59 / 61
58約束の答え①※
しおりを挟む
レライエは馬車の中でもセラフィーレを抱えたまま降ろしてくれず、離宮に着いた後は、部屋へと抱えたまま連れて行かれた。
「レイ……大丈夫? 今日は一人で眠った方がゆっくり出来るんじゃないかな?気を張って疲れたでしょう?」
そう言ってレライエを見ると切なそうな、苦しそうな顔で見つめ返されて、視線を外すことが出来ない。
「体を保つことは……無理ですか? 消えてしまいますか?」
「──え? 」
「約束したでしょう?夜に続きをと」
十八歳になったレライエ。成人するまでは、キス以上のことは駄目だと言ってきた。口説き落とすと言ってきたのは本気だった?
(本当に僕でいいの?)
人に近くても人ではない守護者で、ゲームの中で名も無き精霊のような枠だった。
キリエが選んだのは、テオ。真っ直ぐに向かう想いが伝わって来た。きっと第一王子殿下と何処かに接点があるのだ。殿下は覚えていなくても、キリエの中にあり続ける想い。
セラフィーレもレライエに向ける想いが、保護者のように護りたいからすでに越えてしまっている、その気持ちの自覚はある。
──それでも、怖い。
「人には、なれない……よ。後悔させるかも……」
「後悔なんて、する訳がない。結界を……誰にも邪魔されない様に」
ベッドに寝かされて、薬指の青いダイヤにキスをレライエが落とした。
一つに結んでいた髪のリボンは解かれて、優しく頬に触れた手が、唇を確認するかの様に優しく触れて来る。
不意に口内に指が入り、舌まで触れてきても、嫌な気持ちにはならない。
「ん……」
指が離れると、レライエの顔が近づいて来たので、思わず目を閉じるとおでこに唇が触れた。勘違いした自分に恥ずかしくなり、思わず目を開けた瞬間に唇が重なった……。目の前にある美形に驚いて、また慌てて目を閉じる。
緊張したまま、唇が何度なく食まれていく。息が上手く吸えなくて顔をずらし、唇を少しだけ開いた瞬間に舌が入り込んで来た。
「あ……んッ」
お腹の奥が熱を帯びてくる。空いた片手がシャツの裾から脇を触れて薄い胸に辿り着く。キュンと下腹部に響く不思議な感覚と胸の小さな粒を摘まれて、ビクンと体が跳ねる。
しばらく、捏ねたりつままれたり、その感触を確かめているみたいで、恥ずかしさで目を開けることが出来ない。
つい跳ねて反応してしまう体。羞恥なのか、熱を帯びていく。下腹部が変になって太ももを擦り合わせて、甘い痺れを必死に逃そうとした。裾から手を抜きセラフィーレの太もも辺りに跨って、シャツのタイを抜き取ると、ボタンが少しずつ外されていく。
経験が無くても、何をされようとしているのか分からない訳ではない。男だから、するとしたらあの場所しかない事も、知識としてはある。女性ではないから、決して濡れないあの場所でレライエを受け止める事が出来るのか、気持ちよくなってくれるのか?不安で堪らないのだ。
(幻滅……しないかな?)
「──あ、あの、ね。経験したことがないから。レイが気持ちよくなれなかったらごめんね」
手が止まってしまったので、恐る恐る眼を開けた。
「──レイ?無理しなくても、僕は……平気だ……んッ」
激しく口内を暴れる舌が、奥へと入り込む。抵抗するように舌を押し返せば、絡まれて、水音が耳に届いた。
「ん、あ……」
シャツの前は、開かれていて胸を捏ねる手とは別の、もう片方の手がズボンを下げた。
外気に晒された陰茎に、ヒヤリと空気が触れて、狭い下着の中から出されたことで、熱を持ち立ち上がる。
今までだって、誰にも触られたりした事のない場所を見られて一気に頬が熱くなった。体を捻ろうとも出来ず、手を伸ばして隠そうとしたのがバレたのか、大きなレライエの手で両手首を頭上で押さえつけられた。途中で止まっていたズボンと下着は簡単に抜き取られてしまう。
いつの間にか足を広げるように間に体が入り込んでいる。チュッ、チュッとしばらくキスが降り続いたが、ピタッと止まった時……レライエの声が聞こえてきた。
「寒くないですか?部屋を少し温めましょうか……上も全部脱がせたいので」
レライエは、服を脱いでない。
「レイだけ、服着てる……ずるい」
思わず漏れた言葉に、レライエが反応した。
「レイ……大丈夫? 今日は一人で眠った方がゆっくり出来るんじゃないかな?気を張って疲れたでしょう?」
そう言ってレライエを見ると切なそうな、苦しそうな顔で見つめ返されて、視線を外すことが出来ない。
「体を保つことは……無理ですか? 消えてしまいますか?」
「──え? 」
「約束したでしょう?夜に続きをと」
十八歳になったレライエ。成人するまでは、キス以上のことは駄目だと言ってきた。口説き落とすと言ってきたのは本気だった?
(本当に僕でいいの?)
