな?
声変わり途中の男の子だよな?
「しつこいな?」
ロイドが殺気を纏わせている。
ぞわり……嫌な感じがした。
まだいる。警鐘がなる。
思わず、剣を構えた。
「────何のつもりだ?」
「動くな」
ロイドの怒りは、分かる。だが、駄目だ。
「ジェイ?」
レンドルには伝わるはずだ。
「まだ、いる」
「なんの気配もしない!いい加減にしろ。俺達に構うな!」
いるんだ。俺は、探索の範囲が広い。
「ジェイがいると言ったら絶対に魔獣はいます!気を抜かないで下さい」
その一声で静まり返った。
「───頼む。動かないでくれ」
そこだ!
少年の後ろだ!
彼の背後へ移動を開始した直後に向きを変えた。
「バカヤロっ!動く、な」
遅かった。
触手魔獣だ。奴の触手が伸びて、少年が慌ててレイピアを振りかざした。
「駄目だ!よせっ!触手は駄目だ。本体を狙え。体液が飛び散る!!」
遅かった。フードの所々が溶けて行く。
不味い。体液だけじゃない。その液は催淫効果が強いんだ。直に浴びたのなら…反応をし始めるはずだ。
「早く、ローブを脱げ」
「嫌だ」
思わず、ロイドより先に奴の傍に瞬間移動してローブを剥ぎ取った。
頬がピンクに染まり、潤んだ青い瞳がこちらを見ていた。
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