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35.集う

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新しい王が立ち上がったと影からの連絡が来た。

そしてガルシアの地下迷宮にいる魔物を退治に来いと言う。

「面白い。ガルシアからの民を受け入れよ!行くぞ。我らも。」

帝国の魔術騎士に召集をかけ、《瞬間移動テディト
でガルシア王国の地下迷宮ダンジョンの入り口へ向かう。

騎士、魔術師、冒険者と言われるダンジョン攻略を目的とする者が溢れかえっていた。
どさくさに紛れて宝を得ようとする者。王族に気に入られて出世を願う者。
魔物を本気で倒そうとする者。
そして、王を見たい者。

王とは───
叶夢か?アシェルか?

あそこか?

さらに、大きな魔力の塊が移動して来た。

セオドア・バトラーか!
デラクール国の筆頭魔術師が乗り込んできたのか。

濃紺髪・紅目か間違いないな。

に接触する。」
エイダンとヒューゴを連れて移動する。

遠目に、アシェルの髪色が目に入る。やはりアシェルが戻ったのだろうか?

いや、あれは──
「叶夢か?」

ゆっくりとこちらに視線を合わせた。
髪色は違うが、叶夢がそこにいる。

隣りにいた背の高い男が、一歩前に出て庇う。

「貴方は、帝国のルカニア王子ですね?」

「ああ。」
後ろのエイダンが「アシェル王子の側近、ディランです。」と耳打ちして来た。
なるほど、これは強そうだな。

「アシェル王子では、ないようだが?隣国の魔術師俺たちを簡単に介入させていいのか?」

セオドアも側にやって来た。
「お会いしたかったです。
と呼ぶべきでしょうか?王家の血筋である事は分かります。一緒に戦うのなら、名をお聞かせ頂きたい。」

クロスウェルにデラクールの者が現れたのだ。

叶夢の周りいた魔術師や騎士が距離をとった。

ディランが、横へと移動する。新王の逆隣りは、なるほどだな。セオドアに勝るとも劣らない魔力量だ。
ディランは、整った顔の精悍な青年だが。
ノアは、美麗だが冷徹な感じの魔術師と言ったところか?


真ん中にいるのが新王。
アシェルではない。

ガルシア王家の髪色に、深緑の瞳の儚げな青年が立っている。

叶夢かなめ。カナメ・ガルシアかな?」

何故か、隣りに居るノアに確認をとる。

「そうだね。アシェル王子の兄になるわけだしねぇ。」


その場が一瞬氷つく様に静まりかえった。

「アシェル王子の兄上?アシェル王子は、今何処に?」
セオドアが更に質問をする。

叶夢が胸に手をあてて
「ここに。僕の中に、弟はいます。」
継承者の指輪を付けたその手を見せた。

「どう言う意味だ?」
思わず、声にだした。

「ルカニア王子。


意味が知りたい?そのまんまだよ?

アシェルは、デラクールの魔術師に致命傷を与えられた。結果、僕に全てを託して亡くなったよ。」

その場が氷つくどころか、爆弾を落とした。

そして、にっこりとセオドアを見て笑ったのだ。







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