人に近くても人ではない守護者で、ゲームの中で名も無き精霊のような枠だった。
キリエが選んだのは、テオ。真っ直ぐに向かう想いが伝わって来た。きっと第一王子殿下と何処かに接点があるのだ。殿下は覚えていなくても、キリエの中にあり続ける想い。
セラフィーレもレライエに向ける想いが、保護者のように護りたいからすでに越えてしまっている、その気持ちの自覚はある。
──それでも、怖い。
「人には、なれない……よ。後悔させるかも……」
「後悔なんて、する訳がない。結界を……誰にも邪魔されない様に」
ベッドに寝かされて、薬指の青いダイヤにキスをレライエが落とした。
一つに結んでいた髪のリボンは解かれて、優しく頬に触れた手が、唇を確認するかの様に優しく触れて来る。
不意に口内に指が入り、舌まで触れてきても、嫌な気持ちにはならない。
「ん……」
指が離れると、レライエの顔が近づいて来たので、思わず目を閉じるとおでこに唇が触れた。勘違いした自分に恥ずかしくなり、思わず目を開けた瞬間に唇が重なった……。目の前にある美形に驚いて、また慌てて目を閉じる。
緊張したまま、唇が何度なく食まれていく。息が上手く吸えなくて顔をずらし、唇を少しだけ開いた瞬間に舌が入り込んで来た。
「あ……んッ」
お腹の奥が熱を帯びてくる。空いた片手がシャツの裾から脇を触れて薄い胸に辿り着く。キュンと下腹部に響く不思議な感覚と胸の小さな粒を摘まれて、ビクンと体が跳ねる。
しばらく、捏ねたりつままれたり、その感触を確かめているみたいで、恥ずかしさで目を開けることが出来ない。
つい跳ねて反応してしまう体。羞恥なのか、熱を帯びていく。下腹部が変になって太ももを擦り合わせて、甘い痺れを必死に逃そうとした。裾から手を抜きセラフィーレの太もも辺りに跨って、シャツのタイを抜き取ると、ボタンが少しずつ外されていく。
経験が無くても、何をされようとしているのか分からない訳ではない。男だから、するとしたらあの場所しかない事も、知識としてはある。女性ではないから、決して濡れないあの場所でレライエを受け止める事が出来るのか、気持ちよくなってくれるのか?不安で堪らないのだ。
(幻滅……しないかな?)
「──あ、あの、ね。経験したことがないから。レイが気持ちよくなれなかったらごめんね」
手が止まってしまったので、恐る恐る眼を開けた。
「──レイ?無理しなくても、僕は……平気だ……んッ」
激しく口内を暴れる舌が、奥へと入り込む。抵抗するように舌を押し返せば、絡まれて、水音が耳に届いた。
「ん、あ……」
シャツの前は、開かれていて胸を捏ねる手とは別の、もう片方の手がズボンを下げた。
外気に晒された陰茎に、ヒヤリと空気が触れて、狭い下着の中から出されたことで、熱を持ち立ち上がる。
今までだって、誰にも触られたりした事のない場所を見られて一気に頬が熱くなった。体を捻ろうとも出来ず、手を伸ばして隠そうとしたのがバレたのか、大きなレライエの手で両手首を頭上で押さえつけられた。途中で止まっていたズボンと下着は簡単に抜き取られてしまう。
いつの間にか足を広げるように間に体が入り込んでいる。チュッ、チュッとしばらくキスが降り続いたが、ピタッと止まった時……レライエの声が聞こえてきた。
「寒くないですか?部屋を少し温めましょうか……上も全部脱がせたいので」
レライエは、服を脱いでない。
「レイだけ、服着てる……ずるい」
思わず漏れた言葉に、レライエが反応した。
228
お気に入りに追加
889
あなたにおすすめの小説
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
王命で第二王子と婚姻だそうです(王子目線追加)
かのこkanoko
BL
第二王子と婚姻せよ。
はい?
自分、末端貴族の冴えない魔法使いですが?
しかも、男なんですが?
BL初挑戦!
ヌルイです。
王子目線追加しました。
沢山の方に読んでいただき、感謝します!!
6月3日、BL部門日間1位になりました。
ありがとうございます!!!
【BL】婚約破棄で『不能男』認定された公爵に憑依したから、やり返すことにした。~計画で元婚約者の相手を狙ったら溺愛された~
楠ノ木雫
BL
俺が憑依したのは、容姿端麗で由緒正しい公爵家の当主だった。憑依する前日、婚約者に婚約破棄をされ『不能男認定』をされた、クズ公爵に。
これから俺がこの公爵として生きていくことになっしまったが、流石の俺も『不能男』にはキレたため、元婚約者に仕返しをする事を決意する。
計画のために、元婚約者の今の婚約者、第二皇子を狙うが……
※以前作ったものを改稿しBL版にリメイクしました。
※他のサイトにも投稿しています。
可愛い悪役令息(攻)はアリですか?~恥を知った元我儘令息は、超恥ずかしがり屋さんの陰キャイケメンに生まれ変わりました~
狼蝶
BL
――『恥を知れ!』
婚約者にそう言い放たれた瞬間に、前世の自分が超恥ずかしがり屋だった記憶を思い出した公爵家次男、リツカ・クラネット8歳。
小姓にはいびり倒したことで怯えられているし、実の弟からは馬鹿にされ見下される日々。婚約者には嫌われていて、専属家庭教師にも未来を諦められている。
おまけに自身の腹を摘まむと大量のお肉・・・。
「よしっ、ダイエットしよう!」と決意しても、人前でダイエットをするのが恥ずかしい!
そんな『恥』を知った元悪役令息っぽい少年リツカが、彼を嫌っていた者たちを悩殺させてゆく(予定)のお話。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる