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51.二人で過ごす夜②
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シェリルは、疲れていたのか話している途中からウトウトし始めた。
カクンッとしては、ハッとしてこちらを申し訳なさそうに見る。
ベッドに乗せて、靴やズボンを脱がせているうちに寝てしまった。
本当に無防備だ。
「だから、心配になるんだよ」
ベッドの奥へ寝かせブランケットをかけてやる。
テーブルの上を片付けて、照明を暗くした。手前の方で横になって、シェリルの方を向く。少し手を伸ばして、頭を撫でると僅かに瞳が開いた。
「──クロ?」
なんで、また幻影兎と勘違いするんだろう?
「ごめん。起こした」
ぼんやりしたままのシェリルが、笑う。
無防備で、可愛らしく……抱き締めたいと思うほどだ。
寝ぼけているシェリルに手を出す訳にはいかない。
そう思って向きを変えて、シェリルの顔を見ないようにした。
「──クロ、どうしたの? いつもみたいにギュッてして。その方が眠れるから」
いつもみたい? いつも一緒に寝ているのか?
ベッドがギシリと動いた。
シェリルが、背中に抱きついている。
「え? シェリル?」
「くっついて……て。安心する……クロおやすみなさい」
なんでクロと間違えているんだ。シェリルの顔が見たくて、抱き着いてきた手を優しくはがした。
向きを変えると、とろんと眠そうな顔をしている。
「シェリル……」
名を呼ぶと、シェリルの手が首すじに回ってきて胸元に擦り寄ってきた。
「クロ離れちゃやだ」
間違ってる。だからなんで黒兎と間違うんだ。
「シェリル」
スゥスゥと寝息が聞こえてきた。
まだ、背中から抱きつかれている方が良かった。
細い体の線が分かる。ズボンを脱がせた事を後悔する。
「生殺しだ」
いや、明日このまま起きたら俺はやばい事になる。
離れるべきと思うのに、こんなに甘えられた事がなくて離したくない気持ちが強くなって来た。
「シェリル、好きだ」
深く眠ってしまったシェリルには届かない。
「どうやったら、伝わる? 愛してるって言っても、きっと本気にはしてくれないんだ」
全て、俺がして来た事のせいだ。抱き締め返して、背中を擦る。全てが愛おしい。巻き込んでしまった事を謝罪した。
「シェリル。メンバーに選ばなければ、伯爵領で幸せだったのかも知れない。危険な事に巻き込んでごめん。絶対に死なせない。そばに居たかったんだ。大好きだよ」
必ず、無事に帰すから。
「おやすみ。楽しい時間をありがとう」
そう言って、軽い眠りの魔法を自分にかけた。そうしないと、シェリルに手を出してしまいそうだから。ただ深い眠りだと、敵に襲われた時に対応出来なくなるから。
勇者の願い石に見張りをと告げると、石が少しだけ輝いた。
カクンッとしては、ハッとしてこちらを申し訳なさそうに見る。
ベッドに乗せて、靴やズボンを脱がせているうちに寝てしまった。
本当に無防備だ。
「だから、心配になるんだよ」
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「──クロ?」
なんで、また幻影兎と勘違いするんだろう?
「ごめん。起こした」
ぼんやりしたままのシェリルが、笑う。
無防備で、可愛らしく……抱き締めたいと思うほどだ。
寝ぼけているシェリルに手を出す訳にはいかない。
そう思って向きを変えて、シェリルの顔を見ないようにした。
「──クロ、どうしたの? いつもみたいにギュッてして。その方が眠れるから」
いつもみたい? いつも一緒に寝ているのか?
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「え? シェリル?」
「くっついて……て。安心する……クロおやすみなさい」
なんでクロと間違えているんだ。シェリルの顔が見たくて、抱き着いてきた手を優しくはがした。
向きを変えると、とろんと眠そうな顔をしている。
「シェリル……」
名を呼ぶと、シェリルの手が首すじに回ってきて胸元に擦り寄ってきた。
「クロ離れちゃやだ」
間違ってる。だからなんで黒兎と間違うんだ。
「シェリル」
スゥスゥと寝息が聞こえてきた。
まだ、背中から抱きつかれている方が良かった。
細い体の線が分かる。ズボンを脱がせた事を後悔する。
「生殺しだ」
いや、明日このまま起きたら俺はやばい事になる。
離れるべきと思うのに、こんなに甘えられた事がなくて離したくない気持ちが強くなって来た。
「シェリル、好きだ」
深く眠ってしまったシェリルには届かない。
「どうやったら、伝わる? 愛してるって言っても、きっと本気にはしてくれないんだ」
全て、俺がして来た事のせいだ。抱き締め返して、背中を擦る。全てが愛おしい。巻き込んでしまった事を謝罪した。
「シェリル。メンバーに選ばなければ、伯爵領で幸せだったのかも知れない。危険な事に巻き込んでごめん。絶対に死なせない。そばに居たかったんだ。大好きだよ」
必ず、無事に帰すから。
「おやすみ。楽しい時間をありがとう」
そう言って、軽い眠りの魔法を自分にかけた。そうしないと、シェリルに手を出してしまいそうだから。ただ深い眠りだと、敵に襲われた時に対応出来なくなるから。
勇者の願い石に見張りをと告げると、石が少しだけ輝いた。
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