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44顔合わせ
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安定した魔力で、体の重みを実感する。レライエにエスコートされ、皆の元へと行くとメイド服姿のメグがせっかくだからと、髪を綺麗に銀色のリボンと一緒に編み込んで後ろに一つで結んでくれた。
「セーレ様。服もお似合いですね」
「そう?ちょっと……可愛い過ぎる気がするけど」
フリルが付いたシャツなんて、着たことがない。量販店の長袖シャツにデニムが普段着だった。おしゃれなどとは縁遠く、ゲームの世界の騎士服等は憧れと言うよりキャラデザインの一つだったので、自身が着るとコスプレ感が半端ない。六花姉が見たら、きっと爆笑するだろう。どう考えてもメグの方が似合いそうだ。周りを見ると、セバスもディードも、ご機嫌でセラフィーレがここにいる事を普通に受け入れている。
セラフィーレ・ハルファスが真名になるけれど、正直まだこの名は言わない方がいいのだろう。神子たちが浄化が済ませて、この世界が落ち着いてから正直に話したい。
万が一に備えておかないと、距離を取っているはずの人達が近付いてきているように思う。
「セーレです。レイの成人祝賀会のパートナーになる予定です。あまり詳しい事情が言えないのですが、レライエ殿下を護る為に僕が存在する事を信じていただけないでしょうか?」
ディードが一度笑顔になって、それから騎士の礼をとる。
「もちろんです。レライエ殿下をこの先もずっと護って下さい。セーレ様の身分もセバスと共に、手続きが終わっていますので、その辺りも説明を彼が担当してくれますよ」
「ディ……ありがとう。セバスさんもよろしくお願いします」
セバスが次に傍に来たのだが、歩く姿もすごく綺麗で格好良いのだ。雰囲気がとても柔らかくて、上流階級のようなそんな華がある。
「セーレ様。実は私も、セーレ様の姿を時々お見かけしていました。精霊様が離宮に居着いてくれたのだと思いました。離宮にあった闇の様な雰囲気が変わり、本当に浄化されているのではないかと思うようになったのです。レライエ殿下をずっと護るだけではなく、私達も護っているのでしょう?無理をし過ぎず、私共も頼って下さいね」
レライエの離宮にいる人達スペックが高くない?隠れきれてないって、毒見とか知ってたのかと思うと、頬が赤く染まっていくようだ。
「もしかして、僕って最初から丸見えだったの?ディは見えてなかったよね?」
メグが、お茶を用意してこちらに寄ってきた。
「ディード様が来て、二年過ぎたころからでしょうか?レライエ殿下が成長し始めて、魔力が安定して来ると、殿下の傍に綺麗な方が見えるようになりましたの。透けていましたので、屋敷幽霊かとも思いましたわ。セバスさんが言うように、浄化されている感じがして、悪いものではないと、見守っていたのですよ。なんせ殿下の纏う空気が、優しくなりましたもの」
レライエとセーレ用にカップが並べられる。ニコッと優しく笑うと美人にしか見えない。この人が男性だと思うと複雑だけど、BLゲームの隠しキャラだと思えば当然の美しさだ。
「──それに、殿下の毒見をしてくださった。感謝しかありません。マーガレットもきっと、喜んでくれています。セーレ様に、俺も忠誠の誓いを」
メイド服なのに格好良いメイシアに照れてしまう。手をスッと取られて指先にキスをされて、心臓はバクバクだった。
いつの間にか傍に来た、レライエに抱きかかえられる。今は実体化しているので重い筈なのに、軽く抱きかかえられ膝の上に乗せてられる。
「あ、毒見?メイシアごめんね。メイシアが淹れてくれたお茶を信じてないわけじゃなくて。レイが口にするものは、全部僕が毒見したいだけなんだ」
なぜか皆が優しい顔になっている。良かった変に誤解されなくて、と思い口を開けるとティースプーンを口に運ばれる。
「レイ。大丈夫だよ」
そう言うと、レライエが頷いてお茶を口にした。
「セーレ様。服もお似合いですね」
「そう?ちょっと……可愛い過ぎる気がするけど」
フリルが付いたシャツなんて、着たことがない。量販店の長袖シャツにデニムが普段着だった。おしゃれなどとは縁遠く、ゲームの世界の騎士服等は憧れと言うよりキャラデザインの一つだったので、自身が着るとコスプレ感が半端ない。六花姉が見たら、きっと爆笑するだろう。どう考えてもメグの方が似合いそうだ。周りを見ると、セバスもディードも、ご機嫌でセラフィーレがここにいる事を普通に受け入れている。
セラフィーレ・ハルファスが真名になるけれど、正直まだこの名は言わない方がいいのだろう。神子たちが浄化が済ませて、この世界が落ち着いてから正直に話したい。
万が一に備えておかないと、距離を取っているはずの人達が近付いてきているように思う。
「セーレです。レイの成人祝賀会のパートナーになる予定です。あまり詳しい事情が言えないのですが、レライエ殿下を護る為に僕が存在する事を信じていただけないでしょうか?」
ディードが一度笑顔になって、それから騎士の礼をとる。
「もちろんです。レライエ殿下をこの先もずっと護って下さい。セーレ様の身分もセバスと共に、手続きが終わっていますので、その辺りも説明を彼が担当してくれますよ」
「ディ……ありがとう。セバスさんもよろしくお願いします」
セバスが次に傍に来たのだが、歩く姿もすごく綺麗で格好良いのだ。雰囲気がとても柔らかくて、上流階級のようなそんな華がある。
「セーレ様。実は私も、セーレ様の姿を時々お見かけしていました。精霊様が離宮に居着いてくれたのだと思いました。離宮にあった闇の様な雰囲気が変わり、本当に浄化されているのではないかと思うようになったのです。レライエ殿下をずっと護るだけではなく、私達も護っているのでしょう?無理をし過ぎず、私共も頼って下さいね」
レライエの離宮にいる人達スペックが高くない?隠れきれてないって、毒見とか知ってたのかと思うと、頬が赤く染まっていくようだ。
「もしかして、僕って最初から丸見えだったの?ディは見えてなかったよね?」
メグが、お茶を用意してこちらに寄ってきた。
「ディード様が来て、二年過ぎたころからでしょうか?レライエ殿下が成長し始めて、魔力が安定して来ると、殿下の傍に綺麗な方が見えるようになりましたの。透けていましたので、屋敷幽霊かとも思いましたわ。セバスさんが言うように、浄化されている感じがして、悪いものではないと、見守っていたのですよ。なんせ殿下の纏う空気が、優しくなりましたもの」
レライエとセーレ用にカップが並べられる。ニコッと優しく笑うと美人にしか見えない。この人が男性だと思うと複雑だけど、BLゲームの隠しキャラだと思えば当然の美しさだ。
「──それに、殿下の毒見をしてくださった。感謝しかありません。マーガレットもきっと、喜んでくれています。セーレ様に、俺も忠誠の誓いを」
メイド服なのに格好良いメイシアに照れてしまう。手をスッと取られて指先にキスをされて、心臓はバクバクだった。
いつの間にか傍に来た、レライエに抱きかかえられる。今は実体化しているので重い筈なのに、軽く抱きかかえられ膝の上に乗せてられる。
「あ、毒見?メイシアごめんね。メイシアが淹れてくれたお茶を信じてないわけじゃなくて。レイが口にするものは、全部僕が毒見したいだけなんだ」
なぜか皆が優しい顔になっている。良かった変に誤解されなくて、と思い口を開けるとティースプーンを口に運ばれる。
「レイ。大丈夫だよ」
そう言うと、レライエが頷いてお茶を口にした。
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