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手紙屋☆伝えたい想い
6.
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「ん……」
三葉が身じろぐと、大福がソファを降りて寧々子の方にやって来た。
一度お座りをして、ジッと見つめて来る。大福と目を合わせていると、二人の会話が聞こえてきた。
「三葉」
「おかあ……さん? どうして?」
「倒れてたの。鴉間神社の方が、様子がおかしいから直ぐに来て欲しいって連絡があったの」
「そ……なん、だ。あっ、四葉ちゃんの」
「四葉のお友達なら来てくれてるわよ。偶然にも神社の方とお知り合いみたいで。お若いのに、信心深いのね」
「四葉ちゃんのお友達……? 手紙……さんじゃなくて、友達? 」
三葉が確認するように呟いている。
手紙屋の私が、四葉の友達になってる? 璃桜を見たら、唇に人差し指を一瞬あてていた。
「そっか……そうだった。四葉ちゃんの手紙……破ったの私だ」
「倒れて混乱したのかしら? そっか。四葉からの手紙をやぶっちゃったのね」
既にこの世にいない娘からの手紙だ。生きてる時に書いたものと思ったとしても、気にならないはずはない。
娘の遺した手紙なのだから。
それでも、三葉が傷つかない事を優先しているのだろう。
四葉が三葉にだけ届けたかったからか、母親にまでその効果が薄いのかも知れない。
全部寧々子の想像に過ぎない。
ここに璃桜が駆けつけて来た理由は、あの時手紙に触れたからだろうか?
そんな風に思ってしまう。
璃桜は、視えるだけじゃなくて何か力があるのかな?
全部終わったら、何でここに来たのか直接話したい。
だって、こうなる事が分かったから、璃桜は来てくれたはずだ。
今は璃桜の話に合わせないと、この変な状況だと私達が不審者になってしまう。
じっとしていた大福が飛び上がって、膝に乗ってきた。
「うわっ」
見た目のふくよかさとは違って軽くストンと収まる。
「大福が……」
「えっ大福? あらごめんなさい。お腹すいたわよね? お茶の一つも気が利かなくて、ちょっと待っててね」
立ち上がってカウンターキッチンの方へ行ってしまった。
この隙に少し璃桜の方に顔を寄せて、小声で確認をする事にした。
「り、璃桜さん? 大福って皆に見えてないんですか?」
「まあ、普通の人には見えないな」
「え、嘘でしょう?お兄さん猫を抱っこしてたのに」
「へぇ、そんな風に兄貴の事見てたんだ」
「だって、妖じゃないって。それにお兄さんは手紙見えてなかったから、猫は本物だと思って……」
自分には、はっきり視えてしまうから、境が分からないのだ。
生きている存在なのか、別なのか。
突然、ペロリと頬を舐められる。
手紙を持っている手の上を前足でふみふみされ始めた。
「えっ、え? ちょっと何してるの?」
「単なる猫の気まぐれかも知れない。黒猫を気にいったとか?」
「その、黒猫呼びって」
「名前から、友達にそう呼ばれたりしない?」
「ないです」
璃桜の視線がスっと下がった。彼の指の示す先を追う。
「終わったみたいだ。──手紙元に戻ってるよ」
破れた封筒綺麗に戻っていた。
三葉が身じろぐと、大福がソファを降りて寧々子の方にやって来た。
一度お座りをして、ジッと見つめて来る。大福と目を合わせていると、二人の会話が聞こえてきた。
「三葉」
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「四葉ちゃんのお友達……? 手紙……さんじゃなくて、友達? 」
三葉が確認するように呟いている。
手紙屋の私が、四葉の友達になってる? 璃桜を見たら、唇に人差し指を一瞬あてていた。
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既にこの世にいない娘からの手紙だ。生きてる時に書いたものと思ったとしても、気にならないはずはない。
娘の遺した手紙なのだから。
それでも、三葉が傷つかない事を優先しているのだろう。
四葉が三葉にだけ届けたかったからか、母親にまでその効果が薄いのかも知れない。
全部寧々子の想像に過ぎない。
ここに璃桜が駆けつけて来た理由は、あの時手紙に触れたからだろうか?
そんな風に思ってしまう。
璃桜は、視えるだけじゃなくて何か力があるのかな?
全部終わったら、何でここに来たのか直接話したい。
だって、こうなる事が分かったから、璃桜は来てくれたはずだ。
今は璃桜の話に合わせないと、この変な状況だと私達が不審者になってしまう。
じっとしていた大福が飛び上がって、膝に乗ってきた。
「うわっ」
見た目のふくよかさとは違って軽くストンと収まる。
「大福が……」
「えっ大福? あらごめんなさい。お腹すいたわよね? お茶の一つも気が利かなくて、ちょっと待っててね」
立ち上がってカウンターキッチンの方へ行ってしまった。
この隙に少し璃桜の方に顔を寄せて、小声で確認をする事にした。
「り、璃桜さん? 大福って皆に見えてないんですか?」
「まあ、普通の人には見えないな」
「え、嘘でしょう?お兄さん猫を抱っこしてたのに」
「へぇ、そんな風に兄貴の事見てたんだ」
「だって、妖じゃないって。それにお兄さんは手紙見えてなかったから、猫は本物だと思って……」
自分には、はっきり視えてしまうから、境が分からないのだ。
生きている存在なのか、別なのか。
突然、ペロリと頬を舐められる。
手紙を持っている手の上を前足でふみふみされ始めた。
「えっ、え? ちょっと何してるの?」
「単なる猫の気まぐれかも知れない。黒猫を気にいったとか?」
「その、黒猫呼びって」
「名前から、友達にそう呼ばれたりしない?」
「ないです」
璃桜の視線がスっと下がった。彼の指の示す先を追う。
「終わったみたいだ。──手紙元に戻ってるよ」
破れた封筒綺麗に戻っていた。
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