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28結界の魔導具②
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とにかくメグが用意してくれる魔導具を待とう、と言うレライエとディードの言葉によって焦らない事にした。
その後、メグが持ち込んだ魔導具がとんでもない物だった。
「いや、これは……一体どこから?」
(聖遺物……とか……言わないよね?)
「俺はこう言う物に疎いので、何とも」
レライエは本当に気にしてないようだ。ディードを見ると、顔色が悪い気がする。
「この裏にある紋章……なんか、王立図書館の禁書庫扉にありませんでしたか?以前、テオドール殿下の護衛の時、チラッと見た気がします」
「本当?──じゃあこれ、聖遺物だったりして……」
(怖っ、待って……課金とか出来ないのに、メグって何枠の隠れキャラ?)
「まあ、試しましょう。まずは結界を頑丈にして、セーレ様が二度と結界を張らなくていいようにする」
「──え、そんなに凄いものなんですか?この小さいのが?」
ディードは驚いてレライエに聞き返している。形は指輪で魔石がついている。どうみても、日本で言うところの婚約指輪みたいでキラキラしている。リングは繊細な模様が彫刻されていて、ダイヤモンドはプリンセスカットだ。姉がいつか欲しいって言っていた形の指輪のカットだ。内側の不思議な模様があって、それが禁書庫で見たことがあるって隠れキャラ恐るべしだ。
(これ、宝物庫とか、どっかのダンジョンとか、闇市とか……盗みに入ったとかかも)
「まさか──盗んだとか、じゃないよね?」
「何の所有者の魔法も付けられてないので、それを付けたら大丈夫だと、メグが言ってました」
「そうなんだ……あはは。ならレイが所有者に」
「嫌です」
「へ?」
「俺はただでさえ、セーレ様を所有してますから。万が一この魔導具まで俺のだとバレたら、王妃に睨まれるかも知れません」
「あああ、そう、そうかもね。じゃ、じゃあ、ディードに」
「そんな恐れ多い!!嫌です!!」
「ええ……どうしよう」
「セーレ様が所有者になって下さい。そうすれば安心です。セーレ様なら悪用しないでしょう?元からセーレ様の魔導具って認識されるなら、俺もディードにも影響がないです。俺やここを守る為に結界をずっと張ってくれてるようなものです。ずっと一緒にいるんですから、ね?」
(そうなの?僕がつけるの?)
期待に満ちた瞳に押されて頷くしかない。一緒にいる理由になるのならいいのかな?そうだ、ずっと護るのだ。覚悟して返事を返すことにした。
「もちろん、レイをずっと護りたいから。こんなすごい物身に付けていいのか、僕にはもったいない気がするけど……レイがいいって言うなら、指輪に所有契約するね」
セラフィーレの実体は魔導書でありチートアイテムだから、引き寄せるのかなと、内心ドキドキしている。
「どの指につけようかな?左手の薬指だと、僕の世界では婚姻の証とか愛の証なんだよね。指輪は、恋人からもらったりあげたりするんだよ。それぞれの指に意味があったと思うんだけど……左の小指はチャンス、運を引き寄せるみたいな意味だった。右の親指だと、好感度を上げるかな?どうしようかな?左の小指に」
「セーレ様。左の薬指とは、どの指ですか?」
「ん? この指だよ」
そう言って、左手の薬指を指差した。
何かぶつぶつ言ったレライエが、セラフィーレの手を握る。不思議に思いそのまま見ていたら、薬指に指輪をはめられた。
「ここに、付けていて下さい」
「ここ?」
「セーレ様が契約した後に、俺の魔力も付与していいですか?この指が一番似合いそうなんで」
(似合う……?石も大きいから確かに小指だとバランスが悪いかも)
「分かった。やってみるね」
集中して、契約魔法を詠唱すると、指にしっくりと馴染んでいく。すると、すぐにレライエの魔力が流れて来た。
「えええ!嘘。待って、ダイヤモンドの色が変わったんだけど」
「俺の色ですね」
俺の色……推しからの、破壊力抜群の過ぎる言葉にクラクラする。
「とりあえず、結界を切り替えてみて下さい」
気を取り直して、魔導具から結界の魔法をかけてみることにした。
その後、メグが持ち込んだ魔導具がとんでもない物だった。
「いや、これは……一体どこから?」
(聖遺物……とか……言わないよね?)
「俺はこう言う物に疎いので、何とも」
レライエは本当に気にしてないようだ。ディードを見ると、顔色が悪い気がする。
「この裏にある紋章……なんか、王立図書館の禁書庫扉にありませんでしたか?以前、テオドール殿下の護衛の時、チラッと見た気がします」
「本当?──じゃあこれ、聖遺物だったりして……」
(怖っ、待って……課金とか出来ないのに、メグって何枠の隠れキャラ?)
「まあ、試しましょう。まずは結界を頑丈にして、セーレ様が二度と結界を張らなくていいようにする」
「──え、そんなに凄いものなんですか?この小さいのが?」
ディードは驚いてレライエに聞き返している。形は指輪で魔石がついている。どうみても、日本で言うところの婚約指輪みたいでキラキラしている。リングは繊細な模様が彫刻されていて、ダイヤモンドはプリンセスカットだ。姉がいつか欲しいって言っていた形の指輪のカットだ。内側の不思議な模様があって、それが禁書庫で見たことがあるって隠れキャラ恐るべしだ。
(これ、宝物庫とか、どっかのダンジョンとか、闇市とか……盗みに入ったとかかも)
「まさか──盗んだとか、じゃないよね?」
「何の所有者の魔法も付けられてないので、それを付けたら大丈夫だと、メグが言ってました」
「そうなんだ……あはは。ならレイが所有者に」
「嫌です」
「へ?」
「俺はただでさえ、セーレ様を所有してますから。万が一この魔導具まで俺のだとバレたら、王妃に睨まれるかも知れません」
「あああ、そう、そうかもね。じゃ、じゃあ、ディードに」
「そんな恐れ多い!!嫌です!!」
「ええ……どうしよう」
「セーレ様が所有者になって下さい。そうすれば安心です。セーレ様なら悪用しないでしょう?元からセーレ様の魔導具って認識されるなら、俺もディードにも影響がないです。俺やここを守る為に結界をずっと張ってくれてるようなものです。ずっと一緒にいるんですから、ね?」
(そうなの?僕がつけるの?)
期待に満ちた瞳に押されて頷くしかない。一緒にいる理由になるのならいいのかな?そうだ、ずっと護るのだ。覚悟して返事を返すことにした。
「もちろん、レイをずっと護りたいから。こんなすごい物身に付けていいのか、僕にはもったいない気がするけど……レイがいいって言うなら、指輪に所有契約するね」
セラフィーレの実体は魔導書でありチートアイテムだから、引き寄せるのかなと、内心ドキドキしている。
「どの指につけようかな?左手の薬指だと、僕の世界では婚姻の証とか愛の証なんだよね。指輪は、恋人からもらったりあげたりするんだよ。それぞれの指に意味があったと思うんだけど……左の小指はチャンス、運を引き寄せるみたいな意味だった。右の親指だと、好感度を上げるかな?どうしようかな?左の小指に」
「セーレ様。左の薬指とは、どの指ですか?」
「ん? この指だよ」
そう言って、左手の薬指を指差した。
何かぶつぶつ言ったレライエが、セラフィーレの手を握る。不思議に思いそのまま見ていたら、薬指に指輪をはめられた。
「ここに、付けていて下さい」
「ここ?」
「セーレ様が契約した後に、俺の魔力も付与していいですか?この指が一番似合いそうなんで」
(似合う……?石も大きいから確かに小指だとバランスが悪いかも)
「分かった。やってみるね」
集中して、契約魔法を詠唱すると、指にしっくりと馴染んでいく。すると、すぐにレライエの魔力が流れて来た。
「えええ!嘘。待って、ダイヤモンドの色が変わったんだけど」
「俺の色ですね」
俺の色……推しからの、破壊力抜群の過ぎる言葉にクラクラする。
「とりあえず、結界を切り替えてみて下さい」
気を取り直して、魔導具から結界の魔法をかけてみることにした。
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