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58約束の答え①※
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レライエは馬車の中でもセラフィーレを抱えたまま降ろしてくれず、離宮に着いた後は、部屋へと抱えたまま連れて行かれた。
「レイ……大丈夫? 今日は一人で眠った方がゆっくり出来るんじゃないかな?気を張って疲れたでしょう?」
そう言ってレライエを見ると切なそうな、苦しそうな顔で見つめ返されて、視線を外すことが出来ない。
「体を保つことは……無理ですか? 消えてしまいますか?」
「──え? 」
「約束したでしょう?夜に続きをと」
十八歳になったレライエ。成人するまでは、キス以上のことは駄目だと言ってきた。口説き落とすと言ってきたのは本気だった?
(本当に僕でいいの?)
人に近くても人ではない守護者で、ゲームの中で名も無き精霊のような枠だった。
キリエが選んだのは、テオ。真っ直ぐに向かう想いが伝わって来た。きっと第一王子殿下と何処かに接点があるのだ。殿下は覚えていなくても、キリエの中にあり続ける想い。
セラフィーレもレライエに向ける想いが、保護者のように護りたいからすでに越えてしまっている、その気持ちの自覚はある。
──それでも、怖い。
「人には、なれない……よ。後悔させるかも……」
「後悔なんて、する訳がない。結界を……誰にも邪魔されない様に」
ベッドに寝かされて、薬指の青いダイヤにキスをレライエが落とした。
一つに結んでいた髪のリボンは解かれて、優しく頬に触れた手が、唇を確認するかの様に優しく触れて来る。
不意に口内に指が入り、舌まで触れてきても、嫌な気持ちにはならない。
「ん……」
指が離れると、レライエの顔が近づいて来たので、思わず目を閉じるとおでこに唇が触れた。勘違いした自分に恥ずかしくなり、思わず目を開けた瞬間に唇が重なった……。目の前にある美形に驚いて、また慌てて目を閉じる。
緊張したまま、唇が何度なく食まれていく。息が上手く吸えなくて顔をずらし、唇を少しだけ開いた瞬間に舌が入り込んで来た。
「あ……んッ」
お腹の奥が熱を帯びてくる。空いた片手がシャツの裾から脇を触れて薄い胸に辿り着く。キュンと下腹部に響く不思議な感覚と胸の小さな粒を摘まれて、ビクンと体が跳ねる。
しばらく、捏ねたりつままれたり、その感触を確かめているみたいで、恥ずかしさで目を開けることが出来ない。
つい跳ねて反応してしまう体。羞恥なのか、熱を帯びていく。下腹部が変になって太ももを擦り合わせて、甘い痺れを必死に逃そうとした。裾から手を抜きセラフィーレの太もも辺りに跨って、シャツのタイを抜き取ると、ボタンが少しずつ外されていく。
経験が無くても、何をされようとしているのか分からない訳ではない。男だから、するとしたらあの場所しかない事も、知識としてはある。女性ではないから、決して濡れないあの場所でレライエを受け止める事が出来るのか、気持ちよくなってくれるのか?不安で堪らないのだ。
(幻滅……しないかな?)
「──あ、あの、ね。経験したことがないから。レイが気持ちよくなれなかったらごめんね」
手が止まってしまったので、恐る恐る眼を開けた。
「──レイ?無理しなくても、僕は……平気だ……んッ」
激しく口内を暴れる舌が、奥へと入り込む。抵抗するように舌を押し返せば、絡まれて、水音が耳に届いた。
「ん、あ……」
シャツの前は、開かれていて胸を捏ねる手とは別の、もう片方の手がズボンを下げた。
外気に晒された陰茎に、ヒヤリと空気が触れて、狭い下着の中から出されたことで、熱を持ち立ち上がる。
今までだって、誰にも触られたりした事のない場所を見られて一気に頬が熱くなった。体を捻ろうとも出来ず、手を伸ばして隠そうとしたのがバレたのか、大きなレライエの手で両手首を頭上で押さえつけられた。途中で止まっていたズボンと下着は簡単に抜き取られてしまう。
いつの間にか足を広げるように間に体が入り込んでいる。チュッ、チュッとしばらくキスが降り続いたが、ピタッと止まった時……レライエの声が聞こえてきた。
「寒くないですか?部屋を少し温めましょうか……上も全部脱がせたいので」
レライエは、服を脱いでない。
「レイだけ、服着てる……ずるい」
思わず漏れた言葉に、レライエが反応した。
「レイ……大丈夫? 今日は一人で眠った方がゆっくり出来るんじゃないかな?気を張って疲れたでしょう?」
そう言ってレライエを見ると切なそうな、苦しそうな顔で見つめ返されて、視線を外すことが出来ない。
「体を保つことは……無理ですか? 消えてしまいますか?」
「──え? 」
「約束したでしょう?夜に続きをと」
十八歳になったレライエ。成人するまでは、キス以上のことは駄目だと言ってきた。口説き落とすと言ってきたのは本気だった?
