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18.雑用係
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アルト様から薬草やポーションを沢山いただいた。
マーティス様からは新しいフードローブだ。とても軽くて動きやすい。
リリー様からは、暗器のスペアや解毒剤の作り方のレシピ等だ。
きちんと皆に別れの挨拶をした。もしかしたら、二度と会えなくなるかも知れないから。
魔王討伐メンバーは、王宮で陛下による王命を受けているはずだ。その後バルコニーに出てくると聞いた。
しばらくして四人の討伐メンバーが、バルコニーに出揃い王国民に紹介されると大歓声があがる。
我が国の第一王子や第二王女もバルコニーで手を振っていた。第一王女はすでに隣国に嫁いでいるため、勇者の婚約者候補として第二王女の存在をアピールしているようだった。
噂ではクロッカス国の王女もカイル様に、一目惚れしたそうだ。すでに婚約の打診が王家から伯爵家にも送られて来ているとか。
これで、魔王討伐が出来ればカイル様は、王族入りも間違いないと思う。
ただし……無事に生きて帰って来た場合の条件付きにはなる。
討伐メンバーに選ばれた唯一の女性は、リタ神聖国のマリア様だ。
神聖国の神官であり、ヒーラーだ。防御系も得意とする方らしい。
腰まであるストレートの灰白の髪と瞳の色は、この国には珍しい色だ。神聖国の方では、割と多いらしい。
身長と同じ位の長さの水晶付き細長杖を持っているのは、神官としても上位の証だ。
キース様は、大陸の南にあるロードデン王国の魔法騎士だ。背中に刃の大きな剣を背負っている。僕では、重力魔法を使わないと持ち上げる事も難しいと思う。赤毛の短髪で焦げ茶眼でとても大柄だ。歳もカイル様より五つ歳上で、迫力のある方だ。
最後にテオ様は、エルフであり魔法師だ。何回かダンジョンで補助してもらった。いまだに、僕に興味が無いみたいで名前も呼ばれた事がない。多分、一緒にいた事も覚えていない気がしている。
弓の腕前は、この国でも上位だと思う。銀髪緑眼、肩より長い髪にエルフ独特の耳が見える為とても目立つ人だ。
そして、このバルコニーに僕は立つことはなかった。一緒行くのは、討伐目的ではなく……雑用係だからだ。
民衆に混ざってフードを被り、バルコニーを見上げている。
皆が紹介されていくのを、離れた所で見ている。そばにいてくれてるのは、アルト様だけだ。
「シェリル。何時でもやめて帰って来ていいよ。もう、行かなくてもいい」
「カイル様と一緒に帰ってきますよ」
「こんな、扱い……許せねぇ」
「その言葉使い。せっかくの美人が、台無しですから」
アルト様は顔に傷があっても、女性冒険者にしか見えないのだ。
僕は、雑用でいざと言う時にカイル様を護れたらそれで良いのだから。伯爵家で、伯爵様からも息子を護って欲しいと頼まれた。
「違う。カイルが心が狭すぎ。ったく。シェリルを見せたくないからって、魔王討伐のメンバーなのに」
「あはは。余っ程、僕は嫌われてますよね……アルト様それでも、最後に役に立てたら、今までの恩返しになるかな?」
ギュッとアルト様に抱きしめられる。
「私が教えてあげれる事は、ほとんど教えた。カイルの目立つなは、無視していい。死んだら許さない。魔物でも何でもティムしていいから。絶対に帰っておいで」
( アルト様、大好き)
思わず抱きしめ返した。
「はい。また一緒にダンジョン行ってください」
「ああもう。こっちを睨むんじゃないよ。ばーか」
アルト様の顔を見上げると、なんでもないよって笑った。
アルト様は見た目美女だから、嫉妬されたのかもしれない。
◇◆◇
そして、いよいよ出発する事になった。
魔王城へ向かうまでに、魔王を封じるのに役立つと言う聖遺物を探して進まないと行けない。聖遺物は残り四つだ。
一つ目は、既にカイル様が勇者と認められた勇者の願い石だから。
神殿から記録を貰っていて、次の聖女の髪飾りを探しに行く。
記録の解読には古語を読める方がいい為、僕がカイル様をサポートする事になったのだ。
