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リスタート
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相変わらずの日々の中で、黒須家に璃桜は馴染んでしまった。
家庭教師の日は、夕食を自然と一緒に取ったりと自然と会話も増えた。だんだんと璃桜の人となりを理解していく。
璃桜が来ると縁も嬉しそうだ。しかも今日は、大福までいる。
「手紙が来てるのが、分かったのかな?」
「黒猫が届けに行くの?」
「ん……分からない。ちょっと縁さんが悩んでて。何となく、いつもの縁さんぽくないから。私のテストが近いせいだけならいいけど」
つまりはコーヒーブレイク中。
「テスト。なるほど」
「リアルも大事なので」
「だな」
「でも、なるべく早く届けてあげたい。縁さんの都合が悪いなら、全然行くんだけど」
「だけど?」
「なんか、縁さんの態度が気になって」
「黒猫に任せられない案件なのか?」
「大福がここにいる時点で嫌な予感しかしない……」
「なんでだよ。会えたら幸せな猫だと思うけど」
璃桜が、悪戯っぽく笑う。
寧々子にしてみたら逆だ。今までの様子が思い出されて、不甲斐なくなるのだから仕方ない。
「それに黒猫……思ってたより泣き虫だしな。色々心配して来てくれたんだよ」
「泣き虫は、大きなお世話です」
母親からの手紙がない事で泣いてしまった。
今思うと、恥ずかし過ぎてその辺りの話は避けたい。
「素直で可愛かったけど?」
顔が熱い。泣き顔が可愛いみたいな感じの事さらって言われて心の中で毒づいた。
(ぎゃー、忘れてよぉぉぉ)
そんな寧々子の内心とは別で、スッと璃桜が真顔になる。
「黒猫は、この先も手紙屋を続けるの?」
「このエリアの跡継ぎは、私だけだからそのつもり……だよ」
「──縁さんが、居なくなっても?」
「あ……」
思わず、手に力が入ってカップが揺れた。手元に紅茶がかかってしまう。
「手、平気?冷やそう」
璃桜が慌てて、寧々子の手からカップを取り手を握り火傷をしてないか確認をする。
「う、うん。平気。だいぶ冷めてきてたから。そんなに熱くなかった」
紅茶がかかった事よりも、『縁がいなくなる』の一言の方の動揺が酷い。
いつかは、そんな日がくる。
寧々子には、他に身内も親戚もいない。
「ごめん。この先も続けるのか気になっただけで」
「そうですよね。でも、ほら縁さんは、めちゃ若いから……大丈夫」
ガタ、ドタンと大きな音がした。
「え?何」
「大福?」
大福がトトトトと素早く隣りに向かう。
「縁さん?」
璃桜が、慌てて縁の部屋に向かった。
「縁さん、ドア開けますよ?」
寧々子が、璃桜と一緒に部屋に入った時、倒れている縁が見えた。
「縁さん!!」
「落ち着いて、大丈夫。救急車を呼ぶから」
縁が居なくなったら……。
手を握り、「縁さん」と寧々子は呼び続ける。
璃桜が意識確認をして、てきぱきと動いてくれているが、寧々子は何も出来ず動けない。
救急車の音がやっと聞こえて来た。
「大丈夫だから」
病院の待合室で、追いかけて来てくれた璃桜と合流した。
さらに遅れて日向まで来てくれた。
意識が戻った縁は、過労と貧血、しばらく念の為の検査入院となった。
そして、寧々子はその間、鴉間家にお世話になる事になったのだ。
家庭教師の日は、夕食を自然と一緒に取ったりと自然と会話も増えた。だんだんと璃桜の人となりを理解していく。
璃桜が来ると縁も嬉しそうだ。しかも今日は、大福までいる。
「手紙が来てるのが、分かったのかな?」
「黒猫が届けに行くの?」
「ん……分からない。ちょっと縁さんが悩んでて。何となく、いつもの縁さんぽくないから。私のテストが近いせいだけならいいけど」
つまりはコーヒーブレイク中。
「テスト。なるほど」
「リアルも大事なので」
「だな」
「でも、なるべく早く届けてあげたい。縁さんの都合が悪いなら、全然行くんだけど」
「だけど?」
「なんか、縁さんの態度が気になって」
「黒猫に任せられない案件なのか?」
「大福がここにいる時点で嫌な予感しかしない……」
「なんでだよ。会えたら幸せな猫だと思うけど」
璃桜が、悪戯っぽく笑う。
寧々子にしてみたら逆だ。今までの様子が思い出されて、不甲斐なくなるのだから仕方ない。
「それに黒猫……思ってたより泣き虫だしな。色々心配して来てくれたんだよ」
「泣き虫は、大きなお世話です」
母親からの手紙がない事で泣いてしまった。
今思うと、恥ずかし過ぎてその辺りの話は避けたい。
「素直で可愛かったけど?」
顔が熱い。泣き顔が可愛いみたいな感じの事さらって言われて心の中で毒づいた。
(ぎゃー、忘れてよぉぉぉ)
そんな寧々子の内心とは別で、スッと璃桜が真顔になる。
「黒猫は、この先も手紙屋を続けるの?」
「このエリアの跡継ぎは、私だけだからそのつもり……だよ」
「──縁さんが、居なくなっても?」
「あ……」
思わず、手に力が入ってカップが揺れた。手元に紅茶がかかってしまう。
「手、平気?冷やそう」
璃桜が慌てて、寧々子の手からカップを取り手を握り火傷をしてないか確認をする。
「う、うん。平気。だいぶ冷めてきてたから。そんなに熱くなかった」
紅茶がかかった事よりも、『縁がいなくなる』の一言の方の動揺が酷い。
いつかは、そんな日がくる。
寧々子には、他に身内も親戚もいない。
「ごめん。この先も続けるのか気になっただけで」
「そうですよね。でも、ほら縁さんは、めちゃ若いから……大丈夫」
ガタ、ドタンと大きな音がした。
「え?何」
「大福?」
大福がトトトトと素早く隣りに向かう。
「縁さん?」
璃桜が、慌てて縁の部屋に向かった。
「縁さん、ドア開けますよ?」
寧々子が、璃桜と一緒に部屋に入った時、倒れている縁が見えた。
「縁さん!!」
「落ち着いて、大丈夫。救急車を呼ぶから」
縁が居なくなったら……。
手を握り、「縁さん」と寧々子は呼び続ける。
璃桜が意識確認をして、てきぱきと動いてくれているが、寧々子は何も出来ず動けない。
救急車の音がやっと聞こえて来た。
「大丈夫だから」
病院の待合室で、追いかけて来てくれた璃桜と合流した。
さらに遅れて日向まで来てくれた。
意識が戻った縁は、過労と貧血、しばらく念の為の検査入院となった。
そして、寧々子はその間、鴉間家にお世話になる事になったのだ。
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