(本当に僕でいいの?)
人に近くても人ではない守護者で、ゲームの中で名も無き精霊のような枠だった。
キリエが選んだのは、テオ。真っ直ぐに向かう想いが伝わって来た。きっと第一王子殿下と何処かに接点があるのだ。殿下は覚えていなくても、キリエの中にあり続ける想い。
セラフィーレもレライエに向ける想いが、保護者のように護りたいからすでに越えてしまっている、その気持ちの自覚はある。
──それでも、怖い。
「人には、なれない……よ。後悔させるかも……」
「後悔なんて、する訳がない。結界を……誰にも邪魔されない様に」
ベッドに寝かされて、薬指の青いダイヤにキスをレライエが落とした。
一つに結んでいた髪のリボンは解かれて、優しく頬に触れた手が、唇を確認するかの様に優しく触れて来る。
不意に口内に指が入り、舌まで触れてきても、嫌な気持ちにはならない。
「ん……」
指が離れると、レライエの顔が近づいて来たので、思わず目を閉じるとおでこに唇が触れた。勘違いした自分に恥ずかしくなり、思わず目を開けた瞬間に唇が重なった……。目の前にある美形に驚いて、また慌てて目を閉じる。
緊張したまま、唇が何度なく食まれていく。息が上手く吸えなくて顔をずらし、唇を少しだけ開いた瞬間に舌が入り込んで来た。
「あ……んッ」
お腹の奥が熱を帯びてくる。空いた片手がシャツの裾から脇を触れて薄い胸に辿り着く。キュンと下腹部に響く不思議な感覚と胸の小さな粒を摘まれて、ビクンと体が跳ねる。
しばらく、捏ねたりつままれたり、その感触を確かめているみたいで、恥ずかしさで目を開けることが出来ない。
つい跳ねて反応してしまう体。羞恥なのか、熱を帯びていく。下腹部が変になって太ももを擦り合わせて、甘い痺れを必死に逃そうとした。裾から手を抜きセラフィーレの太もも辺りに跨って、シャツのタイを抜き取ると、ボタンが少しずつ外されていく。
経験が無くても、何をされようとしているのか分からない訳ではない。男だから、するとしたらあの場所しかない事も、知識としてはある。女性ではないから、決して濡れないあの場所でレライエを受け止める事が出来るのか、気持ちよくなってくれるのか?不安で堪らないのだ。
(幻滅……しないかな?)
「──あ、あの、ね。経験したことがないから。レイが気持ちよくなれなかったらごめんね」
手が止まってしまったので、恐る恐る眼を開けた。
「──レイ?無理しなくても、僕は……平気だ……んッ」
激しく口内を暴れる舌が、奥へと入り込む。抵抗するように舌を押し返せば、絡まれて、水音が耳に届いた。
「ん、あ……」
シャツの前は、開かれていて胸を捏ねる手とは別の、もう片方の手がズボンを下げた。
外気に晒された陰茎に、ヒヤリと空気が触れて、狭い下着の中から出されたことで、熱を持ち立ち上がる。
今までだって、誰にも触られたりした事のない場所を見られて一気に頬が熱くなった。体を捻ろうとも出来ず、手を伸ばして隠そうとしたのがバレたのか、大きなレライエの手で両手首を頭上で押さえつけられた。途中で止まっていたズボンと下着は簡単に抜き取られてしまう。
いつの間にか足を広げるように間に体が入り込んでいる。チュッ、チュッとしばらくキスが降り続いたが、ピタッと止まった時……レライエの声が聞こえてきた。
「寒くないですか?部屋を少し温めましょうか……上も全部脱がせたいので」
レライエは、服を脱いでない。
「レイだけ、服着てる……ずるい」
思わず漏れた言葉に、レライエが反応した。
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