同じ馬車に乗って、移動中も解読を少しでも進める。
マリア様達は三人で別の馬車に乗ることになったのだ。
マーティス様からは新しいフードローブだ。とても軽くて動きやすい。
リリー様からは、暗器のスペアや解毒剤の作り方のレシピ等だ。
きちんと皆に別れの挨拶をした。もしかしたら、二度と会えなくなるかも知れないから。
魔王討伐メンバーは、王宮で陛下による王命を受けているはずだ。その後バルコニーに出てくると聞いた。
しばらくして四人の討伐メンバーが、バルコニーに出揃い王国民に紹介されると大歓声があがる。
我が国の第一王子や第二王女もバルコニーで手を振っていた。第一王女はすでに隣国に嫁いでいるため、勇者の婚約者候補として第二王女の存在をアピールしているようだった。
噂ではクロッカス国の王女もカイル様に、一目惚れしたそうだ。すでに婚約の打診が王家から伯爵家にも送られて来ているとか。
これで、魔王討伐が出来ればカイル様は、王族入りも間違いないと思う。
ただし……無事に生きて帰って来た場合の条件付きにはなる。
討伐メンバーに選ばれた唯一の女性は、リタ神聖国のマリア様だ。
神聖国の神官であり、ヒーラーだ。防御系も得意とする方らしい。
腰まであるストレートの灰白の髪と瞳の色は、この国には珍しい色だ。神聖国の方では、割と多いらしい。
身長と同じ位の長さの水晶付き細長杖を持っているのは、神官としても上位の証だ。
キース様は、大陸の南にあるロードデン王国の魔法騎士だ。背中に刃の大きな剣を背負っている。僕では、重力魔法を使わないと持ち上げる事も難しいと思う。赤毛の短髪で焦げ茶眼でとても大柄だ。歳もカイル様より五つ歳上で、迫力のある方だ。
最後にテオ様は、エルフであり魔法師だ。何回かダンジョンで補助してもらった。いまだに、僕に興味が無いみたいで名前も呼ばれた事がない。多分、一緒にいた事も覚えていない気がしている。
弓の腕前は、この国でも上位だと思う。銀髪緑眼、肩より長い髪にエルフ独特の耳が見える為とても目立つ人だ。
そして、このバルコニーに僕は立つことはなかった。一緒行くのは、討伐目的ではなく……雑用係だからだ。
民衆に混ざってフードを被り、バルコニーを見上げている。
皆が紹介されていくのを、離れた所で見ている。そばにいてくれてるのは、アルト様だけだ。
「シェリル。何時でもやめて帰って来ていいよ。もう、行かなくてもいい」
「カイル様と一緒に帰ってきますよ」
「こんな、扱い……許せねぇ」
「その言葉使い。せっかくの美人が、台無しですから」
アルト様は顔に傷があっても、女性冒険者にしか見えないのだ。
僕は、雑用でいざと言う時にカイル様を護れたらそれで良いのだから。伯爵家で、伯爵様からも息子を護って欲しいと頼まれた。
「違う。カイルが心が狭すぎ。ったく。シェリルを見せたくないからって、魔王討伐のメンバーなのに」
「あはは。余っ程、僕は嫌われてますよね……アルト様それでも、最後に役に立てたら、今までの恩返しになるかな?」
ギュッとアルト様に抱きしめられる。
「私が教えてあげれる事は、ほとんど教えた。カイルの目立つなは、無視していい。死んだら許さない。魔物でも何でもティムしていいから。絶対に帰っておいで」
( アルト様、大好き)
思わず抱きしめ返した。
「はい。また一緒にダンジョン行ってください」
「ああもう。こっちを睨むんじゃないよ。ばーか」
アルト様の顔を見上げると、なんでもないよって笑った。
アルト様は見た目美女だから、嫉妬されたのかもしれない。
◇◆◇
そして、いよいよ出発する事になった。
魔王城へ向かうまでに、魔王を封じるのに役立つと言う聖遺物を探して進まないと行けない。聖遺物は残り四つだ。
一つ目は、既にカイル様が勇者と認められた勇者の願い石だから。
神殿から記録を貰っていて、次の聖女の髪飾りを探しに行く。
記録の解読には古語を読める方がいい為、僕がカイル様をサポートする事になったのだ。
同じ馬車に乗って、移動中も解読を少しでも進める。
マリア様達は三人で別の馬車に乗ることになったのだ。
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