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28.隠れ家
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「何も眠らせなくても。」
ディランが、叶夢を抱きかかえる。
「随分と過保護ね。ノア。
色々、報告あるんでしょう?
私も、あるわよ~。」
「とりあえず、叶夢の部屋はある?ベッドに連れて行こう。」
「オッケ~。ダンジョン内なんだから、狭いのは許してね。
ディランが入り口横の部屋よ。
侵入者対応ね!
その隣の部屋は、ノアと叶夢。
同室にしたわ。
叶夢のフォローは、ノアがダントツだもの。
私が奥の部屋。そこに万が一の為、脱出用の陣が張れるようにしているわ。
錬金用の部屋も用意したわよ!
叶夢には、色々教え込まないとね。」
「エミリー。色々ありがとうな。とりあえず、運ぶか。」
落とさないように、ディランが抱え直していた。
その時──
「へぇ。ここが、隠れ家になるんだ。」
脱力してディランに寄りかかっていた叶夢の身体が、姿勢を保ち俺やエミリーを見つめる。
「なっ。叶夢?」
「降ろしてくれる?
やっぱり、王国だと魔素が多くて、身体が軽い。
あ、可愛いエミリーのドリンクのおかげでもあるね。ありがとう。」
「あら~。イケメン発言ね。
褒めて頂いてありがたいわねぇ。
で、アンタは、誰なの?」
エミリーが、叶夢を抱えたままのディランの前に立ち塞がる。
「知らなくて、良い事だってあるよ?ちょっと、挨拶しに行きたいだけだよ。」
「ふ~ん。
前回それで、魔術師1人屠ったのアンタ?」
「レオンとカティの敵討ちしたのは、悪い事?」
「全然。良いわよ。もっと、苦しめてやりたいくらいだったけどね。
でも、その身体アンタのじゃないでしょう?
私達は、叶夢に人を殺めさせたくないだけよ。」
「レオンとカティは特別だったから。叶夢には悪かったよ。
手を下したのは、俺。
ていうか…蟲?
駆除出来ない奴が悪いんじゃない?
だから、叶夢は関係ない。
で、その時に付けられた印を消してきたいんだよ。
これのせいで、叶夢に迷惑かけているだろう?
あの、変態王子を殴らないと気が済まないしね。」
「叶夢は、何されたんだ!」
「濃厚なキスだけだよ。
俺にとっても、叶夢は大切だからさ。あんな変態には、あげたくないんだ。君じゃ消せなかったんだろう?
エミリー、帰りの分のドリンクもらってく。」
「ちょっ、いつの間にとったの?」
「ちゃんと、振り切って帰って来るからさ。《瞬間移動》」
「待て!!!」
手を振って空間に溶け込んでいく。
「何度も同じ手に、ひっかかるわけないだろ?」
「エミリー、ディラン。行ってくる。」
ふっ、と笑い──
《隠密》
《瞬間移動》
そして、ノアも姿を消した───
ディランが、叶夢を抱きかかえる。
「随分と過保護ね。ノア。
色々、報告あるんでしょう?
私も、あるわよ~。」
「とりあえず、叶夢の部屋はある?ベッドに連れて行こう。」
「オッケ~。ダンジョン内なんだから、狭いのは許してね。
ディランが入り口横の部屋よ。
侵入者対応ね!
その隣の部屋は、ノアと叶夢。
同室にしたわ。
叶夢のフォローは、ノアがダントツだもの。
私が奥の部屋。そこに万が一の為、脱出用の陣が張れるようにしているわ。
錬金用の部屋も用意したわよ!
叶夢には、色々教え込まないとね。」
「エミリー。色々ありがとうな。とりあえず、運ぶか。」
落とさないように、ディランが抱え直していた。
その時──
「へぇ。ここが、隠れ家になるんだ。」
脱力してディランに寄りかかっていた叶夢の身体が、姿勢を保ち俺やエミリーを見つめる。
「なっ。叶夢?」
「降ろしてくれる?
やっぱり、王国だと魔素が多くて、身体が軽い。
あ、可愛いエミリーのドリンクのおかげでもあるね。ありがとう。」
「あら~。イケメン発言ね。
褒めて頂いてありがたいわねぇ。
で、アンタは、誰なの?」
エミリーが、叶夢を抱えたままのディランの前に立ち塞がる。
「知らなくて、良い事だってあるよ?ちょっと、挨拶しに行きたいだけだよ。」
「ふ~ん。
前回それで、魔術師1人屠ったのアンタ?」
「レオンとカティの敵討ちしたのは、悪い事?」
「全然。良いわよ。もっと、苦しめてやりたいくらいだったけどね。
でも、その身体アンタのじゃないでしょう?
私達は、叶夢に人を殺めさせたくないだけよ。」
「レオンとカティは特別だったから。叶夢には悪かったよ。
手を下したのは、俺。
ていうか…蟲?
駆除出来ない奴が悪いんじゃない?
だから、叶夢は関係ない。
で、その時に付けられた印を消してきたいんだよ。
これのせいで、叶夢に迷惑かけているだろう?
あの、変態王子を殴らないと気が済まないしね。」
「叶夢は、何されたんだ!」
「濃厚なキスだけだよ。
俺にとっても、叶夢は大切だからさ。あんな変態には、あげたくないんだ。君じゃ消せなかったんだろう?
エミリー、帰りの分のドリンクもらってく。」
「ちょっ、いつの間にとったの?」
「ちゃんと、振り切って帰って来るからさ。《瞬間移動》」
「待て!!!」
手を振って空間に溶け込んでいく。
「何度も同じ手に、ひっかかるわけないだろ?」
「エミリー、ディラン。行ってくる。」
ふっ、と笑い──
《隠密》
《瞬間移動》
そして、ノアも姿を消した───
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