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54.ロードデン王国③
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何が起きてるか分からなくなっていた。
一旦離れた、唇をじっと見つめてしまう。
「驚き過ぎ。キースが好きな人の為に頑張るのなら。俺も好きな人に信じて貰えるようになりたい」
「好き……? 僕を?」
混乱する頭で、言葉にすると少しづつ状況を理解して行く。
「カイル様が、僕を好き?」
「俺も力をつける。絶対にシェリルを守る。今すぐじゃなくていい。黒兎はティムされた魔獣だ。寂しいのなら俺に甘えて欲しい」
もう一度、キスされて。ギュッと抱き締められた。
「ま、待って……ください。ぼ、僕は」
クロと恋人……契約関係? 契約印が?そんな事言ってもいいのかな。魔獣との契約印って言ったら、カイル様は。
クロが、殺される?
血の気が引いた。駄目だ、今クロを呼んだら絶対駄目だ。
「急に、そんな事を言われても……」
「分かってる。シェリルが俺をそんな目で見てない事も知ってる。ただ知って欲しい。今は俺がシェリルを恋愛の意味で好きだって事を、信じてくれるだけでいいんだ」
真剣な表情に嘘はきっとない。
隠し事をしてるのは、僕だ。クロが魔物だって分かってるのに。
それにカイル様は、勇者でこの世界から愛される人なのだ。僕なんて選んじゃ駄目だ。キース様が思っているような素敵な方と、僕は違う。
でも、気持ちは嬉しかった。もう嫌われてないんだ。
「──はい。お気持ちだけで嬉しいです。それしか……答えられなくて」
「身分も関係ない。俺は諦めないから。こんな事を言ったら、警戒されて添い寝は断られるかな? クロがいないと寂しいんだろ?」
「だ、大丈夫です。明日は転移門に行くので……ロードデン王国は、僕達に協力的ならいいですけど」
「マリアがいるからな。リタ神聖国の神官だ。詠唱も得意だからマリアに色々頼んでいる。たぶん聖遺物の説得は、シェリルに頼む事になりそうだけどね」
また、ダンジョンに行く事になる。見つけた後に適合者がいなければ……王国の聖騎士が名乗りを上げて来る可能性がある。
「危険は、魔法騎士に押付けて。嫌になるわね」
そうマリア様が、ため息をついていた。
「キース様が、選ばれたらいいですね」
好きな人のためにも。
好きな人。
僕は、契約したからクロと居たいのかな?
僕は……クロの事、どう思っているのだろう?
「本当に、無防備過ぎる」
ずっと抱き締められている。それにようやく、気がついた。
「カイル様、あの」
「眠れそうか?」
「──はい」
「いつでも、俺を呼んでいいんだ。もう一人で泣いたりしないで」
「ありがとうこざいます。明日から、そのがんばりましょう……ね」
ダンジョンの中で、クロを呼んでみよう。その方がきっと……声が届く気がした。
まずは、クロに相談してからだ。
一旦離れた、唇をじっと見つめてしまう。
「驚き過ぎ。キースが好きな人の為に頑張るのなら。俺も好きな人に信じて貰えるようになりたい」
「好き……? 僕を?」
混乱する頭で、言葉にすると少しづつ状況を理解して行く。
「カイル様が、僕を好き?」
「俺も力をつける。絶対にシェリルを守る。今すぐじゃなくていい。黒兎はティムされた魔獣だ。寂しいのなら俺に甘えて欲しい」
もう一度、キスされて。ギュッと抱き締められた。
「ま、待って……ください。ぼ、僕は」
クロと恋人……契約関係? 契約印が?そんな事言ってもいいのかな。魔獣との契約印って言ったら、カイル様は。
クロが、殺される?
血の気が引いた。駄目だ、今クロを呼んだら絶対駄目だ。
「急に、そんな事を言われても……」
「分かってる。シェリルが俺をそんな目で見てない事も知ってる。ただ知って欲しい。今は俺がシェリルを恋愛の意味で好きだって事を、信じてくれるだけでいいんだ」
真剣な表情に嘘はきっとない。
隠し事をしてるのは、僕だ。クロが魔物だって分かってるのに。
それにカイル様は、勇者でこの世界から愛される人なのだ。僕なんて選んじゃ駄目だ。キース様が思っているような素敵な方と、僕は違う。
でも、気持ちは嬉しかった。もう嫌われてないんだ。
「──はい。お気持ちだけで嬉しいです。それしか……答えられなくて」
「身分も関係ない。俺は諦めないから。こんな事を言ったら、警戒されて添い寝は断られるかな? クロがいないと寂しいんだろ?」
「だ、大丈夫です。明日は転移門に行くので……ロードデン王国は、僕達に協力的ならいいですけど」
「マリアがいるからな。リタ神聖国の神官だ。詠唱も得意だからマリアに色々頼んでいる。たぶん聖遺物の説得は、シェリルに頼む事になりそうだけどね」
また、ダンジョンに行く事になる。見つけた後に適合者がいなければ……王国の聖騎士が名乗りを上げて来る可能性がある。
「危険は、魔法騎士に押付けて。嫌になるわね」
そうマリア様が、ため息をついていた。
「キース様が、選ばれたらいいですね」
好きな人のためにも。
好きな人。
僕は、契約したからクロと居たいのかな?
僕は……クロの事、どう思っているのだろう?
「本当に、無防備過ぎる」
ずっと抱き締められている。それにようやく、気がついた。
「カイル様、あの」
「眠れそうか?」
「──はい」
「いつでも、俺を呼んでいいんだ。もう一人で泣いたりしないで」
「ありがとうこざいます。明日から、そのがんばりましょう……ね」
ダンジョンの中で、クロを呼んでみよう。その方がきっと……声が届く気がした。
まずは、クロに相談してからだ